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しおりを挟む「おっと、そういえばまだ1つ目だったか。まぁいい、兄弟のことは分かった。それでセレビネラ、残りの2つは何だ? 続きを聞かせろ」
「じゃあ2つ目なんだけど、グリムガルドが……」
早い話が、暴走したらしい。
「暴走?」
狂哭のグリムガルド。
彼はこの攻防戦において重要な鍵を握っていたキーマンである。
勝利条件はマンドラゴラを回収することなのだが、グリムガルドはその天敵ともされるワーウルフだ。
だから彼が派遣された。
鼻を効かせ、その在処を突き止めるために。
ところが――。
「前に4人で話してたときも彼、ずっと様子がおかしかったじゃない? 覚えてるでしょ? 自分に金剣をやらせろーって煩かったの」
「あー言ってたな。キャンキャン、キャンキャンずっと吠えてて鬱陶しかった。そういえば結局、あれからどうなったんだ?」
そのやり取りはよくよく、グランダムも記憶している。
言っては悪いが……。
グリムガルドは情緒的にかなり不安定なところがあった。
(二足で歩もうとも、所詮は獣――そう断じてしまえばそれまでのことではあるが……)
「せっかく大好物のマンドラゴラ探しをさせてやるって言ったのに。"俺も戦わせろ"の一点張りだよ、あの犬っころときたら。まったく何を考えてんだか。あれにはウンザリだったね」
「しかし言に従わぬのであれば、セレビネラよ」
「そう。アタシが操って、ちゃんと言うことを聞かせるはずだったんだけど。そのまえに……」
「まさか……」
察したムシウルに、セレビネラは気まずそうに目線を伏せる。
「さっき言った、銀剣と銅剣に……」
勝手に突っ走って、やられたとのこと。
「あのバカ、やりやがったよ。まさにイヌ死にじゃないか。ご苦労なこったな」
「ムシウルよ、同胞の死だ。言葉を慎め……と言いたいところではあるが。むぅ、せめて一矢なりとも報いていればな……」
「それが……。まったく報いなかった、ってわけでもないかもなんだけど……」
「まさか! どっちかをやったのか!?」
「銅剣に……」
「……ッ!?」
一度席を立ち、身を乗り出すまでしたものの。
「ちょっと噛みつくくらいはできたみたい。ガブっと」
「それで!?」
「……それだけ」
「……はっ、そりゃ大戦果だね。よくやったよ。本当にやってくれたさ」
皮肉げに何かをほっぽり捨てる素ぶり。
あからさまに興味を失い、また着席するムシウルだった。
「で、3つ目は?」
「これはまだ、いい知らせとも悪い知らせとも取れないんだけどね」
そしてセレビネラは、最後にその話題を持ち出す。
「なんか、森に魔女が棲みついたみたいなの」
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