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22 ゆりんかん

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「やめて……まわさないで……!」

 涙目で懇願する、わたし。

「だーめ。私たちのオモチャになってもらうよ……!」

 クラスメイトの一人が、いやらしい笑みを浮かべながら、わたしの股を開こうとする。他のクラスメイトも、にやにやと、わたしを見下ろしている。いずれも女子。

「ダメぇ!!」

 力の限り抵抗するが、悲しいかな。わたしの筋力では、抵抗できなかった。

 わたしの脚の間に、体を潜り込ませてくる彼女。

「そーれ!」

「やーめーてー!」

 思いっきり、ジャイアント・スイングされてしまう。

 わたし、おチビだし、体細いんですもの。

「あーたーまーにーちーがーのーぼーるー!!」

 彼女も疲れたのか、回転をゆっくりにし、無事布団に着地。

「やー、友梨ゆり軽いから、ほんと回しがいがあるわー」

「つぎ、あたしの番~!」

「ちょ、ほんとやめて! ムリムリムリムリ!!」

 しかし、制止は無駄に終わる。

「そーれ!」

「きゃあああ!」

 またも、勢いよく回される。

「こらー! いつまで騒いでるの! 消灯しなさい!」

「「すいません! もう寝まーす!」」

 ふう。見回りのおかげで助かった。

 こうして、わたしたちの林間学校の夜は、更けていくのでした。

 なお、この件は、後日お詫びとして、有名店のデラックスジャンボパフェを奢ってもらい、手打ち。

 う~ん、甘~い!
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