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第31話
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「大好評いただいております。
始まりました、《ひまわりの詩》」
《・・・・・・》
そこには、榊さんの姿もあった。
優しく正也さんを、見ている。
「さて、今夜はあるゲストの彼・・・から、ある彼女への応援歌をお届けいたします。応援歌と言っても、歌ではないですが・・・。彼の得意な楽器、バイオリンだけの演奏になります。ですが、彼の彼女への想いが溢れた曲になってると僕は思います。そんなゲストの彼の名前は、彼の希望で匿名とさせていただきますが、その彼女が聞いてくれていると願って・・・・」
「・・・・・・」
暁美さんは、聞いている。
「幸せか・・・・」
「そしてなんと今日は特別に生演奏してくれます!では、どうぞ」
《・・・・・・》
榊さんは、バイオリンを奏でた。
そう、暁美さんの幸せを願って・・・・。
「えっ?この曲・・・・・」
それは、暁美さんを驚かせた。
悲しくもあり、寂しい音。
まるで言葉を音で伝えるかのようだった。
「この曲聴いたことある・・・・。懐かしい」
暁美さんは涙を流していた。
《・・・・・・》
榊さんは、静かに奏でている。
「・・・・・・」
「ママ?ないてるの?」
「・・・美月、大丈夫よ。ちょっと懐かしくなって・・・・」
そして、CMを流す間、正也さんは榊さんに聞いた。
「《いいんですか?榊さん。名前を証さなくて・・・。あっ、いや、証さなくてもいいんですが・・・なんか気になって・・・》」
《それじゃあ、名前ではなくラジオネームで》
「《それ、いいかも。》」
《ウルトラマンと言っておいてください》
「《えっ?その名前って・・・・》」
《はい・・・・・》
僕が、暁美さんとメールしていたハンドルネーム。
「《OK》」
それで気づいてくれるとは考えにくいけど・・・・。
「さて、さきほど素晴らしい曲を披露してくれたゲストのラジオネームは《ウルトラマン》」
「えっ?(・д・。)」
暁美さんは思わず叫んだ。
「《ママ?》」
びっくりする美月ちゃん。
「それではまた!このあとも楽しくお過ごしください。お相手は、春日部正也でした!see you again!」
「・・・・・」
「《ねぇ?ママ・・・》」
「《・・・・美月。今日は、教室休みでしょう?ママと久しぶりにお出かけしない?》」
ラジオを切り、美月の肩に手を置く。
だが、
「《ママ、あの人と結婚するの?》」
返ってきたのは、なぜかこの言葉・・・
「《あのお兄ちゃんが言ってたの。君のパパに近いうちになるからよろしくって》」
「・・・・・」
《ママ?》
「《美月には、パパが必要なのよ?》」
《でも、あのお兄ちゃんじゃなきゃ、ダメなの?》」
美月ちゃんは、目に涙をいっぱいためている。
「《美月、これから生活していくには必要なの》」
暁美さんは美月ちゃんを抱きしめながら言った。
「(例えその人が好きじゃなくても・・・・・)」
彼女は、美月ちゃんに聞こえないように呟いた。
「《ママ?》」
今なんか言った?
「《行きましょう》」
そう言って彼女は、出かける準備をした。
始まりました、《ひまわりの詩》」
《・・・・・・》
そこには、榊さんの姿もあった。
優しく正也さんを、見ている。
「さて、今夜はあるゲストの彼・・・から、ある彼女への応援歌をお届けいたします。応援歌と言っても、歌ではないですが・・・。彼の得意な楽器、バイオリンだけの演奏になります。ですが、彼の彼女への想いが溢れた曲になってると僕は思います。そんなゲストの彼の名前は、彼の希望で匿名とさせていただきますが、その彼女が聞いてくれていると願って・・・・」
「・・・・・・」
暁美さんは、聞いている。
「幸せか・・・・」
「そしてなんと今日は特別に生演奏してくれます!では、どうぞ」
《・・・・・・》
榊さんは、バイオリンを奏でた。
そう、暁美さんの幸せを願って・・・・。
「えっ?この曲・・・・・」
それは、暁美さんを驚かせた。
悲しくもあり、寂しい音。
まるで言葉を音で伝えるかのようだった。
「この曲聴いたことある・・・・。懐かしい」
暁美さんは涙を流していた。
《・・・・・・》
榊さんは、静かに奏でている。
「・・・・・・」
「ママ?ないてるの?」
「・・・美月、大丈夫よ。ちょっと懐かしくなって・・・・」
そして、CMを流す間、正也さんは榊さんに聞いた。
「《いいんですか?榊さん。名前を証さなくて・・・。あっ、いや、証さなくてもいいんですが・・・なんか気になって・・・》」
《それじゃあ、名前ではなくラジオネームで》
「《それ、いいかも。》」
《ウルトラマンと言っておいてください》
「《えっ?その名前って・・・・》」
《はい・・・・・》
僕が、暁美さんとメールしていたハンドルネーム。
「《OK》」
それで気づいてくれるとは考えにくいけど・・・・。
「さて、さきほど素晴らしい曲を披露してくれたゲストのラジオネームは《ウルトラマン》」
「えっ?(・д・。)」
暁美さんは思わず叫んだ。
「《ママ?》」
びっくりする美月ちゃん。
「それではまた!このあとも楽しくお過ごしください。お相手は、春日部正也でした!see you again!」
「・・・・・」
「《ねぇ?ママ・・・》」
「《・・・・美月。今日は、教室休みでしょう?ママと久しぶりにお出かけしない?》」
ラジオを切り、美月の肩に手を置く。
だが、
「《ママ、あの人と結婚するの?》」
返ってきたのは、なぜかこの言葉・・・
「《あのお兄ちゃんが言ってたの。君のパパに近いうちになるからよろしくって》」
「・・・・・」
《ママ?》
「《美月には、パパが必要なのよ?》」
《でも、あのお兄ちゃんじゃなきゃ、ダメなの?》」
美月ちゃんは、目に涙をいっぱいためている。
「《美月、これから生活していくには必要なの》」
暁美さんは美月ちゃんを抱きしめながら言った。
「(例えその人が好きじゃなくても・・・・・)」
彼女は、美月ちゃんに聞こえないように呟いた。
「《ママ?》」
今なんか言った?
「《行きましょう》」
そう言って彼女は、出かける準備をした。
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