子悪党令息の息子として生まれました

菟圃(うさぎはたけ)

文字の大きさ
68 / 120
2

9

しおりを挟む
午後の授業は問題なく終わる事ができて、あの女に声をかけられる前に私は教室からでた。
教室の前にはアデライトはおらず、Sクラスの授業がどうやら長引いているようだ。

今日はアデライトに助けてもらったから、そのお返しとしてアデライトを迎えに行くためにSクラスにまで足を運んだ。
ちょうど私がSクラスに到着したあたりでアデライトが教室からでてきた。

私の姿を見たアデライトが目を大きく見開いている。

「アデライト?」

「ホロが私の所に来てくれたのですか?」

「今日は助けてもらったから、そのお礼にと思ってだが。何故敬語なんだ?」

「苦節10年…ホロが漸く私に心を開いてくれただなんて私はその事に感激です」

魔王だという事を打ち明けてから、普通に接して来たつもりだったのだが…無意識に距離をとっていたという事なんだろうか。
よくない事をした気分になって私は申し訳なく感じた。

「アデライトがこんな表情をするなんて、君ってそんなに変わった人なのかい?」

私に問いかけてきたのは第一王子殿下。
上に王女殿下はいらっしゃるが王子殿下は同年代にいる殿下が最初の男児だ。

「私如きにはアデライト様のお考えは分かりかねてしまいます」

「へー、さっきのアデライトの時みたいに話してくれればいいのに。なんで態々態度を改めちゃうのかな?」

「王子殿下にあらせられる方に不敬な言動を行う訳にはまいりません」

「私は気に入った者であれば態度如き気にしないんだけどね?どうしても改めてくれないのなら王命でも下そうか?」

無邪気にも王命を下そうとするこの殿下に軽く殺意が湧きかけた。
王命を出されて仕舞えば下がざわるを得なくなる。

そんなめんどくさい事を私にさせる気なのか。

「殿下お辞めください。私の婚約者の評判を殿下の一言で潰すおつもりでしょうか」

「おやおや、男の嫉妬程醜い物はないぞ?だが今日は其方のその表情を見る事ができたから先ほどの願いはなかった事にしよう」

面白そうに笑う殿下。
殿下がいうアデライトの表情が気になるから顔を見ようとするが、アデライトにみれないようにされてしまい見る事が叶わなかった。

「殿下はもう少し王族としての心得をお持ちください。そうでなければ今後は家臣が迷惑を被る事になるのですから、重々行動を改めていただきますと幸いかと存じます」

「ははは!そうやって苦言を呈してくれるのも、従兄弟である其方だけよ。どうだ苦言を呈する係として私の家臣にならないか?」

「お戯を。それでは婚約者の弟君が体調を崩しており、その看病が待っておりますので私と婚約者はここで失礼致します」

「お前がそんな殊勝な行動をするとは思えないが…まあ、良いだろう。朝からぶつかってきたあの令嬢よりも面白い物が見れたようだから良しとしよう」

被害があったうちの一人が殿下?
アデライトに引っ張られているのを魔法で体を強化して無理矢理その場に固定して動けないようにした。

「ホロ?」

「殿下失礼を承知でお聞き致しますが、殿下以外の被害者はお分かりでしょうか?王子殿下に怪我を負わせようとしてしまった事も重要ではございますが、少し気になった部分がございます」

「なんだ申してみよ」

「私含めて被害を受けている貴族は高位であるのと、王族にぶつかっているという事になりますとあの編入生は意図的に高位貴族または王族にぶつかっているのではありませんか?」

「へぇ…どこで気がついたのそれ」

「王子殿下にぶつかったというお話と、そしてあの編入生が呟いた『最初と違う』という謎の言葉です。まるで最初から何か起こると思って行動していたと考えてもおかしくないと思いました。そして王子殿下は私たちとは違った情報源をお持ちでしょうからきっとあの編入生がぶつかったが全て高位貴族であるというのもご存知だと思いお聞きしました」

「アデライト、君の婚約者くれない?」

殿下から帰ってきた言葉は私を欲求するから物だった。
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

最強βの俺が偽装Ωになったら、フェロモン無効なのに狂犬王子に求愛されました~前世武道家なので物理で分からせます~

水凪しおん
BL
前世は日本の武道家、今世は平民β(ベータ)のルッツ。 「Ωだって強い」ことを証明するため、性別を偽り「Ω」として騎士団へ入団した彼は、その卓越した身体能力と前世の武術で周囲を圧倒する。 しかし、その強さと堂々とした態度が仇となり、最強のα(アルファ)である第一王子・イグニスの目に止まってしまった! 「お前こそ俺の運命の番だ」 βだからフェロモンなんて効かないのに、なぜかイグニスの熱烈な求愛(物理)攻撃を受ける日々に突入!? 勘違いから始まる、武闘派β×最強王子のドタバタ王宮BLファンタジー!

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

【8+2話完結】氷の貴公子の前世は平社員〜不器用な恋の行方〜

キノア9g
BL
氷の貴公子と称えられるユリウスには、人に言えない秘めた想いがある――それは幼馴染であり、忠実な近衛騎士ゼノンへの片想い。そしてその誇り高さゆえに、自分からその気持ちを打ち明けることもできない。 そんなある日、落馬をきっかけに前世の記憶を思い出したユリウスは、ゼノンへの気持ちに改めて戸惑い、自分が男に恋していた事実に動揺する。プライドから思いを隠し、ゼノンに嫌われていると思い込むユリウスは、あえて冷たい態度を取ってしまう。一方ゼノンも、急に避けられる理由がわからず戸惑いを募らせていく。 近づきたいのに近づけない。 すれ違いと誤解ばかりが積み重なり、視線だけが行き場を失っていく。 秘めた感情と誇りに縛られたまま、ユリウスはこのもどかしい距離にどんな答えを見つけるのか――。 プロローグ+全8話+エピローグ

秘匿された第十王子は悪態をつく

なこ
BL
ユーリアス帝国には十人の王子が存在する。 第一、第二、第三と王子が産まれるたびに国は湧いたが、第五、六と続くにつれ存在感は薄れ、第十までくるとその興味関心を得られることはほとんどなくなっていた。 第十王子の姿を知る者はほとんどいない。 後宮の奥深く、ひっそりと囲われていることを知る者はほんの一握り。 秘匿された第十王子のノア。黒髪、薄紫色の瞳、いわゆる綺麗可愛(きれかわ)。 ノアの護衛ユリウス。黒みかがった茶色の短髪、寡黙で堅物。塩顔。 少しずつユリウスへ想いを募らせるノアと、頑なにそれを否定するユリウス。 ノアが秘匿される理由。 十人の妃。 ユリウスを知る渡り人のマホ。 二人が想いを通じ合わせるまでの、長い話しです。

この俺が正ヒロインとして殿方に求愛されるわけがない!

ゆずまめ鯉
BL
五歳の頃の授業中、頭に衝撃を受けたことから、自分が、前世の妹が遊んでいた乙女ゲームの世界にいることに気づいてしまったニエル・ガルフィオン。 ニエルの外見はどこからどう見ても金髪碧眼の美少年。しかもヒロインとはくっつかないモブキャラだったので、伯爵家次男として悠々自適に暮らそうとしていた。 これなら異性にもモテると信じて疑わなかった。 ところが、正ヒロインであるイリーナと結ばれるはずのチート級メインキャラであるユージン・アイアンズが熱心に構うのは、モブで攻略対象外のニエルで……!? ユージン・アイアンズ(19)×ニエル・ガルフィオン(19) 公爵家嫡男と伯爵家次男の同い年BLです。

【本編完結】最強魔導騎士は、騎士団長に頭を撫でて欲しい【番外編あり】

ゆらり
BL
 帝国の侵略から国境を守る、レゲムアーク皇国第一魔導騎士団の駐屯地に派遣された、新人の魔導騎士ネウクレア。  着任当日に勃発した砲撃防衛戦で、彼は敵の砲撃部隊を単独で壊滅に追いやった。  凄まじい能力を持つ彼を部下として迎え入れた騎士団長セディウスは、研究機関育ちであるネウクレアの独特な言動に戸惑いながらも、全身鎧の下に隠された……どこか歪ではあるが、純粋無垢であどけない姿に触れたことで、彼に対して強い庇護欲を抱いてしまう。  撫でて、抱きしめて、甘やかしたい。  帝国との全面戦争が迫るなか、ネウクレアへの深い想いと、皇国の守護者たる騎士としての責務の間で、セディウスは葛藤する。  独身なのに父性強めな騎士団長×不憫な生い立ちで情緒薄めな甘えたがり魔導騎士+仲が良すぎる副官コンビ。  甘いだけじゃない、骨太文体でお送りする軍記物BL小説です。番外は日常エピソード中心。ややダーク・ファンタジー寄り。  ※ぼかしなし、本当の意味で全年齢向け。 ★お気に入りやいいね、エールをありがとうございます! お気に召しましたらぜひポチリとお願いします。凄く励みになります!

【完結】だから俺は主人公じゃない!

美兎
BL
ある日通り魔に殺された岬りおが、次に目を覚ましたら別の世界の人間になっていた。 しかもそれは腐男子な自分が好きなキャラクターがいるゲームの世界!? でも自分は名前も聞いた事もないモブキャラ。 そんなモブな自分に話しかけてきてくれた相手とは……。 主人公がいるはずなのに、攻略対象がことごとく自分に言い寄ってきて大混乱! だから、…俺は主人公じゃないんだってば!

処理中です...