悪役に好かれていますがどうやって逃げれますか!?

菟圃(うさぎはたけ)

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「手を当てた程度では返事貰えないか。魔王?が僕の体を使っている時は僕の意識は全くなかったのだから、もしかして魔王の意識もないのかな?」

「そんなわけなかろう」

ネヴィレント本体の意識がある中で、自身の口が急に動いてネヴィレントは驚いたあまり手で口を塞いだ。

「どうやら意識があるみたいだね。魔王の意識に入れ替わった時だけ、ネヴィレントの意識が閉じてしまうようだね」

自身でちゃんと操る事ができない体にネヴィレントは不満を感じつつ、現状を受け入れるしかないようだと諦めていた。

「主導権を一時的に渡した程度で私の意識が閉じるわけがなかろう」

魔王の思考は正常であったが故にしっかりと対処をされており、ネヴィレントの意識と共存している。

「この体の持ち主であるこの子供の意識がある事について聞きたいのだろう?」

「答えれくれるのか?」

「無論その体を手に入れるためならば、私はある程度の質問を許してやろう。それでは何故意識があるかについてだったな」

ネヴィレントの体を利用して魔王はニヤリと笑った。

「この体の持ち主が体を素直に明け渡したからと言うのもあるが、単純にこの者の魂が特殊な魂の持ち主であるが故に消えなかったというのもあるだろう」

「特殊な魂?」

「そうだ。この世界とはかけ離れた魂を持っているからこそ、私の力に耐えられたのだ」

魔王は本人であるネヴィレントについて次々と話していく。
当の本人であるネヴィレントは場合によっては自身が転生者であるのではないかと、話されてしまうかとヒヤヒヤしていた。

異質な存在だからラグザンドに嫌われてしまう可能性があるからだ。
嫌われてしまったら今のネヴィレントは絶望で意識の中で閉じこもってしまうだろう。

「いかんせんこの特殊な魂自体は初めて見たモノではあるから、私自身もこうして一つの体の中に意識が二つある状態を甘んじて受け入れているのだがな?」

魔王自身もこの世界についての知識はあるが、全ての世界について知っているわけではない。
だからネヴィレントの魂が別の世界のモノの魂である事を認識できないでいたが、ネヴィレントにはそんな事前知識がある訳ではないからただ魔王の発言に怯えるしかなかった。

「質問に答えたのだからどうだ?体を開け渡す気になったか?」

魔王は調子良く話しているが、ラグザンドはその発言を意に帰さずいた。
そのラグザンドの様子に魔王は不満気な表情を浮かべていた。

「そういえばなんで魔王はラグザンドに無理矢理乗り移らないんだろ。もしかして許可がないと乗り移れないのかな?」

ネヴィレントのなんとなくの発言だった。
だが魔王は慌ててネヴィレントの口を手で塞ぎ、離せないようにした行動によってそれが事実である事が立証されてしまった。

「むぐむぐ…」

「どうやらネヴィの考えは間違ってない見たいだね。でもネヴィレントから魔王を引き離せないのは、かなり問題にはなってしまうから…ツェーリア伯爵に相談する必要があるね」

話す事ができないネヴィレントはラグザンドの発言に頷くことで賛成の意を示した。
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