62 / 155
第62話 ゴブリンのお仕事1
しおりを挟む
今日も穏やかな朝。ベッドから朝日を浴びて起き上がりお嬢様に挨拶する。
「ゴブ~」(おはよ~ゴブ~)
この何気ない日常が幸せなんだゴブ。
いつか大きなことをしてやるつもりだが今はこの健康で文化的な生活に感謝ゴブ。
当たり前のことにしっかりと感謝の気持ちを持つことが幸せの秘訣ゴブな~。
さて今日も一日が始まりましたし、ゴブリン体操で体をほぐしてライアンでもからかいに行くか。
ばぁん!!
突然、勢いよく扉が開けられた。
「ゴブゥ!?」(びっくぅ!?)
扉の近くにいたわたしは飛び跳ねてすっころんっでしまった。
こっちは魔物ランク最下位の狩られる側の代表選手やぞ。
大きい音たてられたらびっくりしてノミの心臓が止まってしまうわ。
「あら、レイシアお姉様、おはようございます。お戻りになられていたのですか?」
アイラお嬢様のお姉様だったのか。
そして今の大きな音にも動じず冷静に挨拶できるとはアイラお嬢様も貴族としての貫禄が着実に身についておられますね。
そして貴族って自分で扉を開け閉めしないはずでは・・・どこかで見たからいいか。
親子は似ているものだゴブ。
「アイラも少し見ないうちに大人っぽくなったわね~。半年振りくらいかしら?」
カタリナさんがそっと教えてくれる。
「あの方はアイラ様の姉君でレイシア様です。今は王都の高等部騎士科に在学されています。この夏休みは実家に戻らず軍の魔物討伐に見習い補助として参加されていたはずなのですが・・・」
レイシア様がつかつかと歩いてアイラ様を抱きしめた。
「アイラ~。聞いたわよ。テイマーと聖魔法の素質があったんだってね~。よかったわ~。お姉ちゃんは別にスキルなんて無くてもかわいい妹に変わりはないけど。まわりがうるさいからね~」
「ありがとうございます。ご心配をおかけしました、お姉様。お母様もおじい様もとても喜んでくださっています。ところで急に戻られたのは何かあったのですか?」
「う~ん、相変わらずお利巧さんよね。お父様に一番似ているのはあなたかもね」
「よしっ、とりあえずそこのゴブリンちゃんと一緒に王都に戻ろうか」
「はい?」
「ゴブ?」(何を言っているんだ、このお嬢様は)
「いいから、いいから。理由は馬車の中で説明するから。カタリナ、お母様にはアイラちゃんを1日貸してって伝えておいてね。マリーも一緒に行くわよ」
「ふぇぇ~。まだ朝のお着換えもご飯も召し上がっておりませんのに~」
「戦場ではこっちの都合で相手は動いてくれないから。常在戦場ってね」
お嬢様とわたしはパジャマのまま馬車へ放り込まれ王都に向かったのだった。
お嬢様誘拐事件(2回目)。犯人はいつも身近な人間だゴブ。
~~~~~~
馬車で王都に向かうと言っていたが実際は1時間ほどで着いた中継都市に入った。
「さぁ、ここから王都の隣りの町まで転送陣で移動するわよ」
「ふぅ~、馬車内でのお着替えは大変ですぅ~。少し酔っちゃいました~」
「この服は・・・高等部の制服ですね」
アイラお嬢様とレイシア様がお揃いの制服を着ている。
「うふふ、よく似合っているわ~。アイラちゃんは背が高いから高等部に交じっても違和感ないと思うわ」
「ゴブ」(それでこれはどういうことゴブ)
わたしは短パンの軍服みたいな制服を着させられている。
「ぶふぅ!よく似合っていますぅ。初等部に行っている弟みたいですぅ」
「いや~、ごめんごめん。思ってたよりも背が小さかったから・・・いろいろ用意したけど合うのが男児用しか無かったんだよ~。悪いね」
まぁ心は男子みたいなもんだから気にしないけどな!
でもこれだとまだ人間社会に溶け込めないゴブ。
「ゴブ」([結界]偽装)
わたしは結界を自分のまわりに薄く展開し肌の色だけ自然な色白美人にした。
「わぉ!すごい。噂に聞いていたけど本当に聖魔法を自在に使うのね。これは期待できるわね・・・」
「うわぁ~。これじゃ本当に町にいても気付きませんね~。けっこう可愛い育ちのいいとこの子供かな~ってところですね」
「ゴブ!」(まぁ元の素材がいいゴブからな~。少しピリピリするけど)
「さぁさぁ、急ぎましょ!時間がもったいないわ!こうしてる間にも刻一刻と事態は進んでしまって取り返しのつかないことになってしまうわ」
「お姉さまがここまで焦っておられるのです。緊急事態なのは理解していますわ」
「ゴブ~?」(そこまで急ぐなら屋敷の地下から移動すればよいのでは?)
「ミセッティ。王都へ直通の転送陣は王家の許可なく封印を解けなくなっています」
「誰でもいきなり潜入されたら王都の防衛に関わりますからね~」
「同じ理由で各主要領都も直通の転送陣は無いのよね~。普通は」
「ゴブ~」(じゃあ屋敷に転送陣があるのは普通じゃないゴブ?)
「領都に、さらに自分の屋敷に転送陣を設けているのは誰がいつでも乗り込んできても返り討ちにするから問題無いって思っている私ら軍閥の貴族ぐらいよね~」
「ゴブ・・・」(確かに辺境伯の屋敷に転送しても何か出来るとは思えないゴブ)
「あはは、一応は転送陣ってお互いに同時に魔力を供給してキーワードを入れないと発動しないとはいいますけどね~。どれも王都には直通は出来ないはずですが」
「とにかく早く王都にいるというその重病患者様のところへ急ぎましょう」
「ゴブ!」(役に立つゴブ!気合いれていくゴブ)
「ゴブ~」(おはよ~ゴブ~)
この何気ない日常が幸せなんだゴブ。
いつか大きなことをしてやるつもりだが今はこの健康で文化的な生活に感謝ゴブ。
当たり前のことにしっかりと感謝の気持ちを持つことが幸せの秘訣ゴブな~。
さて今日も一日が始まりましたし、ゴブリン体操で体をほぐしてライアンでもからかいに行くか。
ばぁん!!
突然、勢いよく扉が開けられた。
「ゴブゥ!?」(びっくぅ!?)
扉の近くにいたわたしは飛び跳ねてすっころんっでしまった。
こっちは魔物ランク最下位の狩られる側の代表選手やぞ。
大きい音たてられたらびっくりしてノミの心臓が止まってしまうわ。
「あら、レイシアお姉様、おはようございます。お戻りになられていたのですか?」
アイラお嬢様のお姉様だったのか。
そして今の大きな音にも動じず冷静に挨拶できるとはアイラお嬢様も貴族としての貫禄が着実に身についておられますね。
そして貴族って自分で扉を開け閉めしないはずでは・・・どこかで見たからいいか。
親子は似ているものだゴブ。
「アイラも少し見ないうちに大人っぽくなったわね~。半年振りくらいかしら?」
カタリナさんがそっと教えてくれる。
「あの方はアイラ様の姉君でレイシア様です。今は王都の高等部騎士科に在学されています。この夏休みは実家に戻らず軍の魔物討伐に見習い補助として参加されていたはずなのですが・・・」
レイシア様がつかつかと歩いてアイラ様を抱きしめた。
「アイラ~。聞いたわよ。テイマーと聖魔法の素質があったんだってね~。よかったわ~。お姉ちゃんは別にスキルなんて無くてもかわいい妹に変わりはないけど。まわりがうるさいからね~」
「ありがとうございます。ご心配をおかけしました、お姉様。お母様もおじい様もとても喜んでくださっています。ところで急に戻られたのは何かあったのですか?」
「う~ん、相変わらずお利巧さんよね。お父様に一番似ているのはあなたかもね」
「よしっ、とりあえずそこのゴブリンちゃんと一緒に王都に戻ろうか」
「はい?」
「ゴブ?」(何を言っているんだ、このお嬢様は)
「いいから、いいから。理由は馬車の中で説明するから。カタリナ、お母様にはアイラちゃんを1日貸してって伝えておいてね。マリーも一緒に行くわよ」
「ふぇぇ~。まだ朝のお着換えもご飯も召し上がっておりませんのに~」
「戦場ではこっちの都合で相手は動いてくれないから。常在戦場ってね」
お嬢様とわたしはパジャマのまま馬車へ放り込まれ王都に向かったのだった。
お嬢様誘拐事件(2回目)。犯人はいつも身近な人間だゴブ。
~~~~~~
馬車で王都に向かうと言っていたが実際は1時間ほどで着いた中継都市に入った。
「さぁ、ここから王都の隣りの町まで転送陣で移動するわよ」
「ふぅ~、馬車内でのお着替えは大変ですぅ~。少し酔っちゃいました~」
「この服は・・・高等部の制服ですね」
アイラお嬢様とレイシア様がお揃いの制服を着ている。
「うふふ、よく似合っているわ~。アイラちゃんは背が高いから高等部に交じっても違和感ないと思うわ」
「ゴブ」(それでこれはどういうことゴブ)
わたしは短パンの軍服みたいな制服を着させられている。
「ぶふぅ!よく似合っていますぅ。初等部に行っている弟みたいですぅ」
「いや~、ごめんごめん。思ってたよりも背が小さかったから・・・いろいろ用意したけど合うのが男児用しか無かったんだよ~。悪いね」
まぁ心は男子みたいなもんだから気にしないけどな!
でもこれだとまだ人間社会に溶け込めないゴブ。
「ゴブ」([結界]偽装)
わたしは結界を自分のまわりに薄く展開し肌の色だけ自然な色白美人にした。
「わぉ!すごい。噂に聞いていたけど本当に聖魔法を自在に使うのね。これは期待できるわね・・・」
「うわぁ~。これじゃ本当に町にいても気付きませんね~。けっこう可愛い育ちのいいとこの子供かな~ってところですね」
「ゴブ!」(まぁ元の素材がいいゴブからな~。少しピリピリするけど)
「さぁさぁ、急ぎましょ!時間がもったいないわ!こうしてる間にも刻一刻と事態は進んでしまって取り返しのつかないことになってしまうわ」
「お姉さまがここまで焦っておられるのです。緊急事態なのは理解していますわ」
「ゴブ~?」(そこまで急ぐなら屋敷の地下から移動すればよいのでは?)
「ミセッティ。王都へ直通の転送陣は王家の許可なく封印を解けなくなっています」
「誰でもいきなり潜入されたら王都の防衛に関わりますからね~」
「同じ理由で各主要領都も直通の転送陣は無いのよね~。普通は」
「ゴブ~」(じゃあ屋敷に転送陣があるのは普通じゃないゴブ?)
「領都に、さらに自分の屋敷に転送陣を設けているのは誰がいつでも乗り込んできても返り討ちにするから問題無いって思っている私ら軍閥の貴族ぐらいよね~」
「ゴブ・・・」(確かに辺境伯の屋敷に転送しても何か出来るとは思えないゴブ)
「あはは、一応は転送陣ってお互いに同時に魔力を供給してキーワードを入れないと発動しないとはいいますけどね~。どれも王都には直通は出来ないはずですが」
「とにかく早く王都にいるというその重病患者様のところへ急ぎましょう」
「ゴブ!」(役に立つゴブ!気合いれていくゴブ)
32
あなたにおすすめの小説
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ
月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。
こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。
そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。
太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。
テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。
現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~
はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。
病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。
これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。
別作品も掲載してます!よかったら応援してください。
おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
【モブ魂】~ゲームの下っ端ザコキャラに転生したオレ、知識チートで無双したらハーレムできました~なお、妹は激怒している模様
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
よくゲームとかで敵を回復するうざい敵キャラっているだろ?
――――それ、オレなんだわ……。
昔流行ったゲーム『魔剣伝説』の中で、悪事を働く辺境伯の息子……の取り巻きの一人に転生してしまったオレ。
そんなオレには、病に侵された双子の妹がいた。
妹を死なせないために、オレがとった秘策とは――――。
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる