たくげぶ!

みなはらつかさ

文字の大きさ
12 / 49

第十二話 卓上ゲームコンテスト!

しおりを挟む
 それぞれ残りのGWを、家族とめいめい楽しんだ一同。

 きいろは、サンリオ・ピューロランドで遊んだりしていた。

 天下御免のボクっ娘も、可愛い物には目がない。

 そんな、楽しい期間も過ぎ……。

「あ゙~……テストが近い゙し~……」

 けったいなだみ声で、きいろが部室でノートを手に唸っていた。

「きーちゃん、英語と社会だけは、ほんとダメだもんねえ」

「えー、えー。ダテに五十五点取ってませんよー。すんすーん」

 これはひどい。

「将軍の名前とか、いちいち覚えてらんないよ~」

 ふてくされる、きいろ。

「社会は私が教えてあげるから、ガンバ!」

「大阪~」

 下らないダジャレで返すぐらい、士気が落ちているようだ。

 るうは学年が違うので、本日は一年一組の教室で過ごしている。

「るーこは、達者にやってるかねえ……」

「あれで結構、しっかりしてっから、だいじょーぶなんじゃねーの?」

「だといいねえ」

 外に目をやるきいろ。梅雨にはまだ早いが、あいにくの雨模様だった。

 そして月日は過ぎ、テスト期間も終わり……。

「るーこ~! 久しぶり~!」

「お久しぶりです」

 二人でハグしあっていた。

「お熱いこって。るうは、手応えどうだったよ」

「ぼちぼちですね。みなさんは?」

「ボクに、それ訊く?」

 きいろの周囲の湿度が、十%上がった!

「あっはい、色々察しました。お二人は?」

「まああまあかな」

「アタシも。ただ、数学と理科は、ちょっと自信ねーな」

 自分の肩を揉む、にこ。

「佐武先輩と真逆なんですね」

「まーね」

「それより! テスト明けたんだから、遊ぼう!」

 ドン! と、カードゲーム、ボードゲームを机に置くきいろ。

「そうですねー。わたしも、ゲームが恋しいです」

「でしょでしょ? 何やる!?」

 わちゃわちゃと話し合う、四人娘。

 本日は、モノポリーというゲームに決まった。

 モノポリーはー、すごろくゲームであるが、土地を買い、そこに建物を建てて金を稼ぐゲームである。

 このとき重要なのが、プレイヤー間で土地や金銭の交換ができるということだ。

 これにより、交渉力が大事になってくる。

「るうちゃん、ボードウォークと鉄道交換しない?」

「いいですよー」

「ちょい待ち。アタシのバーモント通りと四百ドルで、そのボードウォーク交換せん?」

 ボードウォーク。最高額物件として、人気である。

 一方きいろは、黙々と安物件を買いながら、漫遊中。

「ボクもなー。まとまった土地あったら、交換申し出るんだけど」

 きいろの物件は、あちこちに細かく分散していた。

「だったら、そのバルティック通り、どっかと交換してくれ」

「やだー。にこちん、ブラウン独占しちゃうじゃん」

 わいのわいのと、にぎやかにプレイ。

 こうして、勝負は試合巧者、にこの勝利。

「この手の交渉ゲー強いよね、にこちゃんは」

「ねー」

 歌留奈と顔を見合わせるきいろ。

「手も足も出ませんでした……」

 一方、るうはドベ。結局、保持しきったボードウォークに、誰も止まってくれなかったのが不運であった。

「どんまい。初挑戦だもんよ。そだ、夏休みどうするん?」

「あー、また合宿やる?」

 机の上で垂れながら、皆に問うきいろ。

「アタシ、しばらく海行くぜ? 家族と」

「えー、うらやまー。ボクも、お願いしてみようかなー。でも、エクスプも進めたいよね」

 相変わらず、垂れモード。

「LINEでやり取りでよくね?」

「こっから先、データが多くなるんだよね。武器性能とかさ」

「あー。だと、LINEじゃやりづらいか」

「にこちんは、いつまで海に行ってるの?」

「夏休みの入りから、三泊四日の予定」

「ほむ」

 なら、十分じゅうぷん遊べる時間はあるなー、と考えるきいろであった。

「とりあえず、当時の銃器とかの資料ほしいな」

「それは、私がやっとくね」

「わたしも、お手伝いします!」

 るうが挙手。

「じゃあ、一緒に図書館行きましょ」

「ボクは、スキルと物資周りのルール固めるかー」

 うーんと、伸びをするきいろ。

「ここに置いてあるゲームも、結構持って帰らないとなー」

 佐武家にあるゲームは、父の私物が多く、古めの作品揃いだ。夏休みにみんなで遊ぶとなると、色々と学校から新しめの作品を持って帰りたい。

「あっ!」

 突如として、スマホ片手にるうが、素っ頓狂な声を上げる。

「どしたのー?」

「見てください、これ!」

 画面には、「卓上ゲームコンテスト」の文字が!

「え! なにこれ! ボクたちのために、あるようなもんじゃん!」

「それは言いすぎだと思うけど。興味深いね」

「最優秀賞、百万円&商品化!? やるしかねーじゃん、こんなの!」

 一同、食い入れ状態。

「いやー、コンベでもないかなって調べてたら、ヒットしちゃいました」

「でかした!」

 にこに頭を撫でられる、るう。照れて、頬を赤らめうつむいてしまう。

「よし! Xデーは、これの締切の二月二十九日! はりきっていこー!」

「おー!」

 きいろの掛け声の下、結束を固める一同であった。
しおりを挟む
感想 34

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

処理中です...