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第11話
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榊さんの元には、暁美さんからメールが届いていた。
【ウルトラマン様。今日は、とても悲しいことがありました】
《・・・・・・》
「【娘の大切なものをなくしてしまったのです】」
《・・・・・・・》
「【でも、わたしは気づいたのです。代わりのバイオリンを楽しく弾いていたのをみて、バイオリンが、好きなんだと 】」
《そうですね。美月ちゃんはいつも楽しそうですから》
榊さんは、心で呟いた。
【大丈夫です。きっと戻ってきます】
と、返信をした。
そして・・・・
《僕が必ず戻します。》
と、心で強く誓った榊さんだった。
数日後・・・・
「やっと仕事に行けるー!」
一樹が伸びをした。
と、そこへ・・・
「おはようございます!斎藤さん!」
と、ひまわり会のみんなが集まってきた。
「どうしたの?みんな」
「行くでしょう?一樹さんも」
《・・・・・》
「そうか、そうだったな」
「東條さんのお墓参り・・・・」
もう、あれから5年経つんだ。
東條さんのお墓でみんなで手を合わせると・・・・・
「5年か・・・早いな」
「東さんが帰ってきてくれたのに、みんな忙しいから。で、これを口実に無理やり時間作ってもらったんだ」
「宏人なら、満面の笑顔で「ありがとうね!みんな」って言ってるだろうな」
「うん、そうだね」
「あれ?なっちゃんは?」
「宏人の宿題見てるよ。」
「で?一樹は風邪治ったのか?」
「おかげさまで全快しました。心配かけてごめん。今から仕事行くんだ。それより榊さん、発表会に行けなくて本当にごめんね。写真たくさん撮りたかったんだけど・・・」
《構いませんよ。発表会は、また開く予定でいますから》
「・・・・・」
静かに時間は流れていった。
そして、斉藤さんと別れたあと・・・
「ねぇ?正也さん。そう言えば・・・・」
西田さんが春日部さんに
「この間からあそこにいる女の人が・・・・」
と言ってある女の人を指をさして教えると・「母さん」
と、呟く正也さん。
「えっ?Σ(゚д゚;)」
「母さん!!」
迷わず正也さんはその人を追いかけた。
気づいた女の人は逃げたからだ。
「待てよ!なんで逃げるんだよ!!」
「・・・・・」
正也さんは、その人に追いつき腕を掴んだ。
「あんたは和葉の本当の母親だろ?だけど、俺の母親でもあるんだ」
「・・・・・・・」
「頼む!和葉を助けられるのは、あなたしかいないんだ」
「お前はこんな女でも母親だと言ってくれるのかい?」
「あなたしかいないんです?」
と、両手を包み込む正也さん。
「・・・・・・」
彼女は迷っている。
「あなたがいなきゃ和葉を助けられないんです」
「ハァハァ・・・・正也さん・・・」
西田さんは追いかけてきていた。
「和葉のことを心から愛しているから助けたいのです。妹ではなく、1人の女性として愛してます」
「・・・・・・」
母親と呼ばれた女の人は、涙を流した。
「お願いします!」
正也さんは、尚も頭を下げた。
「・・・・まさかあなた達2人が出会ってしまうなんてね・・。世の中狭いね」
と、少しだけ笑顔になる。
「・・・・・」
「まさか、あの子が姉と同じ病気にかかるなんてね」
「・・・・・」
「2人を・・・姉妹を引き裂いて、さらに見捨てて逃げてしまったのは私なのに・・・・」
「・・・・・・」
そして、正也さんは和葉さんの病室に行き・・・・
「正也さん?」
「和葉・・・気がついた?」
ちょうど眠っていた和葉さんが目を覚ました。
「その・・・ひとは?」
「・・・・・」
「和葉、君のお母さんだよ」
「えっ?お母さん・・・?本当に?」
「私を恨んでいるだろ?愛する人と義理の兄妹になるかもしれないなんて・・・・」
「・・・・それでもわたし、お母さんに会いたかったよ」
和葉さんは、お母さんを抱きしめ・・・
「お母さん、生きててくれたんだね・・・・」
「・・・・そうだよ、和葉。私はあんたを助けるためにここへ来たんだよ」
母娘の再会が、果たされた瞬間だった。
「・・・・・・」
正也さんは眩しそうに2人の様子を見ていた。
「お母さんに会ったらいっぱい話すこと考えてた。なのに・・・。どうして私とお姉ちゃんを引き離したの?とか・・・どうしてずっと逢いに来てくれなかったの?とか・」
「・・・・そうなのか。ごめんね」
「でも・・・・もう、いいの」
「えっ?」
「もういいの。こうして会えたから・・・・。今は幸せなの」
こうして、母娘のかけがえのない時間を過ごし、
「手術の日取りを決めますね」
和葉さんの手術が行われることとなった。
一方
「皆さん、おはようございます!斎藤一樹復活しました!お騒がせ致しましたァ」
と、元気よく出勤。
「テンション高っ!」
と、怜香さんと衛は笑って見守った。
「よし、さっそく仕事!えーっと・・・・」
「なぁ?一樹。まだ、やる事あるだろ?」
「えっ?なにが?」
「その仕事をやる前にさぁ、《愛しの莉佐ちゃん》に会いたくないの?って言うか会いに行かないの?」
「あのね、今の僕はそれどころじゃないんだよ。こう見えて忙しいから」
・・・と、忙しいフリをした。
「ふーん( ¯꒳¯ )」
と、そこへ
「一樹先輩!」
と、急に声を掛けられた。
「えっ?Σ(゚д゚;)」
「あの!一樹先輩に憧れていました」
「えー?嘘だぁ。こう見えて、僕はまだ入って3ヶ月の研修生だよ?どちらかと言うと、君の後輩だよ?」
「違います」
「えっ?
「ずっと、好きだったから」
「えっ?好きって・・・(その好きってどういう・・・・)」
と、考えていたら
「なぁんて困りますよね?見ず知らずの女子に好かれても」
「えっ?Σ(゚д゚;)(まさかおちょくられた?)あっ、別にいいよ。(結構可愛い子だし)」
「あっ、あのこれはどうすればいいですか?一樹先輩に聞いてくださいと言われたので」
「えっ?僕に?(さては、衛だな。こんなことするのは。)これはね・・・・」
仕事の対応なので、これは嘘つけない。
「そうそう!さすが!」
「わぁ!すごーい」
なぜだか小さく盛り上がっている僕らを、莉佐が見ているとは気づかずにいて・・・
「あれ?久しぶり、莉佐ちゃん」
と、怜香さんが言うのが聞こえてきた。
「みんな、元気かなって・・・立ち寄っただけなので・・・」
そう言って行ってしまおうとしていた。
「えっ?莉佐?」
あの後ろ姿は間違いない。
「莉佐・・・」
「えっ?」
僕は我慢できなくなり席をたつと・・・
「ごめん!また後で・・・!やり方わかったよね?」
と、言い残し莉佐を追いかけた。
「・・・・・」
先輩と、頼ってくれた後輩?の女の子を取り
残して・・・・
「莉佐!」
「えっ?一樹・・・?」
莉佐は、僕が追いかけてくるとは思っていなかったのだろう。ものすごく驚いている。
その頃、僕らのオフィスにはもう1人訪れてきて・・・
「どうも!報道部の萩原悟って言います!よろしくお願いします」
「萩原悟?」
そう、そこには悟さんが訪れてきて、更に・・、
「悟?悟なの?」
さっきの後輩の女の子は、悟さんの知り合い?
「えっ?Σ(゚д゚;)めぐみ?」
そう2人も実は幼なじみらしい。
この再会が僕らの運命を左右することになるなんて・・・・
「こ、こないだはその・・・」
僕は、莉佐にお礼を言いたかった。
「この間よりはいい顔してるね」
「えっ?そう?(なんだよ、いい顔って)」
「可愛い後輩に頼られてうれしそうにしちゃって。」
「はぁ?さっき会ったばっかだし、初対面だぞ?」
「一樹先輩❤だって」
「からかうなよ」
また、喧嘩になりそうな雰囲気。
そしてこちらは・・・
《・・・・・》
玄関に誰かが来たと、光が教えてくれた。
《誰だろ?》
誰も約束をしていないのに・・・・
榊さんが、戸を開けるとそこに居たのは・・・
「・・・・ハァハァ」
バイオリンのケースを持ったある青年だった。
その正体は・・・・
《それ、バイオリン・・・どうして》
彼が手にしていたのは・・・・無くしたはずの・・・いや、盗まれたバイオリン?
まさか・・・
「すみません。《バイオリンを盗んだのはぼくです》」
かれは、手話でそう答えた。
彼は・・・一体・・・
榊さんは部屋に招き入れ・・・
飲み物を用意した。
「《あなたは、どうしてここで・・・・》」
かれは、なぜ自分を受けいれたのか疑問に思っていた。
《あなたのことは聞いてますよ?あなたの叔父が経営者だということも。》
「《なぜ、責めないのですか?僕がバイオリンを・・・・盗んだ犯人ですよ?》」
《あなたは、知らないのですか?それとも、気づいてないだけですか?》
「《えっ?Σ(゚д゚;)》」
榊さんは、バイオリンを開けて・・・
《これが娘さんのバイオリンだと、気づかなかったんですか?》
「《えっ?娘の?・・・・優香の?》」
かれは、バイオリンを見て確かめた。
「確かに娘のです。」
そして、手紙があるのを見つけた。
「《読んでください。ぼくは、読めませんから》」
「《パパ、ママ・・・病気になってごめんなさい》」
その人は手話を混じえて読んでくれた。
「《生きられなくてごめんなさい・・・・。いつか、パパと、ママがケンカしてしまった時、もしもこの手紙を見つけたら・・・・どちらかでもいいから見つけた時は・・・・》」
その先を読もうとした彼は声を掠めながら・・・・
「《お互い、ちゃんと謝ってください。絶対、絶対別れたりしないでください・・・・。優香ね、わかるんだ!2人はお互いをすごく信頼してるってこと!もちろん、パパと、ママが愛し合ってることも!》」
《・・・・・・・・》
「《優香は遠くに行ってしまうけど・・・2人のことをちゃんと見守っているよ!だから、約束!絶対離れないで》」
「まさか娘がこのような手紙を・・・・・」
その人は泣き崩れた。
「《榊さん、娘はまるで僕たちがこうなることをわかっていたんでしょうか・・・・》」
《・・・・・》
「《盗んではいけないとわかっていました・・・。ですが、あなたと優子に嫉妬してたんです。だから、僕は本当はすぐに戻るつもりでいたんです。だけど、雨の中のあなた達の姿を見てしまって・・・》」
《(えっ?Σ(゚д゚;)まさか)》
あの抱擁をかれは見てしまったのか・・・・
「《僕はそのまま引き返してしまったのです。バイオリンを持ったまま・・・・》」
《あの、それは誤解です》
「《だから、榊さん・・・・》」
と、彼から聞いた言葉は・・・・
「《優子のこと、お願いします!》」
だった。
【ウルトラマン様。今日は、とても悲しいことがありました】
《・・・・・・》
「【娘の大切なものをなくしてしまったのです】」
《・・・・・・・》
「【でも、わたしは気づいたのです。代わりのバイオリンを楽しく弾いていたのをみて、バイオリンが、好きなんだと 】」
《そうですね。美月ちゃんはいつも楽しそうですから》
榊さんは、心で呟いた。
【大丈夫です。きっと戻ってきます】
と、返信をした。
そして・・・・
《僕が必ず戻します。》
と、心で強く誓った榊さんだった。
数日後・・・・
「やっと仕事に行けるー!」
一樹が伸びをした。
と、そこへ・・・
「おはようございます!斎藤さん!」
と、ひまわり会のみんなが集まってきた。
「どうしたの?みんな」
「行くでしょう?一樹さんも」
《・・・・・》
「そうか、そうだったな」
「東條さんのお墓参り・・・・」
もう、あれから5年経つんだ。
東條さんのお墓でみんなで手を合わせると・・・・・
「5年か・・・早いな」
「東さんが帰ってきてくれたのに、みんな忙しいから。で、これを口実に無理やり時間作ってもらったんだ」
「宏人なら、満面の笑顔で「ありがとうね!みんな」って言ってるだろうな」
「うん、そうだね」
「あれ?なっちゃんは?」
「宏人の宿題見てるよ。」
「で?一樹は風邪治ったのか?」
「おかげさまで全快しました。心配かけてごめん。今から仕事行くんだ。それより榊さん、発表会に行けなくて本当にごめんね。写真たくさん撮りたかったんだけど・・・」
《構いませんよ。発表会は、また開く予定でいますから》
「・・・・・」
静かに時間は流れていった。
そして、斉藤さんと別れたあと・・・
「ねぇ?正也さん。そう言えば・・・・」
西田さんが春日部さんに
「この間からあそこにいる女の人が・・・・」
と言ってある女の人を指をさして教えると・「母さん」
と、呟く正也さん。
「えっ?Σ(゚д゚;)」
「母さん!!」
迷わず正也さんはその人を追いかけた。
気づいた女の人は逃げたからだ。
「待てよ!なんで逃げるんだよ!!」
「・・・・・」
正也さんは、その人に追いつき腕を掴んだ。
「あんたは和葉の本当の母親だろ?だけど、俺の母親でもあるんだ」
「・・・・・・・」
「頼む!和葉を助けられるのは、あなたしかいないんだ」
「お前はこんな女でも母親だと言ってくれるのかい?」
「あなたしかいないんです?」
と、両手を包み込む正也さん。
「・・・・・・」
彼女は迷っている。
「あなたがいなきゃ和葉を助けられないんです」
「ハァハァ・・・・正也さん・・・」
西田さんは追いかけてきていた。
「和葉のことを心から愛しているから助けたいのです。妹ではなく、1人の女性として愛してます」
「・・・・・・」
母親と呼ばれた女の人は、涙を流した。
「お願いします!」
正也さんは、尚も頭を下げた。
「・・・・まさかあなた達2人が出会ってしまうなんてね・・。世の中狭いね」
と、少しだけ笑顔になる。
「・・・・・」
「まさか、あの子が姉と同じ病気にかかるなんてね」
「・・・・・」
「2人を・・・姉妹を引き裂いて、さらに見捨てて逃げてしまったのは私なのに・・・・」
「・・・・・・」
そして、正也さんは和葉さんの病室に行き・・・・
「正也さん?」
「和葉・・・気がついた?」
ちょうど眠っていた和葉さんが目を覚ました。
「その・・・ひとは?」
「・・・・・」
「和葉、君のお母さんだよ」
「えっ?お母さん・・・?本当に?」
「私を恨んでいるだろ?愛する人と義理の兄妹になるかもしれないなんて・・・・」
「・・・・それでもわたし、お母さんに会いたかったよ」
和葉さんは、お母さんを抱きしめ・・・
「お母さん、生きててくれたんだね・・・・」
「・・・・そうだよ、和葉。私はあんたを助けるためにここへ来たんだよ」
母娘の再会が、果たされた瞬間だった。
「・・・・・・」
正也さんは眩しそうに2人の様子を見ていた。
「お母さんに会ったらいっぱい話すこと考えてた。なのに・・・。どうして私とお姉ちゃんを引き離したの?とか・・・どうしてずっと逢いに来てくれなかったの?とか・」
「・・・・そうなのか。ごめんね」
「でも・・・・もう、いいの」
「えっ?」
「もういいの。こうして会えたから・・・・。今は幸せなの」
こうして、母娘のかけがえのない時間を過ごし、
「手術の日取りを決めますね」
和葉さんの手術が行われることとなった。
一方
「皆さん、おはようございます!斎藤一樹復活しました!お騒がせ致しましたァ」
と、元気よく出勤。
「テンション高っ!」
と、怜香さんと衛は笑って見守った。
「よし、さっそく仕事!えーっと・・・・」
「なぁ?一樹。まだ、やる事あるだろ?」
「えっ?なにが?」
「その仕事をやる前にさぁ、《愛しの莉佐ちゃん》に会いたくないの?って言うか会いに行かないの?」
「あのね、今の僕はそれどころじゃないんだよ。こう見えて忙しいから」
・・・と、忙しいフリをした。
「ふーん( ¯꒳¯ )」
と、そこへ
「一樹先輩!」
と、急に声を掛けられた。
「えっ?Σ(゚д゚;)」
「あの!一樹先輩に憧れていました」
「えー?嘘だぁ。こう見えて、僕はまだ入って3ヶ月の研修生だよ?どちらかと言うと、君の後輩だよ?」
「違います」
「えっ?
「ずっと、好きだったから」
「えっ?好きって・・・(その好きってどういう・・・・)」
と、考えていたら
「なぁんて困りますよね?見ず知らずの女子に好かれても」
「えっ?Σ(゚д゚;)(まさかおちょくられた?)あっ、別にいいよ。(結構可愛い子だし)」
「あっ、あのこれはどうすればいいですか?一樹先輩に聞いてくださいと言われたので」
「えっ?僕に?(さては、衛だな。こんなことするのは。)これはね・・・・」
仕事の対応なので、これは嘘つけない。
「そうそう!さすが!」
「わぁ!すごーい」
なぜだか小さく盛り上がっている僕らを、莉佐が見ているとは気づかずにいて・・・
「あれ?久しぶり、莉佐ちゃん」
と、怜香さんが言うのが聞こえてきた。
「みんな、元気かなって・・・立ち寄っただけなので・・・」
そう言って行ってしまおうとしていた。
「えっ?莉佐?」
あの後ろ姿は間違いない。
「莉佐・・・」
「えっ?」
僕は我慢できなくなり席をたつと・・・
「ごめん!また後で・・・!やり方わかったよね?」
と、言い残し莉佐を追いかけた。
「・・・・・」
先輩と、頼ってくれた後輩?の女の子を取り
残して・・・・
「莉佐!」
「えっ?一樹・・・?」
莉佐は、僕が追いかけてくるとは思っていなかったのだろう。ものすごく驚いている。
その頃、僕らのオフィスにはもう1人訪れてきて・・・
「どうも!報道部の萩原悟って言います!よろしくお願いします」
「萩原悟?」
そう、そこには悟さんが訪れてきて、更に・・、
「悟?悟なの?」
さっきの後輩の女の子は、悟さんの知り合い?
「えっ?Σ(゚д゚;)めぐみ?」
そう2人も実は幼なじみらしい。
この再会が僕らの運命を左右することになるなんて・・・・
「こ、こないだはその・・・」
僕は、莉佐にお礼を言いたかった。
「この間よりはいい顔してるね」
「えっ?そう?(なんだよ、いい顔って)」
「可愛い後輩に頼られてうれしそうにしちゃって。」
「はぁ?さっき会ったばっかだし、初対面だぞ?」
「一樹先輩❤だって」
「からかうなよ」
また、喧嘩になりそうな雰囲気。
そしてこちらは・・・
《・・・・・》
玄関に誰かが来たと、光が教えてくれた。
《誰だろ?》
誰も約束をしていないのに・・・・
榊さんが、戸を開けるとそこに居たのは・・・
「・・・・ハァハァ」
バイオリンのケースを持ったある青年だった。
その正体は・・・・
《それ、バイオリン・・・どうして》
彼が手にしていたのは・・・・無くしたはずの・・・いや、盗まれたバイオリン?
まさか・・・
「すみません。《バイオリンを盗んだのはぼくです》」
かれは、手話でそう答えた。
彼は・・・一体・・・
榊さんは部屋に招き入れ・・・
飲み物を用意した。
「《あなたは、どうしてここで・・・・》」
かれは、なぜ自分を受けいれたのか疑問に思っていた。
《あなたのことは聞いてますよ?あなたの叔父が経営者だということも。》
「《なぜ、責めないのですか?僕がバイオリンを・・・・盗んだ犯人ですよ?》」
《あなたは、知らないのですか?それとも、気づいてないだけですか?》
「《えっ?Σ(゚д゚;)》」
榊さんは、バイオリンを開けて・・・
《これが娘さんのバイオリンだと、気づかなかったんですか?》
「《えっ?娘の?・・・・優香の?》」
かれは、バイオリンを見て確かめた。
「確かに娘のです。」
そして、手紙があるのを見つけた。
「《読んでください。ぼくは、読めませんから》」
「《パパ、ママ・・・病気になってごめんなさい》」
その人は手話を混じえて読んでくれた。
「《生きられなくてごめんなさい・・・・。いつか、パパと、ママがケンカしてしまった時、もしもこの手紙を見つけたら・・・・どちらかでもいいから見つけた時は・・・・》」
その先を読もうとした彼は声を掠めながら・・・・
「《お互い、ちゃんと謝ってください。絶対、絶対別れたりしないでください・・・・。優香ね、わかるんだ!2人はお互いをすごく信頼してるってこと!もちろん、パパと、ママが愛し合ってることも!》」
《・・・・・・・・》
「《優香は遠くに行ってしまうけど・・・2人のことをちゃんと見守っているよ!だから、約束!絶対離れないで》」
「まさか娘がこのような手紙を・・・・・」
その人は泣き崩れた。
「《榊さん、娘はまるで僕たちがこうなることをわかっていたんでしょうか・・・・》」
《・・・・・》
「《盗んではいけないとわかっていました・・・。ですが、あなたと優子に嫉妬してたんです。だから、僕は本当はすぐに戻るつもりでいたんです。だけど、雨の中のあなた達の姿を見てしまって・・・》」
《(えっ?Σ(゚д゚;)まさか)》
あの抱擁をかれは見てしまったのか・・・・
「《僕はそのまま引き返してしまったのです。バイオリンを持ったまま・・・・》」
《あの、それは誤解です》
「《だから、榊さん・・・・》」
と、彼から聞いた言葉は・・・・
「《優子のこと、お願いします!》」
だった。
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