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1.プロローグ

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 街の近くにある森のどこかに、マンドラゴラが生えているらしい。

「えっ?」

 思わず聞き返してしまったのは、話のカーブがあまりに急すぎたせいになる。

 「女3人寄ればかしましい」なんて言うけれど。
 3人寄らずとも、1人で十分過ぎるくらいにぎやかな人はいるものだ。

 そういうのが2人揃っていることもある。
 ともすれば話題は放っておいても勝手に生まれて、勝手に盛り上がって、オチていくのだ。だから申し訳ないけれど正直、耳が50%オフくらいになっているタイミングもしばしばあって。

 それなりに集中力を要するポーションの調合中ともなれば尚のこと。
 大部分がBGMと化して、耳を素通りしていた。

 そんな矢先のこと。

「そう! そういえば、聞きまして!?」
「うーん?」

 ポーションの製薬に集中していたところ、同僚の口から冒頭の話題が飛び出したのは。直前までそれとまったく関係のない、他愛のないグチとか世間話だっただけに、不意打ちだ。

 いきなり変化球が超ドストライク。
 急に来たぶっ込みクリティカルはさすがにスルーできなくて。

 赤毛の少女、アルメリア・リーフレットはとっさに聞き返していた。

「あ、アル! それ……!」
「へっ……? わわっ!?」

 傾けたまま、思わず作業を止めてしまった手元のフラスコ。
 それがポムんと音を立てて、灰色の煙がモクモクと立ち昇る。
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