北の魔法使い

ぴこみん

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ナビを頼りに北へ向かって歩く。

バスなんて通って無さそうな田舎。




通りすがりの人に変な目で見られた。

私が北の森へ行くと思っているのか。

それともこの辺りに外国人が来たことやアジア人が珍しいのか。

それほど北の森は恐れられているのか。





そんなことを考えていると、ある一人の若い男が声をかけてきた。




眼鏡をかけていて、

ダークブラウンの短髪の20歳ぐらいと思われる男だった。








「北の森へ行くの?」


『いや、あの、えっと、友達のお家に行くの!あはは。』






私が誤魔化すように嘘を言って笑うと

男は狂ったように噂話を始めた。






「気をつけなよ!北の森のユハって男は売春婦を連れ込んで

やばいことやってるんだ!

女たらしで薄情で変人奇人だ!

借金だってある!

とんでもない奴だ!

大酒飲みでさ!

それから奴は魔法使いの血筋だ!

あいつの母さんも狂ってる!

ユハはものを盗んで生活してる!

犯罪歴もすごいんだ!!」







???





え?




ホテルの受付にいた

ユハのお母さんらしき人は普通に優しかったけど??






あの人はユハのお母さんじゃないってこと?





そんなことないよね?




彼女が言っていた息子が行方不明ってことの詳細と

行方不明になった息子の容姿の情報が

インターネット上の情報と完全に一致してたから

あの人がユハのお母さんではない可能性の方が低いよね?






こいつは何か妬んでるの??




『ご親切にありがとう。友達が待ってるから失礼します。』




もうまともに相手にしたらこの男は今にも怒り出しそうだったので

そう言って歩きだした。




何をそんなに妬んでるんだ?

お母さんらしき人もそんな悪くは見えなかったけどなあ。





ここまで来て何も無しに帰りたくはない。





私は人を噂だけで決めつける奴は嫌い。

会ってみたら違う性格かもしれないじゃん。

























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