北の魔法使い

ぴこみん

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言ってもいいのかな…

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「あの子に聞いてみよう。」



ユハは緑の傘とココアのコップを持って
森へ帰った。





『ねぇ、この傘どうしたの?』




「あ、それはね、」




『これ、ボクの母さんの傘なんだ。どこで拾ったの?』




「貰ったんだよ。」




『どこで?』




「ホテル…。」





あのおばさんのことを言ってもいいんだろうか。





『誰から貰った?』




「金髪の細い40代ぐらいのおばさん。すごく可愛いおばさん。」




『ぷっ。可愛いって。』



ユハが笑った。





『他に特徴ある?身長とか。』




「165センチぐらい。ベリーのタルトをくれたよ。
あとは…あ!!」




“うちの息子が10年前に行方不明になったの。
金髪に水色の瞳。北の森へ続く足跡があったの。”




こう言っていたことは
ユハに伝えてもいいんだろうか。




『何?教えて?』







ユハに伝えてもいいんだろうか…。

















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