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第7話
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気がついたら、朝になっていた。
誰かが来る音がした。
「涼さん」
「おはようございます」
竹とサリーちゃんだった。
「おはよう、竹、サリーちゃん。」
「あの、お兄ちゃん大丈夫ですか?」
「サリーちゃん、落ち着いて?」
「・・・もう大丈夫だよ。よかったら、少し話せるよ?」
「・・・涼さん、もしかして徹夜ですか?仮眠とってくださいね?あとは、なんとかしますから」
「・・あぁ、ありがとう。そうするよ」
「・・・サリーちゃん、あのさ・・・」
サリーちゃんとの誤解を解きたかった
、
「・・・ごめん、俺・・・」
「・・・・・」
「・・サリーちゃん」
サリーちゃんは、無言で行ってしまった。
まだ、許してもらえないだろうか。
「・・・・・・」
「・・サリーちゃんも、わかっているはずです。涼さんも、この劇団には必要だって。」
「・・・竹、ありがとう。俺のことを信じてくれて」
「・・僕の方こそ、涼さんを信じていないような態度をとってしまってすいませんでした」
竹は、なぜだか涙目だ。
「・・なんだよ、泣くなよ。男なのに、泣くなよ」
「・・・えへへ」
「・・そういえば、竹、サリーちゃんの話を最近しないじゃん。どうした?」
「・・じ、実は俺・・・・」
「・・ん?大丈夫か?」
「・・・ら、ラブレターをもらっちゃったんです。
どうしたらいいですか?」
「・・な、なんだ。ラブレターか」
「・・いま、ラブレターくらいでって、思いませんでしたか?」
「・・思ってないけど・・・(でも、ちょっとだけ図星)」
「生まれてはじめてなんですよ。嬉しいような、そうじゃないような・・・いや、嬉しいですけど・・・」
混乱しているのか言ってることが噛み合ってなくて、なんだかかわいい。
「・・えっ?まさかそれで、サリーちゃんと、顔合わせられないとか?」
「・・・そ、そうなんです!どうしようo(T△T=T△T)o」
「・・断ればいいじゃん。俺は、サリーちゃんが、好きですって」
「・・それは、そうなんですけど・・・・」
「・・で?ラブレターくれたのは誰なの?」
「・・・・真理ちゃんです」
「・・あー、あの音声担当の?」
「・・・・・はい・・・・」
「・・竹、案外モテるじゃん。あの子美人だし。すみにおけないな、お前のことちゃんと見てる人、いるじゃん」
「・・・・」
「・・・嬉しくないのか?」
「・・・もちろん、嬉しいです。けど、どうすれば相手を傷つけずに断ることができるかなって、ずっと考えてました。彼女は、いい子だし。嫌いじゃないし。
いい仲間として、これからもやっていきたいって気持ちはあるから」
「それん、そのまま伝えればいいんじゃないかな。いま、お前が思っていることをね。
大丈夫。ちゃんと伝わるよ」
「・・・よかったです。涼さんに相談して・・・・」
「・・・なんだよ、それ」
「・・涼さんなら、ちゃんと答えてくれるって思ってましたから」
「・・そうか?」
「・・はい!俺は、涼さんを尊敬してますから」
「・・・あはは、それはありがとう」
俺は、竹の言葉が嬉しかった。
その反面、俺は、残り少ない日付を忘れたくなってしまった。
俺はその日、眠れずにいた。
目を閉じてしまったら、もうここにはいられなくなってしまうんじゃないかって。
和也と仲直りできたけど、俺のせいで他のみんなの気持ちが、すれ違ってしまっている・・・・・
そんな予感がしたんだ。
「・・・俺さ、さっき聞いたんだけど・・・・」
劇団メンバーが、1人言う。
「・・えっ?なに?」
「・・・涼さんと、美奈子さんは付き合ってなかったんだ」
「・・なんだよそれー、サリーの早とちりかよ」
「・・前から思ってたけど、あいつ1人で騒ぎすぎなんだよな」
「・・・みんな、何サボってるの?あとから、涼さんも、和也さんも合流するから、チェックするよ?」
竹が、雑談しているメンバーのなかにはいる。
そこへ、うわさの真理ちゃんもきた。
「・・・竹、本当なの?涼さんと、美奈子さんは付き合ってなかったって」
「・・・・あっ、はい・・・それは・・・・」
「・・サリーが大騒ぎするから涼さんまでやめようとしたんじゃん?」
「・・おかしいよなぁー自分のお兄さんが好きだからって、確認せずに疑うなんてさ」
メンバーは、サリーちゃんを、批判し始めた。
「・・みんな、何言ってるの?」
「・・みんな、今回のことはサリーのせいだっていってるの・・・」
真理ちゃんも、そう言った。
「・・こっちは、切羽詰まって疲れてんだから勘弁してほしいんだよ、まったく・・・彼女のせいで・・・・」
「・・サリーのせいで、めちゃめちゃになりかけたんだよな、俺たち」
彼らの本音が溢れてしまった。
そしてそれを、聞いてしまったのは、
紛れもなく
「・・・サリーちゃん」
サリーちゃん本人で・・・・
「・・・あたしのせい?」
サリーちゃんは、それだけ言うと、竹の前を通りすぎ・・・・
「・・待って!サリーちゃん!」
サリーちゃんは、そのまま、出ていってしまった。
「・・みんな、何いってるんだよ!彼女がいたからこそ、今までやってこれたんだろ?」
竹だけ、反論している。
「・・和也さんを好きだっていいだろ?人を好きになることは自由なんだから!」
「・・・竹、お前よくあいつのことを好きだよな。めんどくさくないか?
散々相手にされないくせに・・・」
そういうと、竹は、彼の胸ぐらをつかみ・・・
「・・・それ以上言うな・・・・!それ以上サリーちゃんのことを、悪く言うやつは、俺が許さない!」
いつも怒らない竹がいままでにない声で、顔で、怒った。
「・・・!?」
みんなは、驚いている。
「・・・みんなのこと、一生許さないから!!」
「・・えっ?竹・・ごめん」
竹は、彼が謝ったのを聞かずに走り出した。
「・・・あいつ・・・そんなに彼女が好きなんだ・・・・・」
彼の一途さに圧倒されてしまったみたいだ。
「・・当たり前じゃない!バカ!彼は、言ったのよ?サリーちゃん以外は好きになれないって!そう言ってこの私を振ったんだから!!
でも、わたしは彼の一途なところが好きなの・・・・
バカみたいに一途なところが・・・・・」
「・・・まりちゃんは、竹がすきだったのか・・・・・ガーン」
真理ちゃんの一途さでショックを受けるメンバーだった。
そこへ、
「・・みんな、心配かけたな」
和也と共に、戻ったが・・・・
しーん・・・・
なぜだか静まり返っている。
「・・どたいしたんだよ、みんな。そんな暗い顔をして・・・・」
「・・そういえば、サリーちゃんと竹は?」
二人がいないことに気付き・・・
「・・ごめんなさい!和也さん!涼さん。俺たち、サリーを、否定するようなこと言っちゃって・・・・」
「・・サリーは、それを聞いて出ていってしまって・・・・」
「・・誰も止めなかったのか?」
「・・・竹が追いかけていったわ」
真理ちゃんが、すぐさま答えてくれた。
「・・ふーん、竹がね・・・。なら、大丈夫だよ、和也。」
「・・・でも、探さなきゃ・・・」
「・・・大丈夫だよ、竹なら。」
「・・・でも・・・」
万が一のことが・・・・
「・・和也知らないのかよ。竹がサリーちゃんのことを好きだって」
「・・・そうかなとは思ってはいたけど・・・「」
「・・・彼なら必ずサリーちゃんを、連れて帰るよ・。俺は、信じてる」
信じてる・・・・
そのころ・・・
誰も追いかけてこない・・・
そうよね。
わたしなんて必要じゃないのよ☆・・・
だから、死んだって誰も悲しまないのよ・・・・
サリーちゃんは、泣いて走り続けていた。
このまま、誰もいないところに行きたい・・・
このまま・・・・
「サリーちゃん!」
私を呼ぶ声がする・・・
でもわたしは、無視しようとした。
「・・・やっと、見つけた・・・・」
手を引かれ・・・振り向くと・・・・
「・・・竹・・・・」
そこにいたのは竹だった。
「竹・・・どうしてきたのよ。どうしてわたしなんか追いかけてきたのよ」
「そんなの決まってるじゃないですか。サリーちゃんを、探しに来たんですよ。さぁ、帰りましょう。みんな、待ってますから」
「・・・わたし、帰らない」
「・・なんでですか」
「・・わたしなんかいたら、みんなに迷惑かけるもん。お兄ちゃんのこと好きなの変だし!」
「・・変じゃないですよ。みんな、事情しってるんですから。」
「・・・でも!わたしがいたら・・・・お兄ちゃん、幸せになれない」
「・・そんなことないです」
「・・・もう、このままいなくなりたいからほっておいて!!わたしは、必要ないのよ!
わたしなんか、死んでも誰も・・・・」
そんな言葉をサリーちゃんがいうから、僕は思わずサリーちゃんを、バシッと軽く叩いてしまった。
「ごめん!サリーちゃん。でも、聞いて。サリーちゃんを必要としてない人なんていないよ?」
「・・・わたしなんて、必要ないの・・・・たから。」
「・・・僕が必要なんです」
その瞬間、僕は、サリーちゃんを抱き締めていた。
「・・・僕が必要なだけじゃダメですか?」
「・・・・竹?」
サリーは、初めて抱き締められ、戸惑っている。
「・・・サリーちゃんを、好きなこの僕が、必要なだけじゃダメですか?いいえ、みんな、必要なんです。きっと、サリーちゃんが帰るの待ってるから・・・・
言ったでしょ?僕だけは味方だって。
忘れたんですか?」
その優しい包容力に、サリーは、なんたか安心した。
「・・・そうだった。竹は、わたしの味方だったね・・・・」
「・・・・帰りますよ?」
「・・・・・うん・・・」
竹は、迷わずサリーちゃんの手を握った。
サリーは、初めてその手が温かいと思った。
その手を離せずにいる自分。
なんだか逞しい彼にちょっとドキドキしていた。
「・・もしもし?」
竹は、お兄ちゃんたちに連絡をしている。
「・・竹?サリーちゃん見つかったのか?それは良かった」
「・・はい。サリーちゃんのこと、ちゃんと連れて帰ります。」
「・・気を付けろよ?」
「・・はい」
電話が終わり・・・・
「・・・あっ、そうだ。お腹すきません?寄り道しますか?」
「・・ダメよ!みんなに、すぐ、謝るんだから」
「・・・そっか(笑)そうですよね」
「・・・ったく」
そんな冗談を言っても、竹はサリーの手を離すことはなかった。
「・・良かった。いつものサリーちゃんだ。」
「・・・えっ?」
そんな風に言って彼はタクシーを呼ぶ電話をした。
「ねぇ、竹・・・」
「・・・はい?」
「・・・私のこと好きじゃなくても追いかけてきてくれた?」
「・・・当たり前ですよ。劇団の仲間なんですから」
「・・・竹・・・・」
「・・タクシー着きましたよ!どうぞ」
いつだって竹は人を優先する。
タクシー中・・・
「・・・・・」
「・・・・・」
沈黙の車内・・・・
「・・・あのさ、竹・・・」
「・・ん?」
「・・・てを繋いだままなんだけど・・・・」
「・・うわっ!すいません」
「・・・別にいいけど・・・・」
「・・・サリーちゃんの手・・・冷たくなってる・・・。僕のポケットに入れててください」
「・・・・・」
ドキン・・・・
この胸の高鳴りはなに?
「・・もうすぐ着きますから」
彼に、わたしはなぜだかドキドキが止まらずにいた。
「・・和也、サリーちゃんと竹が戻るって。サリーちゃんがみんなに謝りたいらしいよ。」
「・・・そっか・・・・」
と、そこへある人がやって来た。
「・・・美奈子さん・・・」
「・・えっ?まじで?なんでこんなときに・・・・」
「・・・・・・・」
和也も呆然としている。
「・・みんな、久しぶり・・・
元気だった?」
明るく振る舞う美奈子さん。
「・・美奈子さん・・・お久しぶり。元気そうで良かった。」
みんなも、それに合わせて答えていた。
「・・・」
だが、和也は、会う気がないのかきびすを返した。
「・・待てよ!和也!」
「・・・・・」
それでも振り向かない・・・・
「・・・和也!待って!」
美奈子さんも、和也を呼び止めた。
「・・・逃げないで聞いてほしいの。
・・・・ここにいるみんなにも聞いてほしいの」
振り向いた和也。
俺は、頷いた。
そして、二人の肩に手をおき、明るく言った。
「・・・とりあえず~さ二人で話せば?」
「・・・・!」
「・・えっ?」
「・・なぁ?みんな」
「・・よっ!ご両人!」
「・・からかうなよ」
「・・・美奈子さんを、幸せにできるのは・・・和也、お前だけだよ。」
「・・・・・」
「・・・涼太さんの願いでもあるんだから・・・」
そして渋々二人は別の部屋に向かった。
「・・・ったく、あいつ何を考えてるんだろうな」
「・・・和也、わたしね」
「・・・お前はあいつと・・・・」
(回想)
(涼)涼太さん、美奈子さんと嘘の結婚していたらしいんだ。
「・・・わたし、和也が好きなの。ずっとずっと忘れられなくて」
(回想)
(涼太)「美奈子・・・俺たちは結婚してないんだ。婚姻届は出してない。俺もお前も独身のままだ」
(美奈子)「・・涼太?何をいってるの?」
(涼太)合格していても、していなくてもお前は和也と幸せになれ」
(美奈子)「・・・・・」
(涼太)「・・自分の気持ちを伝えろよ。」
「・・・涼太は、最後まで私の気持ちに気付かないフリをしていてくれた・・・・」
(涼太)「・・君は忘れられないはずだ。和也を。なぜなら、和也が好きだからだ」
「・・・涼さんもわかってくれた・・・わたしは、ずっと和也を・・・・」
美奈子さんは、和也に抱きついた。
そして、そんな彼女を和也はやっと受け入れた。
もう、大丈夫だよな?
和也・・・・。
そして、戻ってきたサリーと、竹。
みんなは、集まり
「・・・あの・・・みんな」
と、サリーちゃんは言いかけたが、
「・・サリーちゃん!ごめん!」
「・・・えっ?」
「・・・俺たちが、悪かった?だから、やめないでくれ!お願いだ!」
「・・あっ、いや、あの」
サリーは、自分が謝ろうとしていたのにその隙を与えてくれずになぜだか謝られ・・・
でも、竹にそっと背中を押され・・・
「・・わ、わたしこそ、ごめんなさい!早とちりしてごめんなさい!」
「・・・劇団やめないでくれる?」
「・・・もちろんだよ。」
「・・そっかぁ~よかったぁー」
「・・・みんな、単純ですね・・・」
「ほんと、単純。」
そう言って、となりの竹を見ると、いつのまにか繋いでいた手はほどかれていたけれど・・・
さっきの温もりがまだ残っている気がした・・・・・。
「・・サリーちゃん、ほらね!言ったでしょ?サリーちゃんは必要な人だって」
「・・・竹・・・・」
それは、いまは竹がいてくれたからだよ?
「・・あ~!竹がサリーを泣かせた」
「・・・えっ?いや!うそ!サリーちゃん?なかないでよ💦💦こ、困ったな・・・・」
竹は、頭をくしゃくしゃとかいている。
「・・・・・(笑)」
みんなそれぞれ幸せへと歩き始めている。
舞台に向かって・・・・
そして夢に向かって・・・・
誰かが来る音がした。
「涼さん」
「おはようございます」
竹とサリーちゃんだった。
「おはよう、竹、サリーちゃん。」
「あの、お兄ちゃん大丈夫ですか?」
「サリーちゃん、落ち着いて?」
「・・・もう大丈夫だよ。よかったら、少し話せるよ?」
「・・・涼さん、もしかして徹夜ですか?仮眠とってくださいね?あとは、なんとかしますから」
「・・あぁ、ありがとう。そうするよ」
「・・・サリーちゃん、あのさ・・・」
サリーちゃんとの誤解を解きたかった
、
「・・・ごめん、俺・・・」
「・・・・・」
「・・サリーちゃん」
サリーちゃんは、無言で行ってしまった。
まだ、許してもらえないだろうか。
「・・・・・・」
「・・サリーちゃんも、わかっているはずです。涼さんも、この劇団には必要だって。」
「・・・竹、ありがとう。俺のことを信じてくれて」
「・・僕の方こそ、涼さんを信じていないような態度をとってしまってすいませんでした」
竹は、なぜだか涙目だ。
「・・なんだよ、泣くなよ。男なのに、泣くなよ」
「・・・えへへ」
「・・そういえば、竹、サリーちゃんの話を最近しないじゃん。どうした?」
「・・じ、実は俺・・・・」
「・・ん?大丈夫か?」
「・・・ら、ラブレターをもらっちゃったんです。
どうしたらいいですか?」
「・・な、なんだ。ラブレターか」
「・・いま、ラブレターくらいでって、思いませんでしたか?」
「・・思ってないけど・・・(でも、ちょっとだけ図星)」
「生まれてはじめてなんですよ。嬉しいような、そうじゃないような・・・いや、嬉しいですけど・・・」
混乱しているのか言ってることが噛み合ってなくて、なんだかかわいい。
「・・えっ?まさかそれで、サリーちゃんと、顔合わせられないとか?」
「・・・そ、そうなんです!どうしようo(T△T=T△T)o」
「・・断ればいいじゃん。俺は、サリーちゃんが、好きですって」
「・・それは、そうなんですけど・・・・」
「・・で?ラブレターくれたのは誰なの?」
「・・・・真理ちゃんです」
「・・あー、あの音声担当の?」
「・・・・・はい・・・・」
「・・竹、案外モテるじゃん。あの子美人だし。すみにおけないな、お前のことちゃんと見てる人、いるじゃん」
「・・・・」
「・・・嬉しくないのか?」
「・・・もちろん、嬉しいです。けど、どうすれば相手を傷つけずに断ることができるかなって、ずっと考えてました。彼女は、いい子だし。嫌いじゃないし。
いい仲間として、これからもやっていきたいって気持ちはあるから」
「それん、そのまま伝えればいいんじゃないかな。いま、お前が思っていることをね。
大丈夫。ちゃんと伝わるよ」
「・・・よかったです。涼さんに相談して・・・・」
「・・・なんだよ、それ」
「・・涼さんなら、ちゃんと答えてくれるって思ってましたから」
「・・そうか?」
「・・はい!俺は、涼さんを尊敬してますから」
「・・・あはは、それはありがとう」
俺は、竹の言葉が嬉しかった。
その反面、俺は、残り少ない日付を忘れたくなってしまった。
俺はその日、眠れずにいた。
目を閉じてしまったら、もうここにはいられなくなってしまうんじゃないかって。
和也と仲直りできたけど、俺のせいで他のみんなの気持ちが、すれ違ってしまっている・・・・・
そんな予感がしたんだ。
「・・・俺さ、さっき聞いたんだけど・・・・」
劇団メンバーが、1人言う。
「・・えっ?なに?」
「・・・涼さんと、美奈子さんは付き合ってなかったんだ」
「・・なんだよそれー、サリーの早とちりかよ」
「・・前から思ってたけど、あいつ1人で騒ぎすぎなんだよな」
「・・・みんな、何サボってるの?あとから、涼さんも、和也さんも合流するから、チェックするよ?」
竹が、雑談しているメンバーのなかにはいる。
そこへ、うわさの真理ちゃんもきた。
「・・・竹、本当なの?涼さんと、美奈子さんは付き合ってなかったって」
「・・・・あっ、はい・・・それは・・・・」
「・・サリーが大騒ぎするから涼さんまでやめようとしたんじゃん?」
「・・おかしいよなぁー自分のお兄さんが好きだからって、確認せずに疑うなんてさ」
メンバーは、サリーちゃんを、批判し始めた。
「・・みんな、何言ってるの?」
「・・みんな、今回のことはサリーのせいだっていってるの・・・」
真理ちゃんも、そう言った。
「・・こっちは、切羽詰まって疲れてんだから勘弁してほしいんだよ、まったく・・・彼女のせいで・・・・」
「・・サリーのせいで、めちゃめちゃになりかけたんだよな、俺たち」
彼らの本音が溢れてしまった。
そしてそれを、聞いてしまったのは、
紛れもなく
「・・・サリーちゃん」
サリーちゃん本人で・・・・
「・・・あたしのせい?」
サリーちゃんは、それだけ言うと、竹の前を通りすぎ・・・・
「・・待って!サリーちゃん!」
サリーちゃんは、そのまま、出ていってしまった。
「・・みんな、何いってるんだよ!彼女がいたからこそ、今までやってこれたんだろ?」
竹だけ、反論している。
「・・和也さんを好きだっていいだろ?人を好きになることは自由なんだから!」
「・・・竹、お前よくあいつのことを好きだよな。めんどくさくないか?
散々相手にされないくせに・・・」
そういうと、竹は、彼の胸ぐらをつかみ・・・
「・・・それ以上言うな・・・・!それ以上サリーちゃんのことを、悪く言うやつは、俺が許さない!」
いつも怒らない竹がいままでにない声で、顔で、怒った。
「・・・!?」
みんなは、驚いている。
「・・・みんなのこと、一生許さないから!!」
「・・えっ?竹・・ごめん」
竹は、彼が謝ったのを聞かずに走り出した。
「・・・あいつ・・・そんなに彼女が好きなんだ・・・・・」
彼の一途さに圧倒されてしまったみたいだ。
「・・当たり前じゃない!バカ!彼は、言ったのよ?サリーちゃん以外は好きになれないって!そう言ってこの私を振ったんだから!!
でも、わたしは彼の一途なところが好きなの・・・・
バカみたいに一途なところが・・・・・」
「・・・まりちゃんは、竹がすきだったのか・・・・・ガーン」
真理ちゃんの一途さでショックを受けるメンバーだった。
そこへ、
「・・みんな、心配かけたな」
和也と共に、戻ったが・・・・
しーん・・・・
なぜだか静まり返っている。
「・・どたいしたんだよ、みんな。そんな暗い顔をして・・・・」
「・・そういえば、サリーちゃんと竹は?」
二人がいないことに気付き・・・
「・・ごめんなさい!和也さん!涼さん。俺たち、サリーを、否定するようなこと言っちゃって・・・・」
「・・サリーは、それを聞いて出ていってしまって・・・・」
「・・誰も止めなかったのか?」
「・・・竹が追いかけていったわ」
真理ちゃんが、すぐさま答えてくれた。
「・・ふーん、竹がね・・・。なら、大丈夫だよ、和也。」
「・・・でも、探さなきゃ・・・」
「・・・大丈夫だよ、竹なら。」
「・・・でも・・・」
万が一のことが・・・・
「・・和也知らないのかよ。竹がサリーちゃんのことを好きだって」
「・・・そうかなとは思ってはいたけど・・・「」
「・・・彼なら必ずサリーちゃんを、連れて帰るよ・。俺は、信じてる」
信じてる・・・・
そのころ・・・
誰も追いかけてこない・・・
そうよね。
わたしなんて必要じゃないのよ☆・・・
だから、死んだって誰も悲しまないのよ・・・・
サリーちゃんは、泣いて走り続けていた。
このまま、誰もいないところに行きたい・・・
このまま・・・・
「サリーちゃん!」
私を呼ぶ声がする・・・
でもわたしは、無視しようとした。
「・・・やっと、見つけた・・・・」
手を引かれ・・・振り向くと・・・・
「・・・竹・・・・」
そこにいたのは竹だった。
「竹・・・どうしてきたのよ。どうしてわたしなんか追いかけてきたのよ」
「そんなの決まってるじゃないですか。サリーちゃんを、探しに来たんですよ。さぁ、帰りましょう。みんな、待ってますから」
「・・・わたし、帰らない」
「・・なんでですか」
「・・わたしなんかいたら、みんなに迷惑かけるもん。お兄ちゃんのこと好きなの変だし!」
「・・変じゃないですよ。みんな、事情しってるんですから。」
「・・・でも!わたしがいたら・・・・お兄ちゃん、幸せになれない」
「・・そんなことないです」
「・・・もう、このままいなくなりたいからほっておいて!!わたしは、必要ないのよ!
わたしなんか、死んでも誰も・・・・」
そんな言葉をサリーちゃんがいうから、僕は思わずサリーちゃんを、バシッと軽く叩いてしまった。
「ごめん!サリーちゃん。でも、聞いて。サリーちゃんを必要としてない人なんていないよ?」
「・・・わたしなんて、必要ないの・・・・たから。」
「・・・僕が必要なんです」
その瞬間、僕は、サリーちゃんを抱き締めていた。
「・・・僕が必要なだけじゃダメですか?」
「・・・・竹?」
サリーは、初めて抱き締められ、戸惑っている。
「・・・サリーちゃんを、好きなこの僕が、必要なだけじゃダメですか?いいえ、みんな、必要なんです。きっと、サリーちゃんが帰るの待ってるから・・・・
言ったでしょ?僕だけは味方だって。
忘れたんですか?」
その優しい包容力に、サリーは、なんたか安心した。
「・・・そうだった。竹は、わたしの味方だったね・・・・」
「・・・・帰りますよ?」
「・・・・・うん・・・」
竹は、迷わずサリーちゃんの手を握った。
サリーは、初めてその手が温かいと思った。
その手を離せずにいる自分。
なんだか逞しい彼にちょっとドキドキしていた。
「・・もしもし?」
竹は、お兄ちゃんたちに連絡をしている。
「・・竹?サリーちゃん見つかったのか?それは良かった」
「・・はい。サリーちゃんのこと、ちゃんと連れて帰ります。」
「・・気を付けろよ?」
「・・はい」
電話が終わり・・・・
「・・・あっ、そうだ。お腹すきません?寄り道しますか?」
「・・ダメよ!みんなに、すぐ、謝るんだから」
「・・・そっか(笑)そうですよね」
「・・・ったく」
そんな冗談を言っても、竹はサリーの手を離すことはなかった。
「・・良かった。いつものサリーちゃんだ。」
「・・・えっ?」
そんな風に言って彼はタクシーを呼ぶ電話をした。
「ねぇ、竹・・・」
「・・・はい?」
「・・・私のこと好きじゃなくても追いかけてきてくれた?」
「・・・当たり前ですよ。劇団の仲間なんですから」
「・・・竹・・・・」
「・・タクシー着きましたよ!どうぞ」
いつだって竹は人を優先する。
タクシー中・・・
「・・・・・」
「・・・・・」
沈黙の車内・・・・
「・・・あのさ、竹・・・」
「・・ん?」
「・・・てを繋いだままなんだけど・・・・」
「・・うわっ!すいません」
「・・・別にいいけど・・・・」
「・・・サリーちゃんの手・・・冷たくなってる・・・。僕のポケットに入れててください」
「・・・・・」
ドキン・・・・
この胸の高鳴りはなに?
「・・もうすぐ着きますから」
彼に、わたしはなぜだかドキドキが止まらずにいた。
「・・和也、サリーちゃんと竹が戻るって。サリーちゃんがみんなに謝りたいらしいよ。」
「・・・そっか・・・・」
と、そこへある人がやって来た。
「・・・美奈子さん・・・」
「・・えっ?まじで?なんでこんなときに・・・・」
「・・・・・・・」
和也も呆然としている。
「・・みんな、久しぶり・・・
元気だった?」
明るく振る舞う美奈子さん。
「・・美奈子さん・・・お久しぶり。元気そうで良かった。」
みんなも、それに合わせて答えていた。
「・・・」
だが、和也は、会う気がないのかきびすを返した。
「・・待てよ!和也!」
「・・・・・」
それでも振り向かない・・・・
「・・・和也!待って!」
美奈子さんも、和也を呼び止めた。
「・・・逃げないで聞いてほしいの。
・・・・ここにいるみんなにも聞いてほしいの」
振り向いた和也。
俺は、頷いた。
そして、二人の肩に手をおき、明るく言った。
「・・・とりあえず~さ二人で話せば?」
「・・・・!」
「・・えっ?」
「・・なぁ?みんな」
「・・よっ!ご両人!」
「・・からかうなよ」
「・・・美奈子さんを、幸せにできるのは・・・和也、お前だけだよ。」
「・・・・・」
「・・・涼太さんの願いでもあるんだから・・・」
そして渋々二人は別の部屋に向かった。
「・・・ったく、あいつ何を考えてるんだろうな」
「・・・和也、わたしね」
「・・・お前はあいつと・・・・」
(回想)
(涼)涼太さん、美奈子さんと嘘の結婚していたらしいんだ。
「・・・わたし、和也が好きなの。ずっとずっと忘れられなくて」
(回想)
(涼太)「美奈子・・・俺たちは結婚してないんだ。婚姻届は出してない。俺もお前も独身のままだ」
(美奈子)「・・涼太?何をいってるの?」
(涼太)合格していても、していなくてもお前は和也と幸せになれ」
(美奈子)「・・・・・」
(涼太)「・・自分の気持ちを伝えろよ。」
「・・・涼太は、最後まで私の気持ちに気付かないフリをしていてくれた・・・・」
(涼太)「・・君は忘れられないはずだ。和也を。なぜなら、和也が好きだからだ」
「・・・涼さんもわかってくれた・・・わたしは、ずっと和也を・・・・」
美奈子さんは、和也に抱きついた。
そして、そんな彼女を和也はやっと受け入れた。
もう、大丈夫だよな?
和也・・・・。
そして、戻ってきたサリーと、竹。
みんなは、集まり
「・・・あの・・・みんな」
と、サリーちゃんは言いかけたが、
「・・サリーちゃん!ごめん!」
「・・・えっ?」
「・・・俺たちが、悪かった?だから、やめないでくれ!お願いだ!」
「・・あっ、いや、あの」
サリーは、自分が謝ろうとしていたのにその隙を与えてくれずになぜだか謝られ・・・
でも、竹にそっと背中を押され・・・
「・・わ、わたしこそ、ごめんなさい!早とちりしてごめんなさい!」
「・・・劇団やめないでくれる?」
「・・・もちろんだよ。」
「・・そっかぁ~よかったぁー」
「・・・みんな、単純ですね・・・」
「ほんと、単純。」
そう言って、となりの竹を見ると、いつのまにか繋いでいた手はほどかれていたけれど・・・
さっきの温もりがまだ残っている気がした・・・・・。
「・・サリーちゃん、ほらね!言ったでしょ?サリーちゃんは必要な人だって」
「・・・竹・・・・」
それは、いまは竹がいてくれたからだよ?
「・・あ~!竹がサリーを泣かせた」
「・・・えっ?いや!うそ!サリーちゃん?なかないでよ💦💦こ、困ったな・・・・」
竹は、頭をくしゃくしゃとかいている。
「・・・・・(笑)」
みんなそれぞれ幸せへと歩き始めている。
舞台に向かって・・・・
そして夢に向かって・・・・
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だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
Husband's secret (夫の秘密)
設楽理沙
ライト文芸
果たして・・
秘密などあったのだろうか!
むちゃくちゃ、1回投稿文が短いです。(^^ゞ💦アセアセ
10秒~30秒?
何気ない隠し事が、とんでもないことに繋がっていくこともあるんですね。
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