五族協和を成した《勇者》の末裔と《勇者》嫌いのはぐれ《竜》

広海智

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第一章 始まりの夜 一

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遥か昔、五族協和という、壮大な夢を擁いた男がいた。五族とは、真人族、野生族、夜行族、天精族、地老族である。言葉を介して意思の疎通ができ、交わることも可能なこれら五つの種族は、しかし、互いに疎み、蔑み、争って、正しく関わろうとはせず、幾万年の時を過ごしていた。伝説に語られる男は、その五族がともに助け合って暮らす協和を夢見、苦難の末に、ついに成し遂げたのである。だが、その幸福な世は、長くは続かなかった。百年も経たない内に、五族はまた相争い始め、協和は崩れたのである。

 男の名は、長い歴史の中で忘れ去られたが、贈られた尊称だけは、協和の伝説とともに語り継がれている。その尊称は、《勇者》。困難に負けず、〈正しいこと〉を成す者という意味である。







第一章 始まりの夜



          一



 遥かな台地の高みから落ちてくる水飛沫を、帽子やその下から覗く金茶色の髪、長袖の上着に浴びながら、少年は駆けていた。目指す先は、滝壷を見下ろす崖の上に生えた大樹の木陰。燦々と降り注ぐ日差しからも、滝の飛沫からも守られるその大樹の根元では、いつも通り、親友がまどろみながら彼を待っているはずだ。といっても、相手は、少年と同じ真人族ではない。

 緑豊かな川岸のごつごつとした山肌を登り、大樹の根元が見えるところまで行くと、やはり、親友が太い幹に背を預けて座っているのが見えた。後ろで一つに編んで先端を飾り筒に納めた腰に届く白銀色の髪や、白い肌の端正な顔立ちは、真人族と変わらない。だが、横顔の半ばを隠すように前へ折り畳まれた耳は、真人族のものとは全く異なっている。飛竜の翼の形をしていて、手より少し大きく、付け根と長い三本の骨の間に皮膜が張り、その皮膜の外側と骨は翡翠色の鱗に覆われ、鉤爪のような真珠色の小さな一角を備えているのだ。

 目を閉じたまま顔を上げないところを見ると、親友は熟睡しているようだ。少年は、ふと思いついて、足音を忍ばせ、息を詰めて親友に歩み寄った。そっと手を伸ばし、翡翠色の耳に指先で触れる。ほんのりと温かく、硬質な手触り。と、その耳がぴくりと震えて広がり、同時に、額にかかる前髪の下で、切れ長の両眼が開いて、瑠璃色の双眸が少年を見上げた。

「ミ、……スカイ?」

 訝しげに問われて、少年は笑顔で、親友の隣に腰を下ろした。

「いや、ごめん。あんまり気持ちよさそうに寝てるから、声かけづらくてさ。それに、その耳、いつ見ても宝石みたいに綺麗だなあって思って」

 少年――スカイ・ホールが素直に告げると、美しい親友ユテは微かに眉をひそめ、高くも低くもない透明な響きの声に、複雑そうな感情を滲ませて言った。

「全く、おまえは変な真人族だよ。普通、天精族の人ならざる部位については、気味悪がるものだと思うけれどね」

 《竜》とも呼ばれる天精族には、幾つかの一族があるが、《獣》と蔑称される野生族同様、身体のどこかに必ず、人の形とは異なる部位を持っている。翡翠色の鱗がある耳は、ユテが属する風竜一族の特徴だ。

「普通とか普通じゃないとか、そんなことはどうでもいいんだ。誰のことも傷つけないなら、綺麗って感じたものを綺麗って言って悪いことなんてないだろう?」

 少しばかり憮然として反論したスカイに、ユテは溜め息をつき、話題を変えた。

「それで、もう日が中天を過ぎてあそこまで動いている訳だけれど、おれを熟睡するまで待たせた理由は何?」

 尋ねられ、スカイは表情を曇らせた。

「村で嫌な話聞いて、クラウドの奴に、詳しいこと訊いてたんだ」

 麓のレイン村在住のクラウド・レインは、スカイのもう一人の親友だ。

「嫌な話?」

 ユテの瑠璃色の双眸の瞳孔が、すっと縦に細くなった。縦に細くなる瞳孔は、天精族と野生族、それに《鬼》とも呼ばれる夜行族の特徴だ。自分達真人族とは印象の違う双眸を、こちらもやはり綺麗だと思いながら、スカイは話を続けた。

「何でも、ここ何日か続けて夜行族が現れてて、一晩に一軒ずつ襲われては、その家の家族全員、血を吸われてるらしい」

 夜行族は、日光を苦手として夜間のみ行動するので、そう呼ばれるが、その中に動物や他種族の生き血を糧として生きる一族――吸血一族がいるのだ。

「はぐれ夜行族か。厄介だな」

 ユテが断定したのには理由がある。夜行族は誇り高い種族であり、自分達の支配を宣言した地域――縄張りの中でしか、狩りをしないのだ。五族が互いに疎み合っている現在、夜行族は、主に平地の深い森に縄張りを構えており、動物を獲物として、他種族を狩りの対象にすることを避けている。つまり、麓のレイン村に現れたという夜行族は、種族の掟に逆らっているはぐれ者なのだ。

「死者は出てないらしいけど、襲われた被害者はみんな、貧血症状が出ただけじゃなく、噛まれた跡が爛れて、高熱が続いてるらしい。誰が襲われるかも分からないから、なかなか防げないって話だった」

「被害家族に共通点は?」

 ユテに確認されて、スカイは険しく眉を寄せた。

「それが……、もっと嫌な話になるんだけどな……」

 当然、村でも対策を立てる一環として、被害家族の共通点探しは為されたが、表向きは何も見えてこなかった。ただ、噂が流れているという。

「今のところ分かってる被害家族は四家族なんだけど、どの家族も実は、《混ざり者》の家系だって噂が流れてるらしいんだ」

 《混ざり者》というのは、種族間の混血を、蔑んで呼ぶ言い方である。

「被害家族の家はレイン村のあちこちに散らばってて、特にお互い交流がある訳じゃないし、被害者の何人かはおれも実際会ったことがあって知ってるけど、別に、見た目は真人族と変わらない。本人達も、《混ざり者》だなんて、名乗ったことはない。でも、そういう噂って、連綿と消えずに伝わるもんだろう? おれの家族だって、多分、陰じゃ噂されてるし……。村議会は事実無根の噂だって言って認めてないのに、聖教会は、『異種族と交わった者に《聖罰》が下った』って信者達に言ってるらしいよ」

 聖教会とは、最近勢力を拡大してきた宗教団体で、レイン村の外れにも、二年前に聖教会寺院が建ち、入信する村人も徐々に増えつつある。その教義の中で最も特徴的なのは、種族間の交わり、関わりを固く禁じている点だ。

「夜行族が、《混ざり者》ばっかり狙ってるとしたら、確かにおかしいとおれも思うけど、だとしても、それは《聖罰》とかじゃないだろう?」

「あんなものは、作り話だ」

 ユテは、溜め息とともに否定した。

「だよな……!」

 スカイは安心して頷いた。聖教会のことは、正直いけ好かない。それは、〈自分自身の存在が教義で否定されている〉からに他ならないのだが、それだけではない胡散臭さのようなものを感じるのだ――。

「しかし、夜行族の行動には、必ず意味がある」

 ユテが、足元に生えている可憐な花を見つめながら、きっぱりと告げる。

「夜行族は、誇り高い分、こだわりが強い。はぐれ夜行族でも、種族と袂を別った理由があるだろうし、真人族を襲う理由があるはずだ」

 そこまで言ってから、ユテはおもむろに立ち上がり、スカイの顔を見下ろす。

「今夜、おれが麓に行こう。おまえやおまえの家族が襲われたら嫌だしね」

「いいのか?」

 スカイも、親友の顔を見返しながら立ち上がる。

「麓は、天精族にとって居心地のいいところじゃないって、おまえ、いつも言ってるじゃないか」

「一晩くらい、何の問題もない。要は我慢するかしないか、だけだよ」

 あっさりと答えて、ユテはふっと微笑む。

「そんな心配そうな顔をしなくていい」

 物堅い表情をしていることが多いユテが頬を弛めると、目を離せなくなるような愛敬がある。

「おまえ、普段からもっと笑ってたらいいのにな」

 スカイが思わず言った一言には、深い溜め息が返ってきた。





「じゃあ、また今夜な!」

 手を振りながら山肌を下るスカイを見送ってから、ユテは歩み寄ってきた地老族の小柄な老爺へ視線を転じた。

「どうかしたんですか? スカイは帰りましたが」

「おまえさん、最近笑顔が増えたの」

 老爺は腰を伸ばすようにユテを見上げて、変則的な答え方をした。

「スカイには、もっと笑えと言われましたが」

 ユテが溜め息混じりに応じると、老爺は愚痴のように言った。

「あの子が山へ来る目的は、もうほとんどおまえさんじゃの。わしの洞穴へは、『元気か?』言うて一瞬顔見せるだけで、すぐここへ行きよるぞ」

 ユテはその様子を想像して、苦笑した。確かにそうだと思える節が多過ぎる。だから、真面目に心配しているのだ。

「あいつをここまで懐かせるつもりはなかったんですが、駄目ですね。纏わりついてくるので、つい構ってしまいます」

「あやつに似ておるの」

「――そうかもしれません。あの翠玉色の瞳など、そっくりです。それから、笑った感じや、雰囲気や、何より考え方が」

 ユテは視線を落として答えた。先ほどなど、夢で見ていた続きかと思って、思わず別の名で呼びそうになった。それくらい自分の中で、〈彼〉とスカイは似た存在になってしまっている。

「大きくなるにつれて、勝手に離れていくかと思っていましたが、十五歳になってもあれでは、まず無理でしょうね。もうおれの存在は、あいつにとって、害悪でしかない。今回の夜行族のことが片づいたら、おれは台地の上へ――里へ戻ろうと思います」

 目の前を降っていく滝の源流が豊かに流れる場所。この台地の上こそが、風竜一族の里なのだ。

「――あやつの予言を恐れておるのか?」

 老爺は、石灰色の太い眉を片方だけ上げて、ユテを見上げる。

「あの子があやつと同じ《勇者》の道を歩むことを。そう導いてしまうことを」

 ユテは、眉根を寄せて地老族の老爺を見下ろした。ユテが《勇者》を嫌っていたことを、そして《勇者》が決して幸せな存在ではないことを、この老爺は実際に目の当たりにして知っている。それでも尚、スカイが《勇者》になることを望むのだろうか。強張った気持ちを解きほぐすため、意識的に溜め息をついて、ユテは答えた。

「全く、〈彼〉も、余計なことを言い残してくれたものです。自分の子孫の中から、次の《勇者》が現れるなどと。未来を知る力などなかった癖に」

「じゃが、先を見通し、物事を予見する力はあった。おまえさんも、じゃからこそ、あやつの言葉を予言として信じておるのじゃろう? 里を出たまま、ここで、ただ、あやつの末を――」

「そうですね」

 ユテは老爺が言いかけた先を遮り、苦く微笑む。

「けれど、それでスカイと親しくなり過ぎてしまった。《勇者》の宿命から遠ざけようとしたことが、逆に仇になりつつある。おれが〈彼〉を嫌ったように、〈彼〉もおれに何か思うところがあったのかもしれませんね。〈彼〉の予言は、おれにとっては、まるで呪詛です」

 長い間胸に痞えていた思いをそのまま口にしたので、さすがに言葉が過ぎただろうか。地老族の老爺は、石灰色の眉と髭に覆われた、表情の窺い知れない顔でユテを見上げたまま、暫し沈黙したのち、嘆息とともに言った。

「そこまで言うなら、止めはせんが……、あの子は、台地の上まで、おまえさんを追っていくかもしれんぞ?」

「そんなことのないように、今夜、話をします。それに、万が一、あいつが追ってきたとしても、一族の結界に阻まれますよ。天精族は、五族一、他種族嫌いですから」

 ユテは自嘲気味に告げた。





「ただいま!」

 山肌を走り下った勢いそのままに玄関扉を開け、家の中に入ったスカイは、目深に被っていた帽子を壁の帽子掛けに掛け、居間を横切って、二階の自室へ駆け上がる。その背中へ向けて、台所から母親が叫んだ。

「大おじいちゃん、元気だった?」

「ああ! 今日も腰が痛いって元気に愚痴ってた!」

「そう、よかったわ」

 母親の返事を聞くと同時に、スカイは自室に入って戸を閉めた。

 天精族風竜一族が住まう台地に連なる山の中腹にある、あの滝壷近くに口を開けた洞穴。それが、彼の曽々々々々々々々々……祖父であるというチムニーの住まいだ。向こうも、気紛れに真人族と交わってできた子孫の末が、現在何代目かなど覚えていないだろう。地老族は、天精族や夜行族以上の長寿を誇る種族なのだ。だからホール家では、祖先である、あの地老族小人一族の老爺を、ただの〈大おじいちゃん〉と呼び習わしている。

 最初はスカイも、ホール家後継ぎの密かな習わしとして、十歳の誕生日を迎えた時から、時折山へ〈大おじいちゃん〉に会いに行くだけだった。だが十一歳のある日、そこで美しい天精族と出会ってしまったのだ。以来、〈大おじいちゃん〉に会いに行くほうはついでで、毎日その天精族に会いにいくようになった。

(今夜は一晩中、ユテといられる)

 心が躍る。同時に、緊張もする。

(夜行族……、実際会うのは、初めてだ……)

 生き血や精気を主な糧として生きる種族。日光を苦手とし、夜の闇の中で活動する種族。野生族を上回る高い身体能力を有し、視覚、聴覚、嗅覚なども優れた種族。

(ユテの足手纏いにならないよう、しっかり準備しとかないとな。もしかしたら……、おれが狙われるかもしれない訳だし)

 真人族を名乗り、実際ほとんど真人族とはいえ、自分は、僅かに地老族の血を引く混血――つまり《混ざり者》なのだ。クラウド・レインが教えてくれた村の噂を信じれば、夜な夜な現れる夜行族の標的の一人ということになる。それなりの覚悟をしていかなければならない。

 小刀、火打石と紙、蝋燭、傷薬、包帯、縄……。いつも肩に掛けている布鞄へ、スカイは思いつく限りの物を入れていく。

(それにしても)

 ふとスカイは手を止めた。ユテは、夜行族相手に、一体どうするつもりなのだろう。ユテが短刀を使うことは知っている。しかし、夜行族相手ならば天精族風竜一族としての力を使うのだろうか。天精族は、五族の中で、最も謎に包まれた種族だ。生物無生物全てのものに宿る精気を操るとも言われているが、その実際は知られていない。ユテから、何かそういった力を見せられたこともない。そういったことについて、スカイから尋ねたこともなかった。

「いろいろ興味本位で訊きまくったら、ある日いきなり、会えなくなりそうだもんな……」

 思わず呟いて、スカイは寂しく笑った。あの大樹の下で、毎日昼過ぎからスカイを待ってくれているのは、完全にユテの好意だ。スカイは、ユテの住み処も、何故あそこにいるのかも、何も知らない。

「十一歳の時から、嵐で山に登れない日以外、毎日会ってるのにな……」

 そのユテと、今日は一緒に夜を過ごすことになる。夜行族相手に、戦うことになるかもしれない。全てが初めて尽くしだ。

「――よし!」

 荷物を布鞄に入れ終えて顔を上げると、いつの間にか、窓から夕日が差し込み始めていた。
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