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一生のお願い。
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「一生のお願い。」
忘れられなかった、私の大事なお母さん。
うちの家庭は貧乏だ
このことを知ったのは8歳の時だった。
幼いながらに貧乏ということを察していた私は
お母さんに
「○○買って!」
など言うことはなかった。
でも、当時の私はまだ幼稚で完璧に自分の心を操る
ことが出来なかったのだ、そのため偶に
「○○買って!一生のお願い!!」
と、おもちゃ屋さんで泣いて喚く時もあった。
その時お母さんは不思議なことに全て買ってくれた。
お金もないはずなのになんでだろう?と幼いながらに
疑問に思っていた。
調子に乗っていた私は「一生のお願い」が口癖だった
学年が上がっていくにつれ物欲も上がっていく
周りの子は携帯など自転車など色々なものを持ち始める、それに焦りを感じた私はお母さんにねだることが多くなっていった。
小学生5年生の私は
あと何回「一生のお願い」を言えるのか、など
考えてすらいなかった。
小学五年生の二学期、両親は離婚した。
働かない父を嫌に思った母は離婚届を渡し、一方的に別れを告げた。
私はもちろん、母に着いて行った。
理由は、
『一生のお願い』
を聞いてくれるから、買ってくれるから。
小学六年生の一学期、母に恋人ができた。
相手は大手企業の社長で、お金を沢山もっている。
私は嬉しかった。とってもとーっても嬉しかった。
『一生のお願い』をしなくても頼めばきっと買ってくれる、私は幸せになれる。
はずだった。
母は死んだ。
理由を私は知っている。
「一生のお願い」なんてのが口癖になった私は、父になった再婚相手にも簡単にそれを言うようになっていた。離婚した本当の父親に比べて随分懐が暖かい人だったので、私は母以上にお願いをした。父は嫌な顔ひとつせず欲しいものを与えてくれたし、母が死んでも変わらず愛を向けてくれた。
そして今は疎遠になってしまった父によると、私は母の死をそこまで悲しまなかったという。
聞けば、当時の私は母と「一生のお願い」を交わしたから死んでないんだと言い張って、まるで現実を受け入れない様子だったらしい。
母との思い出は沢山あるのに、その最後のお願いだけは思い出せない。
それを叶えたら、また母は現れてくれるだろうか。
私は何生分ものお願いを母にしてしまった。天国のあなたに、返せることはほとんど無いけれど。生き残された私が向こうへいつかいったら、最後のお願いを聞いてくれるだろうか。
忘れられなかった、私の大事なお母さん。
うちの家庭は貧乏だ
このことを知ったのは8歳の時だった。
幼いながらに貧乏ということを察していた私は
お母さんに
「○○買って!」
など言うことはなかった。
でも、当時の私はまだ幼稚で完璧に自分の心を操る
ことが出来なかったのだ、そのため偶に
「○○買って!一生のお願い!!」
と、おもちゃ屋さんで泣いて喚く時もあった。
その時お母さんは不思議なことに全て買ってくれた。
お金もないはずなのになんでだろう?と幼いながらに
疑問に思っていた。
調子に乗っていた私は「一生のお願い」が口癖だった
学年が上がっていくにつれ物欲も上がっていく
周りの子は携帯など自転車など色々なものを持ち始める、それに焦りを感じた私はお母さんにねだることが多くなっていった。
小学生5年生の私は
あと何回「一生のお願い」を言えるのか、など
考えてすらいなかった。
小学五年生の二学期、両親は離婚した。
働かない父を嫌に思った母は離婚届を渡し、一方的に別れを告げた。
私はもちろん、母に着いて行った。
理由は、
『一生のお願い』
を聞いてくれるから、買ってくれるから。
小学六年生の一学期、母に恋人ができた。
相手は大手企業の社長で、お金を沢山もっている。
私は嬉しかった。とってもとーっても嬉しかった。
『一生のお願い』をしなくても頼めばきっと買ってくれる、私は幸せになれる。
はずだった。
母は死んだ。
理由を私は知っている。
「一生のお願い」なんてのが口癖になった私は、父になった再婚相手にも簡単にそれを言うようになっていた。離婚した本当の父親に比べて随分懐が暖かい人だったので、私は母以上にお願いをした。父は嫌な顔ひとつせず欲しいものを与えてくれたし、母が死んでも変わらず愛を向けてくれた。
そして今は疎遠になってしまった父によると、私は母の死をそこまで悲しまなかったという。
聞けば、当時の私は母と「一生のお願い」を交わしたから死んでないんだと言い張って、まるで現実を受け入れない様子だったらしい。
母との思い出は沢山あるのに、その最後のお願いだけは思い出せない。
それを叶えたら、また母は現れてくれるだろうか。
私は何生分ものお願いを母にしてしまった。天国のあなたに、返せることはほとんど無いけれど。生き残された私が向こうへいつかいったら、最後のお願いを聞いてくれるだろうか。
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