37 / 39
第32話
しおりを挟む
「ただいま」
《おかえりなさい》
そう、凛子ちゃんと、榊さんは付き合いはじめようとしていた。
《東さんは?》
「《それがまだみたいで・・・。さっき、遅くなるって》」
《そうですか。もう、寝ましょう。疲れているでしょう?》
と、凛子さんの車椅子を部屋まで押して、行こうとしたが・・・
「《裕!》」
《えっ?》
凛子ちゃんは、榊さんを《裕》と呼んだ。
「《私があなたの苦しみや悲しみを・・・・あなたのその思いも、全部受け止める!だから・・・・》」
と、車椅子で彼に抱きついた。
《・・・・・・》
と、そこへちょうど東さんが帰ってきて
2人のそんなシーンを見てしまい
「・・・・!?」
ズキン
「・・・・・」
彼は、2人にわからないように部屋に入った。
パタン
《・・・・・!?》
そんな僅かな音に、榊さんは気づいた。
そう、誰かが来たら光センサーが教えてくれるはずで・・・・
《・・・・・》
「《あれ?大地くん帰ってきたのかな・・・・》」
《・・・・・みたいですね。》
夜遅いから、呼び鈴も鳴らさなかったのだろう。
そして東さんは
「・・・・・・・」
(どうして見えるようになっちゃったんだろう。
ふたりを・・・笑って祝福するって決めたのに・・・・・。どうすれば・・・・)
《・・・・・・》
ドアにもたれて暫く動けずにいると・・・・
コンコンと、ノックをされ、
「大地くん!おかえりなさい!」
と、凛子ちゃんの声。
「た、ただいま。ごめん。もう寝てると思ったから。(あと・・・邪魔になると思ったから、声かけなかった。)」
「もう、帰ってきたならちゃんと声かけてよ!夕飯は?まだでしょう?」
「ううん。実は食べてきたから。ごめん、連絡しなくて」
「そうなんだ。わかったわ。」
「おやすみ、凛子ちゃん、榊さん」
「おやすみ!」
僕はこれ以上2人とは居られないかもしれない・・・。
それから数日して、東さんは正也さん達の店の手伝いにきていた。 一樹さんも休みのようだ。
「東さん、今度ダンスイベントやるんだけど、どうかな?」
「なにそれ!楽しそうですね」
「すごいじゃん。イベント任されるなんて」
「まぁ、このイベントにはある条件があるんだ」
「条件?」
「必ずペアで参加して欲しい!」
「えー?また無茶なことを・・・・」
一樹さんは、少々あきれているみたいだ。
「1年に一度の七夕なんだぞー」
「なるほど、七夕にちなんでね。ってか最初から、そう言えよ(笑)」
「ちなみに、参加費は無料です」
と、和葉さんはニコニコして答えた。
「えっ?いいの?」
「まぁ、これはボランティアみたいなもんだし」
「でも、たくさんの人に来てもらいたいからみんな、張り切ってクチコミよろしくね!」
「なんか楽しそう!僕も仲間誘ってみる」
「それがいいよ。あと、東さんは、榊さんと凛子さんも誘っておいてな?」
「うん、OK!もちろんだよ!」
ザァーザァー
「今日は、やな雨だよなぁー」
そう今日は、朝から大雨。
「嫌な雨・・・・」
その頃凛子さんは1人デザイン画を書いていた
「東さん、遠いのに手伝ってもらっちゃってありがとうな。今日のバイト代はちゃんと出すから」
「そんなのいいですよ!どうせ、暇ですから!いつでも呼んでくださいよ。この雨だから、外でダンス出来ないし」
「・・・・・・」
と、妙に明るく振りまう東さんに正也さんは気づいていて・・・
「もしかして、凛子さんと2人きりになるのが怖いとか?」
「えっΣ(゚д゚;)そんなまさか何言ってるんですか」
「・・・・(ふーん。図星だな)」
正也さんは勘づいていた。
その頃、
カラン
筆ペンを落としてしまい・・・
「あっ、拾わなきゃ・・・・」
落としたペンを拾おうとした瞬間、胸に激痛が走り・・・・
「・・・・・っ・・・・」
その反動で、車椅子から落ちてしまった凛子さん。
ガッシャーン
「わお」
「ごめんなさい、正也さん」
割れたカップを拾おうとして・・・
「っ」
東さんは、指を切ってしまい
「大丈夫か?東さん。和葉!包帯」
「あっ、大丈夫、コレくらい」
「ダメです。バイ菌入ったら大変だから」
「ワンワン」
異常を感じたラッキーは凛子さんの傍に来た。
「・・・・・ラッキー、携帯・・・・取って・・・」
「ワンワン」
ラッキーは、携帯をくわえ、凛子さんに渡した。
そして、彼女はかろうじて誰かに電話をかけようとしていた。
「よし、これで大丈夫」
「ありがとうございます」
そして、凛子さんがかけた相手に電話が・・・・・・
ピリリリピリリリ
「・・・・・・」
鳴っているのは東さんの携帯。
「・・・・・!?」
東さんも、掛けてきた相手にビックリしたようで?
「東さん?」
「凛子ちゃんからだ」
「出てあげなよ。なんかあったんじゃないか?」
「もしもし?」
東さんがその電話に出ると・・・・・
「・・・・もし・・・もし?裕・・・・助けて・・・・・」
すごく苦しそうな彼女の声・・・。
しかも、助けてって・・・・
「もしもし?大丈夫?凛子ちゃん?」
「・・・・・」
その声は、聞こえなくなってしまい・・・・
あの日の東條さんを思い出してしまう。
「どうした?」
「・・・正也さん、どうしよう。凛子ちゃんに何かあったみたい・・・・すごく苦しそうだった」
「そりゃあ、大変だ。東さん、今すぐ行ってやれよ。西田さんに連絡しとくから」
「えっ?でも・・・・」
「いいから、行ってやれよ!早く行かないと・・・・彼女、苦しんでるんだろ?」
「うん・・・(きっと、凛子ちゃんは榊さんを呼びたかったんだよね)」
そう思いながらも僕は、家に向かった。
お願いだ!無事でいて!
「凛子ちゃん!」
急いで中に入り・・・・
倒れている彼女をベットに運んだ。
彼女は、すでに気を失っていた。
そのあと、西田さんと、西田さんのお兄さんも来てくれて診察をしてくれた。
「・・・・・」
凛子ちゃんは、落ち着いたみたいだ。
「疲れが溜まってるみたいだから、2、3日ゆっくり休ませてあげてだって。」
「良かったぁー。声が聞こえなくなった時はどうしようかと思ったぁー。ありがとう、西田さん」
「うん」
「・・・・・」
東さんの横顔を見た西田さんは勘づいた。
「(東さん、もしかして彼女のこと)」
だけど、これはきっと聞いちゃいけないこと。
「東さん」
「はい?」
「・・・榊さんには、連絡した?」
「・・・・はい。でも、すぐには行けなくてごめんなさいってさっきメールもらいましたから」
「そっか。でも、呼んだ相手が、東さんだからよかった。意識失いそうになっていて全然知らない人に電話かけちゃうよりは・・・・」
「・・・・・」
「それじゃあ、俺はこれで失礼するよ。またなんかあったら呼んでな?」
「本当にありがとうございます」
「そう言えばさ、思い出した。東條が倒れた時も、東さんが見つけてくれたんだよな?」
「はい、僕も同じこと思ってました。でも、あの時は何も出来なかったけど・・・・」
「東條さん!しっかりしてください!」
「だけど、ラッキーに誰かを呼んでくるように頼んで」
「来てくれたのが西田さんでしたね。」
懐かしい。
懐かしいのに、なぜか切ない
「じゃあ、おやすみなさい」
「うん、おやすみ。」
そう言って西田さんは帰って行った。
程なくして、
「・・・・・あれ?」
凛子さんが気がついた。
「あれ?ここ・・・・」
じぶん、確か・・・胸が痛くて・・・
「あっ!凛子ちゃん、気がついたんだね。気分はどう?」
「うん、もうだいぶいいみたい」
「そっか、良かった。倒れていた時すごく苦しそうだったから」
「えっ?でもどうして大地くんが?」
「(覚えてないんだ)君が電話してきたのは、榊さんじゃなくて僕だったから。ほら」
と、履歴を見せる。
「ほ、本当だ。」
「ほら、最初のあ行だから!」
と、笑って見せた
「そう、だったんだね・・・」
「榊さんは近くにいないからすぐに来れないんだって。僕は正也さんの店にいたから。」
「・・・・・・」
「・・・・・」
沈黙が少し流れたあと、
「そ、それよりさ、疲れが溜まってるって聞いたよ?ねぇ?また、徹夜したでしょ。それに、朝から具合い悪かったんじゃないの?」
「えっ・・・・」
「朝ごはんあんまり食べてなかったの、僕知ってるよ?見てないとでも思った?」
「み、みてたの?」
「朝ごはんは、しっかり食べなきゃ!」
「・・・・・」
「ごめん、説教して。今日はもう、ゆっくり休みなよ。で、徹夜はしばらくは禁止!!また、倒れて欲しくないし。それから、これ、薬。」
「・・・ありがとう、大地くん」
「それじゃあ、おやすみなさい!また、明日」
と、部屋から出ようとしたが
「待って」
と、凛子ちゃんに袖を掴まれ
「えっ?」
「あの、眠るまでいてくれないかな?」
と、言われた。
「・・・・・いいよ」
そして、薬を飲んだ凛子ちゃんは、薬が効き始めたのか、寝息を立て始めた。
そして僕は、心の声をつい、呟いてしまった。
「ねぇ?凛子ちゃん・・・・。もしも、もしもだよ?榊さんに振られることがあったら・・・・そのときは、僕が付き合ってあげるからね?だって、僕は・・・・」
「・・・・ん」
「!!!( ゚д゚)ハッ!!!!」
(やばい)
「・・・・・」
よかった。寝てる
そして
「おやすみ、凛子ちゃん」
これ以上自分が変なこと言わないように、部屋から出てきた。
そして、ドアを閉めると?
「・・・・(大地くん?)」
なんか言ってた?
そして、ドアの向こうでは
「(な、何言ってんだ僕は・・・・・)」
頭を抱えてしゃがみ込んだ。
(あの後のセリフは?)
凛子さんが、東さんが行ってしまったドアを見てそう思っているのを知らずにいた。
・・・僕は、「凛子ちゃんのことが好きだ」と言ってしまいそうだった。
だから、部屋から出てきた。
そして、ぼくは少しずつ決意した。
《おかえりなさい》
そう、凛子ちゃんと、榊さんは付き合いはじめようとしていた。
《東さんは?》
「《それがまだみたいで・・・。さっき、遅くなるって》」
《そうですか。もう、寝ましょう。疲れているでしょう?》
と、凛子さんの車椅子を部屋まで押して、行こうとしたが・・・
「《裕!》」
《えっ?》
凛子ちゃんは、榊さんを《裕》と呼んだ。
「《私があなたの苦しみや悲しみを・・・・あなたのその思いも、全部受け止める!だから・・・・》」
と、車椅子で彼に抱きついた。
《・・・・・・》
と、そこへちょうど東さんが帰ってきて
2人のそんなシーンを見てしまい
「・・・・!?」
ズキン
「・・・・・」
彼は、2人にわからないように部屋に入った。
パタン
《・・・・・!?》
そんな僅かな音に、榊さんは気づいた。
そう、誰かが来たら光センサーが教えてくれるはずで・・・・
《・・・・・》
「《あれ?大地くん帰ってきたのかな・・・・》」
《・・・・・みたいですね。》
夜遅いから、呼び鈴も鳴らさなかったのだろう。
そして東さんは
「・・・・・・・」
(どうして見えるようになっちゃったんだろう。
ふたりを・・・笑って祝福するって決めたのに・・・・・。どうすれば・・・・)
《・・・・・・》
ドアにもたれて暫く動けずにいると・・・・
コンコンと、ノックをされ、
「大地くん!おかえりなさい!」
と、凛子ちゃんの声。
「た、ただいま。ごめん。もう寝てると思ったから。(あと・・・邪魔になると思ったから、声かけなかった。)」
「もう、帰ってきたならちゃんと声かけてよ!夕飯は?まだでしょう?」
「ううん。実は食べてきたから。ごめん、連絡しなくて」
「そうなんだ。わかったわ。」
「おやすみ、凛子ちゃん、榊さん」
「おやすみ!」
僕はこれ以上2人とは居られないかもしれない・・・。
それから数日して、東さんは正也さん達の店の手伝いにきていた。 一樹さんも休みのようだ。
「東さん、今度ダンスイベントやるんだけど、どうかな?」
「なにそれ!楽しそうですね」
「すごいじゃん。イベント任されるなんて」
「まぁ、このイベントにはある条件があるんだ」
「条件?」
「必ずペアで参加して欲しい!」
「えー?また無茶なことを・・・・」
一樹さんは、少々あきれているみたいだ。
「1年に一度の七夕なんだぞー」
「なるほど、七夕にちなんでね。ってか最初から、そう言えよ(笑)」
「ちなみに、参加費は無料です」
と、和葉さんはニコニコして答えた。
「えっ?いいの?」
「まぁ、これはボランティアみたいなもんだし」
「でも、たくさんの人に来てもらいたいからみんな、張り切ってクチコミよろしくね!」
「なんか楽しそう!僕も仲間誘ってみる」
「それがいいよ。あと、東さんは、榊さんと凛子さんも誘っておいてな?」
「うん、OK!もちろんだよ!」
ザァーザァー
「今日は、やな雨だよなぁー」
そう今日は、朝から大雨。
「嫌な雨・・・・」
その頃凛子さんは1人デザイン画を書いていた
「東さん、遠いのに手伝ってもらっちゃってありがとうな。今日のバイト代はちゃんと出すから」
「そんなのいいですよ!どうせ、暇ですから!いつでも呼んでくださいよ。この雨だから、外でダンス出来ないし」
「・・・・・・」
と、妙に明るく振りまう東さんに正也さんは気づいていて・・・
「もしかして、凛子さんと2人きりになるのが怖いとか?」
「えっΣ(゚д゚;)そんなまさか何言ってるんですか」
「・・・・(ふーん。図星だな)」
正也さんは勘づいていた。
その頃、
カラン
筆ペンを落としてしまい・・・
「あっ、拾わなきゃ・・・・」
落としたペンを拾おうとした瞬間、胸に激痛が走り・・・・
「・・・・・っ・・・・」
その反動で、車椅子から落ちてしまった凛子さん。
ガッシャーン
「わお」
「ごめんなさい、正也さん」
割れたカップを拾おうとして・・・
「っ」
東さんは、指を切ってしまい
「大丈夫か?東さん。和葉!包帯」
「あっ、大丈夫、コレくらい」
「ダメです。バイ菌入ったら大変だから」
「ワンワン」
異常を感じたラッキーは凛子さんの傍に来た。
「・・・・・ラッキー、携帯・・・・取って・・・」
「ワンワン」
ラッキーは、携帯をくわえ、凛子さんに渡した。
そして、彼女はかろうじて誰かに電話をかけようとしていた。
「よし、これで大丈夫」
「ありがとうございます」
そして、凛子さんがかけた相手に電話が・・・・・・
ピリリリピリリリ
「・・・・・・」
鳴っているのは東さんの携帯。
「・・・・・!?」
東さんも、掛けてきた相手にビックリしたようで?
「東さん?」
「凛子ちゃんからだ」
「出てあげなよ。なんかあったんじゃないか?」
「もしもし?」
東さんがその電話に出ると・・・・・
「・・・・もし・・・もし?裕・・・・助けて・・・・・」
すごく苦しそうな彼女の声・・・。
しかも、助けてって・・・・
「もしもし?大丈夫?凛子ちゃん?」
「・・・・・」
その声は、聞こえなくなってしまい・・・・
あの日の東條さんを思い出してしまう。
「どうした?」
「・・・正也さん、どうしよう。凛子ちゃんに何かあったみたい・・・・すごく苦しそうだった」
「そりゃあ、大変だ。東さん、今すぐ行ってやれよ。西田さんに連絡しとくから」
「えっ?でも・・・・」
「いいから、行ってやれよ!早く行かないと・・・・彼女、苦しんでるんだろ?」
「うん・・・(きっと、凛子ちゃんは榊さんを呼びたかったんだよね)」
そう思いながらも僕は、家に向かった。
お願いだ!無事でいて!
「凛子ちゃん!」
急いで中に入り・・・・
倒れている彼女をベットに運んだ。
彼女は、すでに気を失っていた。
そのあと、西田さんと、西田さんのお兄さんも来てくれて診察をしてくれた。
「・・・・・」
凛子ちゃんは、落ち着いたみたいだ。
「疲れが溜まってるみたいだから、2、3日ゆっくり休ませてあげてだって。」
「良かったぁー。声が聞こえなくなった時はどうしようかと思ったぁー。ありがとう、西田さん」
「うん」
「・・・・・」
東さんの横顔を見た西田さんは勘づいた。
「(東さん、もしかして彼女のこと)」
だけど、これはきっと聞いちゃいけないこと。
「東さん」
「はい?」
「・・・榊さんには、連絡した?」
「・・・・はい。でも、すぐには行けなくてごめんなさいってさっきメールもらいましたから」
「そっか。でも、呼んだ相手が、東さんだからよかった。意識失いそうになっていて全然知らない人に電話かけちゃうよりは・・・・」
「・・・・・」
「それじゃあ、俺はこれで失礼するよ。またなんかあったら呼んでな?」
「本当にありがとうございます」
「そう言えばさ、思い出した。東條が倒れた時も、東さんが見つけてくれたんだよな?」
「はい、僕も同じこと思ってました。でも、あの時は何も出来なかったけど・・・・」
「東條さん!しっかりしてください!」
「だけど、ラッキーに誰かを呼んでくるように頼んで」
「来てくれたのが西田さんでしたね。」
懐かしい。
懐かしいのに、なぜか切ない
「じゃあ、おやすみなさい」
「うん、おやすみ。」
そう言って西田さんは帰って行った。
程なくして、
「・・・・・あれ?」
凛子さんが気がついた。
「あれ?ここ・・・・」
じぶん、確か・・・胸が痛くて・・・
「あっ!凛子ちゃん、気がついたんだね。気分はどう?」
「うん、もうだいぶいいみたい」
「そっか、良かった。倒れていた時すごく苦しそうだったから」
「えっ?でもどうして大地くんが?」
「(覚えてないんだ)君が電話してきたのは、榊さんじゃなくて僕だったから。ほら」
と、履歴を見せる。
「ほ、本当だ。」
「ほら、最初のあ行だから!」
と、笑って見せた
「そう、だったんだね・・・」
「榊さんは近くにいないからすぐに来れないんだって。僕は正也さんの店にいたから。」
「・・・・・・」
「・・・・・」
沈黙が少し流れたあと、
「そ、それよりさ、疲れが溜まってるって聞いたよ?ねぇ?また、徹夜したでしょ。それに、朝から具合い悪かったんじゃないの?」
「えっ・・・・」
「朝ごはんあんまり食べてなかったの、僕知ってるよ?見てないとでも思った?」
「み、みてたの?」
「朝ごはんは、しっかり食べなきゃ!」
「・・・・・」
「ごめん、説教して。今日はもう、ゆっくり休みなよ。で、徹夜はしばらくは禁止!!また、倒れて欲しくないし。それから、これ、薬。」
「・・・ありがとう、大地くん」
「それじゃあ、おやすみなさい!また、明日」
と、部屋から出ようとしたが
「待って」
と、凛子ちゃんに袖を掴まれ
「えっ?」
「あの、眠るまでいてくれないかな?」
と、言われた。
「・・・・・いいよ」
そして、薬を飲んだ凛子ちゃんは、薬が効き始めたのか、寝息を立て始めた。
そして僕は、心の声をつい、呟いてしまった。
「ねぇ?凛子ちゃん・・・・。もしも、もしもだよ?榊さんに振られることがあったら・・・・そのときは、僕が付き合ってあげるからね?だって、僕は・・・・」
「・・・・ん」
「!!!( ゚д゚)ハッ!!!!」
(やばい)
「・・・・・」
よかった。寝てる
そして
「おやすみ、凛子ちゃん」
これ以上自分が変なこと言わないように、部屋から出てきた。
そして、ドアを閉めると?
「・・・・(大地くん?)」
なんか言ってた?
そして、ドアの向こうでは
「(な、何言ってんだ僕は・・・・・)」
頭を抱えてしゃがみ込んだ。
(あの後のセリフは?)
凛子さんが、東さんが行ってしまったドアを見てそう思っているのを知らずにいた。
・・・僕は、「凛子ちゃんのことが好きだ」と言ってしまいそうだった。
だから、部屋から出てきた。
そして、ぼくは少しずつ決意した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)
MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。
かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。
44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。
小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。
一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。
ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
籠の鳥〜見えない鎖に囚われて✿❦二人の愛から…逃れられない。
クラゲ散歩
恋愛
私。ユリアナ=オリーブ(17)は、自然豊かなオータム国にあるグローパー学院に在籍している。
3年生になって一ヶ月が経ったある日。学院長に呼ばれた。技術と魔術の発展しているフォール国にある。姉妹校のカイト学院に。同じクラスで3年生の男子3名と女子3名(私を含め)。計6名で、半年の交換留学をする事になった。
ユリアナは、気楽な気持ちで留学をしたのだが…まさか学院で…あの二人に会うなんて。これは…仕組まれていたの?幼い頃の記憶。
「早く。早く。逃げなきゃ。誰か〜私を…ここから…。」
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~
伊吹美香
恋愛
ウエディングプランナーとして働く菱崎由華
結婚式当日に花嫁に逃げられた建築会社CEOの月城蒼空
幼馴染の二人が偶然再会し、花嫁に逃げられた蒼空のメンツのために、カモフラージュ婚をしてしまう二人。
割り切った結婚かと思いきや、小さいころからずっと由華のことを想っていた蒼空が、このチャンスを逃すはずがない。
思いっきり溺愛する蒼空に、由華は翻弄されまくりでパニック。
二人の結婚生活は一体どうなる?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる