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第82話 コスタリア領都の日常11
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「ゴブ~」(これを入れればいつでも聖水風呂に入れるゴブ)
聖水のお風呂が気に入ったという王妃様のため温泉の元・・・いや聖水の原液を作ってみたゴブ。
元の世界でも家で温泉気分を味わいたいと薄めるだけで各地の温泉を再現できる温泉の元は人気商品ですからな~。
風呂好きの元日本人としてその気持ちはよく分かりますよ。
「ゴブ」(そんなに前のめりに見なくても全部あげるゴブ~)
いつのまにか全員集まって木で作られた手桶に入った聖水をガン見している。
「この聖水?はそのまま全て王妃様に差し上げると言っています」
「え、ええ。ありがとう。これがあれば城にいても聖水がいつでも浴びれるようになりますのね・・・なんだかただの濃い聖水には見えないけど」
そのままアイラお嬢様に手桶を渡そうとしていたら何だか手の平が熱くなった。
「ゴ、ゴブ!?」(熱っ?いや痛いゴブ!)
何だか手桶が淡く光っているぞ
あわてて簡易鑑定をかけてみる
祝福されし手桶
女神の涙が浸透し材質変化した木製の手桶。
聖属性 +5
汲んだ液体を聖水に変化させ浄化と回復の効果を付与する
永続洗浄効果付与、耐久力向上。
打撃時に音波攻撃追加(魔物にダメージ+混乱、アンデッド浄化)
「ゴブ~」(何だか手桶が聖属性になったゴブ~、触ったらヤケドしたゴブ~)
「この手桶もなんだか祝福されたみたいです・・・」
アイラお嬢様が持っても特にヤケドとかしていないみたいだ。
人間に悪いものじゃないってだけでとりあえず安心したゴブ。
「これはまた・・・扱いに困るものを作りましたね。まずは中の聖水をフタ付きの壺にでも移しましょうか。このままでは王妃様が持ち帰るにも不便でしょうし」
カタリナさんが指示をだしてメイドさんたちがばたばたと動き出した。
王妃様もやっと納得したらしく大浴場から出てくれそうだ。
「ふぅ、こんなに長く湯浴みをしたのは初めてです。少し疲れました」
「でもお肌にハリが戻りましたし髪の傷みも無くなり、肩こりや腰痛もだいぶ軽くなりましたし、騎士様たちは水虫まで治ったと喜んでいますよ。本当にコスタリア家の人たちはうらやましい限りです」
「フフフ、ダンジョンで発見された用途不明の女神像にこんな効果があったなんて私たちも気付くのにけっこう時間がかかりましたのよ」
「えっ、いや、今更そんなこと言われても・・・アイラちゃんとその従魔のゴブリンちゃんが笑っちゃうレベルの聖魔法で奇跡をおこしているのは確実なんじゃ・・・」
王妃様が困惑した表情で言い返している。
「ライアー子爵もご冗談がお好きですよね~。このことはまだ一部の敬虔な女神様の信奉者しか享受していない女神様の祝福ですのに。ごく一部の女神様に認められた信仰心の厚い特別な方が祝福を受けているだけですのに」
「むぅ、確かにこれは貴族婦人たち、いいえ全ての女性が追い求めてやまない美しさ、若さ、健康を保ちたいという欲望を満たす劇薬ですわね・・・」
「本日たまたまご訪問されたライアー子爵様が敬虔な信徒として女神様の祝福をお受けになられたのは我々も喜ばしく思いつつ、秘密にいたしますよ~」
奥方様がまた満面の笑みで続ける。
「どんなに磨かれた宝石もまわりが全て同じ宝石であれば価値に気付かないというもの。石ころの中にあればより際立って美しく価値あるものと見られるでしょうね」
「くふふ、そういうことなら今日のことは王家にもまだ正式に報告できませんね~。ライアー子爵家としては公表するのはまだ早いと思います~」
「まだまだ未確認の部分が多いですからコスタリア家としてはもっときちんと調べて危険が無いことを責任をもって確認してから公表することにいたしますわ」
「それは賢い判断ですね~。もっとしっかりと時間をかけて調べてからではないと・・・不確かな情報だといらぬ混乱を招きますからね~」
「おーほっほっほ」
「ふふふ・・・おほほほ」
何やら王妃様と奥方様の間で話がまとまったようだ。
まわりの侍従さんや女騎士さんたちもうなずいているので良い話なのかな。
「ところで今日は治療とは別にアイラちゃんの婚約者候補の取り下げのお詫びもかねての訪問だったんだけど・・・取り下げを取り下げして第2王妃として王家に嫁がせる気は無いかしら?もちろんゴブリンちゃんも付いてきて構わないし」
「フフフ、ライアー子爵は本当に冗談がお好きですよね」
「それがダメでも王妃の傍付き侍従として私から推薦してあげるから!」
ライアー子爵から王妃にって・・・完全な出来ゲームですな。
「アイラちゃんはまだ学園も卒業していない未成年ですからね~。あと3年はコスタリア家でどこに出しても恥ずかしくないように教育するつもりですわ」
「くぅ~、そういってこの祝福をコスタリア家で独占するつもりですわね。ずるい、ずるいですわ~。私は次に来れるのは早くても3か月後になってしまいますのに」
「ゴブ~」(そのために聖水の元を作ったゴブよ~)
「これは王家や侯爵家などという家の問題ではありません、女と女のどちらがより美しさを保ち続けるかという闘いなのです・・・」
カタリナさんが2人を見ながらそっと耳打ちしてくる。
「ゴブ~」(王宮暮らしはもっと贅沢出来るゴブ~?)
「大人って・・・それにゴブリンが徘徊する王宮とかありえないでしょ・・・」
お嬢様が大人げない2人を見てあきれているゴブ。
聖水のお風呂が気に入ったという王妃様のため温泉の元・・・いや聖水の原液を作ってみたゴブ。
元の世界でも家で温泉気分を味わいたいと薄めるだけで各地の温泉を再現できる温泉の元は人気商品ですからな~。
風呂好きの元日本人としてその気持ちはよく分かりますよ。
「ゴブ」(そんなに前のめりに見なくても全部あげるゴブ~)
いつのまにか全員集まって木で作られた手桶に入った聖水をガン見している。
「この聖水?はそのまま全て王妃様に差し上げると言っています」
「え、ええ。ありがとう。これがあれば城にいても聖水がいつでも浴びれるようになりますのね・・・なんだかただの濃い聖水には見えないけど」
そのままアイラお嬢様に手桶を渡そうとしていたら何だか手の平が熱くなった。
「ゴ、ゴブ!?」(熱っ?いや痛いゴブ!)
何だか手桶が淡く光っているぞ
あわてて簡易鑑定をかけてみる
祝福されし手桶
女神の涙が浸透し材質変化した木製の手桶。
聖属性 +5
汲んだ液体を聖水に変化させ浄化と回復の効果を付与する
永続洗浄効果付与、耐久力向上。
打撃時に音波攻撃追加(魔物にダメージ+混乱、アンデッド浄化)
「ゴブ~」(何だか手桶が聖属性になったゴブ~、触ったらヤケドしたゴブ~)
「この手桶もなんだか祝福されたみたいです・・・」
アイラお嬢様が持っても特にヤケドとかしていないみたいだ。
人間に悪いものじゃないってだけでとりあえず安心したゴブ。
「これはまた・・・扱いに困るものを作りましたね。まずは中の聖水をフタ付きの壺にでも移しましょうか。このままでは王妃様が持ち帰るにも不便でしょうし」
カタリナさんが指示をだしてメイドさんたちがばたばたと動き出した。
王妃様もやっと納得したらしく大浴場から出てくれそうだ。
「ふぅ、こんなに長く湯浴みをしたのは初めてです。少し疲れました」
「でもお肌にハリが戻りましたし髪の傷みも無くなり、肩こりや腰痛もだいぶ軽くなりましたし、騎士様たちは水虫まで治ったと喜んでいますよ。本当にコスタリア家の人たちはうらやましい限りです」
「フフフ、ダンジョンで発見された用途不明の女神像にこんな効果があったなんて私たちも気付くのにけっこう時間がかかりましたのよ」
「えっ、いや、今更そんなこと言われても・・・アイラちゃんとその従魔のゴブリンちゃんが笑っちゃうレベルの聖魔法で奇跡をおこしているのは確実なんじゃ・・・」
王妃様が困惑した表情で言い返している。
「ライアー子爵もご冗談がお好きですよね~。このことはまだ一部の敬虔な女神様の信奉者しか享受していない女神様の祝福ですのに。ごく一部の女神様に認められた信仰心の厚い特別な方が祝福を受けているだけですのに」
「むぅ、確かにこれは貴族婦人たち、いいえ全ての女性が追い求めてやまない美しさ、若さ、健康を保ちたいという欲望を満たす劇薬ですわね・・・」
「本日たまたまご訪問されたライアー子爵様が敬虔な信徒として女神様の祝福をお受けになられたのは我々も喜ばしく思いつつ、秘密にいたしますよ~」
奥方様がまた満面の笑みで続ける。
「どんなに磨かれた宝石もまわりが全て同じ宝石であれば価値に気付かないというもの。石ころの中にあればより際立って美しく価値あるものと見られるでしょうね」
「くふふ、そういうことなら今日のことは王家にもまだ正式に報告できませんね~。ライアー子爵家としては公表するのはまだ早いと思います~」
「まだまだ未確認の部分が多いですからコスタリア家としてはもっときちんと調べて危険が無いことを責任をもって確認してから公表することにいたしますわ」
「それは賢い判断ですね~。もっとしっかりと時間をかけて調べてからではないと・・・不確かな情報だといらぬ混乱を招きますからね~」
「おーほっほっほ」
「ふふふ・・・おほほほ」
何やら王妃様と奥方様の間で話がまとまったようだ。
まわりの侍従さんや女騎士さんたちもうなずいているので良い話なのかな。
「ところで今日は治療とは別にアイラちゃんの婚約者候補の取り下げのお詫びもかねての訪問だったんだけど・・・取り下げを取り下げして第2王妃として王家に嫁がせる気は無いかしら?もちろんゴブリンちゃんも付いてきて構わないし」
「フフフ、ライアー子爵は本当に冗談がお好きですよね」
「それがダメでも王妃の傍付き侍従として私から推薦してあげるから!」
ライアー子爵から王妃にって・・・完全な出来ゲームですな。
「アイラちゃんはまだ学園も卒業していない未成年ですからね~。あと3年はコスタリア家でどこに出しても恥ずかしくないように教育するつもりですわ」
「くぅ~、そういってこの祝福をコスタリア家で独占するつもりですわね。ずるい、ずるいですわ~。私は次に来れるのは早くても3か月後になってしまいますのに」
「ゴブ~」(そのために聖水の元を作ったゴブよ~)
「これは王家や侯爵家などという家の問題ではありません、女と女のどちらがより美しさを保ち続けるかという闘いなのです・・・」
カタリナさんが2人を見ながらそっと耳打ちしてくる。
「ゴブ~」(王宮暮らしはもっと贅沢出来るゴブ~?)
「大人って・・・それにゴブリンが徘徊する王宮とかありえないでしょ・・・」
お嬢様が大人げない2人を見てあきれているゴブ。
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