続Voyger~不思議な船旅~エピソード1

藤原葉月

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武司の恋

第2話 はめられた指輪は、呪いの指輪!?

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「いつも、こんなに、にぎやかなの?」
さっそく、お酒を飲み始める昌也兄さん。
「まぁ、昌也兄さんは、お酒好きだからね。俺は飲まないけど・・・・」
「ねぇ?ルキアさんはさ、俺たちのなかで、彼氏・・・にするんだったら、誰がいいの?」
手をマイクの形にして質問する和彦兄さん。
それ、わりと古いかも。
「えっ?」
「それ、聞いちゃう?じゃあ、やっぱり、レンさんに、にてる、武司?」
「・・・・」
チラッと、武司をみて
「冗談じゃないよ!こんなチビ!」
「なぬっ」
「あっ、禁句・・」
確かに彼は、背は低いけど・・・・
「俺だってごめんだ!でかい女は好かねぇよ」
「なによ!」
「髪、短い方が良かったんじゃねぇの?」
「・・・また、余計なことを・・・」
「もしかして、褒めてる?」
「余計なお世話よ!」
「・・・なんか、ケンカしてますけど?」
どっかで似たようなの見たような?
「だって、その髪型、似合わねぇじゃん」
「わたしが、のばすのにどれだけ苦労したか知らないくせに!」
「確かに、誰か、わからなかったけど、俺は別にいいと思うけどね」
と、和彦兄さんはフォローする。
「うん、悪くはないよね」と、博巳兄さん。
「他に、好きなやつできたんだろ?だから、のばしたんだろ?」
「・・・・・!?」
図星なのかそれ以上何も言わないルキアさん。
「どうした、武司のやつ」
「さぁ?」
「わたしの恋は・・・・、いつだって叶わない」
ルキアさんの目から、涙があふれてきている。
明らかに、泣かせたみたいだ。
「どんなに、思っても・・・届かない・・・・」
まさかの不意打ちの泪に、武司も、動揺したみたいで・・・
「あーあ、泣かせちゃった」
「やっぱり、自分でなんとかする!部屋も、自分で探すよ!お世話になりました!」
バタバタ
彼女は、そう言い捨てると、出ていってしまった。
「行っちゃった」
「かわいくねぇ女だな」
武司は、呟いた。
そのあと、突然、

「どうも、こんばんは。緒方家のみなさん」
突然、現れた青年。
「ど、どうも」
「誰?」
「えっ?新キャラ?」
「あの、うちに何かご用ですか?」
落ち着いて聞いたのは、博巳兄さん。
さすが。
「わたくし、ルキアの兄の“ショウ“と、言います」
「ショウ・・・さん?」
「つきましては、この度、あなた様が、ルキアの恋の相手に決定いたしました」
「えっ?俺?」
彼が指差したのは、紛れもなく武司で、
「えっ?武司が?」
「武司・・・あなた様が、レンににている武司様」
その人は、武司の手をとると、
「な、なんで、俺なんだよ」
「お、お兄様?」
なんと、パチンと、そのショウってひとが、指をならしたとたん、ルキアさんが、帰ってきた。
魔法ってやつだろうか?
呼び戻されたらしい。
超能力じゃん。
「おい!ルキア(いつのまにか、呼び捨て)、何とかしろよ」
「なんとかって何よ!緒方武司」
「なんだ、フルネームで、言えるじゃん。」
「あ、あんたは、レンと違って・・・
「はい、決定!」
「えっ?なに?決定?」
そのショウってやつは、パチンと、また、指をならした。
すると、別人に変身。
そして、
「なんだ、この指輪」
武司の指に、見たことがない指輪がはめられた。
指輪は、ルキアの指にもはめられている。
「・・・・・」
「よぉ、ルキア」
「か、カイト?」
「えっ?別人になった?」
「あれ?ショウさんは?」
「また、新キャラ?」
「な、なんなの?」
「お前もバカな女だな。」
「ちょっと!兄さんを、どうしたの?」
「はじめから、お前の兄になって、観察していた。それに気づかないなんて、ほんと、どうかしてるよ」
「あの?はなしが、読めませんけど?」
と、聞いている昌也の質問は無視をし、
「お前たちは、呪いの指輪を、はめられた。」
「たちって、俺のも?」
「お前にしかはめられていないだろ?」
「お前たちが、真に愛し合い、信じ合わなければ、最終的にこの男は、死ぬ」
「えっ?」
「なに?その、呪いの言葉のようなものは・・・・」
「その通り、これは、呪いの指輪ってやつだ。」
「えっ?それ、ひどい!」
「マジで?」
「なにその、面白そうな展開」
「和彦兄さん!!」
「バカ、冗談だよ。」
「二人を、結びつければええってこと?」
興味津々なのは、なぜか、樹。
「これは、ゲームだ。ルキア、お前、おれが、どんなやつか、しっているだろう?おれは、お前の力がほしいんだ。」
「あ、あたしを、利用しようとしているのか?」
「まぁ、そうとも、いうかもな」
「な、なんてやつ」
「よぉーし、こうなったら、ルキアさん!!」
和彦は、あのとき、イナンにしたみたいに、ルキアさんの手を取り・・・
というより握りしめ、
「とりあえず、武司のこと、好きになってくださーい!」
「えっ?」
「なっ・・・・」
「な、なんで、わたしが、こんなやつ」
「あ、あのなぁ!」
武司が、歯向かおうとしたが、なぜか痛みが走る。
「イタっ!」
「いい忘れていたが、二人の気持ちが、すれ違えばすれ違うほど、苦痛をともなうだろう」
「・・・早く、言えよ💢」
「なんで、武司だけ?」
「さぁな、フフフ。せいぜい、よろしくやれよ」
そういうと彼は、高笑いをしながら、消えていった
「あ、あいつ何者?」
「な、なんのために、こんな・・・くだらない」
「あたしの力を狙うため・・・・」
「えっ?」
「いいや、あたしの真の力を、産み出すためさ。」
「真の力・・・・」
「あたしたちの国では、それぞれ力をもっている。イナンやイオンが持っている力・・・、アミが、持っていた力・・・
でもね、あたしには、そんな力生まれなかった。人を本気で愛してないから。レンのことは、好きだった。ちゃんと、本気で・・・・」
「知ってるよ。つまり、こういうことでしょう?お互いを思わないと、発揮しない力なんでしょ?」
なにも、考えず博巳は、答える。
「あんた、さすがだね。」
「なんとなく、そんな気がしただけですよ」
「少しずつでいいから、僕たちのこと、知ってよ。そうしたら、きっと、心、見えてくるかも。」
「呪いを、解くのを手伝ってくれるのか?」
「うん!!手伝う!当たり前でしょ!」
「・・・なにを、すれば、いい?どうすれば、許される?」
「なに?ルキアさんは、僕たちが、許してないと思ってる?」
「当たり前だろ?」
「とっくに、許してるよ」
「うーん、ルキアさんに、お手伝いみたいなこと、させれないよねー?だって、かりにも、お客さんだし。」
「それは、大丈夫。結構好きだ」
「そう、ついさっきまで、手伝ってくれた。ルキアさんさえよければ、これからも、しばらく手伝ってほしい。」
ルキアさんは、また、ふわりと、笑った。
「・・・・笑った」
「ほんとだ!ルキアさん、笑うとかわいい」
「へ、変か?」
「すっごくいいよ!これからも、よろしく」
「みんな、ご飯できたって。」
いつのまにか、上二人の兄さんが、腕を振るってくれたみたいだ。
「ルキアさん、座って!レディファーストだよ!」
椅子を、ひいた健斗。
「あ、ありがとう。」
少し照れながらも、席に座るルキアさん。
「わぁー、すごい」
「今日は、突然の来客で、あるもので、つくったよ。口に合うといいんだけど」
「いただきます」
ルキアさんとの日々が、始まった。
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