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地下室2
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意地の悪い笑みを浮かべながら、銀のゴツゴツとした手がスズの長い裾をまくる。素足がひやっとした空気に晒され、スズはそっと奥歯を噛み締めた。
下着を乱暴にとられ、無造作に指を中に入れられる。
湿った音に「この淫売が」と銀が薄ら笑いした。そんなことを罵られても、そこは常に濡れているものなので仕方ないじゃないか、と思う。それとも、他の卵生はなにか違うのだろうか。
銀が無言でスズの頭を掴んで自分の股間に近づけたので、仕方なくスズも銀の裾を割って既に立ち上がっているものに口をつけた。何回やっても慣れない行為だが、これをやらないとスズ自身がもっと痛い目にあうので仕方ない。
一回出してしまえば、多少硬さが減って楽になる気がするので、スズは必死に銀のものを啜り舐めた。
銀の呼吸が荒いものへと変わっていくと、多少の優越感が胸に広がる。威張り散らしている男が、自分の行為で切羽詰まるのは単純に気分がいい。
調子にのって、頬張ったまま吸い上げようとしたところで無理やり剥がされてしまった。一回出させるどころが、これ以上にないほど大きくしてしまった。内心がっかりしていると、銀が舌打ちしながら伸し掛かってきた。
「この性悪が」
銀はスズに会うたびに毎回これを言うが、スズは意味がよくわからない。
スズにとっては、銀は悪い人間に見えているが、銀にとっては、スズが悪く見えるようだ。
「優しくしておくれよ」
情けない声で懇願するが、銀はただ舌打ちを繰りかえしながら、乱暴に腰を進めた。
「ん、ふぅ……」
何回やっても慣れない圧迫感に思わず声が漏れる。とはいえ、ここに来た当初に感じていたこの世の終わりのような痛みはもう感じなくなった。
痛みではない感覚を拾って、うまく現実から逃れる術も。銀が少しでも早く気をやるような振る舞いも。少しでも楽に生きる術だ。
「ん、あぁっ」
腰を打ち付けられ、素直に声を漏らし身を任せる。下手に抗うより身体を開いたほうが辛くない。銀の呼吸が荒くなってきた。コツンと奥を突かれ、息を詰める。反射でキュッと締め付けると、銀が小さく呻く。そのまま熱いものが腹の奥に広がった。
「ひぃ、ん……っ」
じわりと内蔵が熱くなる感覚に、思わず喘いだが熱はすぐに引いていった。腹の中はむしろ凍えそうなほど冷たくなり、スズはそれを慌てて押し出す。
ことり、とスズの尻の穴から小さな灰色の卵が落ちた。白色でさえないその卵を、銀はため息を付きながら懐にしまう。
「また無精卵か。本当にお前は出来損ないだな。錫色の卵しか産めない、スズくんよ」
「……っ!」
綺麗に結われていた髪を鷲掴みにされ、思わず声を上げそうになる。痛みと虚しさで涙が滲むと、銀は満足そうに笑いながらで手を放した。
「そうやって泣いて縋ってりゃいいんだ。そのほうがまだ可愛げがある」
そう言うと、もう興味が失ったように銀は地下室を出ていった。
と同時に部屋の灯りもふっと消される。銀がいるときにしか、この部屋は明かりも灯してもらえない。
髪も服もボロボロのまま、スズは布団に突っ伏して泣いた。
──悔しい。悔しい。悔しい。
こんな暮らし、全然平気だと。
傷ついてなどいないと。
銀の前ではせめて平気なフリをしていることで、なけなしのスズという形を保ってている気がする。
銀はそれを分かっていて、スズが泣いたり、痛がったりすることを喜ぶのだ。
慣れたふりをしたって、こんな生活辛いに決まっている。
明かりもない。娯楽もない、なにより銀以外に話す人もいない。
唯一の救いは、気まぐれに格子に休みに来るユーイだけ。
キジバトと卵生が喋ることが出来ることを他の人間は知らない。内緒にしておくのが得策だとユーイに言われた。
なぜかはスズにも分かる。知られればきっと、スズもキジバトもただでは済まない。
牢獄の中で、圧倒的な暴力と孤独で支配される日々。
今日こそ誰かが助けに来てくれる。
そう信じるのも、流石に疲れた。
命をたつために絶食しようとすると、銀が性交しながら無理やり食べさせてくるのでもうしない。
ただ感情を殺して、淡々と過ごす。
それだけが、スズの唯一の抵抗なのに。それさえ、自分には出来ないのだ。
──本当に、俺は出来損ないだ。
暗闇のなか、スズの泣き声だけが静かに響き渡った。
下着を乱暴にとられ、無造作に指を中に入れられる。
湿った音に「この淫売が」と銀が薄ら笑いした。そんなことを罵られても、そこは常に濡れているものなので仕方ないじゃないか、と思う。それとも、他の卵生はなにか違うのだろうか。
銀が無言でスズの頭を掴んで自分の股間に近づけたので、仕方なくスズも銀の裾を割って既に立ち上がっているものに口をつけた。何回やっても慣れない行為だが、これをやらないとスズ自身がもっと痛い目にあうので仕方ない。
一回出してしまえば、多少硬さが減って楽になる気がするので、スズは必死に銀のものを啜り舐めた。
銀の呼吸が荒いものへと変わっていくと、多少の優越感が胸に広がる。威張り散らしている男が、自分の行為で切羽詰まるのは単純に気分がいい。
調子にのって、頬張ったまま吸い上げようとしたところで無理やり剥がされてしまった。一回出させるどころが、これ以上にないほど大きくしてしまった。内心がっかりしていると、銀が舌打ちしながら伸し掛かってきた。
「この性悪が」
銀はスズに会うたびに毎回これを言うが、スズは意味がよくわからない。
スズにとっては、銀は悪い人間に見えているが、銀にとっては、スズが悪く見えるようだ。
「優しくしておくれよ」
情けない声で懇願するが、銀はただ舌打ちを繰りかえしながら、乱暴に腰を進めた。
「ん、ふぅ……」
何回やっても慣れない圧迫感に思わず声が漏れる。とはいえ、ここに来た当初に感じていたこの世の終わりのような痛みはもう感じなくなった。
痛みではない感覚を拾って、うまく現実から逃れる術も。銀が少しでも早く気をやるような振る舞いも。少しでも楽に生きる術だ。
「ん、あぁっ」
腰を打ち付けられ、素直に声を漏らし身を任せる。下手に抗うより身体を開いたほうが辛くない。銀の呼吸が荒くなってきた。コツンと奥を突かれ、息を詰める。反射でキュッと締め付けると、銀が小さく呻く。そのまま熱いものが腹の奥に広がった。
「ひぃ、ん……っ」
じわりと内蔵が熱くなる感覚に、思わず喘いだが熱はすぐに引いていった。腹の中はむしろ凍えそうなほど冷たくなり、スズはそれを慌てて押し出す。
ことり、とスズの尻の穴から小さな灰色の卵が落ちた。白色でさえないその卵を、銀はため息を付きながら懐にしまう。
「また無精卵か。本当にお前は出来損ないだな。錫色の卵しか産めない、スズくんよ」
「……っ!」
綺麗に結われていた髪を鷲掴みにされ、思わず声を上げそうになる。痛みと虚しさで涙が滲むと、銀は満足そうに笑いながらで手を放した。
「そうやって泣いて縋ってりゃいいんだ。そのほうがまだ可愛げがある」
そう言うと、もう興味が失ったように銀は地下室を出ていった。
と同時に部屋の灯りもふっと消される。銀がいるときにしか、この部屋は明かりも灯してもらえない。
髪も服もボロボロのまま、スズは布団に突っ伏して泣いた。
──悔しい。悔しい。悔しい。
こんな暮らし、全然平気だと。
傷ついてなどいないと。
銀の前ではせめて平気なフリをしていることで、なけなしのスズという形を保ってている気がする。
銀はそれを分かっていて、スズが泣いたり、痛がったりすることを喜ぶのだ。
慣れたふりをしたって、こんな生活辛いに決まっている。
明かりもない。娯楽もない、なにより銀以外に話す人もいない。
唯一の救いは、気まぐれに格子に休みに来るユーイだけ。
キジバトと卵生が喋ることが出来ることを他の人間は知らない。内緒にしておくのが得策だとユーイに言われた。
なぜかはスズにも分かる。知られればきっと、スズもキジバトもただでは済まない。
牢獄の中で、圧倒的な暴力と孤独で支配される日々。
今日こそ誰かが助けに来てくれる。
そう信じるのも、流石に疲れた。
命をたつために絶食しようとすると、銀が性交しながら無理やり食べさせてくるのでもうしない。
ただ感情を殺して、淡々と過ごす。
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