悪役に好かれていますがどうやって逃げれますか!?

菟圃(うさぎはたけ)

文字の大きさ
94 / 173
3*

41

しおりを挟む
午後の授業が終わってから、珍しくレラッサ先生が教室に残っていた。
なんだろうと思っていたら、レラッサ先生が口を開いた。

「午前の授業が始まる前に伝えていた事を話そうと思う」

ああ、そういえば愛と話していた内容があったようなないよな…。

「今回ネヴィレントの身に起きた事だが、今回坂蔵がエルフと共謀をして起こった出来事だ」

レラッサ先生の発言で行動がまず固まったのはハルトだった。
ハルトは僕が死にかけた件については詳細を知らなかったので、愛が僕を殺す共謀をした事実に一瞬固まってから愛の方に視線を向けた。

愛は何も考えてないのか、ハルトに見られている事を手を振って応えていた。
何を考えてそんな行動を起こしたんだろうか。

「それは、ふざけているのか…愛」

ハルトからドスの聞いた声が教室に響いた。
そんな声に愛がびっくりした表情をしたけど、すぐに何もなかったかのように表情を取り繕った。

それ余計にハルトを煽っている状態である事に気がついてない。

「ザインハルト様怖いです~」

場違いな猫撫で声に滅多に怒りを行動に表さないハルトが、机を思いっきり叩いて凄い音を鳴らした。
若干罅が入っていて、かなりの力で叩いた事がわかった。

その状況でやっと理解できたのか、愛はひきつった表情をしている。

「坂蔵は何を持ってしてネヴィレントを殺そうとした?ザインハルトを誑かそうとした挙句、このクラスをぐちゃぐちゃにしようとして何をしたかった」

レラッサ先生の質問に愛は全く答えない。
この態度を見ている限り、愛は全く反省していない事だけがわかる。

例え僕でなくてもレラッサ先生はこの場を設けただろう。
かなり重大な内容でもあるし、クラスメイトを貶めた挙句殺す加担をしたのだから例え愛が貴族であってもこの場が設けられただろうね。

「教会ではどうやら謹慎ではなく、謹慎とは程遠い状況で過ごされたようですわね。我がローゼリア家の反省室をお貸しいたしましょうか?」

「レザリアの反省室は怖いと有名だけど、甘ったれて育てられた聖女見習いに耐えられるのかな?」

レザリアとアルフレッドが愛に伝えるけど、愛は素知らぬ表情をしている。
ハルトにあれだけ牽制をかけられたのに、愛は全く反省する感じを示さない。

殺しに加担した人の態度ではないし、名前的に僕と同じ故郷の世界からきた筈なのに倫理観が全くない。
あちらでは人を殺そうとしただけでも、罪に問われるというのにこの世界では称号と家格次第でかなり減刑されるか、それか罪自体をなかった事にまでできてしまう。

聖女見習いもそこそこの称号にはなってしまうので、簡単に刑を下す事ができない。
僕自身も精霊の愛し子という称号があるから、起こす気は全くないけど人一人殺したぐらいでは僕になんの罰も下される事はない。

罰を受けなかったから何をしても許されると思って胡座をかいているんだろうね。
でも殺しかければそこそこの罰を受ける事を身を持って理解させた方が愛の為になる。

精霊にとある人を呼んできて貰うように伝えてから、僕は重たい腰を上げて愛のところまでゆっくりと近寄った。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

貧乏Ωが御曹司αの将来のために逃げた話。

ミカン
BL
オメガバース

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした

BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。 実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。 オメガバースでオメガの立場が低い世界 こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです 強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です 主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です 倫理観もちょっと薄いです というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります ※この主人公は受けです

【本編完結】断罪される度に強くなる男は、いい加減転生を仕舞いたい

雷尾
BL
目の前には金髪碧眼の美形王太子と、隣には桃色の髪に水色の目を持つ美少年が生まれたてのバンビのように震えている。 延々と繰り返される婚約破棄。主人公は何回ループさせられたら気が済むのだろうか。一応完結ですが気が向いたら番外編追加予定です。

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *本編完結しました

手切れ金

のらねことすていぬ
BL
貧乏貴族の息子、ジゼルはある日恋人であるアルバートに振られてしまう。手切れ金を渡されて完全に捨てられたと思っていたが、なぜかアルバートは彼のもとを再び訪れてきて……。 貴族×貧乏貴族

氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された

楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。 何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。 記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。 ---------- ※注) かっこいい攻はいません。 タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意! 貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。 ハッピーエンドです。 激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします! 全16話 完結済み/現在毎日更新予定 他サイトにも同作品を投稿しています。 様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。 初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!

処理中です...