闇鍋推理バトル!

みなはらつかさ

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第三話 誠一のターン

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「僕だね」

 牧さんが材料を投入すると、ボチャッボチャッボチャッと音が立つ。
 そこそこの大きさの物を入れたようだ。感じとしては、俺の鶏肉に近い。

「うーん……そーだな……動物?」
「違うよ」

 流石に一発確定路線は諦めたのか、天ちゃんがオーソドックスな攻めに切り替える。
 さて、俺の番だが何を質問したものか。

 牧さんも、素直なチョイスをするタイプだ。今までの投入物は、キャベツ、イカ、梅干し。三回目は、「ちょっと悪さをしてみようと思って」入れたとのことで、それが梅干しなあたり、やっぱり善人である。ただ、危機回避能力が高いのか実は案外疑り深いのか、今まですべて、「食べない」に投票している。
 また梅干し、という路線はどうか? 加奈に繋げるためにも、有効打を決めたい。

「実を食べるもの?」
「NO」

 むう。とりあえず、梅干しではないらしい。同時に、ナス、トマト、瓜、各種果物といった路線も消えた。
 加奈、任せた!

「じゃあ、葉っぱを食べる?」
「NOだねえ」

 加奈のラストシュート。これも外れたが、ヒントにはなる。植物で、実でも葉っぱでもない。となると、根菜か、茎を食べる物だ。芋、大根、人参、アスパラ、タケノコなどが考えられる。
 ネギは、あれは実は普段食べているのは葉なので、考えから外すべきだろう。仕事で食品を扱っている牧さんが間違えるとは思えない。蕾を考慮すると、ブロッコリーなども考えられるか。菜の花はまだ時期外れなので、線が薄い。

 さて、次はいよいよ、問題児・天ちゃんのターンだ。
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