灰色の冒険者

水室二人

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第3章 1週間

捕虜の行方

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 一連の戦いで、それなりの捕虜を得ました。

 こちらは。戦力を補強する目的もあったので、これを生かさない道理はありません。

 ただ、この世界は奴隷制度は無く、強制的に働かせるには、色々と恐ろしい手段を使うそうです。

 基本的には、魔法で相手の精神を支配する。メリアムが得な分野ですが、これは能力の低下や、少しのミスで死亡する事例があるので、できるだけ使わないことにします。

 次に多いのは、賃金による労働。捕虜の場合は、借金と言う形で、それを返済するまでこちらで働くというもの。今回の捕虜は、このパターンになる可能性が高いです。

 後は、完全に部下として雇用して、本人の希望する間は配下として登用するというパターン。

 最後に、逃げると爆発する魔道具を付けて、強制的に命令を聞かせるという手段も存在する。

 知らない間に、毒針を仕掛けられている私の立場は、これに近いのかも知れません。 

 周りの状況を確認して、捕虜の扱いを決定します。




 まず、黒の国の作戦で捨て駒にされた子供たちです。

 助かった6人の治療は終っています。

「君たちは、どうしたい?」

「・・・」

 この問いかけに、答えれられる子はいません。そうなるとわかって聞いているのだから、仕方ありません。

「ブルー、君はどうしたい?」

「仇を、討ちたいです」

「君の姉を採集手に殺したのは、私ですよ?」

「あれは、姉さんでしたが、俺の知っている姉さんじゃない。姉さんをあんなふうにしたのが、俺の仇だ」

「黒の国は、あれが日常なのでは?」

「俺の知っている場所は、違う。だけど、全部がどうなのか、わからない。俺の知っている世界は、狭すぎた・・・」

 ブルーの治療中、色々と尋問した結果、黒の国の歪さがわかりました。聖王国に使いつぶされている反面、反逆を計画していました。子供は、敵性で育てられ、適性のない子供は、使い捨てられます。

「敵討ちは、いずれ協力してもらいます。こちらも、戦力が必要です。貴方には、当面この子達の指導をお願いします」

「俺に、この子達を人殺しに育てろというのか?」

「当面は、体力づくりと簡単な農作業をお願いします」

「俺は、そんな事指導したことない」

「やる事は簡単です。それを見守ってください。貴方も訓練には参加してもらいます」

「わかった」

「それと、人殺しに育てるというのは、間違っていないでしょう。兵士になる子もいるかもしれません。こんな世界です、否定はしません」

「・・・」

「ですが、使い捨ての駒にする事はしません。私は、冒険者ですからね。死ねと命令する事はしませんよ」

 子供たちは、名前が無かったので、命名。センスの無さは自覚しています。

 ブルーを隊長に、レッド、イエロー、パープル、藍、橙、緑となりました。

 英語読みが男の子、漢字が女の子。当面は、基礎体力作りに専念してもらいます。

 専用の部屋を用意して、虹色小隊と名付けました。最終目的は、裏方なので、三姉妹が直属の上司と言う扱いです。




 次に、機神を持っていた貴族たちです。正直、使えない子だったので、国に戻そうと思っています。

 身代金を払うように、生き残っていた一人に手紙を持たせて開放しました。

 貴族だけあって、色々とわがままなので、牢屋に押し込めてあります。今は、かなり落ち込んでいるので大人しいですが、身代金を払わないといってきた場合の事も考えないといけないので、扱いに困っています。




 次は、捕虜にした冒険者38人の扱いです。

 戦闘力は、二人ほど高い人物がいました。後は、平均的です。

 全員、身代金分、こちらで仕事をしてもらう事にしました。

 私は、まだまだこの世界の事を知らなさ過ぎます。

 現役冒険者から、色々と情報を聞けたことはかなりの収益でした。

 銀河帝国に関しては、炎の虐殺と言う事件があったみたいです。

 疫病で苦しむ国が、助けを聖王国と、銀河帝国に求めたそうです。

 聖王国は、聖王が食料支援を約束して、かなりの量の支援物資を投入したという事です。

 ただ、その結果、中途半端に回復した人が、重病人を見捨てて、銀河帝国への移民を訴えたそうです。

 聖王国は、食料をくれたので、銀河帝国は何もしなかったから、俺たちを受け入れろと迫ったそうです。

 その結果、銀河帝国のドラゴンライダー部隊によって、国土全部を焼け野原にされたそうです。

 銀河は、疫病の原因を知っていました。回復する手段が無く、自国に被害が広がるのを防ぐための、苦肉の策だと思います。

 その結果、この大陸の中央部に空白地帯が出来ました。この時、覇権をもくろんだ何処かの組織が大量の異世界人を召喚して、世界はもっと混乱したそうです。




 色々と、冒険に関しての決まりごと、ギルドに関しての情報も得るとこが出来ました。

 あまり大量の人材を、一度に確保するのも監視が難しいので、ほとんどの人間を、解放しました。

 もっとも、後で資金の回収するという条件です。

 ただ、特殊な人材がいたので、4人ほど確保しました。

 一人目は、二階堂優香子。異世界人で、日本人。年齢60代のおばさんでもある。

 ただのおばさんと、思う無かれ。冒険者として作戦に参加しているので、凄い能力がると思えば、彼女は給食のおばさんでした。

 ギルドチームの、食事当番として参加していたそうです。彼女、かなかな筋金入りのオタクで、異世界生活に適応していた凄い人でもあります。

 三姉妹を見て、是非ともこちらで雇って欲しいと、頼み込まれ、採用にいたっています。

 もう1人も日本人。北川正彦と言う20代の青年です。

 この子を採用したのは、少し理由があります。この子のいた日本は、私のいた日本と違う日本でした。

 異世界があるなら、平行世界がってもおかしくありません。その部分に興味があったので、お願いして残ってもらいました。本人は、機械工学を勉強していて、魔道具を改良できる能力を持っていました。

 あとの二人は、ザックとエッジ。20代の冒険者で、戦闘力の高かった二人です。

 4人には、専用の個室を要して、そこで過ごしてもらいます。

 優香子さんは、料理をメインに、虹色小隊の子供たちの教育もお願いしました。

 正彦君には、CATに関しての意見を色々と聞きました。三姉妹と協力して、新しいものを作る実験を色々とお願いしています。

 ザックとエッジの二人には、私の戦闘訓練をメインに、三姉妹や十色、ブルーの稽古もお願いしてあります。

 私には、実戦経験が足りていません。不足している部分を補えるのことは、正直助かります。




 最後に、1人残っていました。

「様子はどうです?」

「予定通り、ここから脱出をしています」

「こちらの被害は?」

「ダミーの扉を一つ壊されました。映像見ます?」

「後で確認しておく。他には?」

「おとりの鞄を一つ、持って行きました」

「怪しいと、思わないのかな・・・」

 現在、最後の捕虜のノノさんは逃亡中です。姿を消し、気配を遮断できる彼女の存在は危険です。

「現在地は?」

「冒険者達が現れた場所と、反対側の場所にいます」

「残っている、転移魔法陣は?」

「そこには、向かっていません」

 現在、彼女のすぐ後ろに探索球が張り付いています。姿を消して行動していますが、彼女のか棚の中には、毒針の複製品が埋め込まれています。こちらに位置は丸見えです。

「帰る手段を、持っているのかな?」

「転移の気配があります」

「通信できる魔法があるのか・・・」

 もしくは、魔道具。ノノさんは、誰かと連絡して、迎えに来てもらったようです。

「酷い目にあったよ・・・」

「お疲れ様。」

 転送の魔法陣が広がり、中から数人が現れます。

「グランドギルドマスター直々に、迎えに来てもらえるとは、光栄です」

「管理者からの、オーダーですからね。彼らには逆らえません」

「管理者様が?」

「世界を導く管理者様が、この砦は危険と言われましたが、手を出す事も禁じられています」

「ここは、それほどの場所なのですか?」

「貴方の奇襲が防がれた時点で、あの人物は危険です。取り合えず、今日のところは、これで引き上げます」

「仰せのままに」

 次の瞬間、現れた人達は、一瞬で消えてしまいました。禁止されている転移魔法を、ギルドは使っているみたいです。

「索敵は?」

「現時点で野索敵可能場所には、該当ありません」

「了解した。引き続き、監視を頼む」

 三姉妹にお願いして、この場所を離れます。

 現在、このとりでを中心に10kmまでは監視できる状態です。あの転移魔法は、一回でそれ以上の距離を移動できるみたいです。優先順位は、こちらが先か・・・。

 物騒なものを転移させられると、対応が難しくなります。

 魔法に関しては、伊藤さんに頼るしかないですね。

 私は、砦を後にして、いったん異世界人の館に移動します。

 移動前に、三姉妹にこの砦の名前を聞かれました。そう言えば、まだ考えていませんでした。

 今は砦ですが、要塞にする予定ですし、最終的に思い描いた二つのものをあわせて、命名しておきましょう。

 この砦は、メトロ・ギア。

 最終的には、ロボに変形する移動要塞を目指しましょう。






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 小説家になろうでも投稿中。
 3日に1度ぐらいのペースで更新予定です。

 第11回ファンタジー小説大賞に参加しています。



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