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第10章 新たなる拠点作り
第14話 三つ目の砦
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問題の砦にも、何の問題も無く到着した。所要時間は二時間も掛かってない。
一番南側の砦なので、もしかしたらザガンの作った洞窟ホテルから近いかもしれない。
「コーポラルさん…静かだね」
「はい、砦の崩壊は免れたようですが、生存者は絶望的ですね」
崩壊を免れたと言ってはいるが、さっきと同じ形の砦だというなら、既に半壊以上の損害は出ているように見える。
それでも、運良く魔物の通行を妨げるように瓦礫が邪魔をしているので、魔物も態々ここを通らずに結界の掛かっている塀沿いに移動したのだろう。
魔物だって餌も無く、通りにくいところを無理やり通るとも思えない。追われて来たのだとしても、時間もまぁまぁ経ってるし、背後からの脅威についてもある程度ほとぼりが冷めていたのだと思う。その脅威というのが俺だったみたいなんだけどね。
その移動した魔物がさっきの砦に集中して来たので被害を受けて、陥落前に俺達が何とか間に合ったという流れで合ってると思う。
「コーポラルさん」
「はい、ここももう魔物の気配は無いようですので部下に確認をさせます。しばらくお待ちください」
コーポラルさんがそう言った時には、もう部下さん達は散開を始めていた。ホントに何なんだろうね、この人達は。優秀すぎるだろ。
だったら俺のする事は……何も無いね。
コーポラルさん達がいなければ砦の修復をしてあげてもいいんだけど、目の前で高速早送りのように建って行く建物を見せるわけには行かないし、衛星の能力を見せるのもなぁ。
でも、食事ぐらいは用意してあげてもいいかな。
『タマちゃん、ここから見えない建物の影に食事を七人前用意してよ。今日は魚の気分だから、カレイの煮付けとご飯とお吸い物って出来る?』
『Sir, yes, sir』
『あっ、もし生存者がいるようなら先に教えてね』
『Sir, yes, sir』
流石に味噌汁はコーポラルさん達にはハードルが高いと思ってお吸い物にしたんだけど、完全に和食にしたけど大丈夫かな? でも、肉ばかり食べてると和食が食べたくなるもんなんだよ。ジジ臭いメニューだと思わなくも無いけど、今は食べたい気分だったのだ。
和食にも肉はあるけど、やっぱり肉ばかりだと偶には魚が食べたくなるよね? お寿司とか焼き魚とか。今はカレイを甘辛く生姜で煮詰めたやつを食べたい気分だったんだよ。
「コーポラルさん、少し確認したら、先に食事にしましょう」
「食事、ですか? でも、まだ確認が……」
「一応、生存者の確認はこちらでもしますので、先に食事をして探索にしましょう。部下さん達もお腹が空いてるでしょうし、呼び戻してもらえますか」
「そうは言いましても、簡易食は食べてますし」
彼らは馬上で何か齧ってたけど、あれが簡易食だったのか。でも、ジャーキーみたいな干し肉だろ? あんなんじゃ力が出ないって。
「いえいえ、こちらでも探索はできます。な、アッシュ」
「ええ、任せて。美味しそう……いえ、活きのいい魂……いえ、大きな生体反応は無いけど、不味そう……いえ、弱弱しい反応は幾つか分かってるわ。魔物の反応も無いし、今すぐ死にそうにも無いから慌てなくてもいいんじゃない?」
本音が駄々漏れだ! まさか、そんな人達からも魂を奪おうと思ってんじゃないだろな。頼むよ、ホント。
「ええっ! アッシュ様は生存者の確認ができるのですか!」
あまり大声を出さないコーポラルさんが驚いている。紹介の時にアッシュって言ったからね、本名はアシュタロトなんだけど、もうこのままでいいか。
「ええ、美味しそうな魂なら……」
「ちょーっと黙ろうか。周辺探索が得意なんだよな? アッシュ」
そう言ってウインクするも、アッシュには伝わって無いようで、
「ええ、活きのいい魂なら相当遠くでも……」
「そうだね! 魂というか潜在能力というか強い生命力なら遠くでも分かるんだよね!」
「おお、それは頼もしい。では、早速案内してくださいますか」
なんとか誤魔化せたかな?
更に別の話題にするために、不謹慎とは思いつつ食事の話に戻した。だって、アッシュだってすぐに死ぬような事は無いって言ってたし、飯を食う時間ぐらいは誤差の範囲だろう。
皆、中央の砦を出てから食事らしい食事をしてないんだから。無理して身体を壊さないかの方が心配だよ。
「だから、食事をしてからね」
「しかし、早くしなければ救える命も救えなくなってしまいます」
「それはそうだけど……アッシュ、何人ぐらいいるの?」
「そうねぇ……三人ってとこかしら」
それなら先に助けようか。もちろん俺だって、食事より人命が大事なのは分かってるから。三人ならすぐに済むだろうし、食事は後回しだな。
「わかったよ。じゃあ、食事の用意は終わってるけど、先に救助だね。ちゃっちゃと終わらせてしまおう」
「お願いします」
「仕方がないわね。私もお腹が空いてるのよね」
愚図るアッシュを宥めて要救助者の元へと向かった。
要救助者は、アッシュが本当にすぐに見つけてくれたのでHP回復薬を飲ませ、命は取り留めた。怪我や体力は全快になったけど、目は覚めてない。
部下さん達に運んでもらい、ようやく食事タイム。救助した三名の砦兵は俺の簡易小屋を出して、今はそこで寝かせている。
状態は安定しているから、あとは目を覚ますのを待つだけだ。その間に、用意していた食事を皆で摂った。
まずはいつも通り『どうやって用意したのですか』から始まり、『何ですか! この美味しさは!』に続き、『おかわり!』へと続いていく一連の流れを経て、食事を終えると銘々の役割に散って行った。
部下さん達は被害状況を調べるためと、他に生存者が無いかの確認。コーポラルさんは生存者の看護。そして俺とアッシュは……する事が無かった。
なので、被害状況の確認も兼ねて少々森の探索をする事にした。部下さん達は砦の中と近辺だけの探索らしいので、俺は森の中まで行く事にした。
森は普通の森だった。今まで通って来た森に比べて希薄な感じがするが、タマちゃんの解説で解決した。
この辺りはレッテ山の麓に比べて魔素が少ないらしい。
ここ自体は通常の魔物がいる森と同等らしい。最初にレッテ山のこちら側に来た場所が濃すぎただけらしいが。
そりゃあレッテ山は高ランクの魔物の宝庫だから、そういう魔素? も濃くなってるんだろう。魔素とは魔力が霧散して空気中を漂ってるものらしいしね。
魔物は魔素が濃い所を好むのだとか。
逆にエルフのいた場所は凄く薄かったらしい。俺は全然気にも止めなかったけど。
あの大きな大樹が周辺の魔素を取り込み、聖なる気にして放出しているそうだ。本来は森の中心ほど魔素が濃いらしいが、エルフのいる場所は全て大樹があり、魔素を浄化して聖なる気で満たされているんだと。
よく調べたね。エルフの調査をしてたって言ってたから、エルフに関する全てを調べつくしたんだろうな……最優先事項のはずの俺を手薄にしてまで悪魔に頼ったぐらいだしね。
そして一時間後、撤収となった。
負傷者も既に意識を取り戻しており、砦の片付けのために残るそうだ。三人では何もできないだろうけど、後から援軍を寄こすと伝えて最南の砦を後にした。あと北側にある二つの砦も回る予定なので、通り道の砦で手配をかけるとコーポラルさんから伝えられた。
衛星に言えばすぐに終わるんだけど、さすがにそれは見せたくない。今までも衛星のことを教えていい結果になった事なんて無いんだから。
大体、衛星が見えないのがいけないんだよ。だから誰にも信じてもらえなくて呪いとか言われるんだ。まして誰もいない空間に向かってタマちゃんと会話しようもんなら変人を見る目で見られるからね。呪いや洗脳を疑われる行動だと自分でも分かってるから。
これだけ世話になってる衛星の悪口になってしまいそうだけど、衛星のには感謝はすれども文句なんて一個もない。あ、一個だけあった。山のこちら側まで飛ばされた切っ掛けにはちょっとだけ文句を言いたいかな。衛星の何かを示す地図で集めたアクセサリーを全部身に付けたらトレーズ様のところの送られて……ってもういいか。トレーズ様も【衛星の加護】を与えてくれた人なんだし、やっぱりNO文句だよ。
それから北へ向け進路を取った。というか、まずは半壊していた南から二番目の砦に着いた。
一旦、衛星の力で(俺の周囲から悪意のある魔物を排除するという、いらぬ世話のため)魔物の数が激減したので、今は落ち着いてるようだ。もう、誰かがトレインしない限り大量の魔物に襲われる事は当分無いだろう。
砦兵の方も、後援部隊が到着していて復旧作業に入っている。そう遠くない内に元通りになるだろう。最北の砦の件についての連絡はコーポラルさんに任せておけば大丈夫でしょう。彼はかなり優秀みたいだから。
あとは中央砦を通り抜けて着たの二つの砦だけど、またデブチョビがしゃしゃり出てくるんだろうなぁ。会いたくないなぁ……迂回しよっか。
「コーポラルさん」
「はい、なんでしょうか」
今は部下さん達に巡回を任せて俺とアッシュとコーポラルさんの三人で客室で寛いでいた。
いやいや、こういう本部役っていうのも大事な仕事なんだよ? 拠点が無ければ皆バラバラに動いてしまうし報告するにも探さないといけないからね。
うん、俺は大事な役割の職務中なのだ。
「中央の砦にはまだいますかねぇ」
「あー、あの方の事ですね。まだいるでしょうねぇ」
お互いに名前は出さずとも分かり合えるという事は、コーポラルさんもウザイと思ってるのかな? それとも俺がウザイと思ってるので気を使ってくれたか。ま、前者だろうね。
「迂回できないかな? まだ北の二つの砦にも行かなきゃいけないし、あまり余計な事で時間を取られたくないんだよね。精神的にも疲れるしさ」
「確かにそうですね。分かりました、部下を一人報告と今後の指示のために向かわせ、私達は中央砦を迂回しましょう」
「ホント!? それは助かるよ」
やっぱりコーポラルさんは気が回るなぁ。俺の周りにも一人こういう人がいてほしいよ。
それから部下さんを一人、中央砦に向かわせ、俺達は砦を迂回して北へと向かった。
伝令係の部下さんには細かく指示を出し手紙まで渡していた。
その間に俺は衛星に頼んで北の二つの砦に、もし生き残りがいれば確保しておくようにお願いした。もちろん見つけたときは治療もお願いした。
さて、あとは巡回するだけで終わる気がするけど、救援のフリはしないとね。
一番南側の砦なので、もしかしたらザガンの作った洞窟ホテルから近いかもしれない。
「コーポラルさん…静かだね」
「はい、砦の崩壊は免れたようですが、生存者は絶望的ですね」
崩壊を免れたと言ってはいるが、さっきと同じ形の砦だというなら、既に半壊以上の損害は出ているように見える。
それでも、運良く魔物の通行を妨げるように瓦礫が邪魔をしているので、魔物も態々ここを通らずに結界の掛かっている塀沿いに移動したのだろう。
魔物だって餌も無く、通りにくいところを無理やり通るとも思えない。追われて来たのだとしても、時間もまぁまぁ経ってるし、背後からの脅威についてもある程度ほとぼりが冷めていたのだと思う。その脅威というのが俺だったみたいなんだけどね。
その移動した魔物がさっきの砦に集中して来たので被害を受けて、陥落前に俺達が何とか間に合ったという流れで合ってると思う。
「コーポラルさん」
「はい、ここももう魔物の気配は無いようですので部下に確認をさせます。しばらくお待ちください」
コーポラルさんがそう言った時には、もう部下さん達は散開を始めていた。ホントに何なんだろうね、この人達は。優秀すぎるだろ。
だったら俺のする事は……何も無いね。
コーポラルさん達がいなければ砦の修復をしてあげてもいいんだけど、目の前で高速早送りのように建って行く建物を見せるわけには行かないし、衛星の能力を見せるのもなぁ。
でも、食事ぐらいは用意してあげてもいいかな。
『タマちゃん、ここから見えない建物の影に食事を七人前用意してよ。今日は魚の気分だから、カレイの煮付けとご飯とお吸い物って出来る?』
『Sir, yes, sir』
『あっ、もし生存者がいるようなら先に教えてね』
『Sir, yes, sir』
流石に味噌汁はコーポラルさん達にはハードルが高いと思ってお吸い物にしたんだけど、完全に和食にしたけど大丈夫かな? でも、肉ばかり食べてると和食が食べたくなるもんなんだよ。ジジ臭いメニューだと思わなくも無いけど、今は食べたい気分だったのだ。
和食にも肉はあるけど、やっぱり肉ばかりだと偶には魚が食べたくなるよね? お寿司とか焼き魚とか。今はカレイを甘辛く生姜で煮詰めたやつを食べたい気分だったんだよ。
「コーポラルさん、少し確認したら、先に食事にしましょう」
「食事、ですか? でも、まだ確認が……」
「一応、生存者の確認はこちらでもしますので、先に食事をして探索にしましょう。部下さん達もお腹が空いてるでしょうし、呼び戻してもらえますか」
「そうは言いましても、簡易食は食べてますし」
彼らは馬上で何か齧ってたけど、あれが簡易食だったのか。でも、ジャーキーみたいな干し肉だろ? あんなんじゃ力が出ないって。
「いえいえ、こちらでも探索はできます。な、アッシュ」
「ええ、任せて。美味しそう……いえ、活きのいい魂……いえ、大きな生体反応は無いけど、不味そう……いえ、弱弱しい反応は幾つか分かってるわ。魔物の反応も無いし、今すぐ死にそうにも無いから慌てなくてもいいんじゃない?」
本音が駄々漏れだ! まさか、そんな人達からも魂を奪おうと思ってんじゃないだろな。頼むよ、ホント。
「ええっ! アッシュ様は生存者の確認ができるのですか!」
あまり大声を出さないコーポラルさんが驚いている。紹介の時にアッシュって言ったからね、本名はアシュタロトなんだけど、もうこのままでいいか。
「ええ、美味しそうな魂なら……」
「ちょーっと黙ろうか。周辺探索が得意なんだよな? アッシュ」
そう言ってウインクするも、アッシュには伝わって無いようで、
「ええ、活きのいい魂なら相当遠くでも……」
「そうだね! 魂というか潜在能力というか強い生命力なら遠くでも分かるんだよね!」
「おお、それは頼もしい。では、早速案内してくださいますか」
なんとか誤魔化せたかな?
更に別の話題にするために、不謹慎とは思いつつ食事の話に戻した。だって、アッシュだってすぐに死ぬような事は無いって言ってたし、飯を食う時間ぐらいは誤差の範囲だろう。
皆、中央の砦を出てから食事らしい食事をしてないんだから。無理して身体を壊さないかの方が心配だよ。
「だから、食事をしてからね」
「しかし、早くしなければ救える命も救えなくなってしまいます」
「それはそうだけど……アッシュ、何人ぐらいいるの?」
「そうねぇ……三人ってとこかしら」
それなら先に助けようか。もちろん俺だって、食事より人命が大事なのは分かってるから。三人ならすぐに済むだろうし、食事は後回しだな。
「わかったよ。じゃあ、食事の用意は終わってるけど、先に救助だね。ちゃっちゃと終わらせてしまおう」
「お願いします」
「仕方がないわね。私もお腹が空いてるのよね」
愚図るアッシュを宥めて要救助者の元へと向かった。
要救助者は、アッシュが本当にすぐに見つけてくれたのでHP回復薬を飲ませ、命は取り留めた。怪我や体力は全快になったけど、目は覚めてない。
部下さん達に運んでもらい、ようやく食事タイム。救助した三名の砦兵は俺の簡易小屋を出して、今はそこで寝かせている。
状態は安定しているから、あとは目を覚ますのを待つだけだ。その間に、用意していた食事を皆で摂った。
まずはいつも通り『どうやって用意したのですか』から始まり、『何ですか! この美味しさは!』に続き、『おかわり!』へと続いていく一連の流れを経て、食事を終えると銘々の役割に散って行った。
部下さん達は被害状況を調べるためと、他に生存者が無いかの確認。コーポラルさんは生存者の看護。そして俺とアッシュは……する事が無かった。
なので、被害状況の確認も兼ねて少々森の探索をする事にした。部下さん達は砦の中と近辺だけの探索らしいので、俺は森の中まで行く事にした。
森は普通の森だった。今まで通って来た森に比べて希薄な感じがするが、タマちゃんの解説で解決した。
この辺りはレッテ山の麓に比べて魔素が少ないらしい。
ここ自体は通常の魔物がいる森と同等らしい。最初にレッテ山のこちら側に来た場所が濃すぎただけらしいが。
そりゃあレッテ山は高ランクの魔物の宝庫だから、そういう魔素? も濃くなってるんだろう。魔素とは魔力が霧散して空気中を漂ってるものらしいしね。
魔物は魔素が濃い所を好むのだとか。
逆にエルフのいた場所は凄く薄かったらしい。俺は全然気にも止めなかったけど。
あの大きな大樹が周辺の魔素を取り込み、聖なる気にして放出しているそうだ。本来は森の中心ほど魔素が濃いらしいが、エルフのいる場所は全て大樹があり、魔素を浄化して聖なる気で満たされているんだと。
よく調べたね。エルフの調査をしてたって言ってたから、エルフに関する全てを調べつくしたんだろうな……最優先事項のはずの俺を手薄にしてまで悪魔に頼ったぐらいだしね。
そして一時間後、撤収となった。
負傷者も既に意識を取り戻しており、砦の片付けのために残るそうだ。三人では何もできないだろうけど、後から援軍を寄こすと伝えて最南の砦を後にした。あと北側にある二つの砦も回る予定なので、通り道の砦で手配をかけるとコーポラルさんから伝えられた。
衛星に言えばすぐに終わるんだけど、さすがにそれは見せたくない。今までも衛星のことを教えていい結果になった事なんて無いんだから。
大体、衛星が見えないのがいけないんだよ。だから誰にも信じてもらえなくて呪いとか言われるんだ。まして誰もいない空間に向かってタマちゃんと会話しようもんなら変人を見る目で見られるからね。呪いや洗脳を疑われる行動だと自分でも分かってるから。
これだけ世話になってる衛星の悪口になってしまいそうだけど、衛星のには感謝はすれども文句なんて一個もない。あ、一個だけあった。山のこちら側まで飛ばされた切っ掛けにはちょっとだけ文句を言いたいかな。衛星の何かを示す地図で集めたアクセサリーを全部身に付けたらトレーズ様のところの送られて……ってもういいか。トレーズ様も【衛星の加護】を与えてくれた人なんだし、やっぱりNO文句だよ。
それから北へ向け進路を取った。というか、まずは半壊していた南から二番目の砦に着いた。
一旦、衛星の力で(俺の周囲から悪意のある魔物を排除するという、いらぬ世話のため)魔物の数が激減したので、今は落ち着いてるようだ。もう、誰かがトレインしない限り大量の魔物に襲われる事は当分無いだろう。
砦兵の方も、後援部隊が到着していて復旧作業に入っている。そう遠くない内に元通りになるだろう。最北の砦の件についての連絡はコーポラルさんに任せておけば大丈夫でしょう。彼はかなり優秀みたいだから。
あとは中央砦を通り抜けて着たの二つの砦だけど、またデブチョビがしゃしゃり出てくるんだろうなぁ。会いたくないなぁ……迂回しよっか。
「コーポラルさん」
「はい、なんでしょうか」
今は部下さん達に巡回を任せて俺とアッシュとコーポラルさんの三人で客室で寛いでいた。
いやいや、こういう本部役っていうのも大事な仕事なんだよ? 拠点が無ければ皆バラバラに動いてしまうし報告するにも探さないといけないからね。
うん、俺は大事な役割の職務中なのだ。
「中央の砦にはまだいますかねぇ」
「あー、あの方の事ですね。まだいるでしょうねぇ」
お互いに名前は出さずとも分かり合えるという事は、コーポラルさんもウザイと思ってるのかな? それとも俺がウザイと思ってるので気を使ってくれたか。ま、前者だろうね。
「迂回できないかな? まだ北の二つの砦にも行かなきゃいけないし、あまり余計な事で時間を取られたくないんだよね。精神的にも疲れるしさ」
「確かにそうですね。分かりました、部下を一人報告と今後の指示のために向かわせ、私達は中央砦を迂回しましょう」
「ホント!? それは助かるよ」
やっぱりコーポラルさんは気が回るなぁ。俺の周りにも一人こういう人がいてほしいよ。
それから部下さんを一人、中央砦に向かわせ、俺達は砦を迂回して北へと向かった。
伝令係の部下さんには細かく指示を出し手紙まで渡していた。
その間に俺は衛星に頼んで北の二つの砦に、もし生き残りがいれば確保しておくようにお願いした。もちろん見つけたときは治療もお願いした。
さて、あとは巡回するだけで終わる気がするけど、救援のフリはしないとね。
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