悪役に好かれていますがどうやって逃げれますか!?

菟圃(うさぎはたけ)

文字の大きさ
89 / 173
3*

36

しおりを挟む
「ラグあのハイエルフのところに連れて行ってくれる?話したいことがあるから」

「危険だと判断したら引き剥がすからね?」

「ありがとう」

ラグザンドに抱っこしたままの状態で、ハイエルフのところにまで連れて行って貰った。
お父様と並ぶ感じになった時にハイエルフが僕を睨んできた。

「ネヴィレント危険だから離れなさい」

「言いたい事を言えばすぐに離れます」

「そうか。気をつける様に」

お父様が僕とラグザンドの側に居る形になった。

「精霊の加護が賜る事ができないと言っておりましたが、お父様は貴方と違って精霊にかなり好かれております。むしろ加護が賜われていないのは貴方ですよ。一人も精霊に好かれていない状態ですが、それは如何でしょうか?」

「この私が?ハーフエルフ如きが嘘をつくな!」

見えてないから真実を理解できない。
仕方ないけど一つ手段を取ろう。

「一人、僕の所にきて」

内容を話してないし、報酬の話をしてないから精霊達は殆ど来なかったけど、緑色の小さな精霊の子が来てくれた。

「嫌だろうけど精霊眼の加護を一時的にあのハイエルフに与えてあげて?」

『ごほうびあるー?』

「沢山魔力を上げるから、5分だけ上げれる?」

『わかったー!!』

嫌々って感じだけどハイエルフに加護をぶん投げてた。
物理的なものではないから、勢いも痛みもないけど見てて面白いな。

加護が完全に馴染んだ所、急にハイエルフが今の現状を見て叫び始めた。

「これが精霊様の加護!?おお、精霊様がこんなにいらっしゃるとは!!」

急に拝み始めた。
普通に引く。

「精霊様何故私の所に来てくださらないのですか?」

ハイエルフの言葉通り、精霊達はハイエルフの周りに一切漂ってない。
お父様にびっしりと引っ付いているし、今はラグザンドがいるからかなり遠巻きで僕の周りに精霊が漂っている。

「これが精霊の見解です。精霊は自己中心的で自身の見解でしか動きません」

「では今見えているのはなんなんだ!!」

「一時的な貸しです。後少しで加護も切れるでしょう。加護を一時的に与える事すら精霊は嫌がってましたよ?」

『ねゔぃれんともうけしていいー?』

「いいよ。ありがとう」

『わーい!あとでごほうびー!』

パチンと加護が消えた音が応接室に大きめに響いた。
広い森の中だったからそこまで大きく聞こえなかったけど、狭い場所ではかなり大きく聞こえる。

「え…精霊様が見えなくなった?」

ハイエルフが絶望的な声を上げているけど、一時的な貸し出しをしてただけだって言ったのに。

『ごほうびー!』

加護を一時的に与えてくれた精霊が僕にしがみついてくる。
その精霊にだけ魔力を譲渡してあげれば、直ぐにお腹がいっぱいになってコテンと地面に落ちた。

見えていた状況から一転して、見えない状態になったハイエルフは絶望の表情を浮かべながら天を仰いでいる。
この状況を見れて満足した。

「ラグもういいよ」

「わかった」

ラグザンドがぎゅっと僕を抱きしめ直してから、ソファの所に戻って行った。

「あああああ…」

絶望で叫び始めたハイエルフを見れるのはこう心がすっとする。
僕を殺す算段を立てていたんだから、この仕返しですら軽いものだ。

本当なら僕はこのハイエルフを殺したいぐらいだけど、ここで手を出せばこのハイエルフと同じ立場になってしまうからグッと堪えるしかない。

「これではまともな話ができないな。落ち着き次第また会談の場を設ける事にするので、またお呼びたてください」

お父様にラグザンド事応接室から引っ張り出された。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

貧乏Ωが御曹司αの将来のために逃げた話。

ミカン
BL
オメガバース

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした

BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。 実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。 オメガバースでオメガの立場が低い世界 こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです 強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です 主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です 倫理観もちょっと薄いです というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります ※この主人公は受けです

【本編完結】断罪される度に強くなる男は、いい加減転生を仕舞いたい

雷尾
BL
目の前には金髪碧眼の美形王太子と、隣には桃色の髪に水色の目を持つ美少年が生まれたてのバンビのように震えている。 延々と繰り返される婚約破棄。主人公は何回ループさせられたら気が済むのだろうか。一応完結ですが気が向いたら番外編追加予定です。

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *本編完結しました

手切れ金

のらねことすていぬ
BL
貧乏貴族の息子、ジゼルはある日恋人であるアルバートに振られてしまう。手切れ金を渡されて完全に捨てられたと思っていたが、なぜかアルバートは彼のもとを再び訪れてきて……。 貴族×貧乏貴族

氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された

楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。 何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。 記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。 ---------- ※注) かっこいい攻はいません。 タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意! 貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。 ハッピーエンドです。 激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします! 全16話 完結済み/現在毎日更新予定 他サイトにも同作品を投稿しています。 様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。 初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!

処理中です...