寝たら次の日、犬になっていた件

居場所探し

　翌日、俺は長旅に出ることを決心した。
昨日謎の奴らにあの場所を独占され、新しい所に移住する事にしたからだ。
お母さんに見つからない様に、俺は家から食料を持ち出し、外に出た。

　もう一度元の居場所に行ってみる。
そこでは、やはり昨日の奴らが朝食をとっていた。
その瞬間、モフモフの犬と目が合った。
俺は仲間に報告される前にその場を離れた。
「どうにかアイツらがいない時に食べ物を漁りたいな……」
俺はそう思っていたが、実行するのは少し難しい。
考えていたら、公園の隅に大きな穴があいているのが目に入った。
中を覗き込んで見ると泥がたくさんあって、どうも入れそうにない。
「他のとこも探してみるか」
そうして、俺の居場所探しは始まった。



「何でだよ……」
人通りが絶える中、俺は絶望していた。
あれから一時間後、俺は様々な場所を探索した。
しかしながら誤って泥水に落ちたり、車が水溜りを踏んでいったせいで水がぶっ飛んで来たり、色んな一難に巻き込まれた。
「あーあ、どうしたらいいんだよ……」
俺は街の道沿いらへんまで来た。
道路を渡ろうと道を横断したその直後。
車が俺に近づいてきた。
運転手は携帯をいじっていて、全く俺に気づいていなかった。
「ヤバい、轢かれるーー！！！」
死を覚悟したその時。
誰かが俺を助けてくれた。
「大丈夫ですか――って……」
「ありがとうございますって、えええ……！？」
俺は命の恩人の正体を見て驚愕した。

この前の謎の集団の一人だったのだから。