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第九十八話 意味が分かりません…
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皇帝陛下にお菓子をいっぱい頂いて、カイルは終始ご機嫌だった。
陛下がまるで自分の孫のように接してくれたのも、嬉しかったのかもしれない。
もともと人懐っこいカイルは、すぐに陛下にもなついていた。
そんな時間を過ごして少し疲れたのか、カイルは帰りの馬車にのると、すぐにうとうとし始めた。
「カイル様の養子の件がすぐに承認されて良かったですね」
アメリーの言葉に、私は頷いた。
「そうですね、少し安心しました」
アメリーはカイルが赤ん坊の頃から面倒を見ていたというから、彼女もきっと安心したことだろう。
皇帝がファーレンハイト家の養子を認めたという話は明日にでも布告されるので、カイルは正式に公子となり、もう誰かが来るたびに隠れたり演技をする必要はなくなる。
それはカイルにとっても、そして私にとっても嬉しいことだった。
誰かが来るたびに、カイルを隠さなければいけない、カイルに嘘をつかせなくてはいけないということは、いつも心を少し重くしていた。
きっと、ラウル様も同じ気持ちだったに違いない。
ただ、帰りの馬車でのラウル様はとても無口だった。
たぶん、明日のことを考えているのだろう。
今日はカイルがいるということもあり、皇軍の話は一切出なかった。
そのことが、かえって不気味に感じられたのだけど、ラウル様も同じように感じているのかもしれない。
そして翌日、私はラウル様が『嫌な予感しかしない』と言った言葉を再び思い出すことになったのだった。
翌日の謁見には、私とラウル様の二人だけで行くことになった。
想定される話の内容的に、アメリーは連れて行かない方が良いとラウル様が判断したからだった。
そして想定したとおり、皇帝陛下はいきなり私たち夫婦を固まらせるようなことを言った。
「発令は建国式初日の午前、午後に親任式という流れでいく。すでにその予定で手配しているから、心配はいらないよ」
にこにこと笑う陛下の前で、私たちはしばらく言葉を失った。
その沈黙を何とか破ってくれたのはラウル様だった。
「あの…皇女は年内という話ではないと言っておりましたが。来年の建国祭の話をされておられますか?」
「まさか。5日後の建国祭のことだよ」
私は混乱しそうになる思考を、何とか整理してみる。
要するに、当初は来年の話になるということだったラウル様の皇軍司令官への就任が、5日後に早まったということだ。
(いくら何でも早まりすぎじゃない…)
「皇軍の制服も建国祭当日に間に合わせるように指示しているから大丈夫よ。あと、シャーレットも建国祭初日のドレスの色は白ね」
「え……白……なぜですか?」
白は皇族かそれに準ずる者しか身につけてはいけないとされている色だ。
世間のことに疎い私でも、それぐらいのことは知っている。
皇族の血縁である公爵家の者でさえ、許可なしに身につけることはできない。
私の頭の中は、軽くどころかかなり混乱した。
「ラウルの制服が白だから、合わせたほうがいいでしょ。デザイナーには言ってあるから大丈夫」
「いえ、意味が分かりません…」
頭を抱えたくなった。
これはラウル様の制服が白だから私のドレスもそれに合わせて白という単純な話ではない。
ラウル様の制服だって、本来は他の皇軍の騎士たちと同じ黒のはずだ。
ラウル様はともかくとして、なぜ皇族でもない私が、白い服を着なければならないのだろう…。
混乱する私に、皇女様が説明してくれる。
「つまり、ラウルが皇軍の司令官に任命されるということは、現在の憲法下では準皇族扱いになる。そしてシャーレットはその夫人だから、同じく準皇族ということになるの」
「はぁ…」
「名目上のことだから、そんなに深刻に捉えないで」
名目上のことと言われても、現実的に名目だけではないことが分かる。
私とラウル様は、全自動洗濯機に放り込まれた洗濯物のようだった。
昨日は黒髪のフライドチキンおじさんに見えた陛下が、今はタヌキにしか見えなくなっている。
「建国祭当日には、皇帝の性別に関する憲法審議委員会を発足させるつもりだ。女帝になっても皇軍と警察のトップは男だということになっていれば、貴族も平民も抵抗なく憲法改正の議論に入れるだろう」
皇帝の言っていることの意味は理解できる。
確かに、憲法審議会の発足と同時に皇軍の司令官の職位が新設されれば、国民は「女帝に皇軍がまとめられるのか」という問題から解放され、憲法改正を受け入れやすくなるはずだ。
(ただ、ラウル様の意思がまったく無視されているのは…)
ラウル様は諦めたのか、ため息をつき口を開いた。
いずれ任官されることは分かっているのだから、多少早まっても受け入れるしかないと考えたのだろう。
「分かりました。ただ、正式な着任は夏以降に伸ばしてもらえると助かります。私も一度、領地に戻らないといけませんので」
「それは構わんよ。とにかく形が整えばよろしい。実務的なことは、正式な着任まで私がつとめれば済む話だからな」
「ありがとうございます」
「ただ、憲法審議会の会議には、なるべく参加するように。月に一度程度のことになるだろうから」
「……分かりました」
憲法審議会のたびに北部と首都を行き来するのは難しいだろうから、結局、夏を待たずに首都に引っ越す必要があるということだった。
ラウル様はさまざまな予定を、一から考え直さなくてはならない。
これだけ私たちを振り回しておいて、皇帝も皇女様も、全く悪びれる様子はなかった。
「憲法審議会のメンバーは、帝国の全公爵家・侯爵家、伯爵家の代表で貴族側が20名、平民からも各分野の代表20名を選抜する予定だ。審議会で憲法改正の草案を作り、それを可決したら国民投票になる」
憲法改正の国民投票は、帝国の平民が政治に参加できる数少ない機会だ。
皇女様が皇帝になるためには、最終的には平民・貴族を問わず、どれだけの帝国民を味方につけられるかにかかっている。
「会議での話し合いは表面上のもので、実際には水面下での票の取り合いになると思う」
リリア皇女様が口を挟んだ。
国民投票にまで持ち込むには、まず審議会で憲法改正案を議決する必要がある。
「他の3公爵家がどういう動きをするかを確認しておく必要があるな。適法ギリギリの方法を使ってくる可能性もあるぞ」
憲法改正に反対するとすれば、皇位継承権のあるファーレンハイト家以外の公爵家だろう。
「その辺りは、ラウルに任せておけば大丈夫よね?」
皇女様がまた無茶振りをするので、ラウル様の表情が固まった。
「少し人使いが荒すぎませんか?」
「期待してるのよ。失敗できないから」
「できる限りのことはしますが…」
「それで十分よ。よろしくね」
陛下がまるで自分の孫のように接してくれたのも、嬉しかったのかもしれない。
もともと人懐っこいカイルは、すぐに陛下にもなついていた。
そんな時間を過ごして少し疲れたのか、カイルは帰りの馬車にのると、すぐにうとうとし始めた。
「カイル様の養子の件がすぐに承認されて良かったですね」
アメリーの言葉に、私は頷いた。
「そうですね、少し安心しました」
アメリーはカイルが赤ん坊の頃から面倒を見ていたというから、彼女もきっと安心したことだろう。
皇帝がファーレンハイト家の養子を認めたという話は明日にでも布告されるので、カイルは正式に公子となり、もう誰かが来るたびに隠れたり演技をする必要はなくなる。
それはカイルにとっても、そして私にとっても嬉しいことだった。
誰かが来るたびに、カイルを隠さなければいけない、カイルに嘘をつかせなくてはいけないということは、いつも心を少し重くしていた。
きっと、ラウル様も同じ気持ちだったに違いない。
ただ、帰りの馬車でのラウル様はとても無口だった。
たぶん、明日のことを考えているのだろう。
今日はカイルがいるということもあり、皇軍の話は一切出なかった。
そのことが、かえって不気味に感じられたのだけど、ラウル様も同じように感じているのかもしれない。
そして翌日、私はラウル様が『嫌な予感しかしない』と言った言葉を再び思い出すことになったのだった。
翌日の謁見には、私とラウル様の二人だけで行くことになった。
想定される話の内容的に、アメリーは連れて行かない方が良いとラウル様が判断したからだった。
そして想定したとおり、皇帝陛下はいきなり私たち夫婦を固まらせるようなことを言った。
「発令は建国式初日の午前、午後に親任式という流れでいく。すでにその予定で手配しているから、心配はいらないよ」
にこにこと笑う陛下の前で、私たちはしばらく言葉を失った。
その沈黙を何とか破ってくれたのはラウル様だった。
「あの…皇女は年内という話ではないと言っておりましたが。来年の建国祭の話をされておられますか?」
「まさか。5日後の建国祭のことだよ」
私は混乱しそうになる思考を、何とか整理してみる。
要するに、当初は来年の話になるということだったラウル様の皇軍司令官への就任が、5日後に早まったということだ。
(いくら何でも早まりすぎじゃない…)
「皇軍の制服も建国祭当日に間に合わせるように指示しているから大丈夫よ。あと、シャーレットも建国祭初日のドレスの色は白ね」
「え……白……なぜですか?」
白は皇族かそれに準ずる者しか身につけてはいけないとされている色だ。
世間のことに疎い私でも、それぐらいのことは知っている。
皇族の血縁である公爵家の者でさえ、許可なしに身につけることはできない。
私の頭の中は、軽くどころかかなり混乱した。
「ラウルの制服が白だから、合わせたほうがいいでしょ。デザイナーには言ってあるから大丈夫」
「いえ、意味が分かりません…」
頭を抱えたくなった。
これはラウル様の制服が白だから私のドレスもそれに合わせて白という単純な話ではない。
ラウル様の制服だって、本来は他の皇軍の騎士たちと同じ黒のはずだ。
ラウル様はともかくとして、なぜ皇族でもない私が、白い服を着なければならないのだろう…。
混乱する私に、皇女様が説明してくれる。
「つまり、ラウルが皇軍の司令官に任命されるということは、現在の憲法下では準皇族扱いになる。そしてシャーレットはその夫人だから、同じく準皇族ということになるの」
「はぁ…」
「名目上のことだから、そんなに深刻に捉えないで」
名目上のことと言われても、現実的に名目だけではないことが分かる。
私とラウル様は、全自動洗濯機に放り込まれた洗濯物のようだった。
昨日は黒髪のフライドチキンおじさんに見えた陛下が、今はタヌキにしか見えなくなっている。
「建国祭当日には、皇帝の性別に関する憲法審議委員会を発足させるつもりだ。女帝になっても皇軍と警察のトップは男だということになっていれば、貴族も平民も抵抗なく憲法改正の議論に入れるだろう」
皇帝の言っていることの意味は理解できる。
確かに、憲法審議会の発足と同時に皇軍の司令官の職位が新設されれば、国民は「女帝に皇軍がまとめられるのか」という問題から解放され、憲法改正を受け入れやすくなるはずだ。
(ただ、ラウル様の意思がまったく無視されているのは…)
ラウル様は諦めたのか、ため息をつき口を開いた。
いずれ任官されることは分かっているのだから、多少早まっても受け入れるしかないと考えたのだろう。
「分かりました。ただ、正式な着任は夏以降に伸ばしてもらえると助かります。私も一度、領地に戻らないといけませんので」
「それは構わんよ。とにかく形が整えばよろしい。実務的なことは、正式な着任まで私がつとめれば済む話だからな」
「ありがとうございます」
「ただ、憲法審議会の会議には、なるべく参加するように。月に一度程度のことになるだろうから」
「……分かりました」
憲法審議会のたびに北部と首都を行き来するのは難しいだろうから、結局、夏を待たずに首都に引っ越す必要があるということだった。
ラウル様はさまざまな予定を、一から考え直さなくてはならない。
これだけ私たちを振り回しておいて、皇帝も皇女様も、全く悪びれる様子はなかった。
「憲法審議会のメンバーは、帝国の全公爵家・侯爵家、伯爵家の代表で貴族側が20名、平民からも各分野の代表20名を選抜する予定だ。審議会で憲法改正の草案を作り、それを可決したら国民投票になる」
憲法改正の国民投票は、帝国の平民が政治に参加できる数少ない機会だ。
皇女様が皇帝になるためには、最終的には平民・貴族を問わず、どれだけの帝国民を味方につけられるかにかかっている。
「会議での話し合いは表面上のもので、実際には水面下での票の取り合いになると思う」
リリア皇女様が口を挟んだ。
国民投票にまで持ち込むには、まず審議会で憲法改正案を議決する必要がある。
「他の3公爵家がどういう動きをするかを確認しておく必要があるな。適法ギリギリの方法を使ってくる可能性もあるぞ」
憲法改正に反対するとすれば、皇位継承権のあるファーレンハイト家以外の公爵家だろう。
「その辺りは、ラウルに任せておけば大丈夫よね?」
皇女様がまた無茶振りをするので、ラウル様の表情が固まった。
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