正義の味方？違えな悪の味方だ

Rusei

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第一章

2話

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魔物

それは迷宮(ダンジョン)から生成される怪物であり、人間を襲う怪物である
20年前からその存在は世界に知らされて多くの冒険者が狙う
それは魔物を倒せば経験値を得るからだ
魔物を倒せば倒すほど強くなれる
そうなれば更に強い魔物を倒すことができる

魔物によって得られる経験値は異なる
それは階層によって環境が異なったりするのだ
魔物は階層ごとにそれぞれ特徴が違う魔物が現れる
階層によって環境が変化するためその階層にある環境から適応した魔物が現れるということ

それらの階層によって違う環境に生き抜くために魔物は変化する
魔物が階層ごとによって特徴が変わっているのは環境が原因であるということだ

人間も同じように変化する環境に生きていくにつれて変化していく
人間だけではなく、動物も虫も・・・生物は環境に適応するように進化していく
そうした現象が迷宮(ダンジョン)にあると言うことだ

「やれやれだ。1階層の魔物じゃ話にならんな」

燃えている魔物達を見て呟く男
簡単に魔物を倒した
魔法を使用して魔物に向けて撃ったことによって魔物は避けることなく、受けてしまって燃えていったのだ
彼が使用した魔法は炎魔法
魔物が燃えたのは炎魔法を使用したから

彼の名前は樋口紅楼
16歳の高校2年生
現在、両親を亡くし、ある人によって引き取られている若き裏冒険者だ

裏冒険者とは犯罪を犯した冒険者や表向きに活動していない冒険者などに指す
多いのは犯罪を犯して冒険者組合から追放された冒険者
裏社会に生きているような存在
必ずしも犯罪を犯したから裏冒険者とは限らない
表向きに活動するのが苦手な人が本名とは別の名前で名乗って活動していることもある
彼もそう言う冒険者なのだ

冒険者登録は15歳・・・中学卒業した15歳以上を対象にしている
彼は高校生なので冒険者登録をできる年齢に達しているので冒険者としてやっているのだ
裏冒険者も冒険者組合に登録できる

彼は冒険者組合に所属している人間であるがあんまり表向きに活動することはない

「一気に降りるか」

1階層にいる魔物では彼の経験値獲得になることはない
少なすぎるからだ
なので適した階層まで転移魔法で行こうとするのだ
転移して1階層から消えた

50階層

「ここなら俺のレベル上げに着いていけそうだ」

一気に50階層まで転移した樋口
場所は草原
辺りを見渡すと魔物がいない

転移魔法で飛べる場所は
・一度行ったことがある場所
・目で見える範囲
と条件はある
一度行った場所ではないと彼が50階層に行けるわけがないのだ
それなのに50階層まで転移したと言うことは彼は50階層まで登り着いたということだ

50階層にあるのは

「・・・・・・」

巨大な体を持つ黒い犬が現れる
その姿は犬とはかけ離れている
犬というより狼だ
巨大な体を持つ黒い狼ージャイアントブラックウルフ
通常のブラックウルフよりも体が何倍も大きく、恐ろしい牙を持つ狼
通常のブラックウルフと同じ戦闘方法で噛みつきを中心とした近距離攻撃に依存している
どこから攻撃してくるのか予測しやすい魔物だ

さらにジャイアントブラックウルフは仲間であるブラックウルフを呼ぶことができる

『ウォォォン！！！』

雄叫びすると大量のブラックウルフが森から草原へと現れた
草原の先にあった森から大量に現れたブラックウルフは樋口を襲う
人間よりも速い速度で走って襲うブラックウルフを相手に樋口は動く

「何度も経験したことだ。問題ない」

炎魔法を使用して燃える剣を作り出す
魔法によって作られた剣であるので物理攻撃では消えない

魔法で作られた剣を見ても何も驚くことなく、反応を見せず、襲ってくるブラックウルフ
炎剣で近づいてくるブラックウルフを切る
真っ二つに斬られたウルフもいれば体を切断されずに致命傷で済んだウルフもいる

しかし、避けて即死を免れたウルフは燃えて発狂する
炎剣の力である炎の攻撃を喰らうと体が燃える
それによって即死を免れたブラックウルフ達は燃えて倒れる

「グゥゥゥ・・・」

次々とやられるブラックウルフ達を見て止まっていたジャイアントブラックウルフは動き始める
並のブラックウルフよりも強いジャイアントブラックウルフはブラックウルフよりも速い速度で樋口を襲う

「遅い」

襲ってくるジャイアントブラックウルフの速度を何度も見ている樋口はあと数mのところでジャイアントブラックウルフの噛みつきから避けて牙を切る
切断された牙から血が出るがジャイアントブラックウルフはそんなことは関係ないとまた樋口に襲う

「学習していないのか。斬られた時点でお前の負けだ」

先程のブラックウルフのように燃えるジャイアントブラックウルフ

「グォォォンー！！！」

炎を消そうと走り回るジャイアントブラックウルフ
ブラックウルフと同じように走り続けるがどんどん動きが鈍くなっていく
ジャイアントブラックウルフは魔法を使えないので炎を消す手段が水がある場所に行くしかない
走って走るも消えないので水がある場所へと走って走る
森の中に走るも水溜りに見つかることなく、倒れてしまう
息を絶えて体が燃え続けたまま息を引き取る

「・・・・・・この方法が1番残虐だな。次は即死させておくか」

ジャイアントブラックウルフが倒れたことが分かった樋口は呟く
今の方法がどれほど悪質なのか知っているからだ
即死させるよりも時間がかかるため有効な手段として選ぶことができないと考える

「さて、次は51階層だな」

そう言って51階層へ歩き始めた
こうして彼の迷宮(ダンジョン)探索は続く

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