悪役に好かれていますがどうやって逃げれますか!?

菟圃(うさぎはたけ)

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教皇とお会いしてからかなりの時間が経った。
その間に愛を法律の下で断罪をして、死刑以外の刑を勝ち取った。

ラグとか、お父様お母様は死刑にしたかったみたいだけど、国が一度聖女として認めてしまったものがあるから、司法によっても簡単に死刑を下せなかったみたいだ。
死刑にしない代わりに被害者である僕の意見が全て反映されて、傍聴していた貴族全員が僕の発言を絶句して聞いていた。

死刑は貴族としての矜持を守る為に使用される事が多い。
聖女もそれが反映されるかと思っていたみたいで、死刑がされないと分かるとその刑罰に対して人道的ではないと抗議の声も上がったとか。

僕にとっては死なないのであれば御の字だと思っている節があるから、貴族が抗議の声を上げる事をいまいち理解していない。
命を狙われ続けた事もあって最近学院に登校すらできないでいた。

ラグはひっそりと登校していたみたいで、僕と違って出席日数は問題ないみたい。
僕は学院に復帰するなら確実に留年になる。

普通の留年はクラスが必ず下がるのだが、僕の場合は状況が状況なのでクラスの降格はない様に対処してくれるって事だったけど、お父様もお母様もラグも僕を家から出さないというのが総意だと伝えられて、学院に行かずずっと家で過ごしている。
愛という障害が消えたから問題ない事を伝えたけど、聖女が行ったのだから誰が行うかわからないということで外出はラグがいないと駄目だと言いつけられて家から出られずにいるが正しいだろう。

手紙のやり取りはなんとか許してもらったから、クラスのみんなに状況報告も兼ねて手紙を送っている。
その手紙のやり取りで一番驚いたことが、ハルト様とヴェルベルトが婚約したという内容だった。

どうしてそうなったかは会って話をしたいとの事だったので詳細は書かれていなかった。
驚きもそうだけどハルト様の幸せそうな手紙を読んで僕たちはお互いに幸せな時間を歩むことがしれて安心もできた。

ハルト様からの幸せいっぱいの手紙を何度も読み返し、満足したら鍵付きの小さな箱に大切にその手紙をしまった。
またその箱を机の引き出しにしまって、僕は部屋についているバルコニーにでた。

もう冬に差し掛かっていて空気はかなり冷たくなってきていた。
空は澄み切っていて全てが終わった僕の感情みたいでこの天気がとても心地良い。

「そんな薄着じゃ風邪を引くよ」

ラグの声と共にふわりと肩にカーディガンをかけられた。

「ありがとうラグ」

ラグに向かって笑いかければ、ラグも笑返してくれる。
最近はラグの表情も人と同じぐらいに見せてくれるようになった。

他の人がいると無表情がデフォルトになるけど、それでも僕にとっては無表情でもラグの表情の機微が分かるようになっていた。

「今日はいつもより嬉しそうだね。何か良いことがあったの?」

「ハルト様から連絡が来て、ヴェルベルトと婚約をしたって内容がきたんだ。ハルト様の幸せを僕も奪ってしまっていたから、幸せだって連絡が来て安心もしたけど幸せになってくれてよかったんだ」

「そうだっただね」

ぎゅっとラグに後ろから抱きしめられ、僕はこの幸せと暖かさを噛み締めた。
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