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ギルドの地下に設けられた練兵場。
そこで繰り広げられていた、アルメリアとジルクリフの一騎打ち。
もっとも真剣に闘志を燃やしていたのはジルクリフだけで。
(どうにかして抜け出さないと……!)
できるだけ早く離脱したいと、あまりその気もなかったアルメリアとは大きく温度差もあったが。
まさかその最中のことだった。
その対峙を裂くように。
「俺をハブってイチャついてんじゃねぇぞおおおッ!」
振り乱すような赤髪の男が、何の前触れもなく乱入してきたのは。
「なに!?」
「え、レド……!?」
二度見するまでもなくレドックスだった。
それはジルクリフにとって完全に想定外の闖入であり、アルメリアにとっても衝撃の極み。
(な、なんでここにレドが……!?)
――ちなみに、つい今しがたまでアルメリアが頭の中で描いていたこれからの段取りはこうだ。
とりあえずこの場を離脱して、なんとかレドックスと合流する。
「どうしようお兄さんにバレちゃった!」と相談しつつ、曲がりなりにも対応策や口裏合わせを考える……みたいな。
(かなりフンワリしてるけど……!)
ダメだ。
いまはそれくらいしか浮かばない。
(よし、いったんそれで……!)
いざ決行に踏み切ろうとした、その矢先の乱入だった。
なもので、見事に吹き飛ぶ。
だってこれでは全部パーではないか。
口裏を合わせるどころではないし、ヘタに呼びかけようものなら、いよいよグル認定されてどんな言い逃れも通用しなくなる。
(ど、どうすればー!!?)
頭を抱えてアウーとなっているうちにも、レドックスとジルクリフの剣戟は激化していくばかりだった。
「どういうことだ! レドックス、どうしておまえがここに!? なぜ邪魔をする……!?」
「そりゃあコッチのセリフってもんだろうが、キモグリフ、キショグリフ。キンタマも言ってたはずだぜ、コイツァ俺の獲物だってなぁ。横からしれっと掻っ攫ってんじゃねぇぞォ……!」
「そんなことを言っている場合か!? いまがどんな状況か分かって……それともレドックス、やはりおまえは既に……!」
「あァ? なァにイミシンぶってやがる? ヘンな含み持たせて臭わせてんじゃねぇぞ、オメェ。メンヘラか? 言いてぇことあんならハッキリ言えや」
「ぐッ……!? おまえというやつは……!」
「グズグズすんな。カッコつけんな。タマ付いてんだろうが。シロクロ付けろ。――いい加減、女々しいかよオメェ。スカシ、ホモ、ムッツリ」
「ほっ……むっ!?」
「この、カマ野郎がぁああッ!!?」
ガキンと、またも乱雑で力任せな薙ぎ払い。
受けきれず、吹っ飛ばされたジルクリフもろとも壁が大破する。
もうもうと立ち込める土煙。
しかし静寂は一瞬だった。
「ォオオオッ!!」
猛り声とともにジルクリフが煙幕を突き破る。
烈々たる一撃を振るいながら、再びレドックスとの打ち合いへと舞い戻って。
「わぁ……」
アルメリアとしては、もはや完全に思考停止だった。
こんなの兄弟ゲンカなんてレベルではないし、収拾の付けようもない。
「私、帰っていいのかな……? いや、さすがにダメよね、それは……。でも、だからってこんなのどうしたら……?」
いつぞや自分のポーションが爆発的人気を誇り、冒険者たちが押し寄せたときのように。ただただ呆気に取られ、ポカーンとする。
「もうここで座って見てようかな……」
いろいろと諦め、しゃがみかけたそのときだ。
アルメリアは見た。
荒々しい裂帛の気合いとともに激突する二人の間にもう一つ、別の影が飛び込むのを。
その瞬間、戦闘は強制的に打ち切られる。
レドックスの剣は剣で受け止められ、ジルクリフの刃は巨大な盾で阻み。
そこに立っていたのは既に息を切らせながら、あまり顔色も優れなそうに見える金髪の男。
「……そこまでだ、2人とも。剣を引け」
長兄、ライナルト・ガレイアであった。
そこで繰り広げられていた、アルメリアとジルクリフの一騎打ち。
もっとも真剣に闘志を燃やしていたのはジルクリフだけで。
(どうにかして抜け出さないと……!)
できるだけ早く離脱したいと、あまりその気もなかったアルメリアとは大きく温度差もあったが。
まさかその最中のことだった。
その対峙を裂くように。
「俺をハブってイチャついてんじゃねぇぞおおおッ!」
振り乱すような赤髪の男が、何の前触れもなく乱入してきたのは。
「なに!?」
「え、レド……!?」
二度見するまでもなくレドックスだった。
それはジルクリフにとって完全に想定外の闖入であり、アルメリアにとっても衝撃の極み。
(な、なんでここにレドが……!?)
――ちなみに、つい今しがたまでアルメリアが頭の中で描いていたこれからの段取りはこうだ。
とりあえずこの場を離脱して、なんとかレドックスと合流する。
「どうしようお兄さんにバレちゃった!」と相談しつつ、曲がりなりにも対応策や口裏合わせを考える……みたいな。
(かなりフンワリしてるけど……!)
ダメだ。
いまはそれくらいしか浮かばない。
(よし、いったんそれで……!)
いざ決行に踏み切ろうとした、その矢先の乱入だった。
なもので、見事に吹き飛ぶ。
だってこれでは全部パーではないか。
口裏を合わせるどころではないし、ヘタに呼びかけようものなら、いよいよグル認定されてどんな言い逃れも通用しなくなる。
(ど、どうすればー!!?)
頭を抱えてアウーとなっているうちにも、レドックスとジルクリフの剣戟は激化していくばかりだった。
「どういうことだ! レドックス、どうしておまえがここに!? なぜ邪魔をする……!?」
「そりゃあコッチのセリフってもんだろうが、キモグリフ、キショグリフ。キンタマも言ってたはずだぜ、コイツァ俺の獲物だってなぁ。横からしれっと掻っ攫ってんじゃねぇぞォ……!」
「そんなことを言っている場合か!? いまがどんな状況か分かって……それともレドックス、やはりおまえは既に……!」
「あァ? なァにイミシンぶってやがる? ヘンな含み持たせて臭わせてんじゃねぇぞ、オメェ。メンヘラか? 言いてぇことあんならハッキリ言えや」
「ぐッ……!? おまえというやつは……!」
「グズグズすんな。カッコつけんな。タマ付いてんだろうが。シロクロ付けろ。――いい加減、女々しいかよオメェ。スカシ、ホモ、ムッツリ」
「ほっ……むっ!?」
「この、カマ野郎がぁああッ!!?」
ガキンと、またも乱雑で力任せな薙ぎ払い。
受けきれず、吹っ飛ばされたジルクリフもろとも壁が大破する。
もうもうと立ち込める土煙。
しかし静寂は一瞬だった。
「ォオオオッ!!」
猛り声とともにジルクリフが煙幕を突き破る。
烈々たる一撃を振るいながら、再びレドックスとの打ち合いへと舞い戻って。
「わぁ……」
アルメリアとしては、もはや完全に思考停止だった。
こんなの兄弟ゲンカなんてレベルではないし、収拾の付けようもない。
「私、帰っていいのかな……? いや、さすがにダメよね、それは……。でも、だからってこんなのどうしたら……?」
いつぞや自分のポーションが爆発的人気を誇り、冒険者たちが押し寄せたときのように。ただただ呆気に取られ、ポカーンとする。
「もうここで座って見てようかな……」
いろいろと諦め、しゃがみかけたそのときだ。
アルメリアは見た。
荒々しい裂帛の気合いとともに激突する二人の間にもう一つ、別の影が飛び込むのを。
その瞬間、戦闘は強制的に打ち切られる。
レドックスの剣は剣で受け止められ、ジルクリフの刃は巨大な盾で阻み。
そこに立っていたのは既に息を切らせながら、あまり顔色も優れなそうに見える金髪の男。
「……そこまでだ、2人とも。剣を引け」
長兄、ライナルト・ガレイアであった。
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