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 要塞ギルド、ガレイア。

 そこでは現在マンドラゴラを巡り、魔王軍との激しい攻防が繰り広げられているわけだが。

 人類側が戦局を支えられているのは、とある三兄弟の存在がとても大きい。

 金剣のライナルト。
 銀剣のジルクリフ。
 銅剣のレドックス。

 その三名だ。

 少し前まで『ガレイア』はライナルト、森の魔女、そして敵軍幹部格の一人、夢喰いのセレビネラが互いに牽制けんせいし合い、三すくみの構成を保っていた。

 だが別ギルドにいたレドックスとジルクリフが、もう一人いた別の幹部格を撃破したことでライナルトのもとに集結。

 同じ戦場に並び立つこととなり、その均衡きんこうは大きく崩れる。

 金・銀・銅――と、そう呼ばれるようになった所以はたぶん髪の色とか生まれ順によるところが大きいのだろうが。

 その序列に反して桁違いの実力を誇る末弟、レドックスが敵軍のセレビネラを討ち取ったのだ。


(マンドラゴラを手中に収めた側が優勢に立つことは、まず間違いない……)


 そんな考えのもと、ライナルトはジルクリフとともに根気強く魔女の説得を続けていたが。その任もレドックスにゆだねられる。

 だがそればかりは、いかに彼でもおいそれとはいかなかったらしい。


『オイ、真剣なツラ構えでいきなりキメぇこと抜かしてんじゃねぇぞ。なんで俺がオメェらとヨンピーかまさなくちゃならねぇんだよ。ヘンタイか?』

『ヨン……ち、違う! 何を言ってるんだ! いきなりおかしなことを言い出すな、俺はただ3人で共闘をと――』

『やなこった。ザコのケツ待ちなんざゴメンだぜ。アイツは俺の獲物だ。ぜってぇぶっ殺す。吊し上げて泣かす。百回は泣かす。いろんな意味でなぁ』

『あのなぁ、レド……。何度も言っていることだし、おまえもよくよく分かっていることとは思うが』

『わぁってるってわぁってんならクトクド言うんじゃネーよ。ウッセーな。ヤンな、だろ? 言葉のアヤとか意気込みっつーモンだろうがよ、コーユーのは。いちいちツッコンでくんじゃねぇよ。ヤボか? ブスイか? 回りくどいか? カァちゃんかよ、オメェ。ヨンピー野郎』

『分かった! 分かったから、その呼び方はやめろ! 絶対にやめろ!!!』

『……サンピ』

『減らしたってほぼ何も解決しないんだよ!!!』

 良くも悪くもレドックスは飾らない。
 見栄や虚心を張らず、ムリなものはムリと言うし、負ければちゃんとそれを認める。

 その彼が言うのだ。
 コツはだんだん掴めてきていると。
 だから今しばらく静観することに決めて。

 ただひとつ。


「そうこうしている内に、他の幹部格たちまで動き出さねば良いが……」


 それだけが気がかりではあった。
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