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共依存という手数料払う
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太陽と月。縦の糸と横の糸。焼き鳥とビール。海と水着の美女…世の中には、相性が良い「組み合わせ」というものがたくさんある。
太陽が月を嫌っているというのは聞いたことがないし、縦の糸は横の糸と交わりたいと思っているだろうし、焼き鳥はその火照った体を金色の泉に授けたいと考え、海だってセクシーな水着美女を受け入れたいはずだ。
世界は、すべて持ちつ持たれつだ。それは、俺たちだってそう。他人の意見なんて、どうだっていい。俺にはあいつが必要だし、あいつには俺が必要だ。それがどんな関係に見えたって…
「ただいま」
家に帰れば、あいつはいつも温かく俺を迎え入れてくれる。こんなに居心地の良い場所は、世界広しと言えど、どこにだってない。
あいつは、いつも俺にやさしく触れてくれる。少しくすぐったい時もあるけど…ちょっとしたスキンシップだ。変な意味じゃない。とても心地良い気分になれる。おだやかで安らかな気持ちになれるんだ。
俺もその愛撫に応えようと、あいつに身体を預ける。そうすると、あいつはひどく喜んでくれるんだ。こんなにも愛おしい存在は他にいない。俺はこいつと、一生を添い遂げる覚悟ができてるんだ。
そのためにも、俺は社会の波に揉まれながら、懸命に働いている。あいつにちゃんと食わせてやらないといけないからな。正直…あいつに出会うまでは、誰かのために働くとか考えたこともなかったな…「なんで自分の稼いだお金を、人にやんなきゃいけないんだよ!」って思ってたしな。
ん…何か気になることがあるみたいだな。なんであいつは自分で働かないのかって? そりゃ、あいつが俺の家を守ってくれてるからだよ! それがあいつの仕事なんだ。あいつは家庭を守ることに尽力してくれている。それで十分じゃないか。まあ、確かに女房は家にいて、旦那が外で働くなんて、ちょっと旧時代的かもしれないけど…でも、俺たちが納得してるんだから、それでいいんだよ。
それに…こんな話をするつもりもなかったが、まあ、ちょっと付き合ってくれよ。あいつは生まれつき…ちょっと体が不自由でな。あんまり動けないんだよ。かわいそうだろ…でも、あいつはちっとも卑屈にならねえ。とても前向きなんだ。「それは仕方ないこと」と割り切って、懸命に俺たちの家を守ってくれている。健気なもんさ。
それが俺たちなりの愛の形なんだよ! ちょっといびつに見えるかもしれないが、関係ないだろう。
ま、まあそりゃ俺だって一度は考えたさ…一人で好きなことして生きる道も。あいつにも縛られず、自由になることを…でも、やっぱり無理なんだ。俺は一人じゃ生きていけねえ。情けないが、俺は誰かに守ってもらわないとダメなんだ… でも、これは俺のせいじゃないと思ってる。俺がガキの頃からずっとそうだったし、父ちゃんと母ちゃんもそうだったらしい。俺はこいつに守られてきたんだ。
「おお、はいよはいよ。今日の分の食事だな。お、悪いなお前ら、話はまた今度にしてくれ。貴重なディナーの時間くらい、夫婦水いらずで過ごさせてくれよ」
雄は体を右に左に揺らす。その体には、無数の触手が巻き付かれていた。
「ちょっと待て、ひゃひゃひゃひゃ、くすぐったいな! 今日は本当に腹ペコなんだなあ」
小さな岩場のある浅瀬には、光が反射していた。
太陽が月を嫌っているというのは聞いたことがないし、縦の糸は横の糸と交わりたいと思っているだろうし、焼き鳥はその火照った体を金色の泉に授けたいと考え、海だってセクシーな水着美女を受け入れたいはずだ。
世界は、すべて持ちつ持たれつだ。それは、俺たちだってそう。他人の意見なんて、どうだっていい。俺にはあいつが必要だし、あいつには俺が必要だ。それがどんな関係に見えたって…
「ただいま」
家に帰れば、あいつはいつも温かく俺を迎え入れてくれる。こんなに居心地の良い場所は、世界広しと言えど、どこにだってない。
あいつは、いつも俺にやさしく触れてくれる。少しくすぐったい時もあるけど…ちょっとしたスキンシップだ。変な意味じゃない。とても心地良い気分になれる。おだやかで安らかな気持ちになれるんだ。
俺もその愛撫に応えようと、あいつに身体を預ける。そうすると、あいつはひどく喜んでくれるんだ。こんなにも愛おしい存在は他にいない。俺はこいつと、一生を添い遂げる覚悟ができてるんだ。
そのためにも、俺は社会の波に揉まれながら、懸命に働いている。あいつにちゃんと食わせてやらないといけないからな。正直…あいつに出会うまでは、誰かのために働くとか考えたこともなかったな…「なんで自分の稼いだお金を、人にやんなきゃいけないんだよ!」って思ってたしな。
ん…何か気になることがあるみたいだな。なんであいつは自分で働かないのかって? そりゃ、あいつが俺の家を守ってくれてるからだよ! それがあいつの仕事なんだ。あいつは家庭を守ることに尽力してくれている。それで十分じゃないか。まあ、確かに女房は家にいて、旦那が外で働くなんて、ちょっと旧時代的かもしれないけど…でも、俺たちが納得してるんだから、それでいいんだよ。
それに…こんな話をするつもりもなかったが、まあ、ちょっと付き合ってくれよ。あいつは生まれつき…ちょっと体が不自由でな。あんまり動けないんだよ。かわいそうだろ…でも、あいつはちっとも卑屈にならねえ。とても前向きなんだ。「それは仕方ないこと」と割り切って、懸命に俺たちの家を守ってくれている。健気なもんさ。
それが俺たちなりの愛の形なんだよ! ちょっといびつに見えるかもしれないが、関係ないだろう。
ま、まあそりゃ俺だって一度は考えたさ…一人で好きなことして生きる道も。あいつにも縛られず、自由になることを…でも、やっぱり無理なんだ。俺は一人じゃ生きていけねえ。情けないが、俺は誰かに守ってもらわないとダメなんだ… でも、これは俺のせいじゃないと思ってる。俺がガキの頃からずっとそうだったし、父ちゃんと母ちゃんもそうだったらしい。俺はこいつに守られてきたんだ。
「おお、はいよはいよ。今日の分の食事だな。お、悪いなお前ら、話はまた今度にしてくれ。貴重なディナーの時間くらい、夫婦水いらずで過ごさせてくれよ」
雄は体を右に左に揺らす。その体には、無数の触手が巻き付かれていた。
「ちょっと待て、ひゃひゃひゃひゃ、くすぐったいな! 今日は本当に腹ペコなんだなあ」
小さな岩場のある浅瀬には、光が反射していた。
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