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わんわん看板娘
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鼻筋の通った犬人が、食事をトレーに載せ、せわしなく動き回っていた。ピンと立った耳、薄茶色の毛皮、つぶらな瞳、すらりと伸びた手足。ひと目見て、美少女とわかる。
彼女は、父母の営むこの食堂が、大好きだった。
その証拠に、笑顔は営業スマイルではなく心からのもの。忙しいお昼時だというのに、尻尾を嬉しそうに振っている。
「アンナ。七番さんへ」
「はい!」
父手製のスパゲッティーを、おまちどう様でしたと、七番テーブルに運ぶ。さっそく美味しそうに口にする熊人の客。翻るエプロンスカートが、実にキュートだ。
この店の多くの男性客……さらには、一部の女性客も、彼女に惚れ込んでいる常連。まさに、看板娘という言葉がふさわしい。
(今日も忙しくなりそう!)
充実した疲労感を覚えながら、たくさんのお客さんの笑顔を見渡す彼女であった。
◆ ◆ ◆
「おつかれさまでしたー」
閉店時間を迎え、ふーっと、一息つく彼女。
さすがに元気に振れていた尻尾も、だらんと垂れている。
明日からまた一週間、学生としての生活が始まる。快活な彼女の事だから、学生生活もまた充実したものだ。
お風呂に入って、大好きな歌番組を聴いたら、明日の用意しなきゃなあ。そんなこと思い、ぐーんと、背筋を伸ばすのであった。
彼女は、父母の営むこの食堂が、大好きだった。
その証拠に、笑顔は営業スマイルではなく心からのもの。忙しいお昼時だというのに、尻尾を嬉しそうに振っている。
「アンナ。七番さんへ」
「はい!」
父手製のスパゲッティーを、おまちどう様でしたと、七番テーブルに運ぶ。さっそく美味しそうに口にする熊人の客。翻るエプロンスカートが、実にキュートだ。
この店の多くの男性客……さらには、一部の女性客も、彼女に惚れ込んでいる常連。まさに、看板娘という言葉がふさわしい。
(今日も忙しくなりそう!)
充実した疲労感を覚えながら、たくさんのお客さんの笑顔を見渡す彼女であった。
◆ ◆ ◆
「おつかれさまでしたー」
閉店時間を迎え、ふーっと、一息つく彼女。
さすがに元気に振れていた尻尾も、だらんと垂れている。
明日からまた一週間、学生としての生活が始まる。快活な彼女の事だから、学生生活もまた充実したものだ。
お風呂に入って、大好きな歌番組を聴いたら、明日の用意しなきゃなあ。そんなこと思い、ぐーんと、背筋を伸ばすのであった。
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