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「……七不思議?」
りおはげんきに向かって聞き返した。
―げんきはきはちを連れて、七不思議探索のメンバーを集めていたのだ。
りおは慣れた手つきで自由帳いっぱいに「ダミー」を書いている途中だった。(ダミーとは、りおが作ったオリジナルキャラクターだ)
「そうだ。七不思議―。藤花小の七不思議を探す団員を探してる」
げんきは付け足しに説明を加えた。
りおは少し考えた後に、
「……ちょっと楽しそうだけどやらない」
と拒否をした。
げんきは「ダメかぁ」と言葉をこぼしたあと、宿題を提出しているじゅりの方を指差した。
「じゅりならやってもらえそう!」
「まだやるの……!?」
じゅりの方に走っていくげんきの姿を見つめて、きはちは大きなため息をつき、後を追った。
じゅりは宿題の提出を終えて自分の席につくところだった。
げんきはじゅりに問う。
「なあ、一緒に七不思議探索やらないか?」
じゅりは意外そうな顔をしてげんきを見つめた。
「……七不思議…?げんきそんなのに興味持ってたんだ……?」
暫くじゅりはげんきと見つめあったが、やがて答えた。
「……ごめんね。実は私ホラー苦手で……他を当たってくれる…?」
「それなら仕方ないか……」
と独り言を呟くげんき。
げんきは後ろを振り向き、教卓の前に立った。
それから手をバン!とつき、げんきはみんなに叫んだ。
「……みんな、聞いてくれ!!」
急に大声を出され、クラスがげんきに注目する。
(……げんきやりすぎだろ)
きはちは自分の席に座り、心の中で思った。
「……げんき急にどうした?」
不安そうな表情でしゅうが問いかけた。
しゅうは四年生の頃、りおとは正反対的な存在で、ちょっとしたことで病むことが多かった。
みんな黙っている。誰もがげんきの発言を待っていた。
「……みんなで、七不思議探索をやろう」
その一言だけで、クラスをざわつかせた。
クラスを代表するように、しゅうが怒鳴った。
「七不思議?そんなのやると思ってる!?」
「……思ってないけど」
げんきは声を小さくして答える。
「そうだよ!」
「しゅうの言う通りだよ」
「怖いに決まってんじゃん」
しゅうに続き、まず反対の意見だけがあがった。
(……やっぱり無理か)
げんきは諦めようとして口を開いたが、その直後にりおが言葉を吐いた。
「一応聞いておくけど、誰がその……元なの?」
「元?」
げんきは言葉を繰り返して聞いた。
りおは「んー……」と唸り、暫くしてから説明をした。
「その……七不思議を探索しよう!って言い出したのは誰?」
「俺だな。俺がきはちに七不思議探索やらないか?って言ったから」
その時、賛同の声が少しずつ上がり出した。
「七不思議、探索してみたい!」
「確かに!やってみようよ!!」
「夢でもあったし!気になる!」
その声に続くように、賛成の声の雨が降り注いだ。
げんきは少し言葉に躓《つまず》く。
「えーっと……もうこれでいいかな?」
「いいんじゃね?」
多数決の結果、ちょっとの差で賛成の方が多かった。
こうして七不思議を探索することが決まった。
りおはげんきに向かって聞き返した。
―げんきはきはちを連れて、七不思議探索のメンバーを集めていたのだ。
りおは慣れた手つきで自由帳いっぱいに「ダミー」を書いている途中だった。(ダミーとは、りおが作ったオリジナルキャラクターだ)
「そうだ。七不思議―。藤花小の七不思議を探す団員を探してる」
げんきは付け足しに説明を加えた。
りおは少し考えた後に、
「……ちょっと楽しそうだけどやらない」
と拒否をした。
げんきは「ダメかぁ」と言葉をこぼしたあと、宿題を提出しているじゅりの方を指差した。
「じゅりならやってもらえそう!」
「まだやるの……!?」
じゅりの方に走っていくげんきの姿を見つめて、きはちは大きなため息をつき、後を追った。
じゅりは宿題の提出を終えて自分の席につくところだった。
げんきはじゅりに問う。
「なあ、一緒に七不思議探索やらないか?」
じゅりは意外そうな顔をしてげんきを見つめた。
「……七不思議…?げんきそんなのに興味持ってたんだ……?」
暫くじゅりはげんきと見つめあったが、やがて答えた。
「……ごめんね。実は私ホラー苦手で……他を当たってくれる…?」
「それなら仕方ないか……」
と独り言を呟くげんき。
げんきは後ろを振り向き、教卓の前に立った。
それから手をバン!とつき、げんきはみんなに叫んだ。
「……みんな、聞いてくれ!!」
急に大声を出され、クラスがげんきに注目する。
(……げんきやりすぎだろ)
きはちは自分の席に座り、心の中で思った。
「……げんき急にどうした?」
不安そうな表情でしゅうが問いかけた。
しゅうは四年生の頃、りおとは正反対的な存在で、ちょっとしたことで病むことが多かった。
みんな黙っている。誰もがげんきの発言を待っていた。
「……みんなで、七不思議探索をやろう」
その一言だけで、クラスをざわつかせた。
クラスを代表するように、しゅうが怒鳴った。
「七不思議?そんなのやると思ってる!?」
「……思ってないけど」
げんきは声を小さくして答える。
「そうだよ!」
「しゅうの言う通りだよ」
「怖いに決まってんじゃん」
しゅうに続き、まず反対の意見だけがあがった。
(……やっぱり無理か)
げんきは諦めようとして口を開いたが、その直後にりおが言葉を吐いた。
「一応聞いておくけど、誰がその……元なの?」
「元?」
げんきは言葉を繰り返して聞いた。
りおは「んー……」と唸り、暫くしてから説明をした。
「その……七不思議を探索しよう!って言い出したのは誰?」
「俺だな。俺がきはちに七不思議探索やらないか?って言ったから」
その時、賛同の声が少しずつ上がり出した。
「七不思議、探索してみたい!」
「確かに!やってみようよ!!」
「夢でもあったし!気になる!」
その声に続くように、賛成の声の雨が降り注いだ。
げんきは少し言葉に躓《つまず》く。
「えーっと……もうこれでいいかな?」
「いいんじゃね?」
多数決の結果、ちょっとの差で賛成の方が多かった。
こうして七不思議を探索することが決まった。
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