繋がりのさいかい

すずん

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序章

3

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「おい、がいるぞ?こいつもなのか?」

そう言った男の声に振り向く異形の2人。

街灯の影になってその顔を見る事は出来ないが、猫のような目だけが光りこちらを見つめて驚いているのがわかった。

(目が光ってる?瞳も猫みたいだ。。。って、え?まて、今、、今なんて言った???まだ??まだって、、おい、まさか・・・しかもって。・・・嘘だろ・・・)

目の前の血溜まり、その血を流した姿の見えない主、という言葉と異形の存在。それらから連想されるのは最悪の結末しか浮かばなかった。

(嫌だ!死にたくない!!)

必死に体を動かし逃げようとするもピクリともしない身体。そして自分に近づく2対の目。

(くそっ!くそっ!!)

どんなに頑張っても身体は動かない。そうこうしているうちについに目の前まで来た二対の目はいつの間にか3対になっていた。

増えた目は恐らくは先ほど後ろで声を出した存在だろう。

相変わらず逆光でよく見えないが、猫っぽい存在二つと違いこの存在は犬のような上半身と尾を持っているようなのがシルエットでわかった。

猫っぽい存在は興味深そうな目で、犬っぽい存在はどこか不遜な態度でこちらを見ているのをその視線から感じる。

(もうだめなのか・・・?)

そう思った瞬間、3対の耳を持った猫っぽい存在が動き柊の匂いを嗅ぎ始める。もうダメかと思い目をつぶり息を飲んでいるもなにも起こらない。ただ、フンフンと鼻を鳴らす音に合わせてなにかが柊に当たり少しくすぐったい感じがするだけだ。

(なんだ??)

恐る恐る目を開けると細い弾力性のある毛が数本こちらに当たっているのがわかった。

(あぁ、目だけじゃなくて猫みたいヒゲまであるんだ)

あまりにも非日常的な恐怖に麻痺してきたのか、ぼんやりとそんな事を考えて視界のギリギリに写る三対の猫耳を凝視する。

(匂いまで猫みたいに陽だまりの匂いがする)

そして釣られるかのようにスンスンと三対の猫耳の匂いを嗅ぐと相手がビクッとして柊を見つめる。

その時、逆光だったためよく見えなかった三対の猫耳の顔が街灯に照らされよく見えるようになった。

(え?女の子??しかもかわいい)

少しエキゾチックなアイラインのせいか少しつり目に見えるクリッとした大きく丸い眼。その色は透き通るような薄い青でその向こうに心なしかオレンジ色の靄がユラユラを動いているように見えた。

そして色白の細い首筋の下にちらっと見えた膨らみ。いつかやったことのある格ゲーの猫キャラのようにその部分は毛で覆われていたが確かに女性的なものだった。

もっと観たかったが彼女はすぐに元の位置に戻ったためまた逆光で見えなくなってしまった。

少し残念な気持ちと自分で自分を褒めたいくらい一瞬でそこまで観れたと事に謎の充実感と余裕ができてきたその時、周囲が不協和音を奏で出した。

その音に耳をピクッと動かした犬っぽい存在。

「おい、どうなんだ?コレも候補ならさっさと

・・・」

そわそわと尾を動かし始め、猫っぽい存在二つに話しかける。

「今回は不要だ。要件は済んだ。戻るぞ」

話を半ば切り上げるように少しハスキーな声で彼女が返事をした。

その様子を見たもう片方の猫っぽい存在が

「ニャハハーイ!じゃ、準備しまーす!人間さんまたニャ!また会うのを楽しみにしてるニャー!次回は・・・」

「余計な事は言わなくていい。さっさと行くぞ。」

と、おどけた様子で柊に声をかけるも三対の耳の彼女がそれを遮る。

それに対して若干の不平を零しながらもおどけた様子を変えることなく何事かゴソゴソしたあと、ブォンという音とともに空間に丸いガラスのようなものが現れた。

大きさはアパートのドアくらい?まるで水面のように波打っているようでその向こうに映る景色が歪んで見える。

(次?次ってなんだよ。。。)

少し余裕が出来て来たとはいえ、状況も言葉の意味も理解を超えていた。それでもなんとか理解しようとしていた柊をよそに3つの存在は背を向け歪みの中に消えて行った。

相変わらず身体が動かないままその場に取り残され、不協和音が大きくなるにつれどこからか現れた闇の霧のような現れ深まっていく。街灯すらその闇に飲まれたあと柊自身も闇に飲まれた所で柊は意識を失った。
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