【完結済】敗者の街 ― Requiem to the past ―

譚月遊生季

文字の大きさ
46 / 92
第3章 Link at the Lights

43. 協力

しおりを挟む
 そろそろセリフをわざわざ書き出すのは疲れたから、俺の独り言とかはもう省く。小説家のなけなしのプライドとかもだりぃから捨てる。ロバートのために、他にすることは山ほどあるしな。

 そのロバートの状況がやばそうなので、他に協力者を……と思ったが、何をどうしたら呪われた街に行ってくれるようなやつが見つかるんだ。ネットで検索しろってか。こちとら外からどうにかする以外できねぇってのに。

 ……まあ……案外ラッキーな情報転がってるかもだし、一応検索してみるか。えーと、関係ありそうなやつ……サーラ・モンターレってやついたよな……名前からしてイタリア系か……。サーラ・セヴェリーニなら起業家にいる。
 一応電話で問い合わせて聞いてみるか……?でもこれ、どうやって協力してもらうんだよ……。
 ひょっとしなくても、俺の対話スキルにかかってんじゃねぇのかこれ。無茶言うなよ編集者と話すだけで労力半端ねぇんだぞ。いやでも頑張るしかねぇよな……人間怖いとか言ってらんねぇよな……。……怖いけど……。



「…………アンダーソン?ローザ・アンダーソンの知り合い?」
「……姉貴のこと、知ってるんですか?」
「まあね。こっちも三十路でビジネスやってる女だし、名前くらいは知ってるよ。名前だけだけど……」

 姉貴、マジかよ。まさかのそんなとこで?俺にはいっつも下僕やら躾やらマニアックな話しかしねぇのに……。
 いやでも、あの人のために協力してくれる間柄じゃなさそうだな……姉貴、人望なさそうだしな。

「……コルネリスって人知ってます?」
「大学時代、先輩に頼まれて偽名使って会った。酒ならよく奢らせたけど、最近連絡来ないんだよね……。一応心配したけど、ああいう手合いって熱冷めたら乗り換えも早いし、連絡には迷ってんだよ。ストーカーっぽいとこあるから」

 おい、散々言われてんぞ。この流れじゃ故人って言いにくいわ。
 でも確かに、ほんとに好きならプロポーズの時も相手の気持ち考えるよな。……無理やり気持ちを押し付けたりしねぇよな。

「昔母さんと付き合ってた男のがまだいい男だよ。まあ死ぬほど頭悪かったけど……。……どうでもいい話したね。で、何の用だい?」

 どうしよう、本気で切り出しにくい。しかもサラッと複雑な家庭事情を明かされた。……俺も人のこと言えねぇ……!

「……カミーユってやつ、知ってます?」
「誰だい、そいつ」

 だよな!!

「レヴィは……」
「聞いたことある気はすんだけどさ……」

 聞いたことある、じゃ弱いよな。哲学者とかにもいるしな。

「……レオ、とか……」
「…………は?もしかして、レオナルドのこと?」

 え?まさかのそこ?

「レオナルド・ビアッツィって言うんですけど……」
「母さんの元カレだよ。20年くらい前にあったっきりだけど……」

 ……はい?

「元気にしてっかねぇアイツ。親父のくせしてアンジェロの顔も見に来なかったけど……」

 もう何がなにやらわからねぇよ。いや、よく考えたら名前イタリア系だ。同郷か!!そこの繋がりか!!

「えっと……ちょっと大変なことになってます。幽霊に取り憑かれたり……」
「アレに取り憑く霊なんかいるわけないだろ」
「いや、それが……まあ、いまして……」
「……ふぅん。兄貴の霊すら見てやらなかった薄情な兄弟なのにねぇ」
「……あれ?レニーって兄貴だっけ」

 確認しようとすると、電話の向こうでサーラが息を飲んだ。

「レニーのこと、知ってるのかい?」

 …………まさかの。

「レオナルドと二卵生だけど、双子で……似てない……。ガキの頃に死んじまったって……アタシに言ってくれた」
「た、たぶん、そいつです」
「そこ、どうやったらいける?」

 カミーユあたりに聞くしかないよな、これは……。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

【戦国時代小説】 甲斐の虎•武田信玄と軍師•山本勘助

蔵屋
歴史・時代
 わたしは、以前、甲斐国を観光旅行したことがある。  何故、甲斐国なのか?  それは、日本を象徴する富士山があるからだ。     さて、今回のわたしが小説の題材にした『甲斐の虎•武田信玄と軍師•山本勘助』はこの甲斐国で殆どの戦国乱世の時代を生き抜いた。そして越後の雄•上杉謙信との死闘は武田信玄、山本勘助にとっては人生そのものであったことだろう。  そんな彼らにわたしはスポットライトを当て読者の皆さんに彼らの素顔を知って頂く為に物語として執筆したものである。  なお、この小説の執筆に当たり『甲陽軍鑑』を参考にしていることを申し述べておく。  それでは、わたしが執筆した小説を最後までお楽しみ下さい。  読者の皆さんの人生において、お役に立てれば幸いです。  

百物語 厄災

嵐山ノキ
ホラー
怪談の百物語です。一話一話は長くありませんのでお好きなときにお読みください。渾身の仕掛けも盛り込んでおり、最後まで読むと驚くべき何かが提示されます。 小説家になろう、エブリスタにも投稿しています。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

おじさん、女子高生になる

一宮 沙耶
大衆娯楽
だれからも振り向いてもらえないおじさん。 それが女子高生に向けて若返っていく。 そして政治闘争に巻き込まれていく。 その結末は?

処理中です...