神様がくれた奇跡

藤原葉月

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第11話

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「・・・・・」
俺は、相変わらず寝ていて・・・・
その傍らには和也がいて・・・・

「・・・ん?
あれ?ここ・・・」
俺、どうしてベッドにいるんだ?
「・・・おはよう」
「・・へっ?おはよう?・・・」
ワケわからず答え・・・
「・・・まぁ?もうそんな時間はとっくに過ぎたけど?
「・・・えっ?!Σ( ̄□ ̄;)うそ!」
俺は、飛び起きた・・・・
「・・やっと起きたか・・・
気分はどうだ?
お前、酒は本当は弱いくせに暴飲するから・・・・」
「・・・ちげぇよ。ほんとは、飲める。だけど・・・体調の関係で・・・・
「・・じゃあどっちだ・・・。本当は強いのに弱くなったとか言うのか?」
「・・・あはは!ある意味そうかもな・・・
大正解!」
「・・・・・😒」
「・・・でも、絶好調」
「・・・嘘つけ・・・・
お前の目は死んでいる・・・・」
何かのアニメのセリフか?聞いたことあるぞ?
「・・そっかぁ~、死んでるか・・・・」
「・・・お前さ、そろそろ話してくれてもいいんじゃねぇの?なにをそんなに頑張ってるんだ。何を一人で抱えているんだよ」
和也は、水を俺にわたしながら・・・・
「・・・お前がなにも言わないからわからないんだ・・・・
いったい何を考えているのか・・・・」
「・・・・ずっと寝れなかったんだ。
目を閉じたら、舞台ができなくなるんじゃないかって・・・」
怖くて怖くて・・・・
「・・・・竹が最近、お前が、頭痛薬を飲みすぎているんじゃないかって心配してた」
「・・・あっ、そっかぁ~・・・」
「・・・そんなにひどいのか?」
「・・・大丈夫!だいぶ、治ってきたしね。」
「・・・そんなにひどかったのか?心配したんだ。なかなか起きないから・・・・」
頭痛薬効きすぎて・・・・

「・・それより和也、美奈子さんと仲直りしたんでしょ?よかったな。一時はどうなるかと思ったけど・・・・」
「・・・お前のお陰で美奈子と向き合えた。ありがとう」
「・・・それはよかった。」
「・・・・・・」
しばらく沈黙があり・・・・

「・・なぁ、涼・・・・」
「・・・ん?」
「・・・本当に、舞台が終わったらいってしまうのか?これからも、俺たちの劇団のメンバーで、いてくれよ。最後だなんて悲しすぎるよ」
「・・・和也、ありがとう」
俺は、素直に嬉しかった。
こんなことは誰もいってくれたことがなかったから。


「・・・すごくうれしいよ。でも、ダメなんだ・・・・ごめん」
俺は、頭を下げた。
本当に、何て言っていいのか・・・・。
「・・・そっか。そうだよな・・・
無理に誘ったのはこっちだし・・・・」
「・・・ほんとに・・・何で俺なんかを・・・・」

「・・似てたんだよ・・・」
「・・それ、前にも聞いた。一番最初に聞いたような?涼太さんに・・・・だろ?」
「・・・最初は、それもあったけど・・・初めて会った気がしなかった・・・最近特に感じたんだ・・・ひろこの・・・・
いや、正確に言うと・・・・弘子姉さんの好きだった人に・・・似ていたから・・・・」
「・・・・えっ・・・・」

おれは、思い出した・・・・

「・・・あのね、涼・・・わたしに弟ができたの」
「・・・弟?」
「・・親同士が再婚したから、血の繋がらない弟・・・・」

そこで、初めて気がついた。
神様がなぜ、10年後に俺をこさせたのか・・・。

なぜ、自分のいない時代に送ったのか・・・・

神様が、言ってたここにいる人たちと、俺の関係・・・・
意味のある人物・・・
縁のある人たち・・・

「・・・涼?どうした?」
「・・・(そうかあのとき弘子といたのは・・・・)」
「・・・えっ?」
「・・なぁんだ。おまえだったのかよ!」
「・・はぁ?俺が何?」
「・・いや、こっちのこと」
「・・なんだよそれ・・・。
そんなことより・・・サリーがお前に用があるらしいよ」
「・・えっ?サリーちゃんが・・・俺に?」
「・・お前にどうしても、聞いてほしいらしいよ?
お前じゃなきゃダメなんだってさ。
そんなこと言われたら、兄貴としては複雑だけどな」
「・・・・・・」
「・・・お前が起きるのを首を長くして待ってるだろうからさ・・・
呼んでくるよ!待ってろ」
「・・・サリーちゃんに呼ばれるなんて・・・(なんだか竹に悪いな・・・・)」

外から、バタバタと音がした。


「・・涼さん!」
サリーちゃんがやってきた。

「・・サリーちゃん・・・来るの早いね・・・走ってきたの?」
「・・涼さん!」
「(えっ?)」
そして、なぜだか顔を近づけられる・・・・
「・・涼さん起きるのずっと待ってた」

「(ち、近い・・・・)ど、どうしたの。そんなに慌てて・・・」
「・・・聞いてほしいことがあって・・・・」
「・・聞いてほしいこと?
いいよ?何でも聞くよ」
「・・・・わたし、おかしいの・・・・」
「・・・おかしいって・・・・?」
「・・・竹がね・・・・マリに呼ばれて告白されてて・・・でも、わたし、逃げてきたの・・・・」
「・・・・・」
「・・・あの二人は、そのあとなずか仲良さげだし・・・・」

わたし、さっき二人見てるの辛かった。
「・・彼が・・・竹がなんて答えるか・・・・
聞くのが怖くて・・・・
っていうか・・・気になって仕方ないの・・・・」
「・・・わかったよ、サリーちゃん。よ~くわかったんだけど・・・ちょっと落ち着こうか?(顔近いままだし・・・・)」
「・・あっ!ごめんなさい」
ようやく気づいてくれたみたいだ。
もしも、竹が見ていたら、殴られるかも😓

「(でも、なんかやっぱり、女の子だなぁ~・・・・)」
「・・・あのね、涼さん。わたし、今日・・・
竹に、クッキーを焼いてきたの」
「・・そうなんだ・・・。渡さないの?」
「・・・渡そうとしていて、でも、タイミングを逃しちゃって・・・・。気がついたらあの二人・・・
マリと竹は一緒にいるし・・・・だから、わたし思わずそっけない態度とっちゃって・・・・」
「・・・俺、何かしたかな?」
竹にそういわれたけど・・・・
「・・・・それでも、竹のことを、目でおってしまって・・・・」
「・・くすっ」
「・・・・わたし・・・」
「・・・ねぇ、サリーちゃん・・・率直に聞いていいかな?(ほんとに可愛いなぁ~きっとこれは・・・・」

と、そこへ
コンコン・・・
とを叩く音がして・・・・
「・・涼さん?起きてますか?」
「この声は・・・竹か?
入れよ・・・」
「・・・あれ?サリーちゃん・・・いたんですね・・・・あの・・・テーピングほしいんですけど・・・・」
「・・・誰か怪我をしたの?」
「・・・いや、俺が引っ掻けちゃって・・・・イテテ」
竹は、怪我した手を見せながら・・・・
「・・・あっちのが切れていたんで、こっちにあるかなって・・・・」
「・・・けっこうひどいわね・・・。ちゃんと洗って消毒したの?」
「・・・大丈夫。こんなのテーピングだけで充分・・・・痛いのはごめんなんで・・・・」
「・・・もう!竹ってばいつもそうだよね・・・貸して?」
「・・・えっ?」
「・・・痩せ我慢しすぎなのよ・・・・」

なぜだか二人だけの世界だ。

おれ、忘れられてる?

「・・・えっ?そうですかね・・・・」
竹は、ちょっと痛そうな顔をしている。
サリーちゃんは、構わず、包帯を巻いている。
「・・・ほんとに昔から自分のことは後回しにするんだから」

昔って・・・どんだけ前だよ(笑)

「・・・はい、出来上がり」
「・・・どうしたんですか?サリーちゃん・・・・やっぱり、優しいですね」
「・・やっぱりってなによ」
「・・・さっきは話しかけてもなんだか怒っていたみたいだし・・・」

「そ、それは・・・・・」
「・・・でも、真理ちゃんも変なんだよね・・・。サリーちゃんは、よく自分でやれって怒るじゃないですか・・・。今日は、真理ちゃんが自分でやれって言ってきたんですよね~
なんだか変な感じ・・・」
「・・・バカね・・・右手だもん。無理に決まってるでしょ?」
「・・・そ、そりゃそうですね。サリーちゃん、ありがとうございます。助かりました」
「・・・気を付けなさいよね・・・本番近いんだし・・・・」
「・・どうもありがとう。サリーちゃんも早く来てくださいね!涼さんも!」
竹はそれだけ言うとまた、稽古場に戻っていった。

「・・・・・・」
サリーちゃんは、それを黙って見送っていた。
「(完璧に二人の世界だったな・・・・)」
おれは、二人の様子を黙ってみていた。
「・・・涼さん、ごめんなさい・・・なんのはなししてましたっけ?」
「(笑)いまので完璧だな・・・・わかったよ、君の気持ち・・・」
「・・・えっ?なにを笑っているんですか?」
「・・いやね、若いなぁーって思ってさ」
「・・・そうですか?普通ですよ?」
サリーちゃんは、薬箱を片付けようとしていて・・・

「・・サリーちゃん、竹のこと好きでしょ」
「・・・!?」

ガラガラガッシャン

薬箱を落とした

「・・・うわっ!大丈夫?」
「・・・ご、ごめんなさい!」

明らかに動揺するサリーちゃんは、恋する女の子になっていた。

「・・・・な、何いってるんですか?」
「・・・驚かせるつもりはなかったんだ・・・ごめん・・・」
「・・・・・」
「・・・でも、出会った頃のサリーちゃんと違う気がして・・・。和也を好きでいた頃の・・・・そんなに日付は経ってないけどさ・・・
その頃のサリーちゃんと違うなって・・・いま、みて思ったんだ」
「・・・ご、誤解しないでください・・・。わたしは別に・・・
竹はいい仕事仲間なんです。好き・・・とか、そんなんじゃ・・・・」
「・・・でも、気になるんでしょ?」
「・・・・・・」
「・・・まさか竹が真理ちゃんに呼ばれて、告白されていて・・・しかも二回目・・・。
それを見てしまった。それで、逃げてきた。二人は付き合うかもしれない・・・。なぜなら、前より仲が良くなってる気がしたから・・・・」
「・・・竹はみんなに平等に優しいから・・・・」
「・・・だけど、前よりも気になるんでしょ?みんなに平等に優しい彼が・・・・気になるんだよね?」
「・・・・・」
コクリ
サリーちゃんは、降参したのか頷いてくれた。



「・・ねぇ?サリーちゃん・・・
竹はこの劇団に必要不可欠な人だよね?(今日のサリーちゃんは可愛いなぁ)」
「・・・・」
「・・あいつがいないと盛り上がらないよね?」
「・・・うん、彼はいつも自分のことより人のことを優先する人・・・・」

後ろを見たらいつも彼がいて

「・・頑張れ!サリーちゃん!」
「・・サリーちゃんの役に立てるなら俺、頑張るから」
「・・・俺が必要なだけじゃダメですか?」

次々に浮かぶ竹のわたしへのエール。
いつも笑顔でエールを、くれる。
「・・良かった。いつものサリーちゃんだ」
そんな彼に、いつも助けられていた。

「・・あいつ・・一言も文句言わないから・・・・」
「・・サリーちゃんのためならなんでもします!俺だけはサリーちゃんの味方ですから!」
「・・・サリーちゃん・・・・」
「・・えっ?」
「・・・ここ・・・だよ、ここ」
「・・・・・」
おれは、胸に手を当て
「・・・その気持ちが大切だよ?素直になって気持ちを伝えなきゃ」
「・・・・」
「・・大丈夫。彼は、サリーちゃんしか見ていないから・・・・」
「・・・えっ(/≧◇≦\)」
改めて赤くなるサリーちゃん。
「・・今までもそうだったし・・・きっとこれからもね・・・・」
「・・・涼さん・・・・わたし、やっとわかったよ・・・
竹がいてくれたから今まで頑張ってこれた。・・・初めて離れたくないって思ったの・・・・」
「・・・そう、その気持ちが、きみの”好き”って気持ちだよ」
「・・・涼さん、ありがとう・・・・。大切な気持ち、気づかせてくれて・・・・」
「・・サリーちゃんもちゃんと恋する女の子だったんだな!頑張れよ!」
「・・・うん!」
「・・・・・」
「・・・涼さんは?」
「・・・えっ?俺?」
「・・涼さんは伝えないんですか?大切な人に・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・涼・・・・さん?」

目を見開く俺に驚くサリーちゃん・・・

「・・・俺はもう、無理・・・かな・・・」
例え、手紙で伝わったとしても・・・
あいつのそばにはいてやれないから・・・・
第一あいつの返事も聞けないしな・・・・

「・・・そんなことより、稽古場に戻ろうか?ずいぶんサボっちゃったし」
「・・・あっ・・・はい・・・・・」
俺はあと2日に迫った時間をできるだけ長く仲間と過ごしたいと想った。


「(涼さん・・・なんであんなに悲しそうな顔・・・・)」
たった、2週間・・・・
神様がくれた奇跡を・・・・
与えられた命を・・・・

忘れたくないから・・・・
舞台を成功させたいんだ。

みんなのために・・・・

そして・・・・

自分のために・・・・・





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