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彼女の絶望、私の炎【短編版】
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陽光がステンドグラスを通し、床に幾何学模様を描く王宮の謁見の間。
国王が玉座に座し、居並ぶ重臣たちが見守る中、異様な緊張が場を支配していた。
その中心に立つのは、第一王子アルフォンス。彼の隣には、庇護を求めるように寄り添う男爵令嬢エリナ・クローディアと、王子を支持する数人の若い側近貴族たち。
そして、彼らと対峙するように、ただ一人静かに佇む公爵令嬢がいた。リディア・アルデリーネ。その表情は、美しい磁器の人形のように、一切の感情を映していなかった。
「リディア・アルデリーネ!」
アルフォンス王子の甲高い声が響き渡る。
「そなたは、我が婚約者という立場を笠に着て、心優しきエリナ嬢を虐げ、あまつさえその心を弄んだ! その嫉妬深さと傲慢さ、もはや見過ごすことはできん! この場で婚約の破棄を宣言するとともに、そなたの罪を断罪する!」
王子の言葉に続き、側近たちが口々にリディアを非難する偽りの証言を重ねていく。「夜会でエリナ嬢を罵倒するのを聞いた」「王子との仲を裂こうと画策していた」――。エリナは王子の指示通り、怯えたように俯き、告発が真実であるかのように振る舞っていた。
全ての告発が終わるのを待って、リディアは静かに口を開いた。その声は、鈴の音のように澄んでいて、かつ氷のように冷たい。
「……茶番は、それでおしまいですの?」
彼女はまず、側近の一人に向き直った。
「カニンガム伯爵令息。あなたが私とエリナ嬢が口論していたと証言した夜、あなたは王都の正反対に位置する劇場で観劇をなさっていましたわね。こちらに、劇場の支配人が記したあなたのサイン入り来場記録がございますが」
一枚の書類が、ひらりと侍従の手に渡された。伯爵令息の顔が、さっと青ざめる。
リディアは、次の側近へと視線を移す。
「バークレイ子爵。あなたが、私が王子への不満を漏らすのを聞いた、と。それは、あなたが運営する商会への投資話を、我がアルデリーネ家が『将来性なし』と判断してお断りした翌日のことでしたわ。ご自身の個人的な恨みを、このような公の場で晴らそうとなさるのは、あまりに見苦しいのではございませんこと?」
的確に、淡々と、感情を一切伴わずに事実だけを突きつける。リディアの反撃は、熱い怒りではなく、相手の嘘と欺瞞を暴き立てる冷たい刃だった。側近たちは次々と顔色を失い、口ごもった。
そして、リディアの視線が、エリナへと注がれる。その瞳には、憐憫とも好奇心ともつかぬ、冷たい光が宿っていた。
「男爵令嬢エリナ・クローディア。……お労しいこと。王子は、あなたの困窮したお家に、どのような甘言を囁きましたの? 没落した家の再興でも約束なさいましたか? あなたの立場の弱さに付け込み、偽りの希望を餌に、このような道化を演じさせたのでしょう」
最後に、リディアは王子アルフォンスへと向き直った。
「そして、王子。あなたが私を断罪する本当の理由……それは、私があなたの無能さと浪費癖を、再三にわたり父である国王陛下にご報告申し上げていたからではございませんか?」
リディアが合図すると、従者が分厚い帳簿を国王の前に差し出す。
「王子が近年、国庫から引き出した使途不明金。そのほとんどが、特定の宝石商や賭博場に流れております。その金の流れを、我が家の者がすべて突き止めました。王子、これでもまだ、私の『罪』を問いますか?」
アルフォンスは顔面蒼白となり、震える唇で何も言い返せない。
沈黙を破ったのは、玉座で全てを見ていた国王だった。その声には、息子への失望と、公爵家を敵に回しかねなかった愚行への怒りが滲んでいた。
「――もうよい。聞き苦しい」
国王は立ち上がり、厳かに言い渡した。
「アルフォンス、そなたには心底失望した。王子の位を一時剥奪し、離宮での謹慎を命じる。そこにいる愚かな取り巻き共も同罪だ。全ての官位を剥奪し、即刻領地へ下がれ!」
王子と側近たちは、その場に崩れ落ちんばかりに膝をついた。彼らは、リディアを断罪するはずが、逆に国王から切り捨てられたのだ。
しかし、裁きはそれで終わらない。国王は、冷然と続けた。
「男爵令嬢エリナ・クローディア。そなたが利用されただけであろうことは察するが、王族への偽証に加担した罪は許されぬ。詮議が終わるまで、その身を王家の牢に預かるものとする」
エリナは顔を上げた。助けを求めた王子はうなだれ、自分を見ようともしない。結局、弱い者はこうして切り捨てられるのだ。貴族社会の理不尽さを一身に浴び、彼女は抵抗することなく衛兵に腕を取られた。
リディアは、その光景のすべてを、静かな瞳で見届けていた。
計画通り。腐敗した枝は刈り取られた。
その「計画」の始まりは、数週間前に遡る。きっかけは、王子がリディアとの婚約破棄を目論んでいるという、にわかには信じがたい不穏な噂だった。初め、リディアは信じなかったが、念のため父である公爵に報告を入れた。
公爵も半信半疑だったが、最悪の可能性を想定して動く男だった。彼は王と内密に相談の場を設け、噂の実態を知るための調査を秘密裏に開始した。そして彼らは、その噂が真実であるという驚くべき事実を掴む。
もはや次代の王として国を任せることはできない。二人は冷徹な決断を下した。――彼を切り捨てる、と。こうして、来るべき日のための事前対策が講じられたのだ。
そうして婚約破棄は実際に行われ、その報いとして王子とその側近たちは失脚する。まさに、今日のこの光景の通りに。
しかし、リディアは疑問を抱いた。あまりに物事が都合よく運びすぎていることに。王と父が描いたシナリオ通りではある。だが、さらにその裏で、何者かに誘導されているような、予感にも似たものを感じていた。
連行されていくエリナが、一瞬だけリディアの方を見た。
その瞬間、リディアは息を呑んだ。
(もしかして…)
その瞳に宿るのは……恐怖や懇願ではない。燃え尽きた後の灰のような、すべてを諦めきった色だった。
(……私と、同じ色)
それは、リディアが完璧な公爵令嬢という仮面の下に、ずっと隠し続けてきた魂の色。正義に裏切られ、世界に絶望した自分自身の本性。それを、あの見ず知らずの男爵令嬢は、隠そうともせずに瞳に映している。
不快なほど無防備で、それでいて、どうしようもなく惹きつけられた。
リディアは、エリナのその瞳に強烈な興味を抱いた。どことなく自分に似た何か、魂の片割れのようなものさえ感じ取っていたのだ。
あの瞳の奥に宿る絶望の正体を、知らなければならない。
そして、確かめなければならない。あの灰色の奥にも、自分と同じように、すべてを焼き尽くしたいと願う炎が燻っているのかを。
---
謁見の間の茶番劇から、数日が過ぎた。
湿った石の匂いと、僅かな藁の匂い。王家の地下牢は、光も音も乏しく、世界の底にいるかのような錯覚を覚えさせる。エリナは、壁に背を預け、膝を抱えて座っていた。すべてを諦めた今、この冷たい静寂はむしろ心地よかった。
その静寂を破ったのは、場違いなほど軽やかな衣擦れの音。
ゆっくりと顔を上げると、鉄格子の向こうに、闇の中でもなお煌びやかな人影が立っていた。豪奢なドレスを纏った、公爵令嬢リディア・アルデリーネ。
エリナの唇に、乾いた笑みが浮かぶ。
「あら、これはこれは……高貴なる公爵令嬢様。このような汚い場所に、わざわざ何の御用ですの? あなたの筋書き通りに失墜した、哀れな罪人の姿を見物にいらしたのかしら」
皮肉を込めた言葉にも、リディアは眉一つ動かさない。彼女はただ、鑑定するようにエリナの瞳をじっと見つめていた。やがて、静かに口を開く。
「一つ、お尋ねしてもよろしいかしら。あなたは、本当にただ利用されただけの、哀れな小鳥だったの?」
リディアはそこで一度言葉を切ると、その氷のような瞳で、エリナの魂を射抜くように続けた。
「いいえ、もっと正確に問うべきね。あの断罪劇の、真の脚本家は、あなたなのでしょう?」
その言葉は、静かだが鋭い刃のようにエリナの心の壁を貫いた。エリナの唇から、嘲りの笑みが凍り付くように消える。
リディアは、鉄格子に一歩近づいた。
「すべては、あまりに都合が良すぎた。まず、王子が婚約破棄を企んでいるという、あの『噂』。あれが流れたからこそ、父と国王は万全の準備を整えることができた。あれは本当に、ただの偶然の漏洩だったのかしら。それとも、我々に王子を確実に断罪させるための、意図的な『布石』だったのかしら?」
リディアの声は、静かだが、牢獄の空気をさらに凍てつかせた。
「そして、あの愚かな王子。あなたが彼を焚き付けてこの舞台の『主役』に仕立て上げたのではありませんこと?」
リディアの声が、囁きに変わる。それは、どんな怒声よりも恐ろしい響きを持っていた。
「あなたは、すべての人間を駒として利用した。王子を、自らの破滅を演じる愚かな実行犯として。私を、悲劇のヒロイン兼、断罪の執行者として。そして、我が父と国王陛下を、王子を社会的に葬り去るための、最も確実な『断頭台』として。……そうでしょう、男爵令嬢エリナ・クローディア?」
長い沈黙が落ちた。
やがて、俯いていたエリナの肩が、くつくつと震え始める。それは、抑えきれない乾いた笑い声へと変わった。
「……面白い妄想ですこと。仮にそうだとして、それが何だというのです? あなたにはもう、関係のないことでしょう」
「いいえ、関係があるわ」
リディアの声には、抑えきれない熱がこもっていた。
「謁見の間であなたの瞳を見たときから、ずっと気になっていたの。だから、確かめなければならない……。あなたは、何に絶望しているの?」
リディアの問いかけに、エリナの笑いがぴたりと止まった。牢獄の時間が、凍りついたかのようだった。
やがて、エリナは自嘲とも諦めともつかない、深い息を吐く。
「……あなたの、言う通りよ。あの愚かな王子は、私が少し焚き付けてやれば、喜んであなたへの断罪劇を演じてくれると分かっていた。そして、その茶番の果てに、王子も私も破滅することも。……それこそが、私の望みだったのだから」
エリナは、まるで遠い昔の物語でも語るかのように、淡々と話し始めた。
「私の故郷は、数年前、王国軍が敵国から撤退する際、その退路を確保するための『囮』として、敵国に明け渡されたわ。私は、その仕打ちを『国を守るためには仕方なかった』のだと、自分に言い聞かせてきた。王国もまた、苦渋の決断を下したのだと、そう信じようとしていたの。そうでなければ、正気ではいられなかったから」
「でも、王都に来て、すべてが間違いだったと知った。中央の貴族たちは……私の故郷の犠牲など何でもないかのように、日々の夜会や新しいドレスの話で笑い合っていた」
エリナの拳が、白くなるほど強く握りしめられる。
「その時よ。初めて、憎いと思った。けれど、憎しみの矛先は彼らではなかったわ。そんな彼らの欺瞞に満ちた平和のために、『仕方ない』と己を納得させてしまった……涙の一粒すら流さず、すべてを諦めてしまった、あの時の私自身が、何よりも醜く、許せなかったの」
彼女は、そこで一度言葉を切ると、すべてを吐き出すかのように続けた。
「だから、自分ごとこの国を燃やし尽くしたかった。……だけど、辺境男爵家の娘という私の立場では、あの愚かな王子を切り捨てられる立場に追いやっただけでも、上出来だった。そう、納得するしかなかった。私は、ここまでよ」
エリナの告白は、リディアの魂の写し鏡だった。彼女の自己への憎悪は、リディアがずっと求めていた、最も純粋で、最も美しい「火」そのものだった。
その言葉を聞いた瞬間、リディアの意識は目の前の牢獄から、遠い過去へと引き戻されていた。
……あれは、リディアが十四歳だった年の、秋の終わりのこと。
夕陽が差し込む公爵家の書庫は、革と古いインクの匂いで満ちていた。彼女は、父であるアルデリーネ公爵と、一冊の英雄譚を前にして語り合っていた。
「お父様、この建国王アレクシオスは、たった一人で反乱軍に立ち向かい、民を守ったのですね。なんて、素晴らしいのでしょう!」
「そうだとも、リディア」父は、娘の金色の髪を優しく撫でた。その瞳は、慈愛に満ちているように見えた。「真に高貴な者とは、力を持つ者ではない。その力を、正義のために、弱き民のために使うことができる者だ。お前も、いずれは王家に嫁ぐ身。このアレクシオス王のように、清く、正しく、そして慈悲深い人間になるのだぞ」
「はい、お父様!」
リディアは満面の笑みで頷いた。父の言葉の一つ一つが、彼女の世界を構成する光だった。この国は、父のような気高い人々によって守られている。そう、信じて疑わなかった。
だが、その世界が音を立てて崩れ落ちたのは、同じ日の夜だった。
父に礼を言おうと彼の書斎を訪れたリディアは、重厚な扉が僅かに開いていることに気づいた。中から漏れるのは、父と、母、そして婚約者であるアルフォンス王子の、楽しげな笑い声。聞き耳を立てるつもりはなかった。ただ、その会話に、聞き覚えのある地名が混じっていたから、足を止めてしまったのだ。
「……それにしても旦那様、北のベイルン領の件、見事な手腕でしたわ。あの飢饉続きの男爵家、たった一通の書状で跪きましたもの」
母の、楽しげに響く声。
「ふふ、泣きながら我が家の門を叩いたときの顔は、実に見ものだったな」
それは、アルフォンス王子の声だった。リディアは息を呑んだ。ベイルン領の飢饉。心を痛め、父と共に寄付金を送った、あの土地のことだ。
「情に流されては国は治まりませんわ、殿下」母の声は、昼間に娘へ慈愛を説いた貴婦人のものと、同じ声とは思えなかった。「民には、我々がどれほどの理知で彼らを導いているかを、骨身に染みて理解していただく必要がございますの。――それに、あの土地は鉄鉱脈の噂もある。我が家にとっても、非常に有益な投資ですわね」
「民が数人死んだところで、大した問題ではありますまい」アルフォンスが心底どうでもいいという口調で言い、それに母は扇子を口に当てて笑った。
「ええ。民など、季節ごとの穀物のようなもの。必要な時に育ち、用が済めば刈り取ればよろしいのです」
リディアは、自分の耳を疑った。昼間、自分に「正義」を説いた父はどこにもいなかった。弱き民のために力を使えと語った声は、今や冷たく計算された支配者の言葉に変わっていた。
すべてが、嘘だった。
彼らにとって、民とは数字。領地とは資産。正義とは、己の利益を飾るための、安っぽい装飾に過ぎなかったのだ。
リディアはよろめきながら、音を立てないようにその場を離れた。長い廊下を歩く。壁に飾られた、アルデリーネ家初代当主の騎士の甲冑が、今はまるで骸骨のように不気味に光って見えた。磨き上げられた床に映る自分の顔を見る。青白い顔、恐怖に見開かれた瞳。
そして、この顔も、この体も、あの人たちと同じ「血」でできているという、どうしようもない事実に、彼女は絶望した。
……そして今、リディアは再び現実へと戻る。
偽りの光では、何も浄化できない。だが、目の前にいるエリナがその内に宿す「炎」は違う。それは、醜い現実と、醜い自分自身を焼き尽くすために生まれた、本物の業火だ。
リディアは、鉄格子を握る手に力を込めた。彼女の瞳には、もはや憐憫も好奇心もない。ただ、エリナという名の炎に対する、渇望だけが燃え盛っていた。
「あなたは、自分を『ここまで』と言ったわね。ええ、その通りかもしれない。あなた一人の力では」
リディアの声は、静かだが、有無を言わせぬ響きを持っていた。
「憎しみで行動していながら、冷静に自分の限界を見極め、最小の力で最大の結果を出す。その頭脳が、私にはない。……それが、欲しいの」
リディアは、エリナの瞳を真っ直ぐに見つめる。
「そして私には、あなたが持たないものがある。アルデリーネ公爵家が持つ権力と、湯水のように使える財が。私の『力』と、あなたの『頭脳』。それがあれば、王子を切り捨てるだけでは終わらない。この国そのものを、灰にできる」
そう言うと、リディアは鉄格子の隙間から、白い手袋に包まれた手を、そっとエリナへと差し伸べた。
共犯者へと向けられた、対等な契約の証だった。
エリナは、差し伸べられたその手を見つめたまま、動けなかった。
その白い手は、彼女が「ここまで」と諦めた、その先の未来を掴んでいるように見えた。この手を取れば、もう諦めなくていいのかもしれない。この国を、そして醜い自分自身を、本当に燃し尽くせるのかもしれない。
声が、震えた。押し殺したはずの感情が、堰を切って溢れ出しそうになる。
「……諦めなくて、いいの……?」
エリナは、まるで夢見るように呟いた。
「まだ、先があるというの……?」
彼女は、自分の胸の奥で、灰になって消えかかっていたはずの炎が、再びぱちりと音を立てて勢いを取り戻すのを感じていた。
エリナは、もう一度リディアの瞳の奥を覗き込む。そこにあるのは、自分と同じ種類の、世界と自分自身への絶望。
(……この人も、同じなのだ)
その事実が、エリナの最後の躊躇いを焼き払った。
エリナはゆっくりと、牢の汚れにすすけた自身の手を伸ばし、リディアの白い手袋に包まれた手を、強く握った。
二つの魂が触れ合ったかのような、熱い衝撃が走る。
その瞬間、二つの視線が交わり、一つの意志が生まれた。
別々の場所で生まれ、別々の絶望を抱えてきた二人の令嬢の声が、寸分違わず重なり合った。
「「――すべてを、燃し尽くしましょう」」
国王が玉座に座し、居並ぶ重臣たちが見守る中、異様な緊張が場を支配していた。
その中心に立つのは、第一王子アルフォンス。彼の隣には、庇護を求めるように寄り添う男爵令嬢エリナ・クローディアと、王子を支持する数人の若い側近貴族たち。
そして、彼らと対峙するように、ただ一人静かに佇む公爵令嬢がいた。リディア・アルデリーネ。その表情は、美しい磁器の人形のように、一切の感情を映していなかった。
「リディア・アルデリーネ!」
アルフォンス王子の甲高い声が響き渡る。
「そなたは、我が婚約者という立場を笠に着て、心優しきエリナ嬢を虐げ、あまつさえその心を弄んだ! その嫉妬深さと傲慢さ、もはや見過ごすことはできん! この場で婚約の破棄を宣言するとともに、そなたの罪を断罪する!」
王子の言葉に続き、側近たちが口々にリディアを非難する偽りの証言を重ねていく。「夜会でエリナ嬢を罵倒するのを聞いた」「王子との仲を裂こうと画策していた」――。エリナは王子の指示通り、怯えたように俯き、告発が真実であるかのように振る舞っていた。
全ての告発が終わるのを待って、リディアは静かに口を開いた。その声は、鈴の音のように澄んでいて、かつ氷のように冷たい。
「……茶番は、それでおしまいですの?」
彼女はまず、側近の一人に向き直った。
「カニンガム伯爵令息。あなたが私とエリナ嬢が口論していたと証言した夜、あなたは王都の正反対に位置する劇場で観劇をなさっていましたわね。こちらに、劇場の支配人が記したあなたのサイン入り来場記録がございますが」
一枚の書類が、ひらりと侍従の手に渡された。伯爵令息の顔が、さっと青ざめる。
リディアは、次の側近へと視線を移す。
「バークレイ子爵。あなたが、私が王子への不満を漏らすのを聞いた、と。それは、あなたが運営する商会への投資話を、我がアルデリーネ家が『将来性なし』と判断してお断りした翌日のことでしたわ。ご自身の個人的な恨みを、このような公の場で晴らそうとなさるのは、あまりに見苦しいのではございませんこと?」
的確に、淡々と、感情を一切伴わずに事実だけを突きつける。リディアの反撃は、熱い怒りではなく、相手の嘘と欺瞞を暴き立てる冷たい刃だった。側近たちは次々と顔色を失い、口ごもった。
そして、リディアの視線が、エリナへと注がれる。その瞳には、憐憫とも好奇心ともつかぬ、冷たい光が宿っていた。
「男爵令嬢エリナ・クローディア。……お労しいこと。王子は、あなたの困窮したお家に、どのような甘言を囁きましたの? 没落した家の再興でも約束なさいましたか? あなたの立場の弱さに付け込み、偽りの希望を餌に、このような道化を演じさせたのでしょう」
最後に、リディアは王子アルフォンスへと向き直った。
「そして、王子。あなたが私を断罪する本当の理由……それは、私があなたの無能さと浪費癖を、再三にわたり父である国王陛下にご報告申し上げていたからではございませんか?」
リディアが合図すると、従者が分厚い帳簿を国王の前に差し出す。
「王子が近年、国庫から引き出した使途不明金。そのほとんどが、特定の宝石商や賭博場に流れております。その金の流れを、我が家の者がすべて突き止めました。王子、これでもまだ、私の『罪』を問いますか?」
アルフォンスは顔面蒼白となり、震える唇で何も言い返せない。
沈黙を破ったのは、玉座で全てを見ていた国王だった。その声には、息子への失望と、公爵家を敵に回しかねなかった愚行への怒りが滲んでいた。
「――もうよい。聞き苦しい」
国王は立ち上がり、厳かに言い渡した。
「アルフォンス、そなたには心底失望した。王子の位を一時剥奪し、離宮での謹慎を命じる。そこにいる愚かな取り巻き共も同罪だ。全ての官位を剥奪し、即刻領地へ下がれ!」
王子と側近たちは、その場に崩れ落ちんばかりに膝をついた。彼らは、リディアを断罪するはずが、逆に国王から切り捨てられたのだ。
しかし、裁きはそれで終わらない。国王は、冷然と続けた。
「男爵令嬢エリナ・クローディア。そなたが利用されただけであろうことは察するが、王族への偽証に加担した罪は許されぬ。詮議が終わるまで、その身を王家の牢に預かるものとする」
エリナは顔を上げた。助けを求めた王子はうなだれ、自分を見ようともしない。結局、弱い者はこうして切り捨てられるのだ。貴族社会の理不尽さを一身に浴び、彼女は抵抗することなく衛兵に腕を取られた。
リディアは、その光景のすべてを、静かな瞳で見届けていた。
計画通り。腐敗した枝は刈り取られた。
その「計画」の始まりは、数週間前に遡る。きっかけは、王子がリディアとの婚約破棄を目論んでいるという、にわかには信じがたい不穏な噂だった。初め、リディアは信じなかったが、念のため父である公爵に報告を入れた。
公爵も半信半疑だったが、最悪の可能性を想定して動く男だった。彼は王と内密に相談の場を設け、噂の実態を知るための調査を秘密裏に開始した。そして彼らは、その噂が真実であるという驚くべき事実を掴む。
もはや次代の王として国を任せることはできない。二人は冷徹な決断を下した。――彼を切り捨てる、と。こうして、来るべき日のための事前対策が講じられたのだ。
そうして婚約破棄は実際に行われ、その報いとして王子とその側近たちは失脚する。まさに、今日のこの光景の通りに。
しかし、リディアは疑問を抱いた。あまりに物事が都合よく運びすぎていることに。王と父が描いたシナリオ通りではある。だが、さらにその裏で、何者かに誘導されているような、予感にも似たものを感じていた。
連行されていくエリナが、一瞬だけリディアの方を見た。
その瞬間、リディアは息を呑んだ。
(もしかして…)
その瞳に宿るのは……恐怖や懇願ではない。燃え尽きた後の灰のような、すべてを諦めきった色だった。
(……私と、同じ色)
それは、リディアが完璧な公爵令嬢という仮面の下に、ずっと隠し続けてきた魂の色。正義に裏切られ、世界に絶望した自分自身の本性。それを、あの見ず知らずの男爵令嬢は、隠そうともせずに瞳に映している。
不快なほど無防備で、それでいて、どうしようもなく惹きつけられた。
リディアは、エリナのその瞳に強烈な興味を抱いた。どことなく自分に似た何か、魂の片割れのようなものさえ感じ取っていたのだ。
あの瞳の奥に宿る絶望の正体を、知らなければならない。
そして、確かめなければならない。あの灰色の奥にも、自分と同じように、すべてを焼き尽くしたいと願う炎が燻っているのかを。
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謁見の間の茶番劇から、数日が過ぎた。
湿った石の匂いと、僅かな藁の匂い。王家の地下牢は、光も音も乏しく、世界の底にいるかのような錯覚を覚えさせる。エリナは、壁に背を預け、膝を抱えて座っていた。すべてを諦めた今、この冷たい静寂はむしろ心地よかった。
その静寂を破ったのは、場違いなほど軽やかな衣擦れの音。
ゆっくりと顔を上げると、鉄格子の向こうに、闇の中でもなお煌びやかな人影が立っていた。豪奢なドレスを纏った、公爵令嬢リディア・アルデリーネ。
エリナの唇に、乾いた笑みが浮かぶ。
「あら、これはこれは……高貴なる公爵令嬢様。このような汚い場所に、わざわざ何の御用ですの? あなたの筋書き通りに失墜した、哀れな罪人の姿を見物にいらしたのかしら」
皮肉を込めた言葉にも、リディアは眉一つ動かさない。彼女はただ、鑑定するようにエリナの瞳をじっと見つめていた。やがて、静かに口を開く。
「一つ、お尋ねしてもよろしいかしら。あなたは、本当にただ利用されただけの、哀れな小鳥だったの?」
リディアはそこで一度言葉を切ると、その氷のような瞳で、エリナの魂を射抜くように続けた。
「いいえ、もっと正確に問うべきね。あの断罪劇の、真の脚本家は、あなたなのでしょう?」
その言葉は、静かだが鋭い刃のようにエリナの心の壁を貫いた。エリナの唇から、嘲りの笑みが凍り付くように消える。
リディアは、鉄格子に一歩近づいた。
「すべては、あまりに都合が良すぎた。まず、王子が婚約破棄を企んでいるという、あの『噂』。あれが流れたからこそ、父と国王は万全の準備を整えることができた。あれは本当に、ただの偶然の漏洩だったのかしら。それとも、我々に王子を確実に断罪させるための、意図的な『布石』だったのかしら?」
リディアの声は、静かだが、牢獄の空気をさらに凍てつかせた。
「そして、あの愚かな王子。あなたが彼を焚き付けてこの舞台の『主役』に仕立て上げたのではありませんこと?」
リディアの声が、囁きに変わる。それは、どんな怒声よりも恐ろしい響きを持っていた。
「あなたは、すべての人間を駒として利用した。王子を、自らの破滅を演じる愚かな実行犯として。私を、悲劇のヒロイン兼、断罪の執行者として。そして、我が父と国王陛下を、王子を社会的に葬り去るための、最も確実な『断頭台』として。……そうでしょう、男爵令嬢エリナ・クローディア?」
長い沈黙が落ちた。
やがて、俯いていたエリナの肩が、くつくつと震え始める。それは、抑えきれない乾いた笑い声へと変わった。
「……面白い妄想ですこと。仮にそうだとして、それが何だというのです? あなたにはもう、関係のないことでしょう」
「いいえ、関係があるわ」
リディアの声には、抑えきれない熱がこもっていた。
「謁見の間であなたの瞳を見たときから、ずっと気になっていたの。だから、確かめなければならない……。あなたは、何に絶望しているの?」
リディアの問いかけに、エリナの笑いがぴたりと止まった。牢獄の時間が、凍りついたかのようだった。
やがて、エリナは自嘲とも諦めともつかない、深い息を吐く。
「……あなたの、言う通りよ。あの愚かな王子は、私が少し焚き付けてやれば、喜んであなたへの断罪劇を演じてくれると分かっていた。そして、その茶番の果てに、王子も私も破滅することも。……それこそが、私の望みだったのだから」
エリナは、まるで遠い昔の物語でも語るかのように、淡々と話し始めた。
「私の故郷は、数年前、王国軍が敵国から撤退する際、その退路を確保するための『囮』として、敵国に明け渡されたわ。私は、その仕打ちを『国を守るためには仕方なかった』のだと、自分に言い聞かせてきた。王国もまた、苦渋の決断を下したのだと、そう信じようとしていたの。そうでなければ、正気ではいられなかったから」
「でも、王都に来て、すべてが間違いだったと知った。中央の貴族たちは……私の故郷の犠牲など何でもないかのように、日々の夜会や新しいドレスの話で笑い合っていた」
エリナの拳が、白くなるほど強く握りしめられる。
「その時よ。初めて、憎いと思った。けれど、憎しみの矛先は彼らではなかったわ。そんな彼らの欺瞞に満ちた平和のために、『仕方ない』と己を納得させてしまった……涙の一粒すら流さず、すべてを諦めてしまった、あの時の私自身が、何よりも醜く、許せなかったの」
彼女は、そこで一度言葉を切ると、すべてを吐き出すかのように続けた。
「だから、自分ごとこの国を燃やし尽くしたかった。……だけど、辺境男爵家の娘という私の立場では、あの愚かな王子を切り捨てられる立場に追いやっただけでも、上出来だった。そう、納得するしかなかった。私は、ここまでよ」
エリナの告白は、リディアの魂の写し鏡だった。彼女の自己への憎悪は、リディアがずっと求めていた、最も純粋で、最も美しい「火」そのものだった。
その言葉を聞いた瞬間、リディアの意識は目の前の牢獄から、遠い過去へと引き戻されていた。
……あれは、リディアが十四歳だった年の、秋の終わりのこと。
夕陽が差し込む公爵家の書庫は、革と古いインクの匂いで満ちていた。彼女は、父であるアルデリーネ公爵と、一冊の英雄譚を前にして語り合っていた。
「お父様、この建国王アレクシオスは、たった一人で反乱軍に立ち向かい、民を守ったのですね。なんて、素晴らしいのでしょう!」
「そうだとも、リディア」父は、娘の金色の髪を優しく撫でた。その瞳は、慈愛に満ちているように見えた。「真に高貴な者とは、力を持つ者ではない。その力を、正義のために、弱き民のために使うことができる者だ。お前も、いずれは王家に嫁ぐ身。このアレクシオス王のように、清く、正しく、そして慈悲深い人間になるのだぞ」
「はい、お父様!」
リディアは満面の笑みで頷いた。父の言葉の一つ一つが、彼女の世界を構成する光だった。この国は、父のような気高い人々によって守られている。そう、信じて疑わなかった。
だが、その世界が音を立てて崩れ落ちたのは、同じ日の夜だった。
父に礼を言おうと彼の書斎を訪れたリディアは、重厚な扉が僅かに開いていることに気づいた。中から漏れるのは、父と、母、そして婚約者であるアルフォンス王子の、楽しげな笑い声。聞き耳を立てるつもりはなかった。ただ、その会話に、聞き覚えのある地名が混じっていたから、足を止めてしまったのだ。
「……それにしても旦那様、北のベイルン領の件、見事な手腕でしたわ。あの飢饉続きの男爵家、たった一通の書状で跪きましたもの」
母の、楽しげに響く声。
「ふふ、泣きながら我が家の門を叩いたときの顔は、実に見ものだったな」
それは、アルフォンス王子の声だった。リディアは息を呑んだ。ベイルン領の飢饉。心を痛め、父と共に寄付金を送った、あの土地のことだ。
「情に流されては国は治まりませんわ、殿下」母の声は、昼間に娘へ慈愛を説いた貴婦人のものと、同じ声とは思えなかった。「民には、我々がどれほどの理知で彼らを導いているかを、骨身に染みて理解していただく必要がございますの。――それに、あの土地は鉄鉱脈の噂もある。我が家にとっても、非常に有益な投資ですわね」
「民が数人死んだところで、大した問題ではありますまい」アルフォンスが心底どうでもいいという口調で言い、それに母は扇子を口に当てて笑った。
「ええ。民など、季節ごとの穀物のようなもの。必要な時に育ち、用が済めば刈り取ればよろしいのです」
リディアは、自分の耳を疑った。昼間、自分に「正義」を説いた父はどこにもいなかった。弱き民のために力を使えと語った声は、今や冷たく計算された支配者の言葉に変わっていた。
すべてが、嘘だった。
彼らにとって、民とは数字。領地とは資産。正義とは、己の利益を飾るための、安っぽい装飾に過ぎなかったのだ。
リディアはよろめきながら、音を立てないようにその場を離れた。長い廊下を歩く。壁に飾られた、アルデリーネ家初代当主の騎士の甲冑が、今はまるで骸骨のように不気味に光って見えた。磨き上げられた床に映る自分の顔を見る。青白い顔、恐怖に見開かれた瞳。
そして、この顔も、この体も、あの人たちと同じ「血」でできているという、どうしようもない事実に、彼女は絶望した。
……そして今、リディアは再び現実へと戻る。
偽りの光では、何も浄化できない。だが、目の前にいるエリナがその内に宿す「炎」は違う。それは、醜い現実と、醜い自分自身を焼き尽くすために生まれた、本物の業火だ。
リディアは、鉄格子を握る手に力を込めた。彼女の瞳には、もはや憐憫も好奇心もない。ただ、エリナという名の炎に対する、渇望だけが燃え盛っていた。
「あなたは、自分を『ここまで』と言ったわね。ええ、その通りかもしれない。あなた一人の力では」
リディアの声は、静かだが、有無を言わせぬ響きを持っていた。
「憎しみで行動していながら、冷静に自分の限界を見極め、最小の力で最大の結果を出す。その頭脳が、私にはない。……それが、欲しいの」
リディアは、エリナの瞳を真っ直ぐに見つめる。
「そして私には、あなたが持たないものがある。アルデリーネ公爵家が持つ権力と、湯水のように使える財が。私の『力』と、あなたの『頭脳』。それがあれば、王子を切り捨てるだけでは終わらない。この国そのものを、灰にできる」
そう言うと、リディアは鉄格子の隙間から、白い手袋に包まれた手を、そっとエリナへと差し伸べた。
共犯者へと向けられた、対等な契約の証だった。
エリナは、差し伸べられたその手を見つめたまま、動けなかった。
その白い手は、彼女が「ここまで」と諦めた、その先の未来を掴んでいるように見えた。この手を取れば、もう諦めなくていいのかもしれない。この国を、そして醜い自分自身を、本当に燃し尽くせるのかもしれない。
声が、震えた。押し殺したはずの感情が、堰を切って溢れ出しそうになる。
「……諦めなくて、いいの……?」
エリナは、まるで夢見るように呟いた。
「まだ、先があるというの……?」
彼女は、自分の胸の奥で、灰になって消えかかっていたはずの炎が、再びぱちりと音を立てて勢いを取り戻すのを感じていた。
エリナは、もう一度リディアの瞳の奥を覗き込む。そこにあるのは、自分と同じ種類の、世界と自分自身への絶望。
(……この人も、同じなのだ)
その事実が、エリナの最後の躊躇いを焼き払った。
エリナはゆっくりと、牢の汚れにすすけた自身の手を伸ばし、リディアの白い手袋に包まれた手を、強く握った。
二つの魂が触れ合ったかのような、熱い衝撃が走る。
その瞬間、二つの視線が交わり、一つの意志が生まれた。
別々の場所で生まれ、別々の絶望を抱えてきた二人の令嬢の声が、寸分違わず重なり合った。
「「――すべてを、燃し尽くしましょう」」
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