たくげぶ!

みなはらつかさ

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第四十三話 クリパ!

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 カレンダーはまたたくまにめくられ、十二月。

 我らがリーダーも、スパッツをやめて黒いタイツを履いていた。相変わらず、女子だけなのをいいことに、足を開いている。皆も、タイツ状態だ。

 師走というが、きいろたちもテスト勉強で忙しかった。

「かるかん。このrightは、右と正しいどっち?」

「正しいの方だね」

「きいろー。x=9、y=-3で合ってるかー?」

 いつもの部室も、この様な感じで忙しい。特にノヴァルナは……。

「これ、なんて読みますか?」

「えっとねー。しょぎょうむじょう、だよ。意味は……なんだっけ、かるかん」

 言葉の壁があるので大変だ。

 るうは一年下なので、相変わらず自分の教室。

 こんな、師走な日々も過ぎていき……。

「づがれだあ~!!」

 テスト明け。五人、部室で久々の揃い踏みである。

「先輩方、テストお疲れ様です」

「るーこもお疲れ~。よーし、遊ぶぞー!」

 あれから、冬休みに向けて、棚をだいぶ整理している。

 今日は、UNOとババ抜きで遊ぶことに。

「あっ、そうだ。二十四日に、クリパうちでやる予定なんだ。るーこも、ノヴァ子も来るよね?」

「そうなんですか!? 行きます、行きます!」

「クリパ? クリーパーがどうしましたか?」

 マインクラフトの、アレを思い浮かべるノヴァルナ。

「あー、クリスマスパーティーね」

 「オー」と、合点がいく。

「じゃあ、プレゼント交換あるから、用意しといてね~」

「はーい」

 そして、二十四日。

「メリー・クリスマース!」

 サンタの格好をした佐武家一同が、クラッカーを弾けさせ、皆を迎える。

「おじさまたちも、好きですねえ。そういうの」

「ははは。一家の体質かもね」

 思えば、流しそうめんもやったものだ。

「ささ、上がって上がって」

「おじゃましまーす」

 さっそく、ブッシュ・ド・ノエルがダイニングのテーブルに置かれ、ノリノリな父が、切り分けていく。

「じゃあ、まずはクリスマスを祝って……いただきます!」

「んー! おいしーい!」

「美味しいですね!」

 きいろ、ノヴァルナ、皆々も満足。

「近所にシャトレーゼあって、ほんと良かったよ~」

 シャトレーゼ信者、きいろ。微笑ましい。

 一同、しばし談笑。ケーキに続き、母特製フライドチキンが出される。

「ほんとは七面鳥食べるそうじゃない? どんな味なのかなー?」

 きいろ、食みながら疑問を口にする。

「美味しいですよ。向こうドイツでは、よく食べていました」

 「おお~」と声が上がる。

 そして、お待ちかね、プレゼント交換回。

 くじ引きで決定するスタイル。

「スティーブン・キング? てことは、これ……」

「はい、わたしです!」

「おお~。運命だな! 読ませてもらうよ」

 にこ、彼女からの贈り物が当たり、ほくほく。

「この、ポケモンドコダというのは?」

 るうは、ピカチュウがでかでかと書かれた赤い箱が当たった。

「それ、アタシ。アタシのプレゼントも、るうに行ったか。ほんと、運命感じるな」

「~~~! ありがとうございます! 今度、遊びましょう!」

 るう、感極まる。

「この猫の写真集は、かるかんかな?」

「当たり~。子猫特集だよ。可愛いんだよ~!」

「ありがと!」

 ふふと微笑む、リーダー。

「あら、ソード・ワールド?」

「あ、それ俺の」

 母に、父のプレゼントが当たってしまった。

「困ったわね。私こういうのやらないから……。きいろ、いる?」

「もらうー! ありがとー!」

 リーダー、思わぬ副収入。

「花束、当たりました。誰のでしょう?」

「それ、私」

 母が、微笑む。

「ありがとうございます! 飾らせてもらいます!」

「オー……。自分のプレゼントが当たってしまいました……」

 兎の写真集が自分に当たってしまって、ちょっとしょげるノヴァルナ。

「消去法で、私はきーちゃんのか。お、ソード・ワールド」

「あや。お父さんと被っちゃった」

 似たもの父娘である。

「嬉しいよ。ありがとう!」

「どーいたしまして!」

 こうして、楽しいクリパもお開き。

「それじゃ、また!」

「良いお年を~って、冬休み入ったら来るか。失礼します」

 サンタな三人に見送られ、家路につく一同。

 皆様も、良いクリスマスを。
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