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第二部 妖精姫の政略結婚
姉姫の閨教育と初夜
しおりを挟むアンナリーナ姫は、妹姫に大切なことを伝えるために、言葉を選びながら話し始める。
姉姫の閨教育の指導権を持っているシーグルドは、アンナリーナの状態をよく見ながら兄弟たちに的確な指示し、彼女を更なる高みへと導いて行った。
それによって、アンナリーナは心と身体を開かれ、すべてを解放し、閨教育は最終段階を迎えたのだった。
「想像してみて。信頼する従者に背後から抱きしめられ愛撫されながら、他の犬妖精のモノを次々と受け入れる様を……。兄弟とはいえ、それぞれ形も大きさも違っていたの。
ユーリアも知っての通り犬妖精族の王子たちは皆、逞しくて持ちモノはたいそう立派。注がれる子種は熱く射精は長い――。
そうしてわたくしは、複数の男たちを受け入れることを学んだのだわ」
壮絶な閨の学びを、姉姫は淡々と静かに語った。
「お姉さま……。嫌じゃなかったのですか?」
呆然としながら、ユーリアは質問した。
「シーグルドが必要だと言うのなら、その通りだろうと思ったの。彼はわたくしよりも、色んなことを理解しているから」
姉姫とシーグルドは視線を交し、微笑んだ。
「そして、ついにわたくしの第一夫、ヴェランデル侯爵との初夜が来て――」
ヴェランデル侯爵は、姫たちの父王よりも年上の男だった。髪はシルバーグレイで恰幅が良く、姉妹の父王より老けて見えた。
侯爵は従妹姫の夫でもあり、子も成していたが不慮の事故によって嫡男を亡くしてしまった。
従妹姫は息子を失ったショックで心身を病み、療養地で静養している。
侯爵は従妹姫にもう子を望めない事、そして領地を継ぐ嫡男が必要だからと王家に新たな通婚を申し込む。
それを受けて賢者会が開かれ、姉姫が推薦されると、父王は婚姻を承認した。
「侯爵がのしかかり膣内に子種を注ぐ間、わたくしはずっと見届け役のシーグルトの手を握っていました」
アンナリーナと第一夫の初夜にも、犬妖精の従者が側に居て心と身体を支え続けていたのだった。
夫がことを終え、さっさと夫婦の寝室を出ていくと、シーグルトが姉姫に寄り添った。
「お疲れさまでした、姫。もう少しだけ、ご辛抱なさってください」
シーグルトは姉姫のお尻の下にクッションをあてがい、下腹を高くして子種が零れないようにした。
「孕みやすくするために、もうしばらくこの体勢で」
そうして姉姫に上掛けを掛けてから隣に横たわるとアンナリーナに腕枕をして、もう片方で乱れた頭髪を撫でた。
「アンナリーナさま、本当によく頑張りました。とてもご立派でした」
姉姫の眼尻からつぅと涙が伝い落ちると、シーグルトは唇で舐め取っていく。
アンナリーナは夫に射精される瞬間、シーグルトと視線を絡め絶頂したのだった。
姉姫とその従者は指と指を絡めあい、ぐっと力を入れて握った。
「シーグルドが居てくれたから……」
「私は何時でも、姫の側に居ます」
ここまで話し終えると、姉姫はクッションにもたれてため息をつき、そこに立っているシーグルドに手を伸ばした。シーグルドは屈んでその手を取ると、うやうやしく手の甲に口付けた。
二人の間に流れる親密な空気と、姉姫のシーグルトへの絶対的な信頼がユーリアの心を打った。
「ユーリア、これで分かっていただけたかしら。わたくしたちが王族の務めを果たすために、犬妖精たちが全身全霊をかけて支え、仕えてくれることを」
「――犬妖精族は、姫さま方に仕えるために光と豊穣の神より生かされているのです」
シーグルドは胸に手を当てて、二人の姫に優雅な所作で礼をした。
「お姉さま、では……。ご結婚された後も彼と――?」
「もちろん、閨を共にしているわ」
それを聞いて、はっとするユーリア。
「――シーグルトさま、宮廷医が往診に見えましたが……」
姉姫の侍女が宮廷医の来訪を告げに来ると、ユーリアは慌てて立ち上がり暇を告げた。
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