灼炎の転生魔女〜いじめられて自殺した私、異世界で炎の魔女の娘に転生しましたが、今度こそ強く生き抜きます!〜

銀鏡。

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四章 ミフィアの青と水音

253.探知と反応・見えない敵の手

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「しかしまあ・・・どうしたものでしょうか」

「場所が場所だし、まともにやれば目立つでしょうね・・・うーん・・・」

 噴水の前に立つ私たちの前で、女王が小さく目を伏せるように言った。

「でも、この噴水は町の水路の要。だからこそ、ここに“魔寄せの石”が仕掛けられていれば、町全体にその影響が広がることになります」

「・・・それはそうね。水が町を巡るなら、魔力も共に巡る・・・」

 私ははっとして、女王の言葉の意味を理解した。

この町の水脈は、生活の隅々にまで張り巡らされている。
ならば──もしもその水に“魔物を呼ぶ力”が乗っていれば、結果的に町全体が魔物を呼び寄せているも同然なのだ。

「うっすらと町全体から感じる魔力・・・やはり、この噴水──いえ、噴水の中にある何かが関係しているのでしょうね」

 シェルが静かに頷いた。

「もっとも、まだ確定ではありませんが・・・もしも噴水の底に石があるなら、まさに町を覆う“中心”そのもの・・・」

「はい・・・やっぱり、ここだと思います」

私が言うと、ミラ女王は噴水の縁にそっと手を触れた。

「でも、探るのは簡単ではないわ。本当に、噴水の内部に石があるとすれば──水路や地下と繋がっている可能性もあるもの」

「噴水の中・・・調べてみます?」

 私がそう言うと、女王とシェルは小さく頷きあった。

「ええ。目立たないように、まずは簡単な探知魔法を試してみましょう」

「なら、私も手伝います」
サラが一歩前に出た。

「私も」
ノエルも続く。

 私たちは周囲の人目を避けつつ、噴水の魔力を探るべく、そっと手を重ねた。

水の音の向こう側で、かすかに蠢く、得体の知れない気配。

──それは確かに、そこに“ある”と、告げていた。



 私たちは噴水の前に立ったまま、目立たぬように軽く手をかざした。
この時、私はあることを思いついた。

「・・・水に、探知の魔力を流し込んでみます」

私が静かにそう言うと、女王も頷いた。

「魔力探知なら、表層をなぞるだけで済みますね。・・・しかし、お気をつけて。下手に干渉しないよう、慎重に」

「ええ」

 私は指先に微細な魔力を込め、噴水の水へとそっと糸を垂らすように魔力を流した。
それは透明な水に溶けるように馴染み、静かに、しかし確かに広がっていく。

(・・・これなら、誰かに気づかれることもないはず)

水は町中に巡っている。その水脈を伝い、魔力はやがて──
何か、硬いものに触れた。

(・・・あった)

 心の中でそう呟いた瞬間、まるで魔力の糸を引っ張られるような、奇妙な感触が指先に伝わってきた。

「・・・っ!」

思わず息を呑む。

違う。これは、探知した私の魔力を──
“向こう側”が、捕まえようとしている──。

「アリアさん!」
シェルがすぐに気づき、慌てて手を伸ばす。

「・・・これは」
女王も眉をひそめ、警戒の気配を強めた。

 私の魔力の糸は、まるで見えない何かに絡め取られ、今にも引きずり込まれそうになっていた。

(・・・まずい)

「──っ!」

私は思いきって魔力の糸を断ち切った。
瞬間、指先にかすかな痛みと、冷えた水がはじけるような衝撃が走った。

「・・・無事ですか?」
女王が小さく声をかけてきた。

「ええ。大丈夫です。でも、あれは──」

「・・・向こうも、探ってきた」
シェルが静かに言った。

 私たちは無言で、目を合わせた。

──この“石”は、ただ置かれているだけじゃない。
それは、意図的に監視されている。
そして、今・・・その存在が、私たちに気づいた。

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