美形揃いの異世界で幸せになります

花純

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友達をつくります

エラルカート視点-妹の友達

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エミリアが、倒れた。

そう聞こえた時、僕の頭は真っ白になった。

僕が、行かせたから。

大丈夫、できるって、不確定なことを言ったから。

……僕の、せいだ。

最後の最後に、エミリアが縋ってくれたのに。

その手を離したのは、僕だ。

後悔ばかりが押し寄せる。

僕は、どうすればよかった?



うまく頭を整理できないまま、僕はエミリアの部屋に連れていかれた。
そこにいたのは、恐怖に震える姿ではなく、安心しきった表情のエミリアだった。
いつもエミリアは倒れると、怖い、もう外には出ないと泣き叫び、人前で倒れると特にそれが顕著に表れた。
どうしたことだろう。倒れたのではなかったのか?
「お兄様?」
エミリアがこちらを見て手を伸ばす。
「何日か寝込むかもしれないけど、体は大丈夫だそうよ」
僕はその手を握った。
「怖くなかったか?倒れたのだろう?」
エミリアは少し目を伏せて、
「怖くなかったと言えば、嘘になるわ」
と言った。
「でも、手を差し伸べてくれた人がいたの。彼女は、私が落ち着くまで、一緒にいてくれた……」
その女性が、エミリアを落ち着かせてくれたのか。
「そうか」
「だから私、彼女とちゃんと話がしたいの」
エミリアが、誰かと、話を?自分から?
「元気になったら、彼女を王宮に呼びたいのよ」
エミリアが、元気になった後のことを、積極的に話すなんて……どんな人なんだろう。



数日後。エミリアはその女性を王宮に呼ぶらしい。残念ながら僕には用事があって、エミリアが仲良くなりたいという人を見ることはできなかった。
その女性はアメリアというらしい。マリーシュ公爵家の令嬢か。
もしかしたらエミリアの弱みを握って脅そうとしているのかもしれないし、エミリアに悪い影響を与える人だったらどうするんだと思った。
僕がこの目で確かめなければ。エミリアと付き合う人は、礼儀正しく、聡明で、謙虚な人でなければならないから。
だから僕は用事が終わるなり、エミリアの部屋へ向かった。

エミリアの部屋へ続く廊下で、エミリア付きをメイドに止められた。エミリアは今、友達といるから入っては駄目だと言うのだ。
何っ、友達?
メイドたちと言い争っていると、エミリアの部屋の扉が開いた。
「坊っちゃん、客人の迷惑ですから静かになさい。姫様が入ってもいいと仰いましたから」
彼女はエミリアの乳母のシアン。僕の乳母でもあったけれど、今はエミリアに付きっきりだ。

部屋に入った途端、目に入った少女。
黒く長い髪。すみれ色の瞳。バラ色の頬。その全てが輝いて見える。
かっ、可愛い……!
全身に物凄い衝撃が走った。

僕は彼女以外が目に入らなくなって。

……しばらく、時を忘れた。

その彼女に、エミリアは僕のことまで話したらしい。エミリアがここまで心を開くことなんて滅多にない。僕以外で初めてかもしれない。母上にも、私的なことはあまり話さないのに。
彼女は、とても礼儀正しくて、謙虚で、素敵な人だった。そして、話していて分かる聡明さ。
彼女なら信用できると、エミリアのこと、そして僕のことを話した。
僕が医学の勉強をしていると話すと、彼女も医学を学んでいて、エミリアの病気と向き合いたいと話してくれた。彼女は、第二王子なのに妹のことばかりの僕を、認めてくれた。医者になれないのに医学を学ぶ僕に、エミリアのために努力するなんて素敵だと言ってくれた。
なんて優しい人なんだろう。

……僕は彼女に、心惹かれていることに気づいていた。
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