繋がりのさいかい

すずん

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序章

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「さて帰るか。」

仕事が終わって家路につき後もう少しで家というところで何か鼻につくような匂いがして立ち止まる。

この道は比較的賑やかでコンビニもあり、今の時間はそう遅くない事から車や人もまぁまぁ多い。自宅がコンビニを抜けて少し行った所ということもあり、いつもはコンビニで何か買ってから家に帰るというのが俺の日常だった。

なのに今日はコンビニの灯りが寒々しく周囲を照らし周囲から浮いて見えるくらいに人通りが全くない。

得体の知れない不気味さに背筋が寒くなるのを感じながら、匂いの出所はどこだろうと見渡すとコンビニを越えたところの細い路地から細長く続く水たまりが見えた。

ここ最近雨は小降りで水たまりが出来るほどじゃない。しかも今日は晴れだし、洗車が出来るような場所じゃないし水たまりが出来る要素がない。

頭のどこかで危険を知らせる何かが作動していたようにも思うが、それに気付かぬふりをしながらそれに近づく。近づくにつれ街灯の灯りで水たまりの色が不透明である事に気付き、次の瞬間匂いの元がそこである事とそれが血溜まりであることに気付いた。

「やばい!人が倒れているかもしれない!」

そう言いながら半ば反射的に近づき路地を覗き込んだ瞬間、身体が動かなくなった。

見えた状況に衝撃を受けたからではない。いや、衝撃は受けたが本当に動かなくなったのだ。

(なんだこれ、身体が動かない。いや、それよりもコレは現実なのか!?)

あまりの事に現状を認識しようとする事で一杯一杯だった。

目の前で起きているコレとは幅3mくらいの小道の幅いっぱい、奥行きが5mほどの血溜まりに少し浮いたところに2人の人影。

その人影はなにかを話し合っているようでしきりに頷いたり首を振ったりしていた。

(浮いてる??なにを話してるんだ?いや、それよりも・・・)

目を引いたのがその風貌。

街灯に照らされたその人影には本来人にあるべき場所に耳がなく、まるで動物のように1人は猫耳に酷似したものがあり、猫のような細い尻尾で先が分かれたものがついていた。

もう1人は猫耳のようなものが付いているのは同じだが、こちらは耳の先に長い毛が生えていて他にもう二種類、丸みを帯びた黒い線のようなものが入ったものと丸みがあって毛玉のようにフサフサな小さめの耳と計三種類の耳があり、こちらは猫のような尻尾とライオンのような細い尻尾の先に筆のような毛がついている尻尾の二本が付いていた。

そこまで認識できても身体は一向に動かない。かろうじて眼球が少し動く位だ。

(なんだよ、なんなんだよ!!このの間のアレといいどうなってんだ!?てか、猫又か!?猫又なのか!??もう訳わかんねぇ。)

パニックになりながらどうにか体を動かそうと試行錯誤していると後ろから男の声が聞こえた。

「おい、がいるぞ?こいつもなのか?」
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