絆物語

藤原葉月

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大切な人との別れ

第55話

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次の日・・・

「お世話になりました」

「また、来てちょうだいね」

人の良い宿主と別れ、
「あれ?ゴウを見ませんでしたか?」

ゴウがいないことに気づく。
「兄さんならほらあそこにいますよ?そんなに心配ですか?」
「いや・・・。それよりもういいのか?起きていても」

「心配ご無用。俺、そんなやわな体してませんから。それよりさ、ヨシさんこそ、女王さんと会えてなくて元気ないじゃん」

「それとこれとは別だ」

と、また機嫌悪そう。

「あの二人、仲良いのか悪いのか分からないな」
「あちらの2人の方が兄弟っぽいですね」

「それは言えるな」

「それよりヒロさん、邪気が弱まってるって本当ですか?」
「やはり、聞いていたのですね」

「・・・・・」

「まるで誰かがその力を抑えてくれているみたいなんだ」

「力を抑えてる・・・」

「はい、僕達の他に・・・・」

「こんな強い邪気を跳ね除ける事ができる人・・・・」


「僅かな光を感じるんや」

と、ジュンが零した。
「僅かな光・・・」

「うん、僅かなんやけど強い光や」

「・・・・ヨシさん、もしかするとあの女王さんかもしれません」
と、ヒロは言う。

「レイナが?」

「そうだな。いつだったか俺たちに危険を知らせてくれたのは彼女だし・・・たしかゴウの力を感じてくれたんだったな」
「あぁ、そうだ。彼女だけだった。」
「彼女には、普通の人は持っていない力を持っているのかもしれませんね。例えば、ヨシさんが持っているその矢」
「えっ?」

「破魔の矢ですよね?」
「あっ!巫女が持っているってやつ?」

「よく知ってるな」

「勉強したんだ!」

「もしその矢を彼女が、ずっと使い続けてくれているとしたら・・・・・」


「僅かな光の正体も説明がつく」


「その力って、体力つかうだろ?」

「えぇ、もしかしたら命懸けの力を使っているかもしれません」
「えっ?命懸け?」



「少し寝不足なだけだ・・・・」

あの時のレイナは、顔色が悪かった。
力を使ったせいなのか?

「ヨシさん、そばに行ってあげなくてもええの?」
「今はそんなことを考えている暇は・・・・」



そして、
「あっ!ヨシ、皆さんまだ、ここにいらしたのですね、よかった」
ヨシの友人がきた。
「タカ、どうした?何かあったのか?」

「ヨシに手伝ってほしいんだ。頼む!お前の力が必要なんだよ」

「いや、でも・・・」

「こっちは大丈夫だ」

「あぁ、またここで落ち合おう。みんなもいったんまた戻るから」

「・・・みんな、すまない。先に行く」

と言って友人と向かったヨシ。

「僕も戻ってみるね」

と、ケン。
「さて、俺はヒロさんの手伝いしようかな」

とマサがヒロを見て言った。
「マサさん、君はナミさんの元へ」

「あんたも下手すると1人で何かをしようと行動する気がするから。俺の国は父さん達いるからとりあえず大丈夫なんで」
「・・・・そうでしたか・・・」

「俺もヒロさんとこいくわ」

「じゃあ、ジュン!手伝ってよ」

「えっ?ケンのところの手伝い?」

「いいじゃん。それに、お前らも兄弟みたいなコンビだもんな(笑)」
「えっ?」

2人は同時に振り向いている。
「くくく(笑)」

それがゴウにはおかしいらしい。
「笑うなよ!兄さん」

「なんだよ、今暇だろ?ゴウがヒロさんとこ行っちゃうし」
「暇やないわ」
「まぁ?嫌ならいいけど?」

「・・・いや?行くよ!」
「なんだよ、来るんじゃん」

「ケンには負けたくないからや」
「えっ何それ。何が負けてんの?」
「・・・・なぁ?ケン」

なぜか真剣な顔になるジュン。

「な、なんだよ。急に真面目な顔しちゃって」

「ユナさんって、ケンのことが好きなんかな」

「・・・・・!?」

「・・・・だって」
「ユナはダメだよ!」

「・・・・」


「なんだよ、女の話かよ」

「・・・・」

そして、ヨシがつれられてきた場所は

「こ、これは・・・・」

「な、なんてことさだ!」

「爆発の跡・・」

そこには爆撃を受けたあとがあった。


「ヨシ、ここにいてくれるか?みんなが無事か確かめてくるよ」

タカは、みんなの無事を確認しに行った。


「・・・なんてひどい・・・」


その頃マサと、ヒロも

「マサ・・・」

「よかった。無事なんだな。ここから動くなよ?」
「それが・・・ここももう離れなきゃならなくて」
「えっ?」

「・・・・失礼する」


「アルフさん!?」


そこへ現れたのは、光の国のレイナ王女の使いの、アルフだった。


「どうしてここへ」


「魔物が移動していることをおつたえしに来ました」

「えっ?魔物が移動?」

「恐らく見えない姿で移動を続けているとの事です」

「・・・・・」

「・・・・・」


ヒロは、暫く考えて・・・


「アルフさんでしたか?なぜ、私たちにその事を・・・」

「これはレイナ様からの忠告でもあります。全世界に向けた。伝えれるだけ伝えよと申し付けられましたので」


「レイナさんが?・・・そうでしたか。感謝致します」
「俺からも礼を言います」

「そう言えばヨシは?あと、他の者は・・どこに?」

アルフは、探していたが

「ヨシさんなら友人が迎えに来て一緒に自国へ見に行かれました。その友人の話ですと、なんでも酷い爆風があったとかで助けを求めに来たので・・・・」

「それなら、レイナ様が食い止めに行かれたはず・・・」

「えっ?」

「そこでもしかしたらおふたりが会えてれば良いのですが・・・・」

そうしていてくれないと困る。

そして、その頃ヨシは、

「・・・・・」


弟が亡くなった時の事を思い出してしまっていた。


忘れていたのに・・・・。

しばらくは、忘れていたかったのに!

「お兄ちゃん!!」
「リョウ、来るな!来ちゃダメだ!逃げろ!!」


「・・・・また、同じ過ちをくりかえすのか?」


俺は、下を向き忘れようとしていた。

だが、

【さっきそこに女がいたぞ?】

「!?」

魔物の声?



「お、女?」

まさか、カナさん。
【そう、この村を襲ったやつの正体だ】



「おまえはだれだ!!」


そう叫んで振り向いた。


そこにいたのは・・・・・・。
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