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五章 ラグルの呼び声
402.魚の小さなとげ
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夜市の喧騒を背に、私たちは足早に石畳を進んだ。
ノエルは、喉を押さえたまま小さくうめき声を上げている。
その顔は、さっきまで焼き魚を嬉しそうに食べていたのが嘘みたいに青ざめていた。
「ほら、もう少しで宿だから、頑張って」
母が肩を支えながら声をかけるが、ノエルは目だけで「はい」と答える。
宿に着くと、すぐに部屋を取ってノエルを椅子に座らせた。
私は水を用意しながら、頭の中で前世の記憶を掘り返す。
「魚の骨 喉 刺さった 対処法」・・・検索エンジンでも呼び出せればいいのに。
「そういえば・・・骨が喉に刺さった時は、パンとかご飯を丸呑みすると取れる、って聞いたことがあります」
サラがそう言ったが、私はそれを否定した。
「ダメ!それをすると、かえって押し込んでしまうんだって」
「え、そうなんですか?」
それもまた、前世で聞いた話だった。
「なら、どうすれば・・・」
「うーん・・・」
少し考えた挙句、私は一つ思いついた。
「ノエル、口を開けて」
「・・・どうする気?」
「とりあえず見てみる」
私は、手に照明用の小さな火球を作り出して浮かべた。これは1センチほどの大きさだが、下手な魔法灯より明るい。
「大丈夫、熱さは感じない。もし見えたら、抜けないか試してみるから」
そう言うと、ノエルは納得して口を開けてくれた。
痛みに悶える彼女の口の中に火球を入れ、その奥を覗き込んだ。
・・・なんだか、耳鼻科の先生になった気分だ。
正直見つかるか不安だったが、すぐに骨を見つけられた。
舌の付け根の奥あたりに、やや大きめの骨が刺さっているのがはっきり見えた。
「あった!」
思わず声を出すと、サラと母が心配してきた。
「取れそうですか?」
「無理はしないでよ。医者を呼んで、取ってもらうことだってできるのだから」
それは確かにそうだ。
でも、今日はもう遅いし、すぐに医者が来てくれるかはわからない。
そうなったら、ノエルは今夜ずっと苦しむことになる。
だから私は、できることをしてあげたいと思った。
「浅いところに刺さってるから、たぶんアームを使えば取れる」
そう言いながら、私は荷物を漁ってアームを取り出した。
ちなみに、アームとは魔法薬の調合に使う器具の一つで、大きなハサミのような形をしている。
形的にも機能的にも、前世の医者が使っていた鉗子のようなものだ。
これを使うのには、割と慣れている・・・こういうことに使うのは初めてだが。
口に入れてみると、アームはあっさり骨のところまで届き、挟むことも容易にできた。
軽く引いてみると、抜けそうな感じがした。
「抜けそうだね。・・・引っ張ってみるよ」
私はしっかりアームを握りしめ、慎重に骨を引っ張った。
すると、骨はすっと抜けた。
「取れた・・・取れたよ、ノエル!」
抜いた骨をアームで掴んだまま、私は声を上げた。
ノエルは、喉を押さえたまま小さくうめき声を上げている。
その顔は、さっきまで焼き魚を嬉しそうに食べていたのが嘘みたいに青ざめていた。
「ほら、もう少しで宿だから、頑張って」
母が肩を支えながら声をかけるが、ノエルは目だけで「はい」と答える。
宿に着くと、すぐに部屋を取ってノエルを椅子に座らせた。
私は水を用意しながら、頭の中で前世の記憶を掘り返す。
「魚の骨 喉 刺さった 対処法」・・・検索エンジンでも呼び出せればいいのに。
「そういえば・・・骨が喉に刺さった時は、パンとかご飯を丸呑みすると取れる、って聞いたことがあります」
サラがそう言ったが、私はそれを否定した。
「ダメ!それをすると、かえって押し込んでしまうんだって」
「え、そうなんですか?」
それもまた、前世で聞いた話だった。
「なら、どうすれば・・・」
「うーん・・・」
少し考えた挙句、私は一つ思いついた。
「ノエル、口を開けて」
「・・・どうする気?」
「とりあえず見てみる」
私は、手に照明用の小さな火球を作り出して浮かべた。これは1センチほどの大きさだが、下手な魔法灯より明るい。
「大丈夫、熱さは感じない。もし見えたら、抜けないか試してみるから」
そう言うと、ノエルは納得して口を開けてくれた。
痛みに悶える彼女の口の中に火球を入れ、その奥を覗き込んだ。
・・・なんだか、耳鼻科の先生になった気分だ。
正直見つかるか不安だったが、すぐに骨を見つけられた。
舌の付け根の奥あたりに、やや大きめの骨が刺さっているのがはっきり見えた。
「あった!」
思わず声を出すと、サラと母が心配してきた。
「取れそうですか?」
「無理はしないでよ。医者を呼んで、取ってもらうことだってできるのだから」
それは確かにそうだ。
でも、今日はもう遅いし、すぐに医者が来てくれるかはわからない。
そうなったら、ノエルは今夜ずっと苦しむことになる。
だから私は、できることをしてあげたいと思った。
「浅いところに刺さってるから、たぶんアームを使えば取れる」
そう言いながら、私は荷物を漁ってアームを取り出した。
ちなみに、アームとは魔法薬の調合に使う器具の一つで、大きなハサミのような形をしている。
形的にも機能的にも、前世の医者が使っていた鉗子のようなものだ。
これを使うのには、割と慣れている・・・こういうことに使うのは初めてだが。
口に入れてみると、アームはあっさり骨のところまで届き、挟むことも容易にできた。
軽く引いてみると、抜けそうな感じがした。
「抜けそうだね。・・・引っ張ってみるよ」
私はしっかりアームを握りしめ、慎重に骨を引っ張った。
すると、骨はすっと抜けた。
「取れた・・・取れたよ、ノエル!」
抜いた骨をアームで掴んだまま、私は声を上げた。
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