8 / 37
第一部 妖精姫と忠犬従者
覚えることがたくさんあります
しおりを挟む香木の湯船の中でフランシスは姫を膝に乗せ、温かなお湯に浸かった。
姫はフランシスの胸にもたれ、目を瞑っている。
言葉がなくても睦み合った後の二人には、これまでにないような親密な雰囲気が流れていた。
「喉が渇いたでしょう?」
彼は浴室の壁に備え付けられた棚の上にある、小ぶりの水差しと杯に手を伸ばした。
冷たく冷やされた水には、柑橘系の果実のスライスが浮かべてある。
フランシスは杯に水を注ぐと、姫に渡さず自分の口に入れた。
(わたくしも、飲みたい。喉がカラカラなの)
いつもはユーリアを一番に優先している従者の、思いがけない行動に戸惑いながらじっと見つめる。
すると、フランシスは姫の唇に自身のそれを重ね、口移しで水を与えた。
親鳥から餌をもらう小鳥のように姫は喉を鳴らし、ほのかに柑橘系の果実の味がする冷たい水を飲み干す。
乾いた身体に沁みわたるような美味しい水を、二度、三度と与えられ、すっかり満足したユーリアは甘えるようにフランシスの胸に頭を擦りつけた。
「姫さま、お身体の具合はいかがですか?」
「だるいの。それに、脚の間に棒が挟まっているみたい」
「……痛みますか?」
心配そうに覗き込むフランシスに、「少し」と答える。
「あとでお薬を塗りましょうね。その前に子種を掻き出してしまいましょう。またさっきみたいに零れてしまうから」
湯船の中で立てた膝を開かれ、後ろから前に回されたフランシスの手がそっと花弁に触れる。
人差し指と中指が腫れぼったくなった蜜口の中にふつりと刺し込まれると、白濁と蜜に塗れた肉襞はぬるっと何の抵抗なく受け入れた。
フランシスは指をくの字に曲げて、中から外へと掻き出していく。
「ぁっ、は。ふ、ふぅ」
姫の顔は仰のき、口元がゆるんで瞳は焦点が合わなくなる。
羞恥に顔を染めながらも、自分の従者が掻き出しやすいようにと震えながら両の脚を開き、はくはくと息をしている姫の健気さに、フランシスは胸を突かれた。
こうして全幅の信頼を寄せ、身体をゆだねてくれる姫が愛しくて堪らない。
やがて蜜口から掻き出された白濁が、ゆらゆらとお湯の中に漂い始める。
「閨の学びはどうでしたか?」
「そうね……。思っていたのとは全然ちがった。あんな、あんな風になってしまうなんて」
ますます紅く染まる愛らしい姫の頬に、フランシスはキスを落とした。
「お父さまやお母さまも、お姉さま方も、みんな閨ではあんなことをしているのね。わたくし、全然、知らなかった。知らなかったの!」
ユーリアが瞳を潤ませ、頬に手を当てて恥ずかしそうにうつむいてから、フランシスを見上げる。彼は姫の煌めく緑柱石の瞳に吸い込まれてしまうかと思った。
「フランシスは、知っていたのね」
「知識はそれなりに。色々と本を読んだり……」
ごにょごにょと口ごもるフランシス。
「経験したのは姫さまと同じように、初めてですよ。閨の学びはまだまだ、これから覚えることがたくさんあります。少しずつ学んでいきましょう」
「……分かったわ。よろしくお願いね」
ユーリアは、ほっとして微笑んだ。
(あれでもう閨の練習は終わりだとフランシスに告げられたら、知らない街に一人で置き去りにされるみたいに、途方に暮れてしまうもの)
姫の純真さに感動しつつ、フランシスは満面の笑みを浮かべた。
「こちらこそ。よろしくお願いします、姫さま」
1
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる
マチバリ
恋愛
貴族令嬢エステルは姉の婚約者を誘惑したという冤罪で修道院に行くことになっていたが、突然ある男の花嫁になり子供を産めと命令されてしまう。夫となる男は稀有な魔力と尊い血統を持ちながらも辺境の屋敷で孤独に暮らす魔法使いアンデリック。
数奇な運命で結婚する事になった二人が呪いをとくように幸せになる物語。
書籍化作業にあたり本編を非公開にしました。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる