84 / 199
ストーリーが開始されました!
クルドについて
ずっとぐるぐると考え続けて俺は考えすぎで吐きそうになってしまった。
吐きそうになるのをなんとか抑え込みながら、俺はゆっくりと息を吸って吐いてを繰り返し続けた。
「ゆっくりと呼吸して下さい。どうか心を落ち着けてゆっくり吸って下さい」
リリエルに背中を優しく摩って貰って漸く息をゆっくり吸う事ができた。
吐き気はまだ治ってくれなくて気持ち悪さは残っているけど、今すぐに吐くまでは行かない。
なんとかかんとか楽になってきたぐらいで、横を見たらいつの間にかクルドが目を覚ましていた。
「クルド目を覚ましたの?」
「ルドくん…無事だったんだね?」
一番酷い目に遭ったのに、俺の心配をするクルドに泣きそうになってしまった。
どうして、俺のことを一番に心配するの。
俺が、俺さえいなければクルドは幸せに過ごせたのに。
「ごめんなさい…俺が、俺がクルドと一緒にいなければ、こんな事にならなかったのに…ごめんなさい…ごめんなさいっ…」
涙が出そうになるけど泣いちゃだめだ。
だって本当に辛い思いをしたのはクルドなんだから。
「本当にごめんなさっ」
「ルドくん」
パシッと両頬をクルドに挟まれた。
「俺が自身がルドくんを守るって決めたのを忘れちゃった?君を守る為なら代わりに怪我を負うのも厭わないんだ」
「でも…、それで、それで死んじゃったら…」
それで死んでしまったら俺はずっと俺を許せない。
「今俺は生きているでしょ?だから大丈夫。それにね、ルドくんの治癒魔法凄くて実はルドくんが起きる前に少しだけ起きてたんだけど、昔の怪我まで治っててね」
クルドが布団を捲って見せてくれたのは足の傷跡だった。
本来であれば再起不能のレベルの怪我で歩くだけで精一杯の筈…。
「これは昔ね、とある王族の方に疎まれて負わされた怪我なんだ。王族とたまたま手合わせをする機会があってね、子供だった俺はその王族相手に手合わせで勝ってしまったんだ。その結果俺は王族の護衛に押さえつけられながら、足を再起不能になるまでズタズタに斬られたんだ」
絶句する内容だった。
王族に勝ったそれだけの理由でそこまでされなければならないの?
「王族相手であったから治癒団もその当時は手を貸してくれなくて、傷も包帯を巻いて治るのを願うしかなかったんだ。傷は癒えたけど後遺症として俺は走ることができなくなっていた。正直歩けるようになったのも学校に入学するから直前で、ルドくんに治癒魔法をかけられるまでは痛みも絶えずあったんだ。それが今は全く痛くないんだ」
酷い怪我を負わされて、治癒団も利用できなくされたのにクルドはこの世界で一生懸命生きている。
騎士の道を断たれたのに悲観するから事もなく別の道を自ら切り開いて生きているんだ。
「それでねルドくんに一つ提案があるんだ」
「提案…?」
クルドがベッドから降りて俺の手を取り、クルドの額に俺の手が寄せられた。
この行動どこかで見たことがある。
「ルドくん…ううん、ルド様。私はクルド・フレミネンスと申します。どうか私を貴方の騎士にして頂けませんか」
騎士の祈りだった。
吐きそうになるのをなんとか抑え込みながら、俺はゆっくりと息を吸って吐いてを繰り返し続けた。
「ゆっくりと呼吸して下さい。どうか心を落ち着けてゆっくり吸って下さい」
リリエルに背中を優しく摩って貰って漸く息をゆっくり吸う事ができた。
吐き気はまだ治ってくれなくて気持ち悪さは残っているけど、今すぐに吐くまでは行かない。
なんとかかんとか楽になってきたぐらいで、横を見たらいつの間にかクルドが目を覚ましていた。
「クルド目を覚ましたの?」
「ルドくん…無事だったんだね?」
一番酷い目に遭ったのに、俺の心配をするクルドに泣きそうになってしまった。
どうして、俺のことを一番に心配するの。
俺が、俺さえいなければクルドは幸せに過ごせたのに。
「ごめんなさい…俺が、俺がクルドと一緒にいなければ、こんな事にならなかったのに…ごめんなさい…ごめんなさいっ…」
涙が出そうになるけど泣いちゃだめだ。
だって本当に辛い思いをしたのはクルドなんだから。
「本当にごめんなさっ」
「ルドくん」
パシッと両頬をクルドに挟まれた。
「俺が自身がルドくんを守るって決めたのを忘れちゃった?君を守る為なら代わりに怪我を負うのも厭わないんだ」
「でも…、それで、それで死んじゃったら…」
それで死んでしまったら俺はずっと俺を許せない。
「今俺は生きているでしょ?だから大丈夫。それにね、ルドくんの治癒魔法凄くて実はルドくんが起きる前に少しだけ起きてたんだけど、昔の怪我まで治っててね」
クルドが布団を捲って見せてくれたのは足の傷跡だった。
本来であれば再起不能のレベルの怪我で歩くだけで精一杯の筈…。
「これは昔ね、とある王族の方に疎まれて負わされた怪我なんだ。王族とたまたま手合わせをする機会があってね、子供だった俺はその王族相手に手合わせで勝ってしまったんだ。その結果俺は王族の護衛に押さえつけられながら、足を再起不能になるまでズタズタに斬られたんだ」
絶句する内容だった。
王族に勝ったそれだけの理由でそこまでされなければならないの?
「王族相手であったから治癒団もその当時は手を貸してくれなくて、傷も包帯を巻いて治るのを願うしかなかったんだ。傷は癒えたけど後遺症として俺は走ることができなくなっていた。正直歩けるようになったのも学校に入学するから直前で、ルドくんに治癒魔法をかけられるまでは痛みも絶えずあったんだ。それが今は全く痛くないんだ」
酷い怪我を負わされて、治癒団も利用できなくされたのにクルドはこの世界で一生懸命生きている。
騎士の道を断たれたのに悲観するから事もなく別の道を自ら切り開いて生きているんだ。
「それでねルドくんに一つ提案があるんだ」
「提案…?」
クルドがベッドから降りて俺の手を取り、クルドの額に俺の手が寄せられた。
この行動どこかで見たことがある。
「ルドくん…ううん、ルド様。私はクルド・フレミネンスと申します。どうか私を貴方の騎士にして頂けませんか」
騎士の祈りだった。
あなたにおすすめの小説
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
悪役令息の兄って需要ありますか?
焦げたせんべい
BL
今をときめく悪役による逆転劇、ザマァやらエトセトラ。
その悪役に歳の離れた兄がいても、気が強くなければ豆電球すら光らない。
これは物語の終盤にチラッと出てくる、折衷案を出す兄の話である。
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
第十王子は天然侍従には敵わない。
きっせつ
BL
「婚約破棄させて頂きます。」
学園の卒業パーティーで始まった九人の令嬢による兄王子達の断罪を頭が痛くなる思いで第十王子ツェーンは見ていた。突如、その断罪により九人の王子が失脚し、ツェーンは王太子へと位が引き上げになったが……。どうしても王になりたくない王子とそんな王子を慕うド天然ワンコな侍従の偽装婚約から始まる勘違いとすれ違い(考え方の)のボーイズラブコメディ…の予定。※R 15。本番なし。
聖女召喚の巻き添えで喚ばれた「オマケ」の男子高校生ですが、魔王様の「抱き枕」として重宝されています
八百屋 成美
BL
聖女召喚に巻き込まれて異世界に来た主人公。聖女は優遇されるが、魔力のない主人公は城から追い出され、魔の森へ捨てられる。
そこで出会ったのは、強大な魔力ゆえに不眠症に悩む魔王。なぜか主人公の「匂い」や「体温」だけが魔王を安眠させることができると判明し、魔王城で「生きた抱き枕」として飼われることになる。
【完結】双子の兄が主人公で、困る
* ゆるゆ
BL
『きらきら男は僕のモノ』公言する、ぴんくの髪の主人公な兄のせいで、見た目はそっくりだが質実剛健、ちいさなことからコツコツとな双子の弟が、兄のとばっちりで断罪されかけたり、 悪役令息からいじわるされたり 、逆ハーレムになりかけたりとか、ほんとに困る──! 伴侶(予定)いるので。……って思ってたのに……!
表紙は、Pexelsさまより、Julia Kuzenkovさまによる写真をお借りしました。ありがとうございます!
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!