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第68話 ゴブリンのお仕事7
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今日もコスタリア領はよく晴れて気持ちいい日よりだゴブ。
「ゴブ~」(おはよ~ゴブ~)
この何気ない日常が幸せなんだゴブ。
・・・しかし油断しているとあっという間にこの幸せな日常が崩れる瞬間が突然やってくるのをわたしは知っているゴブ。
きょろきょろと辺りを見渡し、そっとドアから顔を出して突然の来訪者がいないことを確認する。
「ゴブゴブ~」(ふ~。下手に言葉に出すとフラグが立つからダメなんだゴブ)
今日もいつものゴブリン体操をしてさわやかに朝食をいただくゴブ。
「それではお嬢様、本日は南部の各領地の名前と位置、治める領主と特産品の復習とダンスの稽古、計算の3つの講習をいたします」
教育係でもあるカタリナさんが本日の授業内容を宣言しまわりのメイドさん達が用意を始める。
まずは科目は地理ってところですか。
貴族にとってどの土地にどの貴族がいて何をしているのか、自分たちの家とどういう関係があるのかは非常に重要な知識になるらしく、必ず朝食後の2時間はこの授業になる。成人前には他国の上流貴族も含めて丸暗記しなければいけないとか。
上流貴族は大変ゴブな~。
ゴブリンのわたしには関係ないけど。
わたしはお嬢様から少し離れたイスの上で借りてきた本を読んでいるゴブ。
最近のお気に入りは冒険者マヌケーのギルド登録・駆け出し編だ。
せっかく集めた薬草をゴブリンに追いかけ回されてほとんど落としてしまったり、捕まえた獲物をゴブリンの群れと遭遇して囮に使ってしまったりとなかなか見どころが満載だ。
「ゴブ~、ゴブッフッフ~!」(またゴブリンにやられてる!こりない奴ゴブ~)
笑いが止まらないゴブな~。
名前がマヌケーってのも洒落がきいてるゴブ。
「ミセッテイ様の読んでいる本ってあんなにおもしろい本なんですか~?」
「いいえ、駆け出し冒険者の体験記でよくある問題や失敗をまとめた初心者必携のハウツー本だと思ったわ。何かミセッティ様の琴線にふれるおもしろいことが書いてあったのかしら?」
「って言うか本を読めるゴブリンがすでにおかしいような気がします~」
2時限目はダンスの練習だ。
こっちでの貴族も社交のメインは舞踏会らしく何かにつけて荒探しをしてくるやらしい貴族にバカにされないように挨拶、立ち振る舞いから華麗なダンスまで上流貴族として恥ずかしくないよう所作を身に着けなけばいけない。
上流貴族は大変ゴブな~。
ゴブリンのわたしには関係ないけど。
って今回はわたしも参加して授業を受けている。
「ほら!また顔が下がっていますよ!あごをちゃんと上に向けて背筋を伸ばす!指先まで気を抜かない!体の重心を意識して!はい、ワンツー、ワンツー!」
「ゴ、ゴブ~」(ひぃぃ、厳しいゴブ~)
アイラお嬢様はもう何年も練習してきたらしくなかなか様になっている。
「はい、では次の曲の準備まで一旦休憩です」
「ゴブ~」(っていうか貴族の御曹司がゴブリンとダンスなんてするのかゴブ?)
「・・・まずしないわね。まぁでもいいじゃない。一応踊れるようになっていれば、けっこう楽しいわよ?わたしだけが生徒だと先生のチェックが厳しいし」
「ゴ、ゴブ!」(今、最後に本音がちらっと出たゴブ!巻き込んだゴブな!)
「はいはい!休憩はもう終わっていますよ!私語は慎む!姿勢を正す!」
「ゴブ~」(ひぃ~、足がつってきたゴブ~)
3時限目は計算の授業だ。
計算といってもそこは異世界あるあるで四則計算だけのようだ。
貴族は税収とかの管理もしなければいけないからな。
アイラお嬢様はもう一通り出来るようで授業ではなく用意された問題を解いて答え合わせをするだけのようだ。
こっちはダンスの練習で生まれて初めてヒールを履いて足がつりそうゴブ。
女子はよくあんなつま先立ちの姿勢で踊れるもんだゴブ。
ちらっとお嬢様の答案用紙を見るとそこには見慣れたローマ数字がならんでいた。
「ゴブ!」(おおっ!こっちの数字も同じだゴブ)
偶然の奇跡もあるもんだゴブ!ってこれは地球からの転移か転生者の仕業だな。
今回が初めてじゃなさそうだったし、距離とか時間も単位は同じだし。
もっと言うと地球の単位も異世界由来があったりしてな。
「ミセッティ、急に耳元で大きな声を出さないでちょうだい。計算を間違っちゃうじゃない」
「そうですよ~。わたしはこの時間が一番きらいなんです~」
アイラお嬢様と一緒にマリーも計算の練習をさせられている。
見ると3桁や4桁の足し算だった。
「ゴブ~」(こんなの計算しなくても見たままじゃないかゴブ)
そろばん2級を舐めてもらっちゃ困る。
1級こそ取れなかったがこっちは下手に計算機を使うよりも早い自信がある。
3桁、4桁の足し算なんてフラッシュ演算だゴブ。
なんなら5桁の数字を5,6回連続足し算でも出来るはず。
「ゴブ」(少し見せてほしいゴブ)
わたしはアイラお嬢様がまだ解いていない最後の問題用紙を手に取った。
3452
2367
+2896
ほうほう、4桁の足し算ですな。
答え 8715
同じような問題が5問あったが1問解くのに3秒かからないゴブ。
「はぁ・・・?おかしいです~。なんなんですかその早さ」
「いや、そもそもゴブリンが計算するとか、字が書けるってだけでも信じられない」
「ゴブ~」(本気を出せばもっと大きな数字でも計算出来るゴブ)
「さすがお嬢様の従魔です。仕込みが違いますね」
「え、ええ。私より計算が早い気もしますが・・・偉いですね、ミセッティ」
「ゴブ~」(さあ、さっさと終わらせて午後は遊びに行くゴブ~)
「これはまた・・・。奥方様へ報告案件ですね」
ミセッティの解いた答案用紙を持ってカタリナさんがぼそりとつぶやいた。
「ゴブ~」(おはよ~ゴブ~)
この何気ない日常が幸せなんだゴブ。
・・・しかし油断しているとあっという間にこの幸せな日常が崩れる瞬間が突然やってくるのをわたしは知っているゴブ。
きょろきょろと辺りを見渡し、そっとドアから顔を出して突然の来訪者がいないことを確認する。
「ゴブゴブ~」(ふ~。下手に言葉に出すとフラグが立つからダメなんだゴブ)
今日もいつものゴブリン体操をしてさわやかに朝食をいただくゴブ。
「それではお嬢様、本日は南部の各領地の名前と位置、治める領主と特産品の復習とダンスの稽古、計算の3つの講習をいたします」
教育係でもあるカタリナさんが本日の授業内容を宣言しまわりのメイドさん達が用意を始める。
まずは科目は地理ってところですか。
貴族にとってどの土地にどの貴族がいて何をしているのか、自分たちの家とどういう関係があるのかは非常に重要な知識になるらしく、必ず朝食後の2時間はこの授業になる。成人前には他国の上流貴族も含めて丸暗記しなければいけないとか。
上流貴族は大変ゴブな~。
ゴブリンのわたしには関係ないけど。
わたしはお嬢様から少し離れたイスの上で借りてきた本を読んでいるゴブ。
最近のお気に入りは冒険者マヌケーのギルド登録・駆け出し編だ。
せっかく集めた薬草をゴブリンに追いかけ回されてほとんど落としてしまったり、捕まえた獲物をゴブリンの群れと遭遇して囮に使ってしまったりとなかなか見どころが満載だ。
「ゴブ~、ゴブッフッフ~!」(またゴブリンにやられてる!こりない奴ゴブ~)
笑いが止まらないゴブな~。
名前がマヌケーってのも洒落がきいてるゴブ。
「ミセッテイ様の読んでいる本ってあんなにおもしろい本なんですか~?」
「いいえ、駆け出し冒険者の体験記でよくある問題や失敗をまとめた初心者必携のハウツー本だと思ったわ。何かミセッティ様の琴線にふれるおもしろいことが書いてあったのかしら?」
「って言うか本を読めるゴブリンがすでにおかしいような気がします~」
2時限目はダンスの練習だ。
こっちでの貴族も社交のメインは舞踏会らしく何かにつけて荒探しをしてくるやらしい貴族にバカにされないように挨拶、立ち振る舞いから華麗なダンスまで上流貴族として恥ずかしくないよう所作を身に着けなけばいけない。
上流貴族は大変ゴブな~。
ゴブリンのわたしには関係ないけど。
って今回はわたしも参加して授業を受けている。
「ほら!また顔が下がっていますよ!あごをちゃんと上に向けて背筋を伸ばす!指先まで気を抜かない!体の重心を意識して!はい、ワンツー、ワンツー!」
「ゴ、ゴブ~」(ひぃぃ、厳しいゴブ~)
アイラお嬢様はもう何年も練習してきたらしくなかなか様になっている。
「はい、では次の曲の準備まで一旦休憩です」
「ゴブ~」(っていうか貴族の御曹司がゴブリンとダンスなんてするのかゴブ?)
「・・・まずしないわね。まぁでもいいじゃない。一応踊れるようになっていれば、けっこう楽しいわよ?わたしだけが生徒だと先生のチェックが厳しいし」
「ゴ、ゴブ!」(今、最後に本音がちらっと出たゴブ!巻き込んだゴブな!)
「はいはい!休憩はもう終わっていますよ!私語は慎む!姿勢を正す!」
「ゴブ~」(ひぃ~、足がつってきたゴブ~)
3時限目は計算の授業だ。
計算といってもそこは異世界あるあるで四則計算だけのようだ。
貴族は税収とかの管理もしなければいけないからな。
アイラお嬢様はもう一通り出来るようで授業ではなく用意された問題を解いて答え合わせをするだけのようだ。
こっちはダンスの練習で生まれて初めてヒールを履いて足がつりそうゴブ。
女子はよくあんなつま先立ちの姿勢で踊れるもんだゴブ。
ちらっとお嬢様の答案用紙を見るとそこには見慣れたローマ数字がならんでいた。
「ゴブ!」(おおっ!こっちの数字も同じだゴブ)
偶然の奇跡もあるもんだゴブ!ってこれは地球からの転移か転生者の仕業だな。
今回が初めてじゃなさそうだったし、距離とか時間も単位は同じだし。
もっと言うと地球の単位も異世界由来があったりしてな。
「ミセッティ、急に耳元で大きな声を出さないでちょうだい。計算を間違っちゃうじゃない」
「そうですよ~。わたしはこの時間が一番きらいなんです~」
アイラお嬢様と一緒にマリーも計算の練習をさせられている。
見ると3桁や4桁の足し算だった。
「ゴブ~」(こんなの計算しなくても見たままじゃないかゴブ)
そろばん2級を舐めてもらっちゃ困る。
1級こそ取れなかったがこっちは下手に計算機を使うよりも早い自信がある。
3桁、4桁の足し算なんてフラッシュ演算だゴブ。
なんなら5桁の数字を5,6回連続足し算でも出来るはず。
「ゴブ」(少し見せてほしいゴブ)
わたしはアイラお嬢様がまだ解いていない最後の問題用紙を手に取った。
3452
2367
+2896
ほうほう、4桁の足し算ですな。
答え 8715
同じような問題が5問あったが1問解くのに3秒かからないゴブ。
「はぁ・・・?おかしいです~。なんなんですかその早さ」
「いや、そもそもゴブリンが計算するとか、字が書けるってだけでも信じられない」
「ゴブ~」(本気を出せばもっと大きな数字でも計算出来るゴブ)
「さすがお嬢様の従魔です。仕込みが違いますね」
「え、ええ。私より計算が早い気もしますが・・・偉いですね、ミセッティ」
「ゴブ~」(さあ、さっさと終わらせて午後は遊びに行くゴブ~)
「これはまた・・・。奥方様へ報告案件ですね」
ミセッティの解いた答案用紙を持ってカタリナさんがぼそりとつぶやいた。
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