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来週の土曜日にこたつが配達されることを告げ、その時にイッセイ坊ちゃまを改めて招待することにした。
今日も、こたつを買うのでよかったら見に来て下さいとあたしが声をかけていたらしい。すっかり忘れていて、離れにいた時はビックリしたけど、いてくれてよかったなって今は思っている。
しっかり泣いたお陰で、隼士のことは吹っ切れそうだし。
玄関でイッセイ坊ちゃまを見送った後、部屋に戻ろうと振り返ったあたしは、腰が抜けそうになった。
「なっなに!?」
階段にレイ坊ちゃまが座っていた。とんでもなく暗いオーラを放って。いつの間に? 全然気がつかなかった……。
「何してるんですか? そんなとこで。てか暗すぎますよ」
これじゃあ心臓がいくつあっても足りない。
声をかけても俯いたまま何も言わないので、恐る恐る前を通り過ぎた。
「アイツのこと」
その時、彼がボソッと言った。
「え?」
「……好きなの?」
何を言うのかと思えば。あたしの訊いたことには返事しないクセに、自分は訊くんかーい。
「どうしてそんなこと訊くんですか?」
「……」
「まさか、ヤキモチ妬いてるとか?」
黙り込む彼に半分冗談で訊いた。当然、否定するものだと思っていた。『そんなワケないだろ』『ですよねー』みたいな。
「……かな」
ええーーーっ!!! ウソでしょ。
「結構、大胆なことサラッと言っちゃうんですね」
この人のキャラ設定が未だによく分からん。自分のことを隠したいの? さらけ出したいの? ホント、謎だわ。
「見てたんですか? さっきの」
「……ごめん」
覗くのはいかがなものかと思うけど、一緒に住んでるし、自分の部屋にいたワケじゃないから、うっかり見られたとしても文句は言えない。でも……どうしてだろう。なんか罪悪感。悪いとこ見せちゃったなーみたいな。
「邪魔はしない……」
気まずい空気の中、俯いていた彼がゆっくりと顔を上げて言った。
「それ、どういう意味ですか?」
「誰だって、アイツの方がいいに決まってるから」
暗い暗い!コメントがいちいち暗い! 何その絶望感。どっから醸し出してる? どうやって纏ってる?
「なんでそんなこと言うんですか?誰だってことはないでしょ?もっと自分に自信……」
「……ならない」
「え? なんです?」
「君だって……絶対俺を好きにはならない」
まあ確かにって言いかけて呑み込んだ。それを言っちゃ身も蓋もない。
「絶対かどうかは、やってみなくちゃ分からないでしょ」
「何を?」
「へ?」
「やるって何を?」
「へ、変な意味じゃないですよっ! アタックしてみなきゃ分かんないって言ってるんです!」
「アタックって?」
「そんなこと自分で考えて下さいよ。いくら何でも女性にアプローチくらいしたことあるでしょ」
言ってから、ないって言われたらそれはそれで怖いと思い、内心焦った。
「と、とにかく!相手に自分はこんなに好きだーってのを伝えればいいんです」
いい歳した男に、なんで恋のアドバイスまでしてんだ、あたしは。だいたい、あたしがアドバイスなんて変でしょうよ。
「まだ……伝わってない?」
「え?そりゃまあ、今はまだ怖いことしか……」
ってか、ホントに大胆だな。こっちが戸惑うっつーの。
「どうしたらいい?」
それ、本人に訊いちゃいます? 確かに無駄がなくて合理的ではありますが。
どぎまぎさせられて、ずっと向こうのペースだなって思ったらだんだん悔しく思えてきて、あたしは勢いよく坊ちゃまの隣に座った。
「これは一般論として聞いてくださいね。やっぱり、女は言葉で言われたい生き物だと思いますよ。『好き』とか『愛してる』とか」
頬杖をついたままそっぽを向き、軽く頷くだけ。自分から質問したクセに。
「ちゃんと聞いてます?」
顔を覗き込もうとしても、逃げるように反対側を向いてしまう。
「恥ずかしいんですか?」
大きく頷くのが、少しかわいく思えた。
「フフッ。ちなみに、気持ちを伝える時はちゃんと相手の目を見なきゃダメですからね」
そう言うと、彼はネジが止まりかけた人形みたいにゆっくりと首をこちらに回した。どうしても動きがホラーなんだよねぇ。アドバイス通りにしようと努力はしてるみたいだけど。
「やればできるじゃないですか」
言った後の空白に、目が合った。狭い階段で、意外と距離が近かったことに今頃気づく。
こうして見ると、そこそこイケメンなのに、勿体ないなー。思いながら、あたしの顔は自然と彼に引き寄せられていた。
頬が染まりそうな距離まで近づくと、彼はスッと立ち上がり階段を上り始めた。
「今のは勿体なかったですね。あたしが坊ちゃまなら絶対キスしてますよ」
背中を見上げて言うと、彼の足が一瞬ピタリと止まり、その後、急に速足になった。
フフッ。かわいいヤツ。
ちょっと刺激が強かったかな。笑いながらベッと舌を出した。
土曜のお昼過ぎにはこたつが届いた。配達は、たいてい玄関先まで。そんなに重いものじゃないはずだけど、
箱に入ってると持ちにくいし重い。四苦八苦してると、洗面所からレイ坊ちゃまが出て来た。
こっちに来るから運んでくれるのかと思いきや、素通りして二階へ。
「えー」
なんだよ、冷たいなぁ。
大きなダンボールを半分引き摺りながら運んでいると、坊ちゃまが戻って来て、運んでくれた。
「アピールしに来たんですか?」
手伝ってもらっていながら、からかう。それでも、結局、設置まで手伝ってくれた。敷き布団を敷き、こたつを乗せる。
「……好き」
レイ坊ちゃまがポツンと呟く。
「レイ坊ちゃまはこたつ入ったことあるんですか?冬はやっぱこたつですよね。あたしも好きなんですよー」
掛布団をかけながら返事した。
「じゃなくて」
「ん?」
首を傾げた後、固まってしまった。
ま、まさか……!
「な、なんで今?」
どう考えてもタイミングがおかしい。雰囲気とか空気とかどうでもいいの?
「今思ったから」
今? なんで今?
こたつ設置でどんな魅力が?
「お気持ちはまあ……ありがとうございます」
そうとしか言えなくない? 全然ロマンチックな雰囲気でもないし、感動とかできないじゃん。こたつ出してるだけよ?
今まで、一体、どんな恋愛をしてきたんだろう。
違う意味でどんどん興味を引く人だわ。
この後、3人で食事なんて大丈夫かな。ああ~!イッセイ坊ちゃまに勘付かれませんように。
願いながら料理していたら、冷蔵庫の陰に隠れ、坊ちゃまがじーっとこっちを見ていることに気づいた。
「隠れて見るの怖いから止めてください」
注意すると出て来て、すぐ傍に立った。
「いや、近いから。どうしてそう極端なんですか? 間取って下さいよ!」
言ったあたしが悪かった。手を伸ばし、冷蔵庫とあたしとの距離を測り始めた。
あーもうめんどくせえ。
「お座り!」
ダイニングのイスを指差し、座るように言った。これじゃあ、先が思いやられる。嫌な予感しかしない。
7時前になると、イッセイ坊ちゃまがやって来た。
「何だよー。またこいつも一緒かよ」
来るなり、レイ坊ちゃまを見て言った。
「はいはい、毎回同じこと言わない!」
ブーたれながら、イッセイ坊ちゃまは初めてこたつに入った。
「どうです?」
「どうですってそりゃ温いけど。見た目は貧乏くせえな。ってか、こいつ何か変じゃない?」
あぁぁ。一瞬でバレたぁぁ。
「そうですか? いつも通りじゃないですか? いつも変だし」
誤魔化そうと思うほど饒舌になってしまう。
「そういうお前も変だな。まさかお前らデキてんじゃねえだろうな」
「そんなワケないでしょー!」
菜箸を振って否定した。
「熱っ。何すんだよ!」
熱々の汁が、イッセイ坊ちゃまの頬を直撃。
「ああ、すいません」
デキてるなんて事実もないのに、あたしは何をこんなに動揺してんだろ。
出だしに躓いたせいか、いつも以上に気まずく、盛り上がらないまま終わってしまった。
仲良くなってくれたらって思って始めたのに、これじゃあ余計に険悪になっちゃいそう……。
12月に入り、季節はすっかり冬になった。
寒さを和らげるように、街はデコレーションされていく。もうすぐクリスマスかぁ。今年は1人だなー。なんて寂しく感じている時だった。
「クリスマスパーティーですか?」
「ええ。こちらでは毎年開催しているのですよ。一成坊ちゃまと零坊ちゃまのお誕生日パーティーも兼ねて」
左近さんが思いがけないことを教えてくれた。
そっか。確か、あの2人って双子なんだよね。半信半疑だったけど、左近さんが言うならホントなのか。まだ信じられないけど。
「パーティーは毎年23日の祝日に行われるのですが、何かご予定はおありですか?」
痛いとこ突いてくるなー左近さん。
「なんにもありません。残念ながら」
「では、パーティーのお手伝いをして頂けますか?」
「はい。大丈夫です!」
どうせ1人だし、働いてた方がよっぽどマシ。ホームパーティーなんて楽しそうだし。
準備とか色々忙しいんだろうなって覚悟してたけど、パーティーの準備はイベント会社の方がやってくれるとかで。さすが、セレブはスケールが違うわ。
あたしは当日、何人か来られるキッズたちをもてなすのが主な仕事……平たく言うと子守り。特別な仕事じゃなくてよかった。
「会社関係の方もたくさん見えますのでくれぐれも粗相のないようにお願いしますね」
最後にそう釘を刺され、そっちはかなり心配になった。
そういや、この家の皆さんは何の仕事してるんだっけ? セレブって仕事じゃないよね? あとで左近さんに訊いておかなきゃ。
そして、迎えた当日。
「おい、今日はこれを着ろ」
いきなり離れにやって来たイッセイ坊ちゃまに衣装を手渡された。
「サンタですか?」
「子どもの相手するならその方がいいだろ」
まあ、確かに。で、着替えてビックリ。
「これ、トナカイいります?」
サンタの帽子だと思っていたら、トナカイのかぶり物。おまけに赤い鼻つき。
「ハッハッハッ!似合う!お前似合うよそれ」
全然嬉しくないんですけど。バカにされてる感じしかしないんですけど。
「いやぁ、しかし、コスプレしてんのにエロくないなんて、ある意味才能だな」
「いい加減、セクハラで訴えますよ」
サンタの服は女の子用のAラインのワンピ―スで確かにかわいい。着る人が着ればエロいと思う。エロくないのは、やっぱり貧相なカラダのせい? どこにも凹凸がないもんなー。って、放っとけよ!
「じゃああたし先に行きますからー」
まだ二階にいる坊ちゃまに声だけかけ、多少しょんぼりした気分で本宅へ向かった。
すると、あたしを見つけた左近さんが慌てた様子で手招きした。
やっぱダメよね?こんな服。すでに粗相かな?
「あなたにひとつ言ってなかったことがありまして……」
あれ? 服じゃない?
「何ですか?」
「今日、こちらに奥様が見えられますがご存知の通り、奥様はこちらにお住まいではありません。ですが、対外的にはこちらでお住まいということになっておりますので、色々と気になることはあるかと思いますが……」
「詮索するな、ですね」
「はい。よろしい」
そうかー。やっぱり奥様いるんだ。
「では、まず奥様にあなたのことをご紹介しますので、その頭と鼻のを外していただけますか?」
とてつもなく情けない気分で、トナカイのかぶり物を外した。
「奥様、少々よろしいでしょうか。こちらが新しく入った家政婦の……」
左近さんに連れられて、パーティー会場の大広間に向かうと、黒い細身のロングドレスに身を包んだ、一際輝く女性が目に飛び込んできた。振り返った姿があまりにも美しくて、全身にこの上もない緊張が走った。
「星崎実梨と申します。よろしくお願い致します」
今までにないぐらい頭を下げて、丁重に挨拶した。
「あら、あなたが新しい家政婦さん? 随分お若いのね」
「凌空坊ちゃまのお世話をして頂ける方がよろしかったので……」
心なしか、左近さんも緊張しているようだった。奥様は女優さんみたいにキレイな人だけど、どこか冷たい感じのする人で、人を寄せ付けないような、強烈なオーラを放っていた。
「ふーん。そうなの。わたくしがいない間に家政婦さんも自由になったのね」
あたしの全身を上から下まで品定めするように見て、そう言い放った。
「母上。これは僕から提案したんです。子守りをするなら子どもウケがいい方がいいでしょ?」
え!? あのイッセイ坊ちゃまが別人みたいに気遣ってる。そんなに怖いの? そんなに力のある人なの?
「まあ、あなたが? 止してよ。あなたまで家政婦と遊ぶような下品なマネするのは」
言葉が全体的に刺々しい。
あたしがここに来るまでイメージしていたお金持ちの人そのものって感じ。旦那様は気さくないい方なのに。
初対面でこんなこと言っちゃいけないけど、苦手だなー。奥様。あたしのことは完全に見下してバカにしてる。それが痛いくらいに伝わってくる。
黒澤家の人はみんな案外親切だから、忘れてたけど、考えたらあたしとは住む世界の違う人たちなんだ。それを改めて思い知らされた。
「母上の言うことは気にするな。あの人も色々あるんだ。今日だけ辛抱しろ」
その母上とやらの目を盗み、坊ちゃまがあたしを諭しに来た。今日だけ、ねえ……。
これからトナカイのかぶり物かぶらなきゃいけないと思うと気が重い。止めようかなぁ。
「おい。あれかぶれよ。その恰好じゃ商売女みたいだって母上不機嫌だから」
へいへい。かぶりゃあいいんでしょう。かぶりゃあ。すべて仰せの通りに致しますよーだ。
でも――。
奥様の圧力に屈するのは悔しいので、あたしはいつも通りに振る舞うと決めた。
せっかくのパーティーなんだから、楽しまなきゃ損!
やがて、人が少しずつ集まり始めた。
来る人来る人、みんな上品でセレブっぽくて、溜息が漏れる。
みんないいとこのお坊ちゃまだろうし、ステキな人がいたらチェックしておかなきゃ。
なんて、ちょっといやらしい気持ちで会場を見渡していた時だった。
「あれ、実梨さんじゃないですかぁ」
「なんで?」
思わず素に戻ってしまった。
だってカオリちゃんと隼士がいるんだもの。あたしの目の前に! 家具屋さんで懲りたのにまた!? どんだけ狭いの、この世界!
「もしかして実梨さんって、ここの社員なんですか? スゴイ!!」
「マジで! すげーやん、実梨!」
2人揃ってやって来て、気まずさも罪悪感もなしかい?
「ううん。あたしはここで家政婦してるだけだから」
誰かさんのせいで、こっちは住み込みだよ。
「ほな、黒澤社長とも親しいんやろ?紹介してや」
どの面下げて、あたしにものを頼む? まずは『ごめんなさい』だろ?
あー! もう最悪! 一気に白けた。
あたしがこの家の人間だったら、即叩き出してやるのにぃぃぃ!
トナカイを脱ぎ捨てて、今すぐ帰りたい気分だったけど、もうそろそろパーティーが始まる時間になっていた。
が、レイ坊ちゃまの姿がどこにもない。まさか、まだ寝てるんじゃ?
「あのう、レイ坊ちゃまがいらっしゃらないようなので、あたし見て来ますね」
そう申し出ると、左近さんは静かに首を振った。
「零坊ちゃまは参加されたことありませんので」
「え?どうしてですか?今日は誕生日パーティーも兼ねてるんですよね?」
主役がいないなんて、そんなのアリ? なんでその状態で開会しちゃうの?
「色々と複雑な事情があるのです」
便利な言葉。みんな色々あるって言って誤魔化しちゃう。
「でも! 一応、声だけかけてきます」
どうせ来ないからって無視するなんて、あたしにはできない。
走り出したあたしの前に、彼は現れた。イッセイ坊ちゃまと同じような、漆黒の上等なスーツを着て。
「よかった。遅いから心配しましたよ」
ほら、ちゃんと来るじゃない。これで一安心。
「あら、珍しいこともあるものね。お前がこんな華やかな場所に来るなんて」
氷のような目でレイ坊ちゃまを見て、奥様が冷たく言った。
何だ、その言いぐさは! いくら母親でも、いや母親なんだからそんなこと言っちゃいけないでしょ?
信じられない……。
呆気にとられるあたしの目の前で、レイ坊ちゃまは強く拳を握っていた。
その眼光は痛いほど鋭く尖り……。
波乱の予感。
パーティーの幕開け――。
今日も、こたつを買うのでよかったら見に来て下さいとあたしが声をかけていたらしい。すっかり忘れていて、離れにいた時はビックリしたけど、いてくれてよかったなって今は思っている。
しっかり泣いたお陰で、隼士のことは吹っ切れそうだし。
玄関でイッセイ坊ちゃまを見送った後、部屋に戻ろうと振り返ったあたしは、腰が抜けそうになった。
「なっなに!?」
階段にレイ坊ちゃまが座っていた。とんでもなく暗いオーラを放って。いつの間に? 全然気がつかなかった……。
「何してるんですか? そんなとこで。てか暗すぎますよ」
これじゃあ心臓がいくつあっても足りない。
声をかけても俯いたまま何も言わないので、恐る恐る前を通り過ぎた。
「アイツのこと」
その時、彼がボソッと言った。
「え?」
「……好きなの?」
何を言うのかと思えば。あたしの訊いたことには返事しないクセに、自分は訊くんかーい。
「どうしてそんなこと訊くんですか?」
「……」
「まさか、ヤキモチ妬いてるとか?」
黙り込む彼に半分冗談で訊いた。当然、否定するものだと思っていた。『そんなワケないだろ』『ですよねー』みたいな。
「……かな」
ええーーーっ!!! ウソでしょ。
「結構、大胆なことサラッと言っちゃうんですね」
この人のキャラ設定が未だによく分からん。自分のことを隠したいの? さらけ出したいの? ホント、謎だわ。
「見てたんですか? さっきの」
「……ごめん」
覗くのはいかがなものかと思うけど、一緒に住んでるし、自分の部屋にいたワケじゃないから、うっかり見られたとしても文句は言えない。でも……どうしてだろう。なんか罪悪感。悪いとこ見せちゃったなーみたいな。
「邪魔はしない……」
気まずい空気の中、俯いていた彼がゆっくりと顔を上げて言った。
「それ、どういう意味ですか?」
「誰だって、アイツの方がいいに決まってるから」
暗い暗い!コメントがいちいち暗い! 何その絶望感。どっから醸し出してる? どうやって纏ってる?
「なんでそんなこと言うんですか?誰だってことはないでしょ?もっと自分に自信……」
「……ならない」
「え? なんです?」
「君だって……絶対俺を好きにはならない」
まあ確かにって言いかけて呑み込んだ。それを言っちゃ身も蓋もない。
「絶対かどうかは、やってみなくちゃ分からないでしょ」
「何を?」
「へ?」
「やるって何を?」
「へ、変な意味じゃないですよっ! アタックしてみなきゃ分かんないって言ってるんです!」
「アタックって?」
「そんなこと自分で考えて下さいよ。いくら何でも女性にアプローチくらいしたことあるでしょ」
言ってから、ないって言われたらそれはそれで怖いと思い、内心焦った。
「と、とにかく!相手に自分はこんなに好きだーってのを伝えればいいんです」
いい歳した男に、なんで恋のアドバイスまでしてんだ、あたしは。だいたい、あたしがアドバイスなんて変でしょうよ。
「まだ……伝わってない?」
「え?そりゃまあ、今はまだ怖いことしか……」
ってか、ホントに大胆だな。こっちが戸惑うっつーの。
「どうしたらいい?」
それ、本人に訊いちゃいます? 確かに無駄がなくて合理的ではありますが。
どぎまぎさせられて、ずっと向こうのペースだなって思ったらだんだん悔しく思えてきて、あたしは勢いよく坊ちゃまの隣に座った。
「これは一般論として聞いてくださいね。やっぱり、女は言葉で言われたい生き物だと思いますよ。『好き』とか『愛してる』とか」
頬杖をついたままそっぽを向き、軽く頷くだけ。自分から質問したクセに。
「ちゃんと聞いてます?」
顔を覗き込もうとしても、逃げるように反対側を向いてしまう。
「恥ずかしいんですか?」
大きく頷くのが、少しかわいく思えた。
「フフッ。ちなみに、気持ちを伝える時はちゃんと相手の目を見なきゃダメですからね」
そう言うと、彼はネジが止まりかけた人形みたいにゆっくりと首をこちらに回した。どうしても動きがホラーなんだよねぇ。アドバイス通りにしようと努力はしてるみたいだけど。
「やればできるじゃないですか」
言った後の空白に、目が合った。狭い階段で、意外と距離が近かったことに今頃気づく。
こうして見ると、そこそこイケメンなのに、勿体ないなー。思いながら、あたしの顔は自然と彼に引き寄せられていた。
頬が染まりそうな距離まで近づくと、彼はスッと立ち上がり階段を上り始めた。
「今のは勿体なかったですね。あたしが坊ちゃまなら絶対キスしてますよ」
背中を見上げて言うと、彼の足が一瞬ピタリと止まり、その後、急に速足になった。
フフッ。かわいいヤツ。
ちょっと刺激が強かったかな。笑いながらベッと舌を出した。
土曜のお昼過ぎにはこたつが届いた。配達は、たいてい玄関先まで。そんなに重いものじゃないはずだけど、
箱に入ってると持ちにくいし重い。四苦八苦してると、洗面所からレイ坊ちゃまが出て来た。
こっちに来るから運んでくれるのかと思いきや、素通りして二階へ。
「えー」
なんだよ、冷たいなぁ。
大きなダンボールを半分引き摺りながら運んでいると、坊ちゃまが戻って来て、運んでくれた。
「アピールしに来たんですか?」
手伝ってもらっていながら、からかう。それでも、結局、設置まで手伝ってくれた。敷き布団を敷き、こたつを乗せる。
「……好き」
レイ坊ちゃまがポツンと呟く。
「レイ坊ちゃまはこたつ入ったことあるんですか?冬はやっぱこたつですよね。あたしも好きなんですよー」
掛布団をかけながら返事した。
「じゃなくて」
「ん?」
首を傾げた後、固まってしまった。
ま、まさか……!
「な、なんで今?」
どう考えてもタイミングがおかしい。雰囲気とか空気とかどうでもいいの?
「今思ったから」
今? なんで今?
こたつ設置でどんな魅力が?
「お気持ちはまあ……ありがとうございます」
そうとしか言えなくない? 全然ロマンチックな雰囲気でもないし、感動とかできないじゃん。こたつ出してるだけよ?
今まで、一体、どんな恋愛をしてきたんだろう。
違う意味でどんどん興味を引く人だわ。
この後、3人で食事なんて大丈夫かな。ああ~!イッセイ坊ちゃまに勘付かれませんように。
願いながら料理していたら、冷蔵庫の陰に隠れ、坊ちゃまがじーっとこっちを見ていることに気づいた。
「隠れて見るの怖いから止めてください」
注意すると出て来て、すぐ傍に立った。
「いや、近いから。どうしてそう極端なんですか? 間取って下さいよ!」
言ったあたしが悪かった。手を伸ばし、冷蔵庫とあたしとの距離を測り始めた。
あーもうめんどくせえ。
「お座り!」
ダイニングのイスを指差し、座るように言った。これじゃあ、先が思いやられる。嫌な予感しかしない。
7時前になると、イッセイ坊ちゃまがやって来た。
「何だよー。またこいつも一緒かよ」
来るなり、レイ坊ちゃまを見て言った。
「はいはい、毎回同じこと言わない!」
ブーたれながら、イッセイ坊ちゃまは初めてこたつに入った。
「どうです?」
「どうですってそりゃ温いけど。見た目は貧乏くせえな。ってか、こいつ何か変じゃない?」
あぁぁ。一瞬でバレたぁぁ。
「そうですか? いつも通りじゃないですか? いつも変だし」
誤魔化そうと思うほど饒舌になってしまう。
「そういうお前も変だな。まさかお前らデキてんじゃねえだろうな」
「そんなワケないでしょー!」
菜箸を振って否定した。
「熱っ。何すんだよ!」
熱々の汁が、イッセイ坊ちゃまの頬を直撃。
「ああ、すいません」
デキてるなんて事実もないのに、あたしは何をこんなに動揺してんだろ。
出だしに躓いたせいか、いつも以上に気まずく、盛り上がらないまま終わってしまった。
仲良くなってくれたらって思って始めたのに、これじゃあ余計に険悪になっちゃいそう……。
12月に入り、季節はすっかり冬になった。
寒さを和らげるように、街はデコレーションされていく。もうすぐクリスマスかぁ。今年は1人だなー。なんて寂しく感じている時だった。
「クリスマスパーティーですか?」
「ええ。こちらでは毎年開催しているのですよ。一成坊ちゃまと零坊ちゃまのお誕生日パーティーも兼ねて」
左近さんが思いがけないことを教えてくれた。
そっか。確か、あの2人って双子なんだよね。半信半疑だったけど、左近さんが言うならホントなのか。まだ信じられないけど。
「パーティーは毎年23日の祝日に行われるのですが、何かご予定はおありですか?」
痛いとこ突いてくるなー左近さん。
「なんにもありません。残念ながら」
「では、パーティーのお手伝いをして頂けますか?」
「はい。大丈夫です!」
どうせ1人だし、働いてた方がよっぽどマシ。ホームパーティーなんて楽しそうだし。
準備とか色々忙しいんだろうなって覚悟してたけど、パーティーの準備はイベント会社の方がやってくれるとかで。さすが、セレブはスケールが違うわ。
あたしは当日、何人か来られるキッズたちをもてなすのが主な仕事……平たく言うと子守り。特別な仕事じゃなくてよかった。
「会社関係の方もたくさん見えますのでくれぐれも粗相のないようにお願いしますね」
最後にそう釘を刺され、そっちはかなり心配になった。
そういや、この家の皆さんは何の仕事してるんだっけ? セレブって仕事じゃないよね? あとで左近さんに訊いておかなきゃ。
そして、迎えた当日。
「おい、今日はこれを着ろ」
いきなり離れにやって来たイッセイ坊ちゃまに衣装を手渡された。
「サンタですか?」
「子どもの相手するならその方がいいだろ」
まあ、確かに。で、着替えてビックリ。
「これ、トナカイいります?」
サンタの帽子だと思っていたら、トナカイのかぶり物。おまけに赤い鼻つき。
「ハッハッハッ!似合う!お前似合うよそれ」
全然嬉しくないんですけど。バカにされてる感じしかしないんですけど。
「いやぁ、しかし、コスプレしてんのにエロくないなんて、ある意味才能だな」
「いい加減、セクハラで訴えますよ」
サンタの服は女の子用のAラインのワンピ―スで確かにかわいい。着る人が着ればエロいと思う。エロくないのは、やっぱり貧相なカラダのせい? どこにも凹凸がないもんなー。って、放っとけよ!
「じゃああたし先に行きますからー」
まだ二階にいる坊ちゃまに声だけかけ、多少しょんぼりした気分で本宅へ向かった。
すると、あたしを見つけた左近さんが慌てた様子で手招きした。
やっぱダメよね?こんな服。すでに粗相かな?
「あなたにひとつ言ってなかったことがありまして……」
あれ? 服じゃない?
「何ですか?」
「今日、こちらに奥様が見えられますがご存知の通り、奥様はこちらにお住まいではありません。ですが、対外的にはこちらでお住まいということになっておりますので、色々と気になることはあるかと思いますが……」
「詮索するな、ですね」
「はい。よろしい」
そうかー。やっぱり奥様いるんだ。
「では、まず奥様にあなたのことをご紹介しますので、その頭と鼻のを外していただけますか?」
とてつもなく情けない気分で、トナカイのかぶり物を外した。
「奥様、少々よろしいでしょうか。こちらが新しく入った家政婦の……」
左近さんに連れられて、パーティー会場の大広間に向かうと、黒い細身のロングドレスに身を包んだ、一際輝く女性が目に飛び込んできた。振り返った姿があまりにも美しくて、全身にこの上もない緊張が走った。
「星崎実梨と申します。よろしくお願い致します」
今までにないぐらい頭を下げて、丁重に挨拶した。
「あら、あなたが新しい家政婦さん? 随分お若いのね」
「凌空坊ちゃまのお世話をして頂ける方がよろしかったので……」
心なしか、左近さんも緊張しているようだった。奥様は女優さんみたいにキレイな人だけど、どこか冷たい感じのする人で、人を寄せ付けないような、強烈なオーラを放っていた。
「ふーん。そうなの。わたくしがいない間に家政婦さんも自由になったのね」
あたしの全身を上から下まで品定めするように見て、そう言い放った。
「母上。これは僕から提案したんです。子守りをするなら子どもウケがいい方がいいでしょ?」
え!? あのイッセイ坊ちゃまが別人みたいに気遣ってる。そんなに怖いの? そんなに力のある人なの?
「まあ、あなたが? 止してよ。あなたまで家政婦と遊ぶような下品なマネするのは」
言葉が全体的に刺々しい。
あたしがここに来るまでイメージしていたお金持ちの人そのものって感じ。旦那様は気さくないい方なのに。
初対面でこんなこと言っちゃいけないけど、苦手だなー。奥様。あたしのことは完全に見下してバカにしてる。それが痛いくらいに伝わってくる。
黒澤家の人はみんな案外親切だから、忘れてたけど、考えたらあたしとは住む世界の違う人たちなんだ。それを改めて思い知らされた。
「母上の言うことは気にするな。あの人も色々あるんだ。今日だけ辛抱しろ」
その母上とやらの目を盗み、坊ちゃまがあたしを諭しに来た。今日だけ、ねえ……。
これからトナカイのかぶり物かぶらなきゃいけないと思うと気が重い。止めようかなぁ。
「おい。あれかぶれよ。その恰好じゃ商売女みたいだって母上不機嫌だから」
へいへい。かぶりゃあいいんでしょう。かぶりゃあ。すべて仰せの通りに致しますよーだ。
でも――。
奥様の圧力に屈するのは悔しいので、あたしはいつも通りに振る舞うと決めた。
せっかくのパーティーなんだから、楽しまなきゃ損!
やがて、人が少しずつ集まり始めた。
来る人来る人、みんな上品でセレブっぽくて、溜息が漏れる。
みんないいとこのお坊ちゃまだろうし、ステキな人がいたらチェックしておかなきゃ。
なんて、ちょっといやらしい気持ちで会場を見渡していた時だった。
「あれ、実梨さんじゃないですかぁ」
「なんで?」
思わず素に戻ってしまった。
だってカオリちゃんと隼士がいるんだもの。あたしの目の前に! 家具屋さんで懲りたのにまた!? どんだけ狭いの、この世界!
「もしかして実梨さんって、ここの社員なんですか? スゴイ!!」
「マジで! すげーやん、実梨!」
2人揃ってやって来て、気まずさも罪悪感もなしかい?
「ううん。あたしはここで家政婦してるだけだから」
誰かさんのせいで、こっちは住み込みだよ。
「ほな、黒澤社長とも親しいんやろ?紹介してや」
どの面下げて、あたしにものを頼む? まずは『ごめんなさい』だろ?
あー! もう最悪! 一気に白けた。
あたしがこの家の人間だったら、即叩き出してやるのにぃぃぃ!
トナカイを脱ぎ捨てて、今すぐ帰りたい気分だったけど、もうそろそろパーティーが始まる時間になっていた。
が、レイ坊ちゃまの姿がどこにもない。まさか、まだ寝てるんじゃ?
「あのう、レイ坊ちゃまがいらっしゃらないようなので、あたし見て来ますね」
そう申し出ると、左近さんは静かに首を振った。
「零坊ちゃまは参加されたことありませんので」
「え?どうしてですか?今日は誕生日パーティーも兼ねてるんですよね?」
主役がいないなんて、そんなのアリ? なんでその状態で開会しちゃうの?
「色々と複雑な事情があるのです」
便利な言葉。みんな色々あるって言って誤魔化しちゃう。
「でも! 一応、声だけかけてきます」
どうせ来ないからって無視するなんて、あたしにはできない。
走り出したあたしの前に、彼は現れた。イッセイ坊ちゃまと同じような、漆黒の上等なスーツを着て。
「よかった。遅いから心配しましたよ」
ほら、ちゃんと来るじゃない。これで一安心。
「あら、珍しいこともあるものね。お前がこんな華やかな場所に来るなんて」
氷のような目でレイ坊ちゃまを見て、奥様が冷たく言った。
何だ、その言いぐさは! いくら母親でも、いや母親なんだからそんなこと言っちゃいけないでしょ?
信じられない……。
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