悲報 スライムに転生するつもりがゴブリンに転生しました

ぽこぺん

文字の大きさ
69 / 155

第69話 ゴブリンのお仕事8

しおりを挟む
「ゴブ~」(今日もいい天気で気持ちいいゴブ~)

この何気ない日常こそが・・・(以下省略)

今日もゴブリン体操で体をほぐし1日が始まる。

「ゴブ」(今日からは新しいルーチンワークを増やすゴブ)

昨日のダンスレッスンで初めて先生に褒められたのだ。
1週間でも真剣に取り組むと何かが身につくものなのだゴブ。

「ゴーブブ、ゴーブ、ゴーブブ、ゴーブ」(いっちに、さんし、いっちに、さんし)

足元に神経を集中しながら背筋をのばして顔を上げてステップの練習をする。

「あら、ミセッティ。ずいぶんとステップが上手になりましたね」

アイラお嬢様も褒めてくれた。

「ゴブ~」(昨日は先生にも褒められたんだゴブ~)

ふふふ、こっちは足場の悪い森で駆け回っているゴブリン様だぞ、平坦な床の屋敷でのダンスなんてステップさえ覚えてしまえば楽勝ゴブ。
今日も先生にいっぱい褒めてもらうんだゴブ。

いつもの地理と歴史の授業が終わりダンスレッスンのためにアイラお嬢様と部屋を移動しているとカタリナさんから声を掛けられた。

「お嬢様、ミセッティ様といっしょに急ぎ奥方様の執務室へお越しください」

「分かりました。午前中から呼び出しとは珍しいですね。何かあったのかしら」

わたしとお嬢様はカタリナさんに付いて2階の執務室へと向かった。

コンコン。

「失礼いたします、アイラお嬢様とミセッティ様をお連れいたしました」

「待ってたわよ~、入ってちょうだい」

入ると奥方様は執務机に座って待っておられた。
社長室のような大きな机とりっぱなイスがある。
そして眼鏡をかけているお姿も美人ですね~。賢そうに見えるゴブ。

そして奥方様の机の横に少し小さくて高さが半分の新品の机とかわいい子供用のイスが置いてある。
お嬢様が小さい頃はここでいっしょに勉強されていたのかな?
それにしては昨日や今日に作ったばかりぐらいに新品ピカピカだな。

「お母様、この子供用の机とイスは一体?私にも小さいですよ」

「おほほほ、この机はミセッティちゃんのために特別に急いで作らせたのよ。何でもミセッティちゃんは計算が得意だとか。今はちょうど半年の納税分の集計をしている時期だから助かるわ~」

おいおい、領主の資産管理の会計をさせようとしてるじゃないか。
転生前には会社員として多少の売上げ成績の集計などはしていたが本格的な経理作業となるとパソコンの無いこっちでは結構しんどいのでは?

「ゴ、ゴブ~」(今日は大事なダンスの練習があるので~ちょっと無理ゴブ)

「ミセッティは今日もダンスの練習があるから無理だとか」

「ほほほ、大丈夫です。誰もゴブリンと舞踏会で踊ろうとは思いませんよ、ダンスの練習は昨日で終わりにして今日からは私の書類を手伝ってちょうだいね」

「ゴ、ゴブ~」(とほほ~、分かりましたゴブ~)

ぐふっ。分かってはいたがはっきりと言われるとショックが大きいゴブ。
わたしの地獄の1週間が無駄になってしまったゴブな・・・。
先生、今日までありがとうゴブ。

「ミセッティ様~。もしかして素敵な王子様との出会いとか期待してたんですか~?ゴブリンプリンスとか~、プフフ~」

「ゴブー!」(黙れ!ぽんこつマリー、ゴブリンプリンスなんて初めて聞くゴブ)

「もう!マリーったらからかったらダメですわ。ミセッティはこの1週間ずっと怒られてもあきらめずにがんばってきたんですから」

「ゴブ~」(そーだそーだ、人生に無駄なことは無いんだゴブ)

カタリナさんが抱き上げてイスに座らせてくれた。
すごくしっくりときて座り心地がいいゴブ。
家具職人さんたち急造りなのにいい仕事しているゴブ。

「がんばってくれたら休憩のお茶には流行りのお菓子を用意させるわよ~」

まぁ日本で8時間(+2時間)の就労して何とか暮らしていたことを思うと午前中だけ書類整理をして衣食住とおやつが付いてくるのなら悪くないかもしれないな。
何事にも前向きに取り組むのが幸せになる秘訣ゴブ。

「はぁ、ミセッティが納得しているなら私は何も言うことはありませんが・・・お母様、ミセッティをよろしくお願いします」

アイラお嬢様は部屋を出てダンスの練習に向かわれたようだ。
それでは気合入れて仕事を頑張るゴブ。

どんっ、と書類の束がわたしの机の上に置かれた。
わたしの身長よりも高いのですが。

「ゴブ~」(初日から容赦ないゴブ~)

「アイラがいないと何て言っているか分からないわね~」

「これだけあればやりがいがあるゴブ!って言っているんですよ、きっと」

「ゴブ~!」(いいから黙れ、ぽんこつマリー!)

「今は何て言ったのか私にも分かったわ・・・」

それはそうと書類を見ると結構大きな文字で数字も3,4桁が6,7行並んでいるだけだった。
これを足し算してさらに町や村とかの単位で集計していけばいいだけだな。
たぶんだけど金貨の枚数が書かれているのだろう。

「ゴブ」(小学校の宿題レベルでお菓子がもらえてラッキーだゴブ)

それでも慣れてないと辛いところだろうがわたしはそろばん2級保持者だからな。
わたしは1枚を10秒もかからないスピードで集計していく。

「すごい・・・何枚か抜粋して確認いたしましたが全て間違っていませんでした」

カタリナさんも驚いているようだ。

「お~ほっほっほ。本当にアイラちゃんは親孝行ですわね~。私もようやくこの作業から解放されて大事な仕事にかかれるわ」

メイドさんに爪を磨いてもらいながら奥方様はご満悦のようだ。

「本当に・・・奥様の1週間分の仕事が半日で終わりそうな勢いです」

「これで旦那様が週末に戻られても執務室に籠らなくて済みそうですね」

別にいいけど・・・最終確認は責任者がするゴブよ?

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ

月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。 こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。 そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。 太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。 テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。

現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~

はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。 病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。 これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。 別作品も掲載してます!よかったら応援してください。 おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

【モブ魂】~ゲームの下っ端ザコキャラに転生したオレ、知識チートで無双したらハーレムできました~なお、妹は激怒している模様

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
よくゲームとかで敵を回復するうざい敵キャラっているだろ? ――――それ、オレなんだわ……。 昔流行ったゲーム『魔剣伝説』の中で、悪事を働く辺境伯の息子……の取り巻きの一人に転生してしまったオレ。 そんなオレには、病に侵された双子の妹がいた。 妹を死なせないために、オレがとった秘策とは――――。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

処理中です...