29 / 92
第1章 Rain of Hail
28.「顔のない男」
しおりを挟む
夢を、見た。
「ロー兄さん、あのね、笑わないでね……」
「……また怖い話を読んで、トイレに行けなくなったの?本当に仕方ないな、ロブは」
あの日、寝る時間をとっくに過ぎても寝れなくて、8つ年上のロー兄さんに泣きついたんだっけ。
「ロー、お前、幽霊が苦手だったんじゃないのか?」
「……心配するなら、兄さんが行ってくれると助かるんだけど」
「何を言っているんだ。私もあのくらいには、一人で肝試しすら完璧にやってみせたとも」
ロジャー兄さんは僕より12歳も上だから、この時はもう軍に所属していたかもしれない。
「あら、でもこの子、まだ6歳じゃない。6歳なら、あなたも充分に怖がりだったんじゃなくて?」
「……ふん、そんな昔の話、いちいち覚えていられるか」
ロジャー兄さんには既に妻がいた。もっとも、制度がややこしいという理由で事実婚か……婚約の段階だった気もする。
ローザという名で、家族のように育った幼馴染……といった感じだ。その家とは家族ぐるみの付き合いがあるから、ロジャー兄さんが久しぶりに帰ってきた時は、僕が夜に起きてきてもホームパーティーのように賑やかだった。
「レイ、君の息子は随分と立派に見えるね。時代が時代なら、ナポ公でも吹っ飛ばせたのではないかい?」
「おいおい、ロイ。流石に誇大広告すぎる。私の息子だ。せいぜいが3世の軍勢に遅れを取らないくらいだ」
「まあ、たかがあの国の将軍だがね。知っているかい?豚に奴の名前を付けると罪に問われるんだとか!」
父さんたちはとっくに酔いが回っているらしく、母さんは確か、呆れたようにため息をついていた。
「ロッドは寝てるの?」
「ロッド兄さんは、なんか……すねてた」
「ロデリック、よっぽど悔しかったのねぇ。チェスには自信があったのかしら。まあでも、あなたも大人げないわ」
「何を言うんだ。子供のうちから厳しさを知らせておくのも、優しさというものだよ」
「……俺にもその優しさを向けてるってことだよね?」
「勿論だ。なかなか飲み込みが早いじゃないか、ロー」
そこで、黙って見守っていたーー兄さんが、声をかけてきた。
「私がついて行ってあげようか?」
「……!いや、俺が行くよ。ーー兄さんも久しぶりに妹たちと会えたんだし」
「その割には、ロデリックは素っ気ない。まるで僕よりローランドを兄扱いしてるみたいじゃないか」
どうしてだろう、和やかな風景だと記憶しているはずなのに。
どうして、どこか恐ろしく感じているんだろう。
そう言えば、
ーー兄さんって、どんな顔してたっけ?
「ーー、拗ねているのはむしろ、お前のほうだろ」
「そんなことはないよ。ローランドが好かれるのは当たり前だからね」
再現された記憶の中、顔がわからない男が一人いる。
ローザ姉さんの兄で、ロッド兄さんは忘れがちだけどそっちの家の血筋で、だから、顔自体は簡単に思い浮かべられる、はずなのに……
この人、どんな顔してたっけ?
……あれ?ロッド兄さんって元から僕らと同じハリス家だったっけ?
ローザ姉さんは、一番上の兄さんの妻で、
……あれ、一番上の兄さんの名前ってなんだっけ。なんで突然忘れたんだろう。ああ、そうだ、さっきまでちゃんと覚えてたじゃないか。
ロナルド兄さんって。
***
まずいことになった。
この身体の本来の持ち主、ロバートになにか起こったらしい。
「……君、どっち?」
目の前の男……カミル、いや、カミーユだったか?とにかく彼は、状況を察せたようだ。
「キース……いや、コルネリスの方だよ」
「ロバートくんは?」
「突然、反応がなくなって……」
「…………そう」
すると、唐突に彼は銃を突きつけてきた。
「何を……」
「「殺人絵師」なんて噂になってる僕が、君に何もしないって保証、ある?」
真顔だ。海の底のように暗くて冷たい瞳が、こちらを見ている。
「だから、逃げてもいいって言ったのに……」
「何を考えて……!」
「いいから。その肉体を、使いたい人がいるみたいでさ」
信用できない男だと、ロバートもわかっていたはずで、それなのに絆されて油断をーー
「いつから隠れてたの?…………ハリス……いや、本名は違うんだっけ?」
その瞬間、足元で何かが蠢いた。
影だ。僕の……違う、「ロバート」の影……でもない。
重い。まるで足を引っ張られているみたいだ。
いや、まるで、じゃない。
僕の足を引っ張って、「そいつ」は立ち上がった。何事も無かったかのように人の形を成して、それでも真っ黒な何も無い顔で、 確かにニタリと笑った。
「隠れてなんかない。そこいらにいたじゃないか」
「……そうだね。君の噂は確か、「どこにでもいつの間にか紛れ込んでいる大嘘つき」だし」
「はは、酷い言われようだ。……嘘を嘘だと見抜けない連中が多いというだけの話だよ」
得体の知れない何かの嘲笑。確かに、僕も死人だ。とっくの昔に亡霊だというのに、
「死」の恐怖を、感じる。
「僕には理屈はわからないけど……君、何かしたよね?」
「不用意に隙を晒すからだよ。……ロバートは中退だから、護身術すらろくに身につかなかったんだろうね」
こいつは誰で、何が目的で、ロバートはどうして反応しないのか。
身体が、動かない。
カミーユは、カチャリと引き金に指をかけ……何故か、そのまま銃を下ろした。
「…………聞いておきたいんだけどさ。何がしたいの?君」
「ああ……カミーユ。残念ながら、君には理解できないようなことだよ」
怖い。
正体も、目的も、手段も、何一つわからない。
何なんだ、こいつは。
「…………ロナルド兄さん?」
ようやく、ロバートが口を開いた。
本来これは「僕」……ああ、「ロバート」の身体だから、ええと、僕がロバートで、この影は……
『ロジャー・ハリスは、どんな男だった?』
不安そうに揺れる、翡翠の瞳を思い出す。
「久しぶりだねロバート。元気にしていたかい?」
黒髪でオールバック。優しそうな笑顔と、ヘーゼルの瞳。「兄さん」として、優しい声をかけられる。
「騙されてはいけないよ。この絵描きはね、過去に大きな罪を犯している」
「……ロジャー兄さんは、こういう時、「こんな胡散臭い男に絆されるとは、お前もつくづく子供だな」って言うよ」
「ロバート」の言葉で、何かに亀裂が入った。
「……君は、ロジャーのことを嫌っていたじゃないか」
「ロジャー兄さんの真似のつもりだったの?全然似てな……」
「君はロジャーがどんな人間だったか覚えているのかい?大して興味もなかったくせに?本当に「ロジャーの方が信用できる」なんて……どの口が言えるのかな?」
まくし立てるように、責められる。
「…………ロジャー兄さんのことは大嫌いだよ。でも、あんな腐った家から抜け出したのは正しかったと思ってる」
「何をバカバカしいことを……それは、自分にできなかったことをしたから兄を嫌っていると……自分の愚かしさを告白しているようなものだよ?」
「……え?そうだけど?」
どんな理由をつけたところで、僕がロジャー兄さんを嫌うのは、まあ……結局のところ、羨ましいからだ。尊敬していないと言ったら嘘になるし。
コルネリスは、変に補完してしまったみたいだけど。
「…………ああ、揃いも揃って気に食わない」
「えーと……何が?」
「思い通りに動かないところが、じゃないの?」
くす、と笑ったカミーユがまた銃を構え……空砲が、鳴り響いた。
瞬間、暗闇から現れた「何か」が、僕の背後に立った影を組み伏せる。
「……よくわかったよ……。……いつか、君も思い知るだろうね」
地面に溶けるかのように、「顔のない男」の身体が消えていく。
大きく舌打ちをしながら……殺意をあらわにした「そいつ」は体を起こした。
「……は?」
見覚えのある顔だった。しかも、会いたくない顔。
「なんで君がここに……」
「おめーよぉ……助けられたんならなんかあんだろ!ほら、メシおごるとか、かわい子ちゃん紹介するとか?」
「え、僕助けられたの?」
「知らねぇよそこのゲージュツカが呼んだからきたんだよ!でも成り行きだけどこれ助けてね!?なぁ……おい何笑ってんだよオカマ」
「……ん?何?よく聞こえなかったかな。僕君と違って野生的な聴力もバカみたいな発想もないから」
「おう、いっぺん死んでくっか?」
何となく気が抜けたけど、コルネリスが何か言いたそうだったので、言わせておいた。
「……君……思ったより図太いだろ……」
「そんなことないよ……。あ、でも、実家絡みのことになると……まあ確かにそんなことも有り得るかもなぁって……」
「…………え、どんな家?」
……え、どんな平和な家で育ったの?コルネリス。
「ロバートくん、違う。たぶん君の方がおかしい」
うん、こいつにだけは言われたくなかった。
しかも幽霊よりおかしいって……。
…………いや、まあ、うん、確かに身内に自殺者とか殺された人がいる時点でおかしいか……。
***
もう、逃げる機会はない。
……残念だよ、ロバート。
「ロー兄さん、あのね、笑わないでね……」
「……また怖い話を読んで、トイレに行けなくなったの?本当に仕方ないな、ロブは」
あの日、寝る時間をとっくに過ぎても寝れなくて、8つ年上のロー兄さんに泣きついたんだっけ。
「ロー、お前、幽霊が苦手だったんじゃないのか?」
「……心配するなら、兄さんが行ってくれると助かるんだけど」
「何を言っているんだ。私もあのくらいには、一人で肝試しすら完璧にやってみせたとも」
ロジャー兄さんは僕より12歳も上だから、この時はもう軍に所属していたかもしれない。
「あら、でもこの子、まだ6歳じゃない。6歳なら、あなたも充分に怖がりだったんじゃなくて?」
「……ふん、そんな昔の話、いちいち覚えていられるか」
ロジャー兄さんには既に妻がいた。もっとも、制度がややこしいという理由で事実婚か……婚約の段階だった気もする。
ローザという名で、家族のように育った幼馴染……といった感じだ。その家とは家族ぐるみの付き合いがあるから、ロジャー兄さんが久しぶりに帰ってきた時は、僕が夜に起きてきてもホームパーティーのように賑やかだった。
「レイ、君の息子は随分と立派に見えるね。時代が時代なら、ナポ公でも吹っ飛ばせたのではないかい?」
「おいおい、ロイ。流石に誇大広告すぎる。私の息子だ。せいぜいが3世の軍勢に遅れを取らないくらいだ」
「まあ、たかがあの国の将軍だがね。知っているかい?豚に奴の名前を付けると罪に問われるんだとか!」
父さんたちはとっくに酔いが回っているらしく、母さんは確か、呆れたようにため息をついていた。
「ロッドは寝てるの?」
「ロッド兄さんは、なんか……すねてた」
「ロデリック、よっぽど悔しかったのねぇ。チェスには自信があったのかしら。まあでも、あなたも大人げないわ」
「何を言うんだ。子供のうちから厳しさを知らせておくのも、優しさというものだよ」
「……俺にもその優しさを向けてるってことだよね?」
「勿論だ。なかなか飲み込みが早いじゃないか、ロー」
そこで、黙って見守っていたーー兄さんが、声をかけてきた。
「私がついて行ってあげようか?」
「……!いや、俺が行くよ。ーー兄さんも久しぶりに妹たちと会えたんだし」
「その割には、ロデリックは素っ気ない。まるで僕よりローランドを兄扱いしてるみたいじゃないか」
どうしてだろう、和やかな風景だと記憶しているはずなのに。
どうして、どこか恐ろしく感じているんだろう。
そう言えば、
ーー兄さんって、どんな顔してたっけ?
「ーー、拗ねているのはむしろ、お前のほうだろ」
「そんなことはないよ。ローランドが好かれるのは当たり前だからね」
再現された記憶の中、顔がわからない男が一人いる。
ローザ姉さんの兄で、ロッド兄さんは忘れがちだけどそっちの家の血筋で、だから、顔自体は簡単に思い浮かべられる、はずなのに……
この人、どんな顔してたっけ?
……あれ?ロッド兄さんって元から僕らと同じハリス家だったっけ?
ローザ姉さんは、一番上の兄さんの妻で、
……あれ、一番上の兄さんの名前ってなんだっけ。なんで突然忘れたんだろう。ああ、そうだ、さっきまでちゃんと覚えてたじゃないか。
ロナルド兄さんって。
***
まずいことになった。
この身体の本来の持ち主、ロバートになにか起こったらしい。
「……君、どっち?」
目の前の男……カミル、いや、カミーユだったか?とにかく彼は、状況を察せたようだ。
「キース……いや、コルネリスの方だよ」
「ロバートくんは?」
「突然、反応がなくなって……」
「…………そう」
すると、唐突に彼は銃を突きつけてきた。
「何を……」
「「殺人絵師」なんて噂になってる僕が、君に何もしないって保証、ある?」
真顔だ。海の底のように暗くて冷たい瞳が、こちらを見ている。
「だから、逃げてもいいって言ったのに……」
「何を考えて……!」
「いいから。その肉体を、使いたい人がいるみたいでさ」
信用できない男だと、ロバートもわかっていたはずで、それなのに絆されて油断をーー
「いつから隠れてたの?…………ハリス……いや、本名は違うんだっけ?」
その瞬間、足元で何かが蠢いた。
影だ。僕の……違う、「ロバート」の影……でもない。
重い。まるで足を引っ張られているみたいだ。
いや、まるで、じゃない。
僕の足を引っ張って、「そいつ」は立ち上がった。何事も無かったかのように人の形を成して、それでも真っ黒な何も無い顔で、 確かにニタリと笑った。
「隠れてなんかない。そこいらにいたじゃないか」
「……そうだね。君の噂は確か、「どこにでもいつの間にか紛れ込んでいる大嘘つき」だし」
「はは、酷い言われようだ。……嘘を嘘だと見抜けない連中が多いというだけの話だよ」
得体の知れない何かの嘲笑。確かに、僕も死人だ。とっくの昔に亡霊だというのに、
「死」の恐怖を、感じる。
「僕には理屈はわからないけど……君、何かしたよね?」
「不用意に隙を晒すからだよ。……ロバートは中退だから、護身術すらろくに身につかなかったんだろうね」
こいつは誰で、何が目的で、ロバートはどうして反応しないのか。
身体が、動かない。
カミーユは、カチャリと引き金に指をかけ……何故か、そのまま銃を下ろした。
「…………聞いておきたいんだけどさ。何がしたいの?君」
「ああ……カミーユ。残念ながら、君には理解できないようなことだよ」
怖い。
正体も、目的も、手段も、何一つわからない。
何なんだ、こいつは。
「…………ロナルド兄さん?」
ようやく、ロバートが口を開いた。
本来これは「僕」……ああ、「ロバート」の身体だから、ええと、僕がロバートで、この影は……
『ロジャー・ハリスは、どんな男だった?』
不安そうに揺れる、翡翠の瞳を思い出す。
「久しぶりだねロバート。元気にしていたかい?」
黒髪でオールバック。優しそうな笑顔と、ヘーゼルの瞳。「兄さん」として、優しい声をかけられる。
「騙されてはいけないよ。この絵描きはね、過去に大きな罪を犯している」
「……ロジャー兄さんは、こういう時、「こんな胡散臭い男に絆されるとは、お前もつくづく子供だな」って言うよ」
「ロバート」の言葉で、何かに亀裂が入った。
「……君は、ロジャーのことを嫌っていたじゃないか」
「ロジャー兄さんの真似のつもりだったの?全然似てな……」
「君はロジャーがどんな人間だったか覚えているのかい?大して興味もなかったくせに?本当に「ロジャーの方が信用できる」なんて……どの口が言えるのかな?」
まくし立てるように、責められる。
「…………ロジャー兄さんのことは大嫌いだよ。でも、あんな腐った家から抜け出したのは正しかったと思ってる」
「何をバカバカしいことを……それは、自分にできなかったことをしたから兄を嫌っていると……自分の愚かしさを告白しているようなものだよ?」
「……え?そうだけど?」
どんな理由をつけたところで、僕がロジャー兄さんを嫌うのは、まあ……結局のところ、羨ましいからだ。尊敬していないと言ったら嘘になるし。
コルネリスは、変に補完してしまったみたいだけど。
「…………ああ、揃いも揃って気に食わない」
「えーと……何が?」
「思い通りに動かないところが、じゃないの?」
くす、と笑ったカミーユがまた銃を構え……空砲が、鳴り響いた。
瞬間、暗闇から現れた「何か」が、僕の背後に立った影を組み伏せる。
「……よくわかったよ……。……いつか、君も思い知るだろうね」
地面に溶けるかのように、「顔のない男」の身体が消えていく。
大きく舌打ちをしながら……殺意をあらわにした「そいつ」は体を起こした。
「……は?」
見覚えのある顔だった。しかも、会いたくない顔。
「なんで君がここに……」
「おめーよぉ……助けられたんならなんかあんだろ!ほら、メシおごるとか、かわい子ちゃん紹介するとか?」
「え、僕助けられたの?」
「知らねぇよそこのゲージュツカが呼んだからきたんだよ!でも成り行きだけどこれ助けてね!?なぁ……おい何笑ってんだよオカマ」
「……ん?何?よく聞こえなかったかな。僕君と違って野生的な聴力もバカみたいな発想もないから」
「おう、いっぺん死んでくっか?」
何となく気が抜けたけど、コルネリスが何か言いたそうだったので、言わせておいた。
「……君……思ったより図太いだろ……」
「そんなことないよ……。あ、でも、実家絡みのことになると……まあ確かにそんなことも有り得るかもなぁって……」
「…………え、どんな家?」
……え、どんな平和な家で育ったの?コルネリス。
「ロバートくん、違う。たぶん君の方がおかしい」
うん、こいつにだけは言われたくなかった。
しかも幽霊よりおかしいって……。
…………いや、まあ、うん、確かに身内に自殺者とか殺された人がいる時点でおかしいか……。
***
もう、逃げる機会はない。
……残念だよ、ロバート。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
それなりに怖い話。
只野誠
ホラー
これは創作です。
実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。
本当に、実際に起きた話ではございません。
なので、安心して読むことができます。
オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。
不定期に章を追加していきます。
2025/12/22:『かれんだー』の章を追加。2025/12/29の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/21:『おつきさまがみている』の章を追加。2025/12/28の朝8時頃より公開開始予定。
2025/12/20:『にんぎょう』の章を追加。2025/12/27の朝8時頃より公開開始予定。
2025/12/19:『ひるさがり』の章を追加。2025/12/26の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/18:『いるみねーしょん』の章を追加。2025/12/25の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/17:『まく』の章を追加。2025/12/24の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/16:『よってくる』の章を追加。2025/12/23の朝4時頃より公開開始予定。
※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる