私の愛した召喚獣

Azanasi

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第四章 内政

【北米支局長就任】

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【北米支局長就任】

 エレンとゴブリンハンティングに行き、そこで北米支局長の打診をされたエレンは魔法を使えるようになるという話を聞いて北米支局長への就任を受け入れたのだった。

♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*゚♪
 廃鉱山ーゴブリンの巣
 
 「じゃ、屋敷に帰ってもう少し詳しい話をしようか?」
 「えぇ、そうね、でも、ここはこのままでも良いの?、まだ、ゴブリンは沢山いるみたいだけど・・・」
 
 この廃鉱山のゴブリンは定期的に討伐しているという話をしていたのでエレンはこのまま放置して帰って良い物かと思ったのだろう。
 
 「大丈夫、後はギルドに依頼を出して冒険者に頑張って貰うよ。」
 それを聞いたエレンはちょっと不思議そうにしていた。..
 
 「ねぇ、貴方たちならここのゴブリンを一掃するぐらいなんて事はないんじゃないの?」
 
 「あぁ、そうだね、うちの戦闘に特化した部下なら一人でも楽勝だと思うよ。」
 「ただ、単に効率って問題じゃないんだ、領内の経済の事も考えないと行けないんだ、冒険者に報酬を払って冒険者には領内でお金を落として貰う事で地域経済は潤うしね、それにこっちで何でも討伐したら冒険者がいなくなるだろう。冒険者は何も討伐だけが仕事じゃないんだ、領民の雑用もあるし、薬草の採集から治安維持まで・・それ全部をこちらでまかなう余裕はないしね。
 確かに冒険者がいるデメリットもあるけど、それを考えても冒険者の存在は必要なんだよ。」
 
 「ふーん、それってまるで為政者の考えよね。」
 「は、は、は、だって、そっち側の人間だから仕方ないじゃない・・・」
 
 「でも、久志は日本側の窓口なんでしょ、そこまで考える必要があるの?」
 エレンは俺が内政を考えている事が不思議みたいに首をひねっていた。
 
 「まあ、その辺はすぐにわかるよ。屋敷に戻ろう。」
 「はい。」
 。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・
 領内の屋敷へと転移して来た。
 
 「お疲れ様、何か飲み物を持ってこさせるよ。」
 メイドの取り敢えず何か冷たい物を持ってくるように伝えた。.
 
 「取り敢えず、領主の従者になって貰いたいんだ、わかりやすく言えば社員になって守秘義務の契約を結ぶって事になるかな?」
 
 「うん、まあ、軍にいても守秘義務はあるからその辺はわかるわ。」
 「ん、じゃ、問題ないね。」
 
 「ねぇ、それで魔法が使えるようになるの?」
 「あぁ、為るよ、もう少し詳しく説明すると、この国で魔法が使える人って言うのは大体1000人に一人って言われてる。攻撃魔法ってなると1万人に一人って言われてる、さらに上級の攻撃魔法となると10万人に一人かな。ま、その殆どが貴族で締めているのが現状です。
 
 つまり魔法が使えるようには素質が必要なんですが、素質は遺伝しやすいので、逆に言えば素質がなければ放逐される場合もあり得る、逆に平民に素質がある者が生まれたりすると貴族に取り込まれたり騎士や魔道士になったりって事になるので結果として貴族ばかりが魔法を使えるって事になってるのかなぁ...」
 
 「従者になると本人の中に眠る素質を顕現させる事が出来るから、その人の特性に合った魔法が顕現するよ。」
 
 「それって誰でも、従者になると魔法が使えるってわけ?」
 「いや、それはちがうな、その人に素質がなければ無理、元から引き出す物がなければどうしようもない。」
 
 「えっ、そうなの?、じゃ、私が従者になっても出来るかどうかは分からないじゃない...」
 
 「いや、あるよ、って言うか無いなら初めから声かけてないしね。」
 「えぇーーーっ、そうなの?」
 
 「うん、うん、大丈夫だよ。」
 「わかったわ、お願いします。」
 
 「創造神フィーネの名の下に置いて汝、エレノーラ・モーズリーをルーカス・ハミルトンの従者として仕える事を命じる」
 「We gladly accept your offer.」
 
 「へっ、えっ、何?、変な感じ・・・大丈夫なの?」
 エレンの頭の中に声が響きだした。
 時空魔法、Lv5を取得しました。
 火魔法:Lv3を取得しました。
 水魔法:Lv5を取得しました。
 風魔法:Lv5を取得しました。
 光魔法:Lv3を取得しました。
 念話:Lv5を取得しました。
 
 「あっ、あぁ...頭の中に変な声が聞こえるんですけど・・・」
 「あぁ、大丈夫すぐに収まるよ。」
 
 「ねぇ、これで魔法が使えるの?」
 「いや、いや、練習は必要ですよ。使える要素が出来ただけで行き成り使える訳ではありませんから...」
 
 「でも、頭の中に聞こえてきた魔法はちょっと練習すれば使えるようになりますので心配は要らないです。」
 
 「それとこれは大事な事なんですが、うちの機密事項に関しては他人に対して喋れなく為ります、これは喋ろうと思っても口に出せない制限が魔法で掛かります、逆を言えば喋れる相手には話してもOKって事になりますね。」
 
 「ふぅ、つまり、普通に書類で守秘義務を結ぶんじゃなくて魔法で強制的に喋れなく為ったという解釈で良いのよね。」
 「はい、そうです、それとこの契約で従者になると自己修復と不老になりますので200年ぐらいは現在のまま老化はしません、寿命が近づくと次第に老化しますけど・・・ざっくり、一般の人より2倍以上、寿命が延びると思って下さい。」
 
 「へぇーーっ、そうなの?」
 
 「それと覚えて置いて欲しいんですが、うちの従者には二通りの従者がいます、エレンのように神との盟約を通じて従者になった者と普通に採用されて従者になった者もいます、後者は単なる社員と変わらず、不老や魔法の恩恵はありません。」
 
 「早速、仕事して貰おうかな?」
 「えっ、えぇ...何するんですか?」
 エレンは行き成り仕事と言われてかなり不安そうにして居る。
 
 「何も心配しなくて良いですよ、本来の業務と言って良いです。つまり、米国側との交渉をやって貰いたいんです。」
 
 「えーーーっ、無理、無理、私はまだ、右も左も分かんないんですよ。」
 エレンは仕事の内容を聞いて不安そうな顔から、顔が青ざめてきていた。確かに先日まで任務を依頼されてた相手に交渉などというのはかなりハードルが高いのだろうと思う。
 
 「心配は要りません、交渉の内容や金額、支払い方法などはきちんとレクチャーしておきますし、いざというときの為に見えない所には一応いますので。..」
 
 エレンに対してこちらが現在、要望を出している小火器のリストなどをみせて、支払い方法、受け渡しの場所は何処でも良い事や、実際の受け渡し時には領主が直接一緒に出向く事など、交渉に必要な情報をその日、一杯掛けてレクチャーした。
 エレンがわからない所や疑問に思う事などはそのたび、そのたびに話して納得して貰った。
 
 「わかったわ、やってみる、それで困ったりした時は助けてくれるんでしょ。」
 「あぁ、もちろん、今回は当然だし、馴れるまでは当面はサポートするので心配は要らない。」
 その言葉を聞いて少しは安心したようで、多少は吹っ切れたのか?、ソファーに深く座り直してお茶を飲み出した...
 
 「それから米国内での拠点なんだけど自宅を使って貰っても良いし、こちらで事務所を用意してもいい。自宅を使う場合には当然、家賃は支払うよ。その辺はエレンの思うとおりにして良い。どうせ、交渉なんかは別の場所でやるから拠点自体は何処でもあまり変わりはない、日本の場合は来る時によったマンションを使っているけどね。」
 
 それを聞いたエレンはどうしたものか悩んでいるようだった。
 (うーん、どうしたものかしら、人を招かないのなら自宅って言うのも有りよねぇ、取り敢えず自宅で初めて、必要に応じて事務所を用意して貰うって感じで良いのかな?)
 
 「ねぇ、当初は自宅で初めて、不都合があれば事務所を準備して貰うって事も可能かしら?」
 「もちろん、構わないよ。」
 「場所の指定はあるの?」
 
 「何処でも構わないけど、ある程度、都市部に近い方が良いと思うよ、交渉ごとや移動の際に不便だと思うから・・・」
 「わかったわ、取り敢えず、自宅を拠点にするわ」
 
 「じゃ、うちの主要メンバーを紹介するから王都の屋敷に移動しようか?」
 「わかったわ...、ここに来てメイド以外には会わなかったからちょっと不思議に感じてたの...」
 
 「まあ、従者にならない場合はあまり知られたくはないからね。」
 「じゃ、いこうか?」
 転移質にある固定の転移門から王都の屋敷の転移室へと異動した。
 「いつでもここに来れるように北米支局にもこれと同じ様な固定点慰問を設置するので会議などで来る時に活用して欲しい。」
 
 「もう、呆れて何も言う事はないわ。心の中で整理するまでは暫くは時間が掛かりそうだわ。」
 エレンはもう、一気にあり得ない事の連続なので驚くのを通り越してあきらめの境地になっていた・・・
 (きっと、こう言うものなので、今までの固定概念が一切通用しないって言うのがわかっただけでもヨシとしないと。..)
 
 王都の転移室からジェシカの案内でリビングへ下りていくと都合の良い事に皆そろっていた。
 「恐らくこうなるだろうと思い、皆様にお声がけしておきました。」
 メイドのジェシカがちょっと早めながら皆を集めていたらしい・・
 
 「今度、新しく従者になった、エレノーラ・モーズリーだ、今後は北米支局を担当して貰う、現在は米海軍の広報担当士官をやっている、皆、仲良くしてやってくれ・・・」
 
 「初めまして、今後は皆様と一緒にお仕事をさせて頂くエレノーラ・モーズリーです、エレンと呼んで下さい。宜しくお願いします。」
 
 「えっと、左からアメリア、ソフィー、奈津、愛彩、留美、留美、アトリア、恵、美琴さんだ...」
 「恵さん以外は全て眷属で恵さんと美琴さんは従者だ。美琴さんは現在、旦那を日本に残して単身赴任中だけどね。」
 
 皆が一通り、自己紹介を行った。
 
 皆の自己紹介が終わった後、俺は姿をルーカスに変えた。.
 
 「「「えっ、えぇーーーっ、」」」
 エレンは壮絶に驚いている、口は大きく開いたままで、ムンクの叫びを思い起こさせてしまった。それを見ている他のメンバーはニヤニヤと笑っている。
 
 「な、なに、どうなってるの?、へっ...」
 必死に戻ってこようとするがエレンはなかなか復帰出来そうもない。.
 
 「うん、俺は姿を帰る事が出来るんだ、これは領主としての姿でルーカス・ハミルトン、さっきの姿は日本人としての篠崎久志だ、早い話が二人は同一人物だよ。」
 「は、はぁ、はぁ、もう、昨日から驚きっぱなしだけど今回が一番驚いたわ、心臓が止まるかと思ったわ。ふぅ、本当に何でもありなのね...」
 
 「ちなみにこれは最大とも言える機密事項なのでそこの所、宜しく!!」
 

。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・
最後まで読んで頂きましてありがとう御座います。
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